M

ハンマーカンマー

M

ハンマーカンマー

マガジン

  • ニートマガジン

    • 130本

    みんなで作るニートなマガジン。ニートの日記、エッセイ、活動記録、ノウハウ、メンタル問題、低コストな娯楽、節約方法、貧乏旅、思想や哲学、作品評など。

  • 『罪と罰』読みどころ

    ドストエフスキー『罪と罰』の抜粋とそれに対する説明、感想。

  • オルテガ『大衆の反逆』要約・解説・感想

    オルテガの『大衆の反逆』についてぼくなりにわかりやすく書いてます。

最近の記事

  • 固定された記事

noteを使っている皆さんへの提言

皆さん、日々noteの執筆、お疲れ様です。 ところで、コメント機能って使ってますか? 最近noteを書き始めて思うのは、コメントを書く人が割と少ないなーってことです。もちろん、ないわけじゃないですが。 分量にもよりますが、ひとつの記事を読めば、言いたいことの一つや二つは出てきます。そうじゃないですか? なので、せっかくSNSという簡単に交流できるサービスを使っているのだから、もっといろいろ他人の記事に口を出していくのはどうでしょうか? とはいえそういう僕もそんなに積極的に

    • 雑記(花村萬月『ゲルマニウムの夜』)

       花村萬月『ゲルマニウムの夜』を読んだ。神(宗教)の問題を根底に据えつつ、人殺しで(ごく一般的に考えて)暴力的な主人公の姿を描く。想像以上に面白かった。本人は娯楽小説をメインのフィールドにしているが、この作品が芥川賞であることからも分かるように、単なる娯楽には収まらない深さがある。  人間関係、とくに権力関係を描くのが上手いと思った。著者の経歴が関係しているのかもしれない。主人公が宇川君の口に石を入れさせて、そこに蹴りを入れるシーンは圧巻。  詳述はしないが(汚いので)、

      • 雑記 (Vtuber 卯月コウ)

         最近Youtubeで「卯月コウ」というバーチャルユーチューバーの配信を見ている。  Vtuberという存在をみなさんご存じだろうか。要するに配信者なのだが、たいていイケメンもしくは美少女のイラストを”顔”として使っている人のことを指す。  前まではVtuberなんて、オタクから金を巻き上げるあこぎな商売人というようなイメージしかなかったのだけど、実際見てみるとこれがかなり面白い(とはいえ卯月コウ以外の人はほとんど見ていないが)。  卯月コウの何が面白いかというと、とに

        • 日本語と無責任の構造

           日本語は主語がなくても文章が成立する。とくに日常会話では主語が省かれることは多い。一方、ラテン語系の言語(英語、仏語、独語、、、)は基本的に主語が必須となる。  主語がなくても文が成立するというのは結構便利だし、言語学的にもかなり興味深いテーマだ。しかしここで私が言いたいのは、この「主語がない(なくてもいい)」という日本語の特徴は、日本人の思考にも影響を与えているのではないかということだ。  日本人はよく、「責任の所在をはっきりさせない」「ことなかれ主義」であると言われ

        • 固定された記事

        noteを使っている皆さんへの提言

        マガジン

        • ニートマガジン
          130本
        • 『罪と罰』読みどころ
          12本
        • オルテガ『大衆の反逆』要約・解説・感想
          5本

        記事

          雑記(AIイラストと生の増大)

           生成AIは多くのことを可能にしたが、その中でもとくにわかりやすい影響を与えているのはAIイラストと呼ばれる分野だ。これを使えばこれまでまったく絵を描いたことがない人でも、それっぽい絵を、場合によっては画家でも簡単には描けないような絵を作ることができる。  もちろん、それなりに良いイラストを出力するにはそれなりの試行錯誤が必要だろう。しかしだとしても、普通に絵を練習するよりははるかに簡単に絵を作ることができる。  このことが何を意味するかといえば、オルテガの言葉を使うと「

          雑記(AIイラストと生の増大)

          雑記

           最近調子が良くなくて、記事を書けていなかったんだけど、そろそろ何か書きたいなーと思って今パソコンの前にいる。  とはいえ書くことが思いつかない。何を書いてもくだらないものにしかならないんだろうなーという気持ちが心を支配してくる。  最近読んだ本に滝本竜彦の『ライト・ノベル』『ぼくのエア』がある。滝本竜彦は『超人計画』で知って、そのオタクでサイケなところが面白いなと思った。  『ライト・ノベル』は不思議な構造の小説なんだけど、ざっくり言えば人間の心理を「闇の迷宮」みたい

          オルテガ『大衆の反逆』⑦ 第6章・第7章 (自分の世界に引きこもる大衆)

          シリーズ↓ 第6章「大衆化した人間の解剖開始」  ところで、自分の時代をはっきり見るためには(つまり現代を把握しようとするなら)、どこから見ればよいのだろうか。オルテガはこう答える。  1900年以降、労働者の生活は安定してきた。しかし彼らはそのために闘わなければいけなかった。一方平均人(≒大衆?)は、社会や国家にお膳立てされた豊かさをもっている。  このような状況で、生に対する印象が変わってくる。「生は新しき人間にあらゆる障害から自由な生として示されたのである」。こ

          オルテガ『大衆の反逆』⑦ 第6章・第7章 (自分の世界に引きこもる大衆)

          雑記(内輪ノリ)

