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理学療法士、だけど今は療育の場で児童発達支援管理責任者として働いてます。一応保育士資格…

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理学療法士、だけど今は療育の場で児童発達支援管理責任者として働いてます。一応保育士資格もあり。 プライベートでは二人の男の子ママ。ワーママ頑張ってます! noteでは、仕事をしていて感じる違和感を綴っていくことで、障害のある子どもたちのことをもっと知ってもらいたいなと思います

最近の記事

「はみ出してみる」こと

気が付けば、前に書いてから4か月も経ってしまった。 また少しずつ、書いていけたらと思う。 先日、あるワークショップに参加した。 今のわたしにとって、すごく心に刺さることがたくさんあった。 その中のひとつの言葉。 「はみ出す」 ワークショップの中の文脈としては、 理学療法士などのセラピストや色々な専門職が、 狭い意味での自分の仕事の枠をちょっとずつ「はみ出す」ことで、 できないと思われたことができたり、 みんなが繋がれたり、 とにかく、何かがいい方に変わるんじゃないかな、

    • 「対個人」以外の仕事への挑戦

      児発管の仕事をしていてほぼほぼ休業状態ではあるけれど、私は一応理学療法士だからなのか、基本的には目の前にいる「一人の」子どもに対してどんな支援ができるのか?ということをその都度考えていくという仕事の仕方が基本だ。 でも、時々というか波の満ち引きのようにというか、頭の片隅にいつもあるのか、「一人」に対してではなく、「システム」とか「仕組み」とかを整えてより多くの子どもの力になりたいという衝動にかられることがある。 重症心身障害のあるその子とその家族が療育にたどり着けるかどう

      • 「児童発達支援計画」についての悩み

        児童発達支援事業や放課後等デイサービスでは、「児童発達支援計画」の作成が義務付けられている。(「個別支援計画」というところもあるかな) 私の仕事である児童発達支援管理責任者の一番大きな仕事がこの「児童発達支援計画」を他のスタッフと協力して作成すること。一人ひとりのお子さんの状況を把握して、何を目標に支援をしていくかを決めていく。 これをきちんとやることは、実はとても大変なことである。 発達段階や発達の特性を評価して、期間中(1年に2回作成するのが標準)に達成可能だと考えら

        • 理学療法士である私が、理学療法士を批判する

          理学療法士だけど…私は理学療法士。小児を専門としている。 最近は、児童発達支援管理責任者として仕事をしているので、狭義の理学療法士の仕事、つまり訓練担当はしていない。 でも、たぶん子どもの見方は理学療法士であって、保育士や看護師とは違うような気がする。 そんな理学療法士の私だけど、理学療法士の私だから?他の理学療法士の視野の狭さが気になっている。 なんのための、リハビリ?10年くらい前までは、子どものリハビリ(ケガとかではなく、障害があるとされる子のリハビリ)は小児専門の病

        「はみ出してみる」こと

          「療育とはなにか」

          少し前、お世話になっている方に勧められていた本をやっと読むことができた。 「療育とはなにか」高松鶴吉 ぶどう社 残念ながら絶版になっていて、中古品を購入。 なんと、初版は1990年。もう30年前の本だ。 読み始めてすぐに驚いた。 これ、本当に30年前の本なの? 使われている用語に、今は使わない言葉が時々あることくらいしか、古さを感じることができなかった。 30年前からこんなことを考えていた人がいたんだという驚き。 逆に、30年も経っているのに、変わっていないことの多さに対

          「療育とはなにか」

          重い障害のある子どもに療育って意味あるの?

          先週末、県の理学療法士学会があり、ポスター発表をした。(その準備や、他の仕事や、家族にも色々あって、noteの投稿が滞ってしまった) 学会を通して感じたこと考えたことを書いてみる。 なんで発表をしようと思ったのかそもそも今回の発表は、病院で働いていた時の先輩に、「療育って意味あるの?」とケンカを売られた(笑)ことがきっかけだ。 もちろん、その先輩は本当に療育に意味がないと思っていたわけではなく、自分たちの世界だけではなく、ちゃんとみんなにわかるようにしろよ、 というメッセー

          重い障害のある子どもに療育って意味あるの?

          卒園、おめでとう

          昨日は、卒園式でした。 3人の可愛い女の子が、笑顔で卒園していきました。 みんな、いわゆる「重症心身障害児」で、今までも、これからもずっと日常生活全般に介護がいる子どもたち。 でも、3人とも、通ってくれた数年間で、たくさんの成長を見せてくれました。 何をしても泣いていた子が、ケラケラと声を上げていっぱい笑うようになったこと。 眠ってしまうことが多かった子が、卒園式を通していい表情で起きていられたこと。 ごはんを食べられなくてお母さんを心配させていた子が、大きな口を開けて食

          卒園、おめでとう

          今と未来、どっちが大事?

