記事一覧
迷わず、迷う という生き方。
中学3年生のとき、原稿用紙1枚分のエッセイを書くという授業があった。「誰が読むわけでもないのだから好き勝手書こう」と、あることないこと書き連ねたら、原稿用紙をはみ出すくらい大きな花丸をもらった。ちょうど進路に悩んでいた時期だったので、「俺には文系の才能があるのかもしれない」という自信が生まれ、公立高校の文系クラスを目指すことにした。
ちょっと成績が足りなかったので、けっこう一生懸命勉強して、なん
ヤマアラシのジレンマの代替
ヤマアラシのジレンマはご存知でしょうか。ご存知であってほしい。なぜならヤマアラシのジレンマを説明するという行為は、シュレディンガーの猫や夏目漱石の「月がきれいですね」を説明するのと同様の痛さがあるからです。
それでも念のために赤面しながら説明すると、「ヤマアラシのジレンマ」は心理現象のことです。「相手と親しくなりたい、距離を縮めたい」という想いと、「近づいて傷つきたくない、傷つけたくない」という
ニンジンスティックをあたえたい
5年ほど前、大阪で働いていたころは好きな道を選んで通勤していた。中之島の、中央公会堂前を通るルート。中央公会堂のビジュが良いというミーハーな理由が主だが、クリスマスシーズンは街路樹がイルミネーションされるのもかわいくて好きだった。しかし残業後の深夜帯は消灯されており、せっかくイルミネーションされているのに真っ暗な道を通るというのが、これまた得も言われぬ気分になり、たいへん心地よかった。当時はカップ
もっとみるマンデラ効果などについて
そこのキミ、マンデラ効果をご存知だろうか。ざっくり説明すると、「本当はなかったことなのに、なぜか不特定多数の人間が事実として記憶を共有している現象」のことである。詳しくは説明しないので、詳しく知りたい人はWikiを読めばよいと思う。ただし、もしあなたが親切な人の場合のみ、この記事をX(旧:Twitter)などでシェアしてからWikiに遷移するのも良いだろう。
具体例をピックアップしてみよう。たと
【急げ!】まだ間に合う、プライムデーにやるべきこと
年に一度のAmazonプライムデーがやってきました!誰だっておトクに買い物したいのは当たり前。何がお買い得か、今回の目玉商品は一体何か、ポイントを増やす方法は。少しでもおトクに買うために、いろんなメソッドが各メディアで紹介されていますね!
そしてお得情報と同時に、直前に定価を上げた「悪質な見せかけ値下げ商品」の情報も…。さらには「それを省くためにはURL末尾にこんな文字列を入れて検索すればよい」
アートとコピーおもろすぎワロタ | アートとコピー Vol.04
AYONDの佐々木俊さんの話、聞いてきたぞ!ということで、佐々木俊さんに課題をいただき、それに1ヵ月取り組んだうえで佐々木さんの講義と講評を聞いてきたで。めっちゃくちゃめっちゃくっちゃ面白くて、足をパタパタさせながら話を聞いた(行儀悪いし、もう30歳だからやめた方がいい)。今日はその講義を聞いていた2時間のテンションをそのまま、エンジン全開のアクセルベタ踏みでお伝えします。頭文字はOです。
本当
企画書風 | アートとコピー Vol.03
効率的に、汎用的に、スピーディに。実務をこなすうえで、売上は重要な評価軸で、そのためには量をこなさないといけない。最近は「誰にでも通用する企画書をつくれ」=「クライアント名だけ差し替えて通用する企画書つくれ」みたいなことを言われたりもする。悲しい話。通用してたまるか。
と、平日の悶々を片隅に、表参道に向かう土曜日夕方。向かう先は宣伝会議のセミナールーム。アートとコピーは、これでもう3回目。半蔵門
気の持ちよう | アートとコピー Vol.02
さすがに業界内なら誰しもが知る副田高行さんの講座。てっきり今日は、広告のつくり方を学ぶのだと思っていた。あの広告はどう生まれたのか。今回の課題は、どこに目をつければよかったのか。どうすればもっとよくできたのか。そんな講評が聞けると思っていた。でも学んだのは、面白い広告のつくりかたではなく、面白い自分のつくり方だったと思う。
コピーライターになってから、いろんなところで「キャッチコピーの全盛期は終
初期化 | アートとコピー Vol.01
思い返すと、会場まで向かう自分がかわいくて仕方がない。卸したてのスニーカーを履いて新大阪駅へと向かい、新幹線では文庫本を開いては閉じ、開いては閉じた。わかりやすく、ワクワクしていた。手垢まみれの表現だが、何かが始まる予感がしていた。
しかし現実は厳しい。「何か」はもうとっくに始まっていたし、僕は既に乗り遅れていた。それに気づかず優雅に駅弁をほおばる自分は、やはり振り返るとかわいくて仕方がない。
生活のそこ此処 06
今月、30歳になりました。何も変わってなくても変わらなくちゃという焦燥感と、驚くほどの日差しで肌が真っ黒こげになりました。夏期休暇中は、東京の年下の社員が関西に遊びに来てくれ、年上なりの立ち居振る舞いを考えたり、初めて他人に「若さ」を感じたりしました。良い夏を過ごせそうです。
未来を占うことなど不可能 説
チームミーティングが長引き、定時を1時間ほど過ぎたころ。ようやく議題の着地点が見えたところで、自然と雑談に移行した。こういうダラッとした時間は放課後みたいで好きだ。ピンポン玉が跳ねるように次々と話題が切り替わっていくなかで、占いの話になった。
占いを信じるか。この質問に関しては、持論がある。面倒くさがられるだろうからあまり人に話したことはない。しかし、こんな末端ライターの書く記事を好んで読む奇特
小説家にはなれなかったよ
夢見がちな少年だったころは、小説家になりたかった。物語を描いて、文章を綴って生きていきたかった。あわよくば売れて名誉を手に入れたかった。ここが僕の浅はかなところで、好きな作家たちとの大きな違い。名誉を得る手段としての「夢は小説家です」。格好悪すぎる。でも太宰治にはちょっとそういうフシがある。だからかわいい。
あいにく、僕はセンスと努力と覚悟が足りないまま大人になったので、小説家にはなれなかった。
犯行は昨夜未明、容疑者は東京
生まれてこのかた、西日本でしか暮らしたことがないせいか、東京に対してのイメージが偏ってしまっている。「東京」と聞いて頭に思い浮かぶのは、ネクタイを締めたビジネスマンがスクランブル交差点で行き交う映像である。もちろん彼らは全員7:3で前髪を分けているし、銀縁のメガネをかけている。
カツカツ、コツコツと、革靴でアスファルトを鳴らす音だけが、規則正しく、そして空しく響く。この街には一切の余分がなく、優