製塩

塩作りの匠 森保一による塩胡椒を用いたイラン塩蔵調理について

その男は、しゃがみ込んでいた。

打ちひしがれていたわけではない。

絶望しているわけでもなかった。

男は、人差し指を地面につけて、軽くなぞる。

人差し指を口につけて、ペロリと舐める。

小さく頷いて、少し微笑んだ。

今日の塩もいいぞ。

男は立ち上がって、少し微笑んだまま空を見上げた。

その笑顔はまるでモナリザのような、あるいは、法隆寺の百済観音像のような、慈悲深いものであった。

塩作

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塩作りの匠、森保一監督が、ベトナムの生春巻きを塩漬けにする日。

塩を作る。

海水を乾燥させるだけというイメージもあるかもしれないが、決して簡単な仕事ではない。海水の塩分濃度はたったの3%しかなく、日本は雨が多いため、放置しておいても十分に乾燥させることが出来ない。そのため、純度の高い塩を作るためには、エネルギーを使って煮詰めていく必要がある。

古くは藻塩焼きと言われる海藻を使った製塩技術が用いられていた。日本史の授業でも少し出てくるのだが、揚浜、入浜という

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