           内輪ノリという言葉の印象はあまり良くないけど、本質的なコミュニケーションはどれも「内輪ノリ」だと思う。  面白い会話って、だいたい内輪ノリな気がする。友達と本当にくだらない、その輪の中でしか面白くないような話でゲラゲラ笑えたりする(最近はまったくそういう体験をしてないけど😥)。文脈が(あるいは共通認識が)その世界の中で確固としてあるからこそ、その「面白さ」の中に没入できる。  ツイッターでは「オタクの内輪ノリ」みたいなのがバカにされたりするが、結局ああいうのが一番面白い

          雑記(内輪ノリ)

          雑記(古典不要論など)

           なぜか知らないが、ツイッター(現X)では定期的に「古文・漢文などの古典教養は必要なのか」という論争が巻き起こる。そもそも古典と言ったって様々なわけだが、こういう場合は古文・漢文を指していることが多い。  もし仮に単に「古典は不要だ」と言われれば、僕はまっさきにそれに反対するだろうが、古文・漢文となると自分が全然できないこともあり、「一考の余地あり」という風にも感じてしまう。  とはいえ、もちろん僕は古文・漢文などの古典が必要ないとは思わない。その一番の理由は、広い意味で

          雑記(古典不要論など)

          ドストエフスキー『罪と罰』⑬

          シリーズ↓  ラスコーリニコフが水を飲んで昏倒してから、4日間が経ちました。目を覚ました彼の周りには、ナスターシヤやラズミーヒンがいます。彼が寝てる間にゾシーモフというラズミーヒンの友人の医者に診てもらっていたようです。  ところでこの医者のゾシーモフ、日本語に訳すと”延命君”となるらしいです。笑えますね。  ラズミーヒンはおかみさんに出された食事を食べながらこう言います。  コミュ力に自信ありの男、ラズミーヒン。この明るさが、基本的に暗めな(というのも安易な表現です

          ドストエフスキー『罪と罰』⑬

          大谷翔平、結婚

           日本で最も超人に近い男、大谷翔平が結婚した。相手は日本人の女性らしい(つまり誰だかよくわかっていない)。何かのスポーツ選手である可能性が高いとか。  なぜ大谷が最も超人(der Ubermensch)に近いかと言えば、超人とは”自らを超え出ていく(uber)”存在であり、人間を克服したものだからだ。大谷の言葉をみてみよう。  自らの上に「神(つまりこの場合はアメリカのチーム)」をいただくのではなく、他律的にではなく自律を志すこの一言は、超人の精神の片鱗をみせるものだろう

          大谷翔平、結婚

          オルテガ『大衆の反逆』⑥ 第5章 一つの統計的事実

          シリーズ↓  今回から今まで以上に雑に書いていくことにした。(笑) とくに強調しているところ以外は、「~とオルテガは言っている」という風にとらえてもらいたい。 第5章 一つの統計的事実  これまでの内容を軽くまとめると、私たちの時代の生は、可能性の選択肢としては非常に豊かだが、それゆえに過去の伝統・規範・理想を超え出ている。過去からの連続性が希薄になっているともいえる。  まず根本的に生とはどのように構成されるのだろうか。    環境と決断とは、ハイデガーでいうと

          オルテガ『大衆の反逆』⑥ 第5章 一つの統計的事実

          【朗報】積読が発生する理由、解明されるwww

           なぜ積読が発生するのか、誰もが一回は考えたことがあるのではないでしょうか。なぜ読みたい本、興味がある本を買っているのに(あるいは借りているのに)それを消化しきれず堆積していくのか。  簡単に言えば供給が需要を上回っているということですが、なぜそう言うことが生じるのか。  その理由は、買って自分の本になると、それを読まなくてはいけないというモードに入ってしまうからではないでしょうか。  つまり、買う前は(あるいは借りる前は)純粋にその本の内容に対する興味だけがあり、それ

          【朗報】積読が発生する理由、解明されるwww

          雑記(店員機械)

           ブックオフ新宿店にて A「いらっしゃいませーこんばんわー」 B「いらっしゃいませーこんばんわー」 C「いらっしゃいませーこんばんわー」  店員の一人が声を上げると、やまびこのように店員がみんな同じ言葉を繰り返す。20分ほど滞在したが、だいたい30秒に一回はこのやまびこが店内に反響していた。完全にキチガイ沙汰である。  これが本当にムカムカするのだが、どういう神経でこれをやっているのだろうか。歓迎の言葉ではあるが、客のためになっていないのは間違いない。うるさいだけで立ち

          雑記(店員機械)

          雑記(視線・顔・整形)

           「視線を感じる」と言うが、実際に「視線」をビームのように感じるわけではない。おそらくは、顔がこちらを向いていることに気づいているのだろう。感覚を超えた、第六感的なものがはたらいているとは信じがたい。  これはつまり、顔というものが人間の身体のうちで特異な位置を占めていることを示している。顔はその人を代表・象徴する部分であり、人が他人を見るときにまず注目する場所だ。腕や足がない人はいても、顔がない人間は存在しない。  ところでその顔だが、ここ数十年で整形というものが広まっ

          雑記(視線・顔・整形)

          ドストエフスキー『罪と罰』⑫

          これまでの↓  ラスコーリニコフは老婆を殺害して部屋に戻ってきます。そして死んだように何時間も眠った後、盗んだ物を隠さなければいけないことに気づきました。それで、ひとまず部屋の隅の壁紙が剥がれたところに入れようとします。  「品物をうまく隠せた!」とはしゃいだその一行後で、絶望するというこのスピード感。このハチャメチャな感じがとても面白いです。彼はこんな隠し方で「うまくいった!」と思ったことに衝撃を覚え、自分が理性に見放されていると感じ、絶望します。  この「罰がやって

          ドストエフスキー『罪と罰』⑫