【忍耐】椅子はひとつしかない、しがみついて離さない。
「退屈だから」「私らしい仕事をしたいから」という理由で、今就いている良き待遇の職場をすてる人々を見るにつけ、日本は余裕があって景気も悪くないんだなって実感する。だがいつ風向きが変わるか分からない。その時、多くの凡愚は「会社にしがみつく」術を養わなかったことを後悔するだろう。
日本の労働市場はますます流動化が進んでいくだろう。それは社会の要求に応じた適切な変化であり望ましいことだと思う。だがこと私自身は違う。学歴もスキルも経験も持ち合わせていない私は、これからも会社にしがみつくだろう。従順に黙々と長く勤める、そんなことをイニシアチブとして、今日も働く。
「解雇しやすく雇いやすく」労働市場の流動性は、世界の変化に適応して、これからも高まっていくだろう。これは私のような会社にしがみつく人間にとってもよき一面がある。会社であまりに人の入れ替わりが激しいと「長年勤めているという信頼性」が求められる業務に携われる人が少なくなるのだ。
恐れや不安がなくなると 何もせずともそこに居られる。 雲の流れを眺めながら 鳥のさえずりや虫の声を 愉しみながら時を過ごせる。 何かを紛らせようとして 何かにしがみついてしまう。 それに気づければ抜け出せる。 穏やかな水面が全てを映し出す。