ふすまパンナ

ふすまパンナ

最近の記事

待っている

壊れたり傷付いたりしてるのは生きているから普通のことだ。 そんなの見せびらかしても自慢になんてならない。 恥じ入ってひた隠しにしても虚勢は見透かされて余計に恥ずかしい。 ごくごく普通にしていればいいのだけどそれが難しい。 どれだけひどい体験をしたかとか どれだけ頑張って平気な素振りをしているかとか。 張り合いたくなることもある。 それもまた普通のことなのだろう。 悪天候が去るのを待つみたいな態度で醜さを見守っている。 もしかしてこの人生が終わるまで悪天が続くのだろうかと ふと

    • 春直前の嵐みたいな強風が吹いている12月間近。猫が不安げに窓の外で舞う枯れ葉を見ている、と思っていたら数秒後に腹を出して転がっている。過去に経験してきた気候とのギャップが不安なのはただ自分だけの感じ方で、そんな不安に形も重さもなくて、天気も猫も別にいつも通り自然。

      • 太っているお友達

        幼稚園で同じ組だった子の中にひとり、太っている子がいた。 その子は明らかにその体型が理由で複数名から意地悪をされていた。 私はその子と仲が良かった。 幼稚園の先生はそのことで大層私を褒めた。太っているお友達にも意地悪せずに平等に接して偉い、と。 先生はそれについて私の母にも報告し、母も悦に浸っていた。 そのうちに、太っている太っていると言われていたそのお友達は痩せた。病院に通ったとのことだった。 当時の私は一連の全ての意味が分からなかった。 人の体型について太っているとか標

        • 寒さに慣れた日

          今朝、寒さに慣れた。 目覚ましが鳴る前に目が覚めて、起きた瞬間に狼狽えなかった。 ここ一週間と少しの間、毎朝起きた瞬間に「さむっ」「ひぇっ」と思い、布団の中でもぞもぞとしていた。今朝はしなかった。 ベッドのすぐ横にフリースと防寒巻きスカートと分厚い靴下を置いてある。起き上がってそれらを全部抱えて洗面所まで運んで行き、体重測定を終えてから、着た。 先々週までは起き抜けのまま身一つで洗面所まで来て体重を測っていた。先週もそうしていたら、寒かった。 それでここ数日はこうして色々

        • 春直前の嵐みたいな強風が吹いている12月間近。猫が不安げに窓の外で舞う枯れ葉を見ている、と思っていたら数秒後に腹を出して転がっている。過去に経験してきた気候とのギャップが不安なのはただ自分だけの感じ方で、そんな不安に形も重さもなくて、天気も猫も別にいつも通り自然。

        • 太っているお友達

        • 寒さに慣れた日

          バランスがね

          インターネットで、自分が日頃からモヤモヤと抱えているのと似たものをくっきりはっきり強く言い切る言葉を見ると、フラーと吸い寄せられてしまう。ボロキレを着て汚れている子供が、街角で派手な言説をかますサーカスの団長をジッと見た後、指を咥えてついて行ってしまうみたいな態度で。 だけどしばらくしてから、大勢の見ている前で強く言い切れる人は、どこか偏りがあることに気が付く。あ、そうだった、自分は偏らないように気を付けていたから、あんなには言い切らなかったんだな、と思い出しもする。 は

          バランスがね

          言わなかったこと

          ある日、私より四十個ぐらい年上の男性から恋バナを聞かされていた。職場で席が近かったばかりに。その男性は既婚者でお子さんがいて、趣味が恋愛だと公言していた。その時は彼よりも三十個ぐらい年下の女性に恋しているという話だった。 私は、困るなぁと思いつつ、彼の話を聞いていた。 「前に会った時にその彼女が言ったことがね。あんまり素敵でおしゃれで、グッときちゃったんだよ」 「へぇ」 「本当にね~わしづかまれちゃう。ああいうこと言われると」 「へぇ」 「何を言われたかと言うとね」 「へ

          言わなかったこと

          蜘蛛と仕事帰りの人がぶつかるのを見ていた

          夜道を歩いていたら街灯から蜘蛛がプラリとぶら下がっていた。大人の人差し指と親指でマルを作ったぐらいの大きさの蜘蛛だった。糸を巻いたり伸ばしたりしているらしく、空中で微妙に上昇したり下降したりしていた。黄色と黒の体が白い街灯に煌々と照らされていた。そいつは狭い歩道で私の進路の真正面にいたから、私は、サ、と横にズレつつそいつのいる箇所を通過した。直後、向かいから仕事帰りらしきスーツ姿の男性が歩いて来た。スマホを見ながら歩くその人と私と、狭い道を譲り合ってすれ違った。その人に声をか

