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『マザー』第10話「ひと夏の精液採集日記」<3>

 8月16日(水曜日) 小学4年生・星夜(せいや)くん キャンプ場にて
 
♪『天体観測』(BUMP OF CHICKEN)
 
 お盆が終わるその日は母の命日だった。お墓参りをした後、寂しさを拭いたかった私は自然豊かなキャンプ場へ向かった。孤独なソロキャンプ…。周りは家族連れで賑わっていた。夕飯を作るために給水場へ水を補給に行くと、小学生の男の子が一人でなぜかこそこそ水を汲んでいた。
「こんにちは。水を汲むお手伝いをしているの?エライわね。」
「こっ、こんにちは。お手伝いじゃなくて、これは自分用で…。」
彼は慌てた様子で持っていた牛乳瓶のようなものを、さっと大きめのポケットに隠した。
「暑いからこまめに水分補給しないといけないものね。」
「う、うん。それじゃあ…さようなら。」
ろくに会話もできないうちに彼は私の前から去ってしまった。
 
 かわいい男の子だったな…また会いたいな…なんて考えながら、給水場から自分のテントに戻る途中、林の茂みに隠れるようにさっきの男の子がうずくまっているのが見えた。具合が悪いのかもしれないと心配になり、また彼に声をかけた。
「ぼく、大丈夫…?体調が悪いなら、お姉さんがご家族の所までおんぶしてあげるわよ?」
うずくまっている彼を覗き込むと、彼は哺乳瓶を咥えていた。
「うぁっ、さっきのお姉ちゃん?だ、大丈夫です。水を飲んでいただけだから…。」
彼は後ろめたそうに哺乳瓶をまたポケットに隠した。
「ぼくは哺乳瓶が…好きなの?」
「う、うん…もう小4だし、哺乳瓶なんて使っちゃダメってママからは叱られるんだけど、水筒より哺乳瓶の方が落ち着くんだ…。だからお小遣いでこっそり哺乳瓶を買って持ち歩いているの。ママには内緒にしてね、お願い。」
「そうだったの…ぼくにとっては、哺乳瓶は宝物なのね…。ママには内緒にするから心配しないで。お姉ちゃんは別に悪いことではないと思うけど、もし哺乳瓶から離れられなくて困っているなら、お姉ちゃんが哺乳瓶から卒業させてあげましょうか?」
「ありがとう。ぼくにとって哺乳瓶は本当に宝物なんだ。でもいつかは卒業しなきゃいけないから、お姉ちゃんに手伝ってほしいな…。どうすれば哺乳瓶から離れられるの?」
彼はまた哺乳瓶を咥えながら、子犬のように上目遣いで私に尋ねた。
「夜になったら…ママには内緒でお姉ちゃんのテントに来て…。哺乳瓶から卒業する方法を教えてあげるから。ぼくのお名前は?私は響子っていう名前よ。」
「分かった。じゃあママとパパが寝た後に、響子お姉ちゃんのテントに行くね。ぼくは星夜。」
「星夜くんってお名前なのね。星夜くんのテントまで送っていくわ。一緒に歩きましょう。」
私は彼と手をつないで、彼の家族が待つテントの近くまで送り届けた。
「あらっ?お姉ちゃんのテントと目と鼻の先だったのね。星夜くんのテントがこんなに近かったなんて。」
「そうなの?響子お姉ちゃんのテントはこの近くだったんだ。うれしいな。」
「えぇ、あの紫色のが私のテントよ。それじゃあ…夜に…待ってるわね。これはぼくとお姉ちゃんの二人だけの秘密よ。」
「うん、二人だけの秘密ね。ぼくね、哺乳瓶以外にももうひとつ、宝物を持って来たんだ。響子お姉ちゃんに今夜見せてあげるね。」
「ぼくにはたくさん宝物があるのね。楽しみにしてるわ。」
無邪気な彼は笑みを浮かべながら、家族の元へ駆けて行った。
 
