元旦におばあちゃんをスライディングキャッチした話。
今年の元旦のことだ。兄の家に親戚一同で集まり、おせちを食べながら賑やかに過ごした。ひと段落したタイミングで地震の速報が鳴り響き、空気は変わる。ただ静かにそれぞれが携帯を握りしめて、じっとテレビを見つめる元旦となった。
ソワソワとした気持ちのまま、「そろそろ帰ろう」と母の車で祖父母を家まで送り届けた。家は団地の1階で、玄関までに10段ほどの階段を上る。せっかちな祖父は私が車を降りるときには、もうすでに階段を上りきる。祖母は自力で歩けるとはいえ、随分と体を動かすのが不自由になっ