塵箱

現実では研究職とかしながら、だいたい休日の1/4はテニスしてます。グミと音楽がちょっと…

塵箱

現実では研究職とかしながら、だいたい休日の1/4はテニスしてます。グミと音楽がちょっと好きです。

記事一覧

固定された記事
+28

2023年 空

塵箱
6か月前
17

吐露

会いたい人も話したい人もいない。やりたいことも行きたい場所も無い。もっと正確に言えば、思いつかない。 果たして自分は、一体何がしたかったのか。

300
塵箱
19時間前
1

日陰歩き

人と会いに行ったのに、人が来なかった。人生、そんなこともある。 少し不貞腐れた自分は、当てどなく街を歩き出した。どこへ向かうのか、果たして今どこにいるのかすら分…

塵箱
3日前
8

iPhoneで写真を撮る時、自分の見たものと色が違ってしまっていることに気づいた。自分の記憶に限りなく近づけたけれど、もっと、柔らかな色だった。

塵箱
3日前
7

春も薄れて

春が春らしさを徐々に失い、心は少しずつ落ち着きを取り戻してきた。けれど気がついてみればそこは、やはりただの空虚だった。 もう春の夜を思い出すこともない心では、週…

塵箱
6日前
5

最近夢を見なくなった、というより、夢の中で希望的なものを思い描けなくなったね。

塵箱
2週間前
5

ふと気がつくと、書いたものをいつも読んでくれていた人がnoteから消えてしまっていて、取り戻しようの無い空白が自分の中に生まれた感じがした。けれど、いや、どうかどこかで元気にやっていらっしゃると良いな。

塵箱
2週間前
3

4月も終わる。春の春らしさは少しずつ和らいで、頭も落ち着いてきた。

塵箱
3週間前
6

路地裏

最近、もう全部諦めても良いだろうか、と思える理由を探して積み重ねているような感じがする。 梅雨を先取りしたような日だった。日が出れば暑く、曇り空で日焼けした肌は…

塵箱
3週間前
7

雑記:外出(都内)

駅前。 まだオープンしてもいないカフェのテーブルに、何故か食器だけが整然と並べられていた。まるで虚構の世界のようで、終わってしまった世界のようだった。 電車に揺…

塵箱
1か月前
10

散文(春)

3月の初めから続いていたアパートの外壁工事は、ようやくひと段落した。防風ネットが取り払われ、久しぶりに外の景色が見えるようになったが、何の変哲もない、いつもの景…

塵箱
1か月前
15

人が自然に巡り合うものなら、私が誰とも巡り合わないのも、また自然なのでしょうね。

塵箱
1か月前
5

狂わずに生きてゆくのが難しい

塵箱
1か月前
5

少し早い、あるいはもう戻らない

春も深まってきたので、言うまでもなく狂っている。今日は夏日を記録した場所もあったらしい。春って、夏ってなんだったっけ。 「もう少し生きても良いか、みたいな猶予を…

塵箱
1か月前
8

東京に住みたい、というか、一度で良いから観光客ではなくそこに住むものとして東京を見つめてみたい、という欲求がある

塵箱
1か月前
5

午睡

春の昼。 架空の横浜駅を、大きな大きな懐かしさに包まれながら観光する夢を見た。 ただ街の構造的には、横浜駅というよりは「横浜駅並に発展した天王町駅」の方が近かった…

塵箱
1か月前
7

吐露

会いたい人も話したい人もいない。やりたいことも行きたい場所も無い。もっと正確に言えば、思いつかない。

果たして自分は、一体何がしたかったのか。

もっとみる

日陰歩き

人と会いに行ったのに、人が来なかった。人生、そんなこともある。

少し不貞腐れた自分は、当てどなく街を歩き出した。どこへ向かうのか、果たして今どこにいるのかすら分からない道。時折、駅の名前を見つけてしまうと、少しがっかりした。

変に魅力のある脇道を見つけた時、方向を見失うとぐるぐると同じところを回ることになるかもと、一瞬、大通りを外れることを躊躇ったが、今日はただ自分の心に自由になりたくて、自由

