法廷

ある中年男からの手紙

法廷記者馬場の住むアパートのポストに差出人不明の手紙が入っていた。

ロクな手紙じゃなさそうだ。

それはそうに決まってるが中身を読まずに屑かご行きはためらわれた。

仮にもわたしは記者なのだ。

私宛に送られてきた文字の羅列を、それを読んでみる前から屑かごに放るなど、記者魂とでもいうものがそれを許さなかった。

開けてみよう。

読んでみると、そんなにムカムカするものとかではなかった。

以下そ

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《裁く》について対話し考える場

本の執筆のことで過去の記録を捜索していたら、2年前の投稿が出てきました。R&D(研究開発)の結果を記録しておくってほんと大事だなぁ。

わたしたちは果たして、
人を裁き刑を課す、その決断を下す場に立ち会えるほど、
十分に成熟した市民なんだろうか?

ああ、そうだった、そうだった。わたしの関心は常にここにあったんだ。
今、ぎゅーっと「人を裁くということ」というテーマに降りていっています。

思えば、

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新刑法

弁護人「被告は事件当時心神耗弱の状態にあり無罪を主張します」

検察官「被告は犯行前に凶器を準備するなど十分な責任能力があったと判断し死刑を求刑します」

裁判官「主文、被告人を無罪とする」

被害者の家族「そんな・・・」

裁判官「なお被告は心神耗弱のため人間とは認められずネオ刑法110条により家畜扱いとし屠殺の刑に処す」

被告人「上告します」

裁判官「家畜には上告する権利はない。なお屠殺は

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本人訴訟で未払い残業代を請求する(11)-労働審判の目的はあくまで和解すること

労働審判は労働に関する紛争を早期に解決するための制度。100%満足できるものではないにせよ、申立人・相手方双方が「これなら納得せざるを得ない」と思う金額ラインを、原則3回以内の期日に探るものです。

例えば、大雑把には、このようなケースです。申立人は、未払い残業代を100万円請求。相手方は、申立人は管理監督者(「管理監督者性」については、改めて解説します)の地位にあったのでそもそも残業が不存在と主

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本人訴訟で未払い残業代を請求する(10)-労働審判or民事訴訟、どちらを選択?

前回は労働審判のメリットとリスクについて解説しました。では、労働者が会社と未払い残業代などの紛争を抱えてしまって、それを本人訴訟で解決しようとする場合、民事訴訟と労働審判のどちらを選択すべきなのでしょうか?

証拠にもとづいて事実を一つ一つ認定し、法的な勝ち負け、白黒をはっきりさせるのが民事訴訟。そのかわり、判決がでるまでに相当の時間がかかります。対して、労働審判は事件の解決自体を重視し、3ヶ月程

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哲学ファンタジー あなたと私のコンメディア 謎その18

謎その18 〈抽象的な着ぐるみ〉の中に、人は入っている?

僕たちは女の子と別れ、琴座(リラ)のベガが輝く方角へと向かって歩いた。

夜の街は、ますます人が少なかった。

ここが〈抽象的な街〉だとすると、これは〈抽象的な夜〉なのだろうか。どの街でもない街の、どの夜でもない夜。

さっきの女の子も、どの女の子でもない女の子なのかな。だから、大人のせいで消えてしまうのを恐がってたのかもしれない。

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本人訴訟で未払い残業代を請求する(9) -労働審判を選択するメリットとリスク

前回までのコラムで、労働審判についておおまかにはご理解いただけたでしょうか?今回は、法律や訴訟のことをあまり知らない労働者が本人訴訟を起こすにあたって、民事訴訟ではなく労働審判を選択するメリットとリスクについて書いていきます。

労働審判には民事訴訟と比較していくつかのメリットがあります。原則3回以内の期日で終わるので、解決まで時間が短い。訴訟の提起に比べて収入印紙代と郵便切手代が安いので、費用面

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本人訴訟で未払い残業代を請求する(8) -労働審判の管轄と審理方法

今回は、労働審判の管轄と審理の進行について述べていきす。少し長文となりますが、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

まず、管轄の話。多種多数の裁判所があるなか、どこの裁判所に申立てをするかの定めを「管轄」と言います。労働審判の管轄は労働審判法第2条に定められていますが、次の3つのケースがあります。

第一に、相手方たる会社の本社や支店・営業所など事業所の住所を管轄する地方裁判所です。第二に、

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本人訴訟で未払い残業代を請求する(7) -労働審判と訴訟の違い

今回は、労働審判と民事訴訟の相違点について述べていきます。

まず、費用面での違いです。訴訟にかかる費用については、【本人訴訟で未払い残業代を請求する(3)】で解説しました。民事訴訟なら「訴訟費用+実費+弁護士費用」となるところ、労働審判では「申立て費用+実費+弁護士費用」となります。そして、労働審判を本人訴訟で申立てる時の費用は「申立て費用+実費」のみ。

とりわけ、民事訴訟の「訴訟費用」と労働

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本人訴訟で未払い残業代を請求する(6) -労働審判という制度

今回から数回にわたって、労働審判という制度について説明したいと思います。

裁判所のサイトによれば、労働審判手続(労働審判)とは「解雇や給料の不払など、事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルを、その実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的」とするものです。労働審判法で規定され、平成18年から施行された制度です。

労働審判は民事訴訟とは異なります。民事訴訟は、民事訴訟法

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