読書・石けん #毎週ショートショートnote
彼女が現れる時はいつも、
ほのかに石けんの香りがする。
シャンプーでもなく、香水でもなく、
柔らかい、石けんの香り。
手に持つ、単行本ほどの大きさのそれは
数回見て気付いたのだけれど、
写真集のようなものだった。
彼女が写したものなのか、
書籍として販売しているものなのか。
ブックカバーを施しているため、
詳細は分からない。
今日も、穏やかな日ですね。
なんの変哲もない、一言。
それを彼女に向けるのは、
そうですね。の返答と、
その柔らかな微笑みの為だ。
今日もいつもの席