 午後11時を迎えようとしていた夜更け…私のテントへ彼がやって来た。
「響子お姉ちゃん、ぼくだよ。来たよ。」
テントの入り口を開けると彼を中に誘った。
「お姉ちゃんのテント、広いね。いいなぁ。」
「一人だから広く感じるだけかもしれないわよ。一人で寂しかったの。ぼくが来てくれてうれしいわ。夜遅いけど、眠くない?大丈夫?」
「響子お姉ちゃんに会えると思うと、眠気なんて吹き飛ぶよ。お姉ちゃん、約束通り、ぼくの宝物を見せてあげるね。一応…哺乳瓶も持ってきたよ。まだ離れられないから…。」
彼は哺乳瓶と一緒に筆のようなものを見せてくれた。
「筆…が宝物なの?渋くて素敵な趣味ね。」
「うん、ぼく、習字が得意なんだ。賞をもらったこともあるんだよ。だから筆は宝物なの。哺乳瓶と同じくらい大事なんだ。」
「へぇーそうなの…。習字が得意なんてきっと字が上手なのね。」
「うん、字だけは自信あるよ。墨汁もないし、ここではさすがに書けないけど…。」
「ねぇ…星夜くん…墨汁はないけど、私の身体の上にその筆で何か字を書いてみてくれないかしら?」
「えっ?お姉ちゃんの身体に書いていいの?何もつけずに筆で字を書くように、なぞればいいのかな?」
「そう…私の身体を半紙だと思って、筆でなぞってみて…。」
彼の側に横たわった私はキャミソールを半分上げて、おなかを出した。
「背中じゃなくて、おなかの方がいいの?くすぐったくない?」
「えぇ、おなかの方がいいの…。」
「わかった。じゃあぼくが得意な字を書くね。お姉ちゃんが当ててね。」
彼は私のおなかの上で筆を走らせた。
「あっ、ん…ぼくの筆さばき、素敵だわ…。おなかの上で…星という字をちゃんと感じられる…。」
「正解!星って分かったなんて、お姉ちゃんすごいよ。じゃあ、もう一文字書いちゃおうかな。何を書いたか、また考えてみて。」
彼は得意気にまたおなかの上に文字を書いた。
「んっ…んっ…。夜ね…今度もちゃんと分かったわよ。ぼくが字を書くのが上手だから…。」
「響子お姉ちゃんはすごいね。筆で何を書いているか、すぐに分かるんだから。」
「ねぇ…星夜くん…哺乳瓶から卒業する訓練にその筆を使いたいんだけど、いいかしら…?」
「この筆を使うの?もちろんいいよ。どうすればいいの?」
私はキャミソールを全部脱ぎ、ブラジャーも外して、彼の前で胸を露わにした。
「おっ、お姉ちゃん、どうして裸になるの?おっぱい…見えてるよ…。」
彼は恥ずかしそうに顔を背けた。
「哺乳瓶から卒業するためにはね…哺乳瓶より好きになれるものを見つければいいのよ。そうすれば自然と離れられるわ。哺乳瓶より本物の乳首の方がいいと思わない?ぼくは…おっぱい嫌い…?」
「そっか…哺乳瓶より好きになれるものを見つければいいんだね。おっぱいは大好きだよ。ぼく…ずっとおっぱいが恋しかったんだ…。響子お姉ちゃんの乳首…触ってみたい…。」
彼は逸らしていた視線をまっすぐ私の胸に向けた。
「おっぱいが好きなら…もちろん触っていいけど、その前にぼくの宝物の筆でお姉ちゃんの乳首をなぞってくれないかしら?」
「乳首に文字を書いてほしいの…?」
「えぇ、ぼくの筆さばき、とっても素敵だったから、乳首にもお願い。」
「分かった。じゃあ、乳首を筆でなぞるね。」
初心な彼は私に言われた通り、乳首を筆でなぞり始めた。
「こんな感じでいいのかな…。」
「あっ、あんっ、すごく…すごくいいわっ。ぼくは本当に筆遣いが上手ね。」
彼の筆にさわさわ乳首を責められた私は、乳首でイキそうになってしまった。
「今度は片方の乳首を筆でなぞりながら、もう片方のおっぱいをぼくのお口で吸ってみて…。」
「おっぱい…吸っていいの?うれしいな。」
彼は器用に筆で乳首を責め続けながら、激しく私の乳首を口で吸い始めた。
「あっ、あっ…すごい…こんなの…気持ち良すぎて耐えられない。」
「響子お姉ちゃん…気持ちいいの?ぼくもなんだかとっても幸せな気分だよ。」
彼は筆先と舌でちろちろ私の乳首を責めながら言った。
「えぇ、とっても気持ちいいし、お姉ちゃんもぼくに筆とお口でおっぱいをさわさわしてもらえて幸せな気分よ。」
「お姉ちゃん、響子お姉ちゃん…おっぱいおいしいよっ。ぼく…哺乳瓶より、本物の乳首の方が大好きになったよ。」
「そう…?もう哺乳瓶から卒業できそう?」
「うん…本物のおっぱいをこんな風にできるなら、もう哺乳瓶なんていらないよ。」
「そっか…もう哺乳瓶から卒業できちゃったのね…。星夜くんが大人になったお祝いに、お姉ちゃんがぼくの筆おろし…してあげる。」
