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【自己紹介】13 かぐや姫系上司とくらたの休職

本格的に花粉のシーズンが到来しましたね!
先日、難聴の定期聴力検査に耳鼻科に行ったら、花粉症の患者さんで医院も薬局も大変な混雑でした。くらたもながらく花粉症ですが、今年初めて皮膚にまで症状が出ました。まぶたが真っ赤になって常にアイシャドーしてるみたいです。つらたん。

さて、最近観劇記が続きましたが、猿若祭も無事に千穐楽を迎え、ようやく落ち着きましたので別の話を書きたいと思います。

今日書く話は、この日本のどこかにいる、くらたという人を描いたフィクションです、ということにしておきます。

馬瓜姉妹もPodcastでよく言っていますが、もし後日この記事を消すようなことがあったら、何かしらの事情が発生したのだな、とお察しのうえご寛容ください。


くらたは休職中

時は現代、所は日本のとあるところ、くらたというアラフォーの女性がいました。
くらたは休職して半年以上になります。
4月に異動してきたかぐや姫系上司・かぐや課長に対して適応障害となり、6月末に突然耳が聞こえなくなり、それでも出勤しようとした朝に住み慣れた家の階段から落ちて歩けないほどの捻挫を負い、観念して休職したのでした。今でも正座がしにくいし、聴力は波があります。ともあれ、おかげでこれだけゆっくり休めることになったので、それでよかったとくらたは思っています。

ということで、適応障害診断の原因となっているかぐや課長と離れて仕事ができるようにならないと復帰は難しい状況です。しかし、組織の規定上、休職中に異動させることはできない、また来年度の異動者リストにも載せられないとのこと。
主治医は、その状況が改善されるまでは復帰してよしとは言えない、という方針でいてくれています。主治医は一を聞けば十わかるうえ、最低限しかものを言わないので、こちらがちょっと考えないと意図が呑み込めません。そしてその少ない言葉で必ず本質を突いてくる。たぶん絶対ずば抜けて頭が良くていらっしゃる。
くらたとしても、みすみす同じ上司のもとに復帰などしたらまた元に戻ってしまうことが目に見えているのに、無理を押してまで復帰することには二の足を踏んでいる状況です。職場の皆さんには本当に申し訳ないと思っています。
今はだいぶ回復してきたので、こうしていただいた時間の中で、興味のあること、面白そうだと思ったことをやってみて、自分がどう感じるか、仕事のない個人としての自分の価値観はどこにあるのかを、くらたは探しています。

かぐや課長、居座る

さて先日、とても気にかけてくださっている職場の先輩に誘っていただいて、くらたはそのかたにお会いしてきました。聞けばなんでも、来年度に向けての準備を今からかぐや課長が張り切っているとな。なんと……うちの職場嫌そうだから1年で月に帰るんじゃないかとうっすら期待していたのになー……くらたはがっかりです。
まあ順番ですから、かぐや課長とくらたとでは、先にいたくらたのほうが先に出るのが筋ではあるのですけれど。

かぐや姫系上司=『ハコヅメ』用語

かぐや課長とはずいぶんかわいいあだ名ですけれど、「かぐや姫系上司」とは、マンガ『ハコヅメ 交番女子の逆襲』8巻63話(講談社HPへリンク)で出てくる表現で、人使いが荒く思い付きで難題を振ってくる上司を指します。

『ハコヅメ』面白いですよね!
さすが元警察官の方が描くだけあって、リアルで、仕事の理不尽度も高くて、脱力感もあって、お仕事系マンガでは、群を抜いて好きです。はあ……警察官って大変。頭が下がります。そして恋模様が気になりすぎるので休載つらい。妖怪モジャ毛玉のことも幸せにしてあげてほしい。
でも同じ泰三子(やすみこ)先生の現在の連載『だんドーン』(講談社HPへリンク)もたいへんに面白いです。だんドーン版の篤姫が薩摩言葉で「徳川の尻を拭いてやるから安心してください」という意味の啖呵を切ったりして最高にカッコイイので、ぜひ原書をご覧ください。