          蜘蛛と仕事帰りの人がぶつかるのを見ていた

          寝てるだけの日の数

           なぜだか動けない日がある。  どこか痛いわけでも痺れているわけでもないのに、動けない、ただそう感じる。  じゃあ心の問題なのか?というと、頭の中ではのんきに面白いナと思うことを考えていたりもする。「起きられる?」と聞きに来てくれた家族に、「本当に…申し訳ない…(起きられません)」と伝説のクソ映画『メタルマン』の博士のモノマネで答えてクツクツ笑ったりしている(起きろ)。あれ食べたいこれ食べたいとか、結構ちゃんと貪欲だし。なんだ元気じゃないか私。そう思うから、色々とやるべきこと

          寝てるだけの日の数

          天気缶

          とは昭和四十年十月二十九日(金)の記述で、赤坂のアパート近辺で"おかみさん"(著者の知り合いなのかたまたま見かけたおかみさん然とした女性のことなのかは分からないけど多分後者)が言っていたとのこと。 素晴らしい秋晴の日だったのだって。 いいなぁ。 その缶詰を開けたいと思った。 約六十年前の素晴らしい秋晴れの十月二十九日への憧れ。 昨日と今日の気温のダブルスコアなんて見たくなかったよと言いながらこの度の気候の乱高下に翻弄されているうちの一人だから、この憧れは切実だ。暑くもな

          無意味なガードレール

          近所にあるガードレールが無意味だ。 そのガードレールの内側の歩行スペースが究極に狭い。そこを歩く者は誰しもが小田急線の座席で両隣をラガーマンに挟まれている人か、ビックリした時のアフリカオオコノハズクみたいになる。買い物袋とか大き目のカバンとかを提げてたり、ふんわり広がるスカートとかを着用していたら、もうおしまいだ。持ち物も裾も汚いガードレールにこすれまくって黒ずむ。だから誰もその内側を歩いたりしない。 じゃあということで歩行者はガードレールの外側を歩く。でもそのガードレー

          無意味なガードレール

          今考えれば命の危機だった

          ※犯罪被害に遭ったかもしれなかったという内容です。お読みいただくと嫌なものが想起される場合があるかもしれません。心配な点がありましたらご覧頂かない方がいいかもしれないです。 小学校低学年ぐらいの時。 昼間ひとりで道を歩いていたら、反対側の歩道から裸の夕イ将みたいないでたちのおじさんに「どこの子?」と話しかけられた。真っ白でヨレヨレなランニングシャツ姿。当時テレビであのドラマの再放送をしょっちゅうやっていて、ドラマの人に似ているーと思い私は大将似のおじさんに全然警戒心を持た

          今考えれば命の危機だった

          マウントの螺旋

          身長180センチぐらいの課長と立ち話をしていた時、同じフロアの女性にジッと見られているのに気づいた。彼女は自席に戻った私にシュババと近づいてきて「身長いくつ?」と尋ねてきた。私と彼女は業務上で接点がなかったので、それはほとんど初めての会話だった。 「え、急ですね。〇センチです」(平均より高い) 「フーン道理で…そんなにあったなんて今までちっとも気づかなかったの。今課長と並んでるの見て、あら、随分背が高いんだなぁって、初めて思って。ノッポって感じじゃないのね。バランス…なのか

          マウントの螺旋

          つぶやき

          ・猫が焼きたてのローストビーフを大皿からソーッ…と咥えて持ち上げ、ソーッ…と取り皿に着地させるのを、固唾をのんで見守った後、没収した ・とにかく洗い物を極力出さないことだけを目的に人には絶対見せられない物の食べ方をしている時に自由を感じる ・アロエヨーグルトに入ってるアロエ単品で売ってほしい ・年老いた肉親に対しての「こんなに小さくなっちゃって...」をカントリーマぁムに感じる ・マイナンバーカードを使ってコンビニで印鑑証明書取得していて、これ何やらされてんの…?な気

          なんだ偽物か

          毎年この時期は「年末年始=身内イベント!」「年末年始=大忙し!」という世の風潮、同調圧力めいたあれこれ、そして身内からの圧力にきつさを感じてしまい、絶不調になる。 身内とは関係が悪いし、大勢の人間が一斉に年末とか正月とかクリスマスとか大掃除とかご挨拶とか得体の知れない決まり事に向かってドヨドヨし始めるのに、居心地の悪さを感じる。 人間界の誰が決めたんだか知らんそういう伝統的スケジュールを別としても。気候も。 寒くなるし、日の出も遅けりゃ日の入りは早いし、明るい時間が少なくて体

          なんだ偽物か

          推される仕事じゃない人を推さない方がよくない?

          と、常々思っております。(タイトル)。 先日ドラッグストアのレジでお会計をしていた時のことです。 対応してくださった店員さんは推定二十代前半の女性でした。 彼女のレジ打ちは非常に素早かったです。過剰ではない適度なスマイル。マニュアルで言うべしと定められているのであろう、例のポイントとかクーポンの説明のくだりは最低限にサラッとしていて、それでいて要旨は完全に押さえておられました。とにかく言動のひとつひとつが的確で、感じよく、速い。かと言ってこちらの動作を急かす雰囲気は微塵も

          推される仕事じゃない人を推さない方がよくない?

          み た https://kyrie-movie.com

          み た https://kyrie-movie.com