flotsambooks
記事一覧
#14 ある晴れた日の午後、芝生の上で寝ころがって読んでみた。(2) One sunny afternoon, I lay down on the grass and read it.(2)
Julian Klincewicz 『Solo Tumult』
文:井手 沙耶果/Sayaka Ide
(English ver. is below)
一人芝居 / Monodrama
わたしは演劇が好きだ。舞台上と客席それぞれの場所で生身の人間と人間が向き合った時に伝わる、誤魔化しようのない圧倒的な存在感を放つエネルギー。それは、画面上で映画やドラマを観ている時には決して体感することができ
#12 旅のおわり世界の始まりAcross the sea 草野庸子
Across the sea by 草野庸子
秋田紀子/Noriko Akita
草野庸子の写真からどの写真も共通してあたたかい眼差しを感じる。人間に対してもモノに対しても。彩度はどの写真も低めで少し冷たい感じもするのだが、写真から滲み出てくる何かがあるので私も同じような眼差しで写真をみることができる。
光が差したロンドンの風景。見たことがない場所なのに懐かしい気持ちになる。写真に写して
#11 “MEN UNTITLED” Carolyn Drake
MEN UNTITLED by Carolyn Drake
伊藤 明日香
もう一度、最初から始めよう。
いわゆるアート史をさかのぼると、最初から始めることは何度も試みられてきた。
そうでしょう?表現は繰り返され一般化された商品、例えばTシャツやあなたのスマホの壁紙、建設途中の敷地を覆う仮囲いに至るまで消費されるとそれを逆手に取ったり極端に身近なものになったり目に見えるものでは無くなったりバナナ
#10 “CZECH EDEN” MATTHEW MONTEITH
“CZECH EDEN” MATTHEW MONTEITH
伊藤 明日香
もう一度、最初から始めよう。
初めてみた海外の景色はなんだったろう。日本に産まれて育った自分には”海外”という言葉の感覚が染み付いている。最近ではなんだかそれに違和感を感じるようになったが、自分から離れることは未だ叶わない。
そういえば、内と外の概念とは一体いつ生まれたのだろう。知らぬ間に自分に植え着いた、外があるという
#9 『INTO THE PARALLEL』CONTACT HIGH ZINE-4th Issue:「bad experiences」から広がる並行世界
スタイリスト島田辰哉氏、アートディレクターYOSHIROTTEN氏、写真家山谷佑介氏の3名が中心となり、2015年9月にローンチされた日本発のインディペンデントマガジン「CONTACT HIGH ZINE」の4th Issue「INTO THE PARALLEL」。
2018年から2020年にかけての「bad experiences」を埋めるために「INTO THE PARALLEL」は制作され
#8 The First 10 Years of Needles & Pens
The First 10 Years of Needles & Pens
光咲
階層も年齢も国籍も違う人が、好きなことが同じという理由で自然と集まることは素晴らしいことだ。大人になればなるほど、育ってきた環境やルーツが違い、新しく出会う人との交流関係を築きにくくなると個人的には思う。しかしながら、心が惹かれるような好きなものが共通だと気付いたとき、もう既にそこには、昼の星のように不可視な関係が始
#6 Universal, Under Exposure Journal
Yuri Shibuya: Universal, Under Exposure Journal
伊藤 明日香
もう一度、最初から始めよう。
初めて買った写真集のことを思い出してみる。
写真作家の作品集、参考書、展示会のブックレット、図録、ZINE、当時は好きだったアイドルのものから、なんで買ったのかわかんないけどそれがないと誰かと馴染めなかった本まで、なんでも。
私が最初にお金を出して買えたの
#4 シンキング・アバウト・ユー
アンダース・エドストローム写真集: ANDERS EDSTROM: SPIDERNETS PLACES A CREW / WAITING SOME BIRDS A BUS A WOMAN
横田陸
スウェーデン・フロソ出身の写真家、アンダース・エドストロームによる、2004年に出版された写真集。
出版社は、高品質のアートブックを作り上げることで有名な「Steidl Mack」(イギリスの会社「M
NOT TOO LATE #9: なにがみてるゆめ
文:Jumpei Sakairi
小山田孝司 作品集: なにがみてるゆめ
スタイリストの小山田孝司さんは2023年8月、出版社のDogYearsから写真集「なにがみてるゆめ」を発売した。2020年1月〜2023年5月にかけて、22名の写真家が小山田さんの友人・知人である287名を撮影した。ロケーションは被写体の生活する地域など。その日の服装に、小山田さんのアイテムを足した姿を写した。
この
#2 鮮やかな美しさ、危険な魅力の中に潜む怒り
Petra Collins『Discharge』文: 秋田紀子/Noriko Akita
ニューウェーブフェミニズムの発信者の一人としても知られている Petra Collins(ペトラ・コリンズ)はアート、ファッション、フィルム、音楽、文化など幅広い分野を通して独自の世界観を発信するマルチタレントアーティスト。幅広い分野で引っ張りだこな彼女の初の写真集『Discharge』(2014)
この