うちのかぐや姫は

失礼、くらたのかぐや課長の話でした。かぐや課長の話より泰三子先生作品への愛を語るほうが楽しかったな、そっちにすればよかった。

かぐや姫は、月(殿上を極めたすんごい上のほうの役職)からいったん定年してうちの職場に下っていらっしゃった男性課長です。月上人だったころの意識が抜けず、すでにある日常業務で手いっぱいの中間管理職たちに、常に無理難題を突き付けていらっしゃいます。
さらにお下り給ひつるばかりの詮議にて姫宣はく「定年してのち給料減じたり。我が気色こそ下がりけれ」。思わず似非古文調になってしまいました。異動してきた最初の会議でかぐや課長がおっしゃるには「定年後は給料が減ったのでモチベーション上がらない」……という意味です。
くらたはおもわず「再雇用の職員が欲しいとわたしたちがお願いしたわけではありません」と、もっと丁寧な言葉ですが、言ってしまいました。
……うん、まあ、嫌われますよねー。

事程左様にモチベーションが下がっているから現場の仕事に参画しようとしないかぐや姫。
ヒマだからデスクで考えごとばかりして急に係長集めて会議したり、新しい課題などという独創的創作文書を係長に突きつけたり。
邪推すれば、月から急に地球になど降ろされたものだから「なんか新しいことぶちあげて月上人たちに見えるように目立ってやろう」という、そういう感じでした。

でもさあ、300人が働く現場を守るので手いっぱいなんだこっちは!

現場の職員より現場を知らない管理職ってありえない

くらたは新卒のとき500人規模のWeb制作会社に就職しました。
そこでは上司というものは自分と同じ仕事を突き詰めた挙句に係長や課長になった人たちでした。それはそうです、豊富な経験を生かして企画書作ってコンペでクライアントを勝ち取ってこなければビジネスになりません。
当たり前ですが上司はくらたよりよっぽどその仕事に詳しかった。企画書を作成して、先輩・係長・課長からダメ出しをもらって、しっかり勉強させていただいている、という感じでした。
そこで社会人としての基礎を叩き込まれたくらたにとって、現場の職員より現場を知らない管理職なんてありえないものでした。

ところが、転職後の職場は管理職は数年で異動。現場の職務知識は部下のほうが上で、管理職はたいてい現場のことはほとんどご存じない。だけど部下の言うことも聞かない人がけっこういる(詳細後述)。かぐや課長とか。
何も知らないのに何も聞かない方は一体何に基づいて判断するんだろうと、くらたは不思議に思っています。

権力と能力は全くの別物

くらたにしてみればかくも不思議な一部の管理職の方々ですが、さらに不思議なのは「権力🟰能力だと勘違いしている人がいらっしゃること」です、かぐや課長とか(そうでない方ももちろんいらっしゃる)。そういうことはたぶんどこの組織でもあると思うのですけど。

確かに管理職は判断権を持っていますから、平社員より「権力」を持っています。
でもそれは能力を持っているということとイコールにはならない。広い社会を地にとってみれば「会社というローカル世界における、管理職試験というローカル試験にパスした」という以上の意味はありません。日本で受けた英語のテストの点数がどれだけ良くても、それをアメリカに行って自慢しても意味がないのと同じです。
管理職試験をくらたは受けたことがないですが、「あの人が落ちてこの人が受かったの?!」というささやきを聞いたことが全くないとは言えません。そして管理職との人間関係でメンタル休職になったのはくらたひとりではない。
となればまあ、この管理職試験を、今話題のスタンフォード大の合格通知のように捉えるのは、ちょっと自重したほうがよさそうな気がします。

前職の管理職の在り方を知っているくらたには、何年いても、どうしてもこの違和感が拭えませんでした。

わたしは女なので

先日、くらたは脳科学者の中野信子さんの講演を聞きに行ったのですが、

私はこんなナリなので、また女なので、何かを言ったときに『そんなことありえないでしょ』とかよく言われます。そういうときは、この人は否定せざるを得ない状態なんだろうなと思うことにしています(大意)

