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おはなし。

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わたしの書いたおはなしをまとめてあります◎
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記事一覧

雪と朝とわたし...*short story

季節外れの雪だそうだ。 いつか、季節が逆転してしまうかもしれない。 四季がなくなってしまう…

ふーり
2か月前
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知らないふり.../ショートショート

知らないふりをしている。 あなたの瞳に映るわたしは、 多分彼女の代わりなんだということを。…

ふーり
3か月前
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Pancake...*short story

わたしには小さい頃、"まま"という人がいた。 本当の母親ではなく、お母さんでもママでもなく…

ふーり
1年前
4

涙鉛筆#毎週ショートショートnote

鍵の付いた、小さな小物入れ。 確か、わたしが小学校にあがる頃に お祝いとして祖母からもらっ…

ふーり
1年前
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あかつき。/ショートショート

少し冷たさを覚えたフローリングに、そっと足を置く。 どれくらいの時間こうしていただろうか…

ふーり
2年前
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sweet night/ショートショート

眠れない。 寝不足なはずなのに。 すぐにでも、眠りにつきたいのに。 夢なんて見ずに、気づい…

ふーり
2年前
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読書・石けん #毎週ショートショートnote

彼女が現れる時はいつも、 ほのかに石けんの香りがする。 シャンプーでもなく、香水でもなく、 柔らかい、石けんの香り。 手に持つ、単行本ほどの大きさのそれは 数回見て気付いたのだけれど、 写真集のようなものだった。 彼女が写したものなのか、 書籍として販売しているものなのか。 ブックカバーを施しているため、 詳細は分からない。 今日も、穏やかな日ですね。 なんの変哲もない、一言。 それを彼女に向けるのは、 そうですね。の返答と、 その柔らかな微笑みの為だ。 今日もいつもの席

石けんのある、カフェのお話。 /ショートショート

このカフェには、先代のマスターから引き継いだ ちょっと変わった石けんがある。 カフェに石け…

ふーり
2年前
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2人用・AI #毎週ショートショートnote

君は、僕一人が相手でつまらなくないかい? 本当なら、夫婦とかきょうだいとか、友達とか、 様…

ふーり
2年前
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猫っ毛な君のこと。/ショートショート

こんにちは、 不意に入ってきた声に、一瞬、息が止まる。 反射的に振り返ろうとしたけど、 そ…

ふーり
2年前
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ふたり。/ショートショート

どうして、君が泣いているの わたしは今日もまた、その言葉に今初めて、頬を伝う涙を認識した…

ふーり
2年前
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甘さと、/ショートショート

今日は、白が飲みたい気分だ。 白なんて、滅多に飲まないけれど 今日はサラッと、飲みたい気分…

ふーり
2年前
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わたしの小指。/ショートショート

ネイルが外れた。 剥がれたのではなくて、外れた。 役目を終えたように、ポロン、と。 あぁ、…

ふーり
2年前
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short*001

無防備過ぎるから、 だからってキスすることもないだろうと、その先を求める手を体から引き離して、次いで近づく顔に愛情の欠片もない表情をしてやった。 一瞬動きが止まった、ように見えたその顔は、わたしとは正反対の表情をしながらさらに近づいて、抵抗する暇もなく重なった。 「顔やばかったし。んなもん見せるから。」 「いつも野獣だから、そう見えるんだよ。」 「俺の取り柄みたいなもんでしょ、そこ否定されたら、」 「わたしは野獣と付き合った覚えはないんだけど。」 「何、苛ついてんの?