「筆おろし…?ぼくの筆ならもう使い込んでいるから、大丈夫だよ。」
「その筆じゃなくて…こっちの筆のことよ…。」
私は彼の股間に手を伸ばし、まだそれほど大きくはない陰茎を触った。
「あっ…お姉ちゃんっ…そんなところ…触ったら汚いよ。」
「汚くなんてないわよ。ぼくの…まだ使っていない筆をお姉ちゃんに味わわせて…。」
彼が履いていた短パンとブリーフを脱がすと私は彼の陰茎を咥えた。
「おっ、お姉ちゃん、そんなところしゃぶったら汚いよっ。ぼく今夜はお風呂にも入っていないもの。あっ…。」
「お姉ちゃんはね…ぼくが哺乳瓶を咥えるのが好きだったように、おちんちんをしゃぶることが好きなの。全然汚くないわ…。ほのかにぼくのおしっこのにおいがしてくらくらしちゃう…。」
小さかった彼の陰茎は私にしゃぶられるとどんどん大きくなっていった。
「あっ、あっ、お姉ちゃん…なんだか変な気分になってきたよ。ぼく…とっても気持ちいい…。」
「そう?良かったわ…。じゃあこんなのはどうかしら…?せっかく卒業できた哺乳瓶だけど、もう少しだけ使ってみましょうか?」
私は哺乳瓶のニップル部分で彼の陰茎の裏筋をやさしく撫でた。
「あっ…あっ…お姉ちゃんっ、それもとっても気持ちいいよっ。ぼくまた哺乳瓶も好きになっちゃいそう…。」
「それなら…今夜はもう少しだけ、哺乳瓶も使ってみましょう。ぼく…いつもみたいに哺乳瓶をちゅーちゅーお口で吸って…。」
「う、うん…。こう…?」
彼が哺乳瓶を吸い始めると、私はフェラと手コキを始めた。
「あっ…お姉ちゃん、気持ちいいことされながら、哺乳瓶を吸うと、もっと幸せな気分になるよっ。ぼくまた哺乳瓶から離れられなくなりそう…。ねぇお姉ちゃん、哺乳瓶を吸いながら、お姉ちゃんの乳首も触りたい…。」
哺乳瓶を咥えながら、彼は甘えるように私の胸に手を伸ばした。
「ぼくは甘えん坊ね…。いいわよ、乳首を触りながら、哺乳瓶を吸っても…。ぼくが気持ち良くなって、幸せな気分になってくれてうれしいわ…。お姉ちゃんはね、ぼくのミルクがちょっとだけほしいの。星夜くんのミルク、お姉ちゃんにくれる?」
「はっ…はっ…あっ…やっぱりぼくは哺乳瓶もおっぱいもどっちも好き…。ぼくのミルクって…?」
彼は哺乳瓶を吸いながら、きゅっきゅっと母乳でも絞り出すように私の乳首を指でつまんでいた。
「あっ…ん…。お姉ちゃんもおっぱい…気持ちいいわっ。お姉ちゃんがこうしているとそのうちぼくの陰茎からミルクが溢れてくるの。」
執拗に乳首を責められていた私は、彼の陰茎をますます激しくしゃぶりながら言った。
「ん…あっ、あっ…そうなの…?おしっこじゃなくて、ミルクが出てくるの?」
「そうよ。精液っていうミルクが出てくるの。それを…お姉ちゃんにちょうだい。」
「そうなんだ。いいよ。ぼくのミルク、響子お姉ちゃんにあげるから。あっ…あっ…なんかとっても変な感じがするよ。なんかおしっこが出そうっ。」
「そのまま…ぼくのミルクをお姉ちゃんのお口に出して。」
「うっ…あっ…出ちゃう。お漏らししちゃうよっ。」
身体をびくんと痙攣させた彼は、私の口の中に思い切り射精した。
「ありがとう…。お姉ちゃんにぼくのミルクをくれて。とってもおいしいミルクだわ…。」
私は舌で彼の精液の味を確かめながら、トレーに垂らして、そっとしまった。
「はぁ、はぁ…お姉ちゃん、その白いおしっこ…汚くない?」
「汚くないわよ。ここには赤ちゃんの種が入っているんだから。ぼくのミルクはお姉ちゃんの宝物なの。」
「そうなんだ…。赤ちゃんの種が入っているミルクが出るなんて知らなかったよ。」
「ミルクを出したことは、ママたちには内緒よ。二人だけの秘密ね。」
「うん、分かった。ぼく、誰にも言わないよ。」
「本当は…ほんとに筆おろししてあげたかったけれど、今夜はこれ以上射精させると疲れちゃうだろうし、また今度にしましょうか。お姉ちゃんのテント、天窓がついているから、少し一緒に星でも眺めましょう。」
「うん、筆おろし…?またお姉ちゃんにしてほしいな。天窓つきのテントなんていいな。ぼく、星が大好きなんだ。テントの中からこんなにいっぱい星が見えるなんて最高。」
彼と手をつなぎながら横になって一緒に、夜空で瞬く無数の星たちを眺めていると、闇の彼方にすーっと一筋の光が流れた。
「あっ…流れ星だ。」
流れ星をみつけた瞬間、彼は目を閉じて何か願い事をしていた。
「何をお願いしたの?」
「また響子お姉ちゃんに会えますようにってお願いしたんだよ。」
「ありがとう。流れ星にお願いしなくても、きっと会えるわ。」
私は胸に彼を抱き寄せ、やさしくキスをした。
 