とおっしゃていました。「こんなナリなので、また女なので」というところを強調していらっしゃった。
くらたは、お……おこがましいけど超わかるー!!!と思いました。

「そっちへ行くと大怪我すると思うので行かないほうがいいと思います」と進言するのも、現場をよく知る部下の役割だと思ってくらたは実行するのですが、逆上したおっさん上司に必要以上に怒鳴られる十余年を過ごしてきました
専門的な知見から助言いただくためにお招きした専門職の女性が、何か言うたびに管理職から怒鳴られているのを見たこともあります。何のために高い金払って呼んでるのかくらたにはまったくわかりませんでした。

そういうのも前職にはなかったので、くらたはけっこう面くらいました。
女性を怒鳴ることがなかったのはもちろんですが…なんといいますか…そもそも、
平社員でも「そっちへ行くと大けがすると思うので行かないほうがいい」とわかるの方向へ、上司が舵を切ろうとするシチュエーションがねえよ。

こういうエピソードは挙げだすときりがないのですが、くらたがアラサー平社員のころ、係長に
「おれだって頑張ってるのにどうしてくらたさんはそういうこと言うの?もういいよ!くらたさんなんか知らない!」
と言われたこともあります。
50代の係長が!28、29歳の部下に!「もういいよ!くらたさんなんか知らない!」って!言うとな!アンビリーバボー!
アラフィフおっさん上司にかくいじけられたくらたはどうすればよかったのか今でもわかりません。大体、8ページだての印刷物の入稿データを、ページごとのフォルダに分けられないアナタのほうが意味わかりませんけど……。なんで8ページ目の原稿を「3ページ」という名前を付けたフォルダに入れて、1ページ目の原稿を「7ページ」というという名前を付けたフォルダに入れちゃうの?これじゃ編集業者さん編集したくてもできないよ?

うーん、くらたの今の職場、書けば書くほどクソ職場ですね。
香ばしい方々に出会ってたのに、なんでもっと早く条件のいい年齢で転職しなかったのかくらたよ。
事ここに至るまでやってこられたのがくらたの適応能力だったのかもしれないけれど、書けば書くほど、うなってしまいますね。

くらたという人間の抜きがたい灰汁

くらたの組織でももちろん目鼻の利く人はいます。前職よりずっと少ないけどツチノコよりは出現率がちょっと高い。
でもそうした人々は、「あ、この組織、そっち行くと怪我するな」と思っても、上司の指示に表立って逆らう人はあまりいないそうです。結果、彼・彼女の名前で、上司が書いた日本語間違いだらけの何も伝わらない文章が発表されたりして、こっそり臍を噛む。

えーくらたにはそれできない……!!!!
くらたの名前で恥ずかしい仕事をしたと世に現れ出るのは絶対にいやだ……
自分がした失敗ならいいけど、「そっち行くと怪我をする」とわかっていたのに上司の無能で起こった失敗に名前を連ねさせられるなんて耐えがたい!あり得ない!
と、くらたは思います。
こういうところが、くらたという人間のどうしようもないエゴ、抜きがたい灰汁なのだと思います。

若いころはそれでも物好きなおっさ…否お偉い人にご贔屓にしていただくこともありましたが、アラフォーともなってくるとイエスと言わない厄介者でしかない。
いや再三言っているとおり、くらたもやみくもに反対してるわけじゃありません。むしろわたしにイエスと言わせる指示を出してくれとくらたは願う。

かぐや課長は就任2か月にして早くもくらたに、「否定から入るのはやめてよ」という、お仕事漫画で現場素人無能上司がいう台詞トップ10入りしそうな文句をおっしゃいました。正論言われてほかに言うことがなくて言う台詞です。
いや、「もうみんなパンパンだから仕事増やしたかったら先に人と金取ってきてください」というごくまっとうなことを、くらたの持てる語彙をフル活用して丁寧でわかりやすい日本語で進言しただけなんですけども。新しいゴルフクラブ欲しかったら先にお金稼いでねっておかみさんに言われるのと同じことです。

書くことで癒される部分もある

以上、現代日本のどこかにいるくらたという女性のフィクションというていの話でした。
お目汚しすみません。
でもここにこうして書くことで、なにかしらわたしを癒してくれている部分があると感じています。

駄文にお付き合いくださった方、ありがとうございます!
似た状況にいる方、もしいらっしゃいましたら、どうぞご無理なきように。

ではでは、また観劇記など書きます!

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