図書之村エト可

読書と動物、宇宙が好きな語学オタク。INTJの人。

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最近の記事

クリスマスの思い出

 昔からクリスマスは一人で本を読んでいた。大学院の頃、クリスマスに友人と食事に行き終電まで学問の話をしていたが、あれは例外的なイベントだったのだろうか。  いや、あの日彼女は待ち合わせに遅刻してきたので結構な時間を一人で待った。その日もやはり本を読みながら。手にしていたのはコリン・ウィルソンの「賢者の石」だった。何だか、思い返してみても例外的なイベントとまでは言えなかった気がするな。本を読み、そして彼女がいた。終電まで続いた学問についての議論。それがその年のクリスマス。例外で

    • 「社会」というもの、「世界」の記述

       2023年も11月を迎えました。時が経つのは早いものですが、まだ見ぬ未来に思いを馳せるのも悪くはない  ちなみにハロウィンは腹痛に襲われ、図書館には行けませんでした……まだ本調子ではないもののだいぶ良くなってきたところです。結局積読を読んで過ごしました  最近、経済学への興味が再燃しています。以前からポツポツ関連書籍は読んでいましたが、このところ教科書や演習書を用いて隙間時間にやっております  教科書を用いて行っているのはミクロ経済学が中心です。まずはマクロよりミクロ

      • ハロウィンと読書

         こんばんは、お久しぶりです  何やかんやと慌ただしく過ごしているうちに、日々がどんどん過ぎていきます。せめてノーベル賞の発表あたりまでには更新したいなと思っていたのですが……  ついこの前まで夏だった気がするのですが、どんどん気温が下がっていきますね。寒いのは苦手なのですが、僕は秋が一番好きな季節なので少し心躍る日々です。硝子みたいに透き通った青空が綺麗だ。  秋といえばハロウィンです。ハロウィンは何を読むか決まりましたか?僕は明日中に図書館に行けたら行って、時間が取

        • ひとりぼっちの発明家 #自作詩

          赤い風船に 電波を詰めて 宇宙に放てば 人工衛星と 高速通信 少しはきみを知れるだろうか 地球の上からみた地球 きみは いったい何を思うだろうか 青い楽譜に ピアノを詰めて 深く深い海に沈めた 海星の楽曲 録音だ 少しはきみも笑うだろうか 世にも不思議な音色なら きみの 耳にも届くだろうか 世界でもっとも有名な その発明家は 失敗ばかり 奇想天外 支離滅裂 つまらない技術の連続に ひとは笑いを隠せない それでも彼の 頭脳は今日も ハッピー素敵に大回転 きみに見せたい 奇

        クリスマスの思い出

          人間の境界

           人間と機械の違いは何だろうか。  子供の頃からサイボーグになりたいと思っていた僕にとって、人間と機械の境界は必然的に考えてきたテーマだった。  最近の人工知能のブームもあり、人間の意識・機械の意識などについて思考を巡らせる人も少なくないだろう。人工知能の幻覚問題なんかもあって、若干不気味な印象を持ちながら意識を身近に感じ始めた方もいるかもしれない。もっとも、なんとなく社会でそんなことをテーマに会話すること自体はそう多くないかも知れないが。  だが、もっと根本的に僕らの殆

          #エト可の図書室 〜その1 東欧の小説に耽溺するのがミッションだ。

           投稿したつもりで長いこと下書き保存に入れて温めてしまっていたらしいことに気付きました。  えぇと、無駄にテンション高いタイトルですが、要は「僕が思う東欧のオススメ小説5選」っていう一言に集約されますね。ランキングではありませんが、5冊ほど選書してみました。これは東欧というか中欧では、という地域のものもあるのですが、結構東欧のカテゴリでまとめられていることが多い作品も含まれているので、簡単にエト可のお気に入り本が5冊紹介されているなあと簡単に読み飛ばして頂けると嬉しいです。

