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何度も読み返したい素敵な文章の数々 vol.2

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#デザイン

仕事が早い人は「他人が決めたゴール地点」ではなく「自分で決めたゴール地点」を目指している

仕事が早い人は「他人が決めたゴール地点」ではなく「自分で決めたゴール地点」を目指している

デザイナーとして働き始めた頃、自分の作業のゴール地点はもっぱら「上司が設定したゴール地点にたどり着くこと」だった。そこを満たすだけで、十分に評価していただくことができた。

3年ほど働いて後輩もできた頃にはリーダー役を任されたり、客先に出向いて自らヒアリングしたりといったこともやったが、その頃は自分で「どうすべきか」は考えつつも、そこに対して「責任は自分にある」という意識は薄かったように思う。

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デザインとアートの違い考

デザインとアートの違い考

散髪屋で美容師に職業をきかれると、いつも戸惑う。何と答えればいいのだろうか。「デザイナー」と言うと、服飾とかポスターとかのデザインをしていると思われそうだ。でも UI デザイナーと言っても、よく分からないだろう。

デザイナーという言葉のもつ、芸術っぽさは何だろうな。私は普通の髪型にしてもらいたいので、芸術っぽいイメージを美容師にもってもらいたくない。

...とか何とか逡巡して、結局適当に OL

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「継続は力なり」という言葉の真意は早いうちに理解しておいた方が良い

「継続は力なり」という言葉の真意は早いうちに理解しておいた方が良い

皆様、本日の日報を提出いたします。
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継続は力なりという言葉がある。何かを継続したことでひとつの成果を出して成功体験をつかんだ人は、この言葉の意味を実感する。

しかし、この言葉を妄信してただただ「継続」することを目的にしてしまう人がいる。「継続し続けているのだから、焦らなくても結果は出る!諦めずに頑張ろう!」と考える人だ。こうした人はかなりの確率で意味を誤解している。

「継続は力なり」

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美の軸を2つもつこと

美の軸を2つもつこと

昔、仕事仲間と花火大会に行った帰り道のこと。他愛のない話をしながら皆で歩いていると、やけに無口な同僚が一人いた。
「眠いの?」なんて誰かがきいたら、彼はこう答えた。

「さっきの花火、パーティクルで再現するとしたら、どうすればいいかと思って」

彼は当時引く手あまたの Flash Developer で、プログラミングが得意だった。
美しい花火を観て、それをどうプログラムするかを思案するなんて、風

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新しい道具と新しい思想

新しい道具と新しい思想

ツールは所詮、道具、重要なのは何が作りたいか、だ。

なんて、よく言われるけれど。私は新しい道具が好きだ。
新しい道具を使うと、新しい考え方が自分にインストールされるから。

新しい道具が出てくると、いつも

「いずれなくなってしまうかもしれないのに、それを苦心してマスターするのは時間の無駄だ」とか

「今までのもので十分対応できるし、使い慣れたものの方がより早く作りたいものが作れる」とか

「道

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10年間海を漂ったボトルメールのようなデザインの話

10年間海を漂ったボトルメールのようなデザインの話

昨年の夏、嬉しい再会を果たした。

話は今から11年前に遡る。

2007年8月。
当時20歳だった僕は、大学3年の夏休みを利用して1ヵ月間インドを旅した。

暗闇と、危うい空気を孕むオレンジ色のライトが溶け合う夜明け前。
到着したインディラ・ガンディー国際空港で一緒に降り立った日本人乗客のうちの1人に彼女はいた。
互いに学生だとひと目見理解した僕たちは他の学生数人と一緒に到着ロビーで夜明けを

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デザインと言語化

デザインと言語化

何かをちゃんとデザインしようとすれば、様々なことを言語化することを想像以上にはるかに多く強く求められる。
いま誰を対象として考えているのか、問題をどのように捉えているのか、何を問題の原因と捉え、どのようにそれを解決しようと考えているのか。それはいったい、どのような価値がある何をデザインしようとしているのか。
これらを言語化するのは誰か説明するためというより、自分の想像力をより明瞭にするためだ。複数

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