もっとみる

iPhoneで写真を撮る時、自分の見たものと色が違ってしまっていることに気づいた。自分の記憶に限りなく近づけたけれど、もっと、柔らかな色だった。

春も薄れて

春も薄れて

春が春らしさを徐々に失い、心は少しずつ落ち着きを取り戻してきた。けれど気がついてみればそこは、やはりただの空虚だった。
もう春の夜を思い出すこともない心では、週末の予定も、毎晩の夢も、憂鬱すらも、自分で思い描くことができなくなった。
ただ、外界からの刺激に反応するだけの死体となっている。死体は動かないか。まあいいや。

そろそろマズいかもしれない、とぼんやりと思う。
最近、交友範囲を徐々に狭めてき

もっとみる

最近夢を見なくなった、というより、夢の中で希望的なものを思い描けなくなったね。

ふと気がつくと、書いたものをいつも読んでくれていた人がnoteから消えてしまっていて、取り戻しようの無い空白が自分の中に生まれた感じがした。けれど、いや、どうかどこかで元気にやっていらっしゃると良いな。

4月も終わる。春の春らしさは少しずつ和らいで、頭も落ち着いてきた。

路地裏

最近、もう全部諦めても良いだろうか、と思える理由を探して積み重ねているような感じがする。

梅雨を先取りしたような日だった。日が出れば暑く、曇り空で日焼けした肌は今もまだ熱を帯びている。
午後は門前仲町まで足を延ばした。大通りは混み合って雑多な印象だったけれど、一つ裏道に入れば、小さくて静かな街が広がっていて好感を持たせた。小さな個人店が並ぶ裏道の景色に、いつかの北千住を思い起こして少し心がきゅっ

もっとみる
雑記:外出(都内)

雑記:外出(都内)

駅前。
まだオープンしてもいないカフェのテーブルに、何故か食器だけが整然と並べられていた。まるで虚構の世界のようで、終わってしまった世界のようだった。

電車に揺られながら、学部時代、「木材と人間」という講義があったことを思い出していた。
「例年、秀を取れるのは受講者の10%程度」と説明のあった講義で、秀を取れたことを少しだけ自慢げに思っている。同時に、どうして高い評価を取れたのか、少し不思議だ。

もっとみる

散文(春)

3月の初めから続いていたアパートの外壁工事は、ようやくひと段落した。防風ネットが取り払われ、久しぶりに外の景色が見えるようになったが、何の変哲もない、いつもの景色だった。当たり前である。

これが終わればきっと、といつも何かに期待する。この春が終われば、この仕事が終われば、コロナ禍が終われば。実際、何かが明けたところで待っているものなどなくて、そこはただの空白だった。これがずっと待ち望んできた景色

もっとみる

人が自然に巡り合うものなら、私が誰とも巡り合わないのも、また自然なのでしょうね。

狂わずに生きてゆくのが難しい

少し早い、あるいはもう戻らない

春も深まってきたので、言うまでもなく狂っている。今日は夏日を記録した場所もあったらしい。春って、夏ってなんだったっけ。

「もう少し生きても良いか、みたいな猶予を重ねていくのが人生かもしれない」
などと他人には偉そうに言っておきながら、その実、自らに許してやれる猶予は年々少なくなってきている。

日々、もう二度と戻らないものが手から零れ落ちてゆくような感覚がある。それは記憶であり思い出であり、過去

もっとみる

東京に住みたい、というか、一度で良いから観光客ではなくそこに住むものとして東京を見つめてみたい、という欲求がある

午睡

春の昼。
架空の横浜駅を、大きな大きな懐かしさに包まれながら観光する夢を見た。
ただ街の構造的には、横浜駅というよりは「横浜駅並に発展した天王町駅」の方が近かった気がする。

夜の橋から目えた、暗がりの向こうでただネオンだけが明滅する景色が綺麗で、友人と写真を撮っていた。
何より夢の中の自分には、春に侵されて重くなった頭を引きずるような感覚が無く、身体は軽く、心地良かった。

夢の中の横浜駅は、帰

もっとみる