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是非知って欲しい作品群。やさしくて面白くてジンと来るもの。いいなと思ったイラストも。
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記事一覧

武士道。それは日本の美意識の根源だった

ある学校で、教師の一人に対する不満を理由として長期間の学生ストライキが行われたことがあったが、校長が出した二つの簡単な質問―― 「諸君の教授は価値ある人物か。もしそうであれば彼を尊敬して学校に留めておくべきである。彼は弱い人物か。もしそうであれば、倒れそうな者を押すのは男らしくない」 によって解散した。 騒動の発端はその教授の学力不足だったが、それは校長の示した道徳的問題に比べれば小さく無意味なものになった。   このように、武士道によって養われた感情に訴えることによ

求められる灰原哀の失恋の形

【黒鉄の魚影・ネタバレ注意】 ひとことで言うなら、今回の映画は、どうあるべきかと訊かれるとうまく答えられなかったコナンと灰原の関係性に、最適解を示してくれた映画でした。 灰原哀が主役と謳われていたこの映画。わたしは公開をとても楽しみにしていて、同時にとても不安でした。 コナンで一番好きなペアは?と訊かれたら、迷うことなく「コナンと灰原」と答えますが、ふたりを推す気持ちは少し複雑で、「わたしは新蘭前提のコ←哀が好きだ!哀ちゃんには幸せになって欲しいが、その彼女自身が蘭を置

【読書感想】少女は卒業しない/朝井リョウ

本屋さんでちらちらと見て気になっていた作品。 偶然、この映画を見に行くことになって、 その映画があまりにも良かったので、 すぐに本屋さんで原作を買いました📕 映画では、取り壊しが決まった高校の 卒業式前日と当日を舞台にした群像劇として 4つの恋を取り上げられていました。 学生の時は、分かりやすい節目として『卒業』があって 皆で同時にその節目を迎えて、晴れやかな気持ちと 名残惜しさと感傷とで、いつも通りでいることも難しかった 落ち着けないイベントを過ごしたものだ……と 懐か

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2回読むとわかる話-この華廻れ-

4月までに彼氏ができなかったらジムに通おう②

【episode1 】 時報男 昨年の12月半ばに1度だけ食事に行ったひとつ歳上の彼から、毎週末LINEが来る。 見た目は普通にタイプ。仕事は、JAFの下請け業者で車関係の機械トラブルがあったら出動するスタイルらしい。 私は土曜日まで出勤してるので、その時間に合わせて、定時を少し過ぎた13時〜13時30分頃、必ず 「今週もお疲れ様〜!」 とひとことLINEがくるのだ。 その後、5通ほどやり取りをして、いつも彼からのスタンプで会話は終わる。 私はいつのまにか、毎週彼

失恋は複雑骨折並みに痛いよね

なぜ、恋愛はこけるとこんなに痛いのだろう。 仕事で失敗しても ここまで傷つかない。 私という存在の何がいけないのだろうか と失恋をするたびに考える。 だからかわからないけれど 失恋すると 自己がありえんくらい成長する。 失恋は本当に人間を 成長させるなくてはならいものだよ(誰 私が今までの失恋で学んだこと を下記で振り返りたい。 個人的な内容なので多分面白くない。 ❶人は見た目だけではない 以前カルチャー味が強い男の子を好きになってフラれた。わたしは当時見た目が全

巷のイイ女論争より夏木マリ

自立した女がイイ女 みたいな風潮あるけど、 自立ってなんなんだろう。 金銭面の自立と精神面の自立を 両立しているということ? 家賃を自分で払って、光熱費も払って、 1人で生活できるくらいの給料を いただいていて。 貯金をそこそこしていて、 欲しいものは自分で買う。 これが 金銭面の自立が上記になるのだろうか。 恋人からラインが来なくても騒がず、 会えない時も寂しがらず、何かしら趣味があり、ときどきあう友達がいて、1人でも過ごせる。仕事も頑張っていて自己を肯定できて、

