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アクセシビリティ・コミュニケーションとはなにか

京都工芸繊維大学の臨床心理士であり、アクセシビリティ・コミュニケーション支援センター長の藤川洋子さんのお話を聞きに行ったことがあります。

アクセシビリティとはなんだ?と思った方いませんでしたか? 私自身も「?」と思いました。(笑)

<意味>アクセスのしやすさのこと。情報やサービスなどがどれくらい利用しやすいか、とくに障害者や高齢者などが不自由なく利用可能かどうかの度合いを示すものである。より多くの人々が利用できる環境を、「アクセシビリティが高い」などと表現する。

とあります。

つまり、大学の利便性を上げる役割を担っている方です。

最近はNHKでも発達障害について知ろうという発達障害プロジェクトがなされていて、当事者のお話や保護者の体験などを映像を通して理解を深めようとしています。

障がい者差別解消法が施行され合理的配慮が求められるようになり、これまでのイメージでは人の中に「障害」があるという見方をされていましたがそうではなく、社会の中に人がいて、存在している社会に「障害」が潜んでいるのでは?という味方に変わってきていることから”合理的配慮”の必然性にフォーカスが向かっています。

小・中・高と担任や部活の顧問など子どもと大人という関係を持ちながら人として関わっていく学校。そこに困っている生徒がいたらできるだけ手を伸ばし、クラスで考えたり、助け合ったりすることが多いのは高校までではないでしょうか?(※色んな学校があるとは思いますが…)

しかし、大学に入ると授業を受けるスケジュールを組むのも、どうなって行くべきか、どうしたいか等、個人が個人で行わなければならない環境に入ります。

「みんなで」という場面が減り、自由度が増すことで大学に入ったとたんにうまく生活できない子も多いそうです。

これまでの過程での集団生活の中で適応できない孤独感、独特な認知の仕方から表情や他者の気持ちを汲み取れず歪んでしまった子、予想できないことへ強く不安を感じ応用力の無さから思わず犯罪へ・・・など様々な要因で非行に走る子も多くあるようです。

昭和は付和雷同的に非行を犯す子どもが多く、暴走族やギャング等、コミュニティを作って社会へ反発していた子たちは大幅に減少しました。

一方で近年は反省が難しく、懲りない、認知に難のある少年が非行を起こしてしまうケースが増えてきているようです。

では、いろいろある中で周りにいる私たちが何をするべきか、してあげるとすごしやすくなるか?を藤川先生が具体的にお話しされていました。

・ストレス解消法を身につけるように援助する
・SOSを出せるように援助する
・どうしたらわかりやすいか?等、視覚的・聴覚的情報環境を整える
・良かったこと、悪かったこと等 様々な場面をフィードバックし学習へ繋げていく

ここで大事なのは

礼儀や常識を破ることを許さない!という心を一度捨て去ること。

子どものこだわりは許せない大人は多いのですが、礼儀や常識というこだわりをもっていることに自分自身で気付けない大人も多くいます。

「最近の若者は」という大人がいますが、その最近の若者の環境に入ったら「最近の大人は」と言われるように環境によって「合う」「合わない」はあります。

時代が変われば環境も変わります。

親や大人の言うことに従う子=いい子、という時代は終わりました。

子どもは自然に育つ、という考えも不自然になりました。

子どもが過ごしやすくなるためへの4つの配慮を意識して、生活することが自立への導きになります。また、大人同士の関係も同じなのではないかと個人的には思いました。

夫婦、家庭、友人、同僚、上司、隣人…それぞれの配慮には感謝し、困ったら助けを呼ぶ。これだけでもまだまだ出来ないコミュニティが身の回りに存在するのではないでしょうか。

アクセシビリティの高さを作るのは威圧や権力を使わない世界のように思いました。


お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。