          #エト可の図書室 〜その1 東欧の小説に耽溺するのがミッションだ。

          エト可の図書室。

           久々投稿過ぎて適切な挨拶が浮かばないので省略します。  体調の悪化から療養していましたが手術を受けることになり、直前で別の疾患にも罹患していたことが発覚し、手術後も継続して療養していました。そして今に至るという流れです。  療養中にも身体面だけでなく、心理的にも自分の中のどの抽斗に格納するのが適切なのか悩む事態にも遭遇し、心身とも改めて鍛錬していかないといけないなと痛感している次第です。知能面でも未熟者なのは言わずもがな。  こうした自分の弱点も様々見ておりますと、や

          エト可の図書室。

          アリストテレス全集を読む。

           岩波書店版アリストテレス全集(旧版)を読んでいます。今で13巻目くらい。タイトルの画像は表表紙部分なのですが、この赤、いかにもアリストテレスっていう感じがしませんか?  大学生時代にもアリストテレス全集を読んでいましたが、改めて読むと昔読んだときよりも楽しめています。大学生の頃は同じ岩波書店から出ているプラトン全集の方が好きだったのですが、今はアリストテレス派です。大学図書館の書庫に引き籠もって本を読んでいた頃がとても懐かしい。プラトン、アリストテレス、プロティノスの全集

          アリストテレス全集を読む。

          ビジネス書は多すぎるのか?

           久々投稿です。少し体調を崩していました。  体調がすぐれないときなどは電子書籍の便利さをとりわけ実感するのですが、僕の住んでいる自治体でも電子図書館サービスが導入されたので最近よく利用させて頂いています。  そして、今日も割とタイトル通りのことを考えたので記事を書きました。  このビジネス関連書籍多すぎ問題、よく目にする話題ではあったのですが、確かに他の分野に比べて圧倒的に多いな……という印象は抱きました。電子書籍を利用する層を考えてのことにしても、かなり多いですね。

          ビジネス書は多すぎるのか?

          神学大全を読む。

           タイトル通り、トマス・アクィナスの神学大全を読んでいます。  穏やかそうな風貌で描かれるトマスですが(牡牛のようなと表現されているものも見掛けた事があります)、存外と文体は苛烈です。  ちなみに読みやすいかと言うと決してそんな事はありません。アリストテレスの理論を知っている必要がありますし、アウグスティヌスなど他の教父の知識も必要になります。大体の章では対立する2つの見解を述べた後、自身の主張を展開するので、人によっては構成自体が苦手な人もいると思います。  何より財布に

          神学大全を読む。

          「格差」と世界

           最近何だか慌ただしく過ごしており、noteになかなか来れていません。投稿もランダムになってしまっている状態なのですが、ご覧頂いている方々もいらっしゃるとのことなので(noteの通知を先程確認しました)、本当に有り難く思っています。  ところで、今日少し衝撃的な本を読みました。  ディートンは著名な経済学者なので、もう読まれている方もたくさんおられるかもしれませんね。  「格差」という概念は以前から存在していたものの、最近かなり注目されるものになったような印象を個人的に

          「格差」と世界

          大図書館の道化師

           なんだなんだと思われそうなタイトルの記事ですが、  ・「古代人と夢」 西郷 信綱(著)平凡社 を読んで感じるところがありましたので、書かせて頂こうと思います。  本著は古代人(古代日本人)が如何に夢というものに関わって来たかを神話や和歌、古典作品などを通して明らかにしていく内容となっています。夢という抽象度の高い事象を扱っての書籍ですので、文体は非常に読みやすいのですが、内容自体が平易解明なものかと言われるとそうは言えない様に思います。    ところで、夢というものに対し

          大図書館の道化師

          自己紹介

           初めまして、図書之村 エト可と申します。これから読書を通じての日々の雑感や、エッセイ、たまに本のレビュー等を投稿したいと考えています。     簡単に自己紹介をすると、僕は本を読む以外に取り立てて人間性に特徴がありません。ですので、「本を読む人です」としか自己表現の仕様が無いのですが、物心ついた頃から本と生きてきたと言えるほど本と暮らす人生を送ってきて、そして現在進行系でそれは続いている状態です。  読むジャンルはほぼほぼオールジャンルですが、一番多いのは西洋哲学です。中