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日々是奇譚

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毎日は、決して「ただの普通」じゃない。何かしかの新しい発見があるはず……という、日常エッセイ感覚を目指しています。
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#エッセイ

調剤薬局の会話って必要ですか?

調剤薬局の会話って必要ですか?

 僕は接客業です。今までの仕事の大半も、接客業です。
 だから、接客の大切さというのは身に染みてわかっている。逆に、接客が売上またはお客さんとの関係に害を及ぼす経験も、何度もしている。
 そのうえで言いましょう。
「調剤薬局の会話が鬱陶しくて仕方ない」と。

 まずは、本題の前にひとつ話をしましょう。
 接客において個人的に不要だと感じているものに、たとえばアパレル店の「急に寄ってくる店員の接客」

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男ってヤツは。

男ってヤツは。

 まったく、男ってヤツは。
 自分が男なのに、しょっちゅう思う。それはきっと自分が女性性に憧れ続けてきた人生で、女性ホルモンが多いからだと思う。料理するのも好きで、主夫になりたいとか思っていたし。
 いやそれは半分ぐらい冗談としても、男ってヤツは、本当にいろいろとダメすぎる。

 とかく、男ってヤツはガサツだ。
 使ったものをちゃんと戻さない人が多いし、そもそも片付けない。「別にいいでしょ」と自分

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つながっているだけのフレンドを切っただけでフェイスブックのストレスが軽減された話

つながっているだけのフレンドを切っただけでフェイスブックのストレスが軽減された話

 どうして、それまでグズグズと続けていたのだろう。
 こう言っては難だけど、さながら格安スマホのキャリアがあるのに、確たる理由もなくドコモの契約を続けていたのを切って乗り換えたような気分だった。
 何の話かというと、8年ほどつながっていたフェイスブックのフレンドを削除した話。正確には「8年ほどつながっているだけだった」フレンドの話なのです。

 そもそも、フェイスブックとは1回勝負のツイッターやイ

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「人に伝える文章」と「書き残す文章」の違い

「人に伝える文章」と「書き残す文章」の違い

 僕は腐っても、文章をよく書く人間です。
 いや腐ってないぞ誰がゾンビだ!(←言ってないよ)

……という書き出しから、この文章は「人に読んでもらうために書いている」のか、それとも「自分の記憶や記録を書き残しているのか」がわかると思います。
 だってほら、自分のための文章だったら「腐ってないぞ!」とかセルフのツッコミとか、書かないでしょ。人に読んでもらえるように、軽妙にしているわけで。
 というよ

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サイクルノクロス(引っ越し前日に思う)

 通勤経路というものは、だいたい決まってきてしまうもので。時間もおおよそ同じぐらいになる。
 そうなると、そのサイクルで行動している人とはほぼ必ず会うことになる。相手のことは知らないけど、お互い相手を認識している「顔見知り」状態。
 明日の引っ越しを控えているので、僕は今日が最後になる現在の通勤経路を歩いていって、そこでたまたまサイクルがクロスしていた人々を懐かしんでいた。
 新居からはサイクルが

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消せないアドレス(記録より記憶)

 そういえば僕には、ちょっとした習慣がある。
 突発的にやっていることで、むしろ「つい、やってしまうこと」と言える。
 それは「携帯電話のメール画面で送信先一覧を出し、そのアドレスをひとつひとつ眺める」ことだ。

 たとえば一服するために外に出た折など、メールを送るつもりがあるわけでもなく、この操作をする。「あ」から「他」までのアドレスを、ず―――っと下にスクロールしていく。
 そうして出てくる名

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恋愛観は幼少期に作られる

 ふとした瞬間に、今でも「初恋について」考えることがある。
 初々しいカップルを見たとき、恋に関するエッセイや小説を読んだり、芸能ニュースで恋の話が挙がったとき……不意に小動物か何かのように「それ」は背中を走り、ひゅるりと僕のなかに入り込んで、なつかしくもほろ苦い感情で全身を満たしてしまう。ほんとうに瞬時に、一瞬にして。
 けんめいにおぼえた、かけることもなかった片想い相手の電話番号を思い出す。

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「何もない日」なんかあり得ない(即ち、日々是奇譚)

 さて、だいたい要領を得てきた3本めにして、遅まきながらこのマガジン(と言うのですよね。つまりはフォルダみたいな分類ですやね)の主旨を記しておこうと思い、さらさらと記してみることにします。
 遅ぇなあ、と言わずにお願いしますよ~。ほらほら、音楽CDのさ、イントロ曲が意図的にズレた位置に入っていたりするじゃない? そういう挑戦的なスタイルとでも思っていただければ。ひゃっほー! BUCK-TICKの『

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「形式的に」生命を食べるということ

 ある番組で、マツコ・デラックスが言っていた。
「あたし、シラスとか食べらんない。あんなに小さい命が、あたしのひと口でわ―――っていっぺんに、うわぁ、もう、やっぱ無理!」
 この感覚、僕にも未だある。あきらかな「形を持ったままの命」を口にするとき、躊躇してしまう「感情に似た感覚」だ。

 僕の場合、好物のイクラもそれに値する。
「うわぁ、これらがもし、摘まれて処理されなければ、今ごろ無数の鮭になっ

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年始ぐらい、腐らぬように。

 新年の夜明けとともに、この「note」なるアプリというかコンテンツというか、なる存在を知り、さっそく登録してみることにした。
 けれども自分のなかでは「フェイスブックのノート機能に特化して、裾野を別分野に広げたようなものかしらん」程度の認識でしかない。
 そのため大したことを書くのかどうか、そもそも自分が大したことを書ける人間であるのかどうか、もわからぬままだけれど、新年にして大風邪を引いて寝正

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