          私は就学前の重症心身障害児に関わる仕事をしている。 学校へ行くまでという、期限付き。 長くて3、4年、短ければ1年。 今年ももうすぐ、年長さんを見送る時期だ。 今回は、医療的ケアのある子の話。 医療的ケアとは、「日常生活に必要とされる医療的な生活援助行為」とされている。通常は医師や看護師などの医療者にしか許されない行為である医療行為のうち、在宅で暮らすために必要な痰の吸引や経管栄養の注入などを医師の指導のもと家族が行っているものを医療的ケアという。 程度の差はあるが、医

          今と未来、どっちが大事?

          不惑の年に、考える

          四十にして惑わず 孔子の有名な言葉。 その年に、今年なる。 ・・・なのに。 迷ってばっかり。悩んでばっかり。 ただただ一生懸命だった、20代。 いろいろ衝突しながらも、少し周りが見えてきて、自分だけじゃなく、誰かと一緒に動くことの楽しさと難しさを知った30代。 考えてみると、今まで、あんまり「迷う」ことなかった。 もちろん失敗することはあったけど、迷いとは違ったような。 それなのに、今になって迷う。悩む。 目の前にいる患者さんや子どもやお母さんのためにできることを、と

          不惑の年に、考える

          本音と建て前?ダブルスタンダード?

          noteでは、本音を書いている。 例えば、 これは、極端かもしれないと後で少し後悔した。 でも、一応社会人を長くやっているので、実際の仕事ではここまで言うはずもない。 この前も、他の施設の方と会議でお会いしたとき、「こういう子はこういうところに行った方がいいよね」的な話をした。選択権は保護者にある、と偉そうに書いたのに。 それでもよく考えると、そのときの会話も本音だ。建て前で合わせたわけじゃない。となると、なんだろう。 本音ってなんだ? 本音を言いすぎて失敗した経験もあ

          本音と建て前?ダブルスタンダード?

          スペシャリストとジェネラリスト

          私が仕事をしている障害児支援の業界では、いろんな専門職がいる。何も資格を持っていない人の方が珍しい。 医療系で言えば、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、臨床工学技士、臨床心理士など。 福祉系でいえば、社会福祉士、保健師、介護福祉士、ヘルパー、相談支援専門員、ソーシャルワーカーなど。 療育・教育系でいえば、保育士、教諭、児童指導員、児童発達支援管理責任者など。 他にも、児童相談所や役所関係の方々や福祉用品を販売する企業の

          スペシャリストとジェネラリスト

          知ってる人は知っていて、知らない人は知らないということ

          年末に高校時代の部活の集まりがあった。 中には卒業以来、20年ぶりに会う友達も。 それぞれの近況報告を聞いていたら、20人足らずの中に、障害のある子どもの支援を仕事にしている人が私の他に2人いた。割合にすると1割以上。かなりの割合で驚いたし、仲間を見つけた感じがして嬉しかった。 一方で、それ以外の友達や後輩たちと、今何してるの、と仕事の話をして、私の仕事の中身を話しても、全くピンと来ないようだった。当たり前だけど、知ってる人はよく知ってるし

          知ってる人は知っていて、知らない人は知らないということ

          障害児の世界でおかしいと思うこと

          突然ですが、「親子通園」って知ってますか? 少し前までは、「母子通園」と言いました。 健常児(この言い方あんまり好きじゃないけど、他の伝わる言い方が思いつかない)が保育園や幼稚園に通うように、障害のある子どもも就学前に通う場所があります。児童発達支援センター、児童発達支援事業所というところです。(もちろん、一般の保育園や幼稚園に通う子もいます。) 数年前までは、「知的障害児通園施設」とか、「肢体不自由児通園施設」とか呼ばれていました。 「親子通園(母子通園)」とは、その

          障害児の世界でおかしいと思うこと

          「障害があっても幸せ」はキレイゴト?

          あけましておめでとうございます。 今日は、私が仕事を通して出会った一人の女の子のおはなし。 その女の子は人ではお座りできないし、言葉はないし、身の回りのことはすべてに介助が必要。 つまり、重い障害をもっています。 でも、その子はいつも本当に幸せそう。 その女の子のことを小さなころから知ってるから、という要素を取り除いたとしても、誰がみても、幸せそうなんです。 もちろん泣けちゃうことも怒れちゃうこともあるけど、 朝おはようと迎え入れたとき、 お昼ごはんを食べたあとのん

          「障害があっても幸せ」はキレイゴト?

          こどものリハビリを仕事にしている私のジレンマ

          理学療法士として仕事を始めて17年。 私は来年、40歳になる。 この業界では、もはや中堅でもない。 でも、このままでいいのか、時々もやもやする。 その気持ちを、書くことで整理してみよう。 私の進むべき道を、真剣に考えてみようと思う。 私が理学療法士になったのは、特別な理由があるわけじゃなかった。 なんとなく、人のためになる医療職になりたかった。 病気やケガをした人の社会復帰のお手伝いができる仕事なんて、 やりがいがあって素敵じゃないか、高校生の私はそう信じて疑わなかった。

          こどものリハビリを仕事にしている私のジレンマ