論破してくれと言われたので、論破します

僕の記事にいいねしてくれた人のページを覗いてみたら、「論破してくれ」というタイトルの記事が上がっていた。 うん。これは、ちょっと気になる。 どうして論破して欲しいのだろうか? もしかして書いていることと真逆のことを考えているのだろうか。 「私を止めてくれ」ということなのだろうか? ならば、僕が介錯をしようではないか。 まず、この記事の主張は…?(1)リサイクルしたり、エコバッグを持ち歩いたりする個人のエコ活動は無駄である。 (2)社会的影響力の大きい企業が問題に取

話すことがないのは、その人に興味がないから

シャンプーを流し、ドライヤーを当て終わるまでの長い沈黙を破って、美容師が唐突に僕に質問を投げかけた。 別に僕は髪を切られながら料理雑誌を読んでいたわけでも、エプロンをつけていたわけでもない。つまり、なんの脈絡もない。 僕は数年に一回しか美容院に行かない。数年に一回なので、行きつけの美容院も特になく、馴染みの美容師もいない。当然、この発言をした美容師とは初対面だ。これまで料理の話をしたことがあるわけでもない。 それなのに、美容師は料理の話を切り出し、不器用にもその話を継続

叶わなかった片思いは永遠に最強なのか。

一言目から風が吹いた。 一言目から好きだった。 一目惚れで一耳惚れで、大好きだった。 未来から振り返ったとき、1番輝いて見えるのは、叶わなかった片思い相手らしい。 付き合うと、今まで見えなかった嫌な部分も必然的に見え始めるからだろうか。 叶わなかった、ということは「別れる」も経験していないからだろうか。 私にも、「叶わなかった片思い相手」がいる。 そのなかでも、最強の「片思い相手」がいる。 ミーハーと本気がまぜこぜになったみたいな片思いだった。 当時のクラスメイトは、同じ

片思いがしたい

片思いがしたい。とずっと言い続けていたアルバイト時代の後輩を思い出した。彼女はモテた。とにかくモテた。歩けばモテた。アルバイト先の男性陣はみんな彼女のことが好きだったし、彼女に彼氏がいたとしてとあわよくばと思ってる雰囲気がダダ漏れていた。 彼女がレンタルビデオ屋でビデオをレンタルすれば、会員カードを見て電話がかかってきたし、居酒屋に行けば、店員から3軒目で合流したいと言われていた。 そんな彼女がいつも言っていた。 「私は片思いがしてみたい。」 彼女は自分が誰かを好きか

わたしと、『母性』と、わたしの母性。

湊かなえさんの『母性』を初めて読んだのは 2年前の12月。わたしは25歳で、娘は3歳。 離婚を機に二人での生活を初めて 1年ちょっとが経った頃だった。 2020年12月当時、娘が保育園に行っている時間 =わたしの勤務時間、で 仕事のために保育園を利用しているのだから 至極当たり前のことなのだけれど、 その当たり前は、同時に わたしには「仕事」「家事」「育児」の どれかに属する時間しか存在しない ということでもあった。 それでも、性格の合わない大人と暮らし、 合わないものを

裏切ったのは、僕だった

小学生のときに一緒にサッカー選手になる約束をした友人がいる。平日だけでなく、土日も一緒にグラウンドでサッカーの練習をする毎日。彼の家の前で壁蹴りをしていたときに、近所に住むおじさんに「うるさい」と叱られた思い出が今も鮮明に思い浮かぶ。 友人がキャプテン翼にハマった。僕も同じようにハマり、翼くんのドライブシュートや日向のタイガーショットなどを何度も真似した。ある日、友人がロベルト本郷のバーに当ててからオーバーヘッドをするプレーを真似しようと言い出した。オーバーヘッドは大怪我に

底辺の仕事とは

どうも。アラフィフおばちゃんです。 先日「底辺の仕事、12選」のようなものが発表されましたね。 まぁ、当然入ってるだろうなぁと思ってたら入ってましたね「コールセンター」 私も今のコールセンターに応募した理由は、専業主婦歴が長かったこと・特に資格などを持っていなかったにも関わらず、応募できて他業種に比べて時間の融通が効き時給が比較的高かったからでした。 コールセンターが底辺の仕事だと、私も入社前は思っていました。今思えばとんでもない誤解でした。確かに間口が広くどんな人でも大