 暗闇の中、今という流れ星を彼と追いかけたその夜は忘れられない夏の思い出になった。癒えることのない痛みを抱え、哀しみの置き場を探して一人、彷徨っていた私に、どんな夜空の星より美しく静かに光り輝く明かりをもたらしてくれたのは、小4の少し甘えん坊だけど、字が上手でキラキラ眩しい星みたいな男の子だった。時刻は午前零時、見えない文字で私に幸せを与えてくれたぼくとまた会えますようにと、私も密かに流れ星に祈っていた。

 
 8月22日(火曜日) 高校3年生・慧冴(けいご)くん 図書館から車内にて
 
♪『夏の憂鬱』(L'Arc〜en〜Ciel)&『若者のすべて』(フジファブリック)
 
 夏だとついつい開放的な気分になってアウトドアを楽しんでしまいがちだけれど、たまには落ち着いた涼しい屋内で過ごすのも良いかと思い、残暑が厳しかったこの日は図書館へ向かった。自習スペースで黙々と勉強しているメガネをかけた高校生をみつけ、彼の向かい側の席に座った。
 
 いつもはコンタクトで過ごしている私も、この日はメガネをかけて、夏休み明けの授業で役立ちそうな専門書を眺めていた。向かいで勉強している彼の様子をうかがいながら…。胸元が大きく開いたカットソーを着ていた私は、わざと彼にみせつけるように机の上に胸を置いて、けだるそうにため息を吐いたりして、机の側の小窓から外をぼんやり眺めるそぶりをしていた。横目でちらっと彼の方を見ると、真面目な彼は私の胸になんて目もくれずに相変わらずたくさんの赤本を並べて、必死に問題を解いていた。まいったなと思いながら、仕方なく私は彼に小声で声をかけた。
「受験生なの?T大が志望校?私もT大に通っているのよ。」
私が通っているT大の過去問ばかり解いていた彼にそう話を切り出した。
「はい…高3でT大の医学部を目指してて…。T大に通っているなんてすごいですね。」
人が苦手なのか、人に興味がないのか彼は顔を上げることなく、過去問とにらめっこしながら、ぶっきらぼうに返答した。
「奇遇ね。私はT大医学部の4年生なの。もし良かったら、勉強…見てあげましょうか?」
私が医学部に通っていると知ると彼はようやく顔を上げてくれた。
「T大の医学部生なんですか…。頭が良いんですね。うらやましいな。派手な格好をしてるから、おかしな人かと思ってたけど…。」
彼はメガネのフチを指でくいっとあげながら、胸元の開いたカットソーの上半身だけでなくミニスカートの下半身まで、確認するようにまじまじと私をみつめた。この時、実はミニスカートの中はノーパンだったから、脚まで見られてドキドキしてしまった。
「あら?この格好、派手かしら?人を見かけで判断するのはどうかと思うわよ。私は響子。あなたの名前は?」
「すみません…。少なくとも僕の周りにはそんな露出多めの格好をしている女性はいないものですから…。男子校に通っていて、ほとんど女子と接点もなくて、通っている塾の女子生徒や先生はみんな真面目な服装をしているから…。僕は慧冴という名前です。」
「慧冴くんは男子校に通っているのね。塾にも通ってるんだ。今日は図書館だから露出は控えめの格好をしてきたつもりなんだけど…。」
「それで露出控えめなら普段はどんな格好してるんですか。大人ならもう少し場をわきまえた服装をすべきかと…。」
「夏場は…家なら裸エプロンで過ごしているし、なるべく水着で過ごしたいから海やプールに行くことも多いわ。慧冴くんは夏休みでもきちんと学校の制服を着ているのね。」
「はっ…裸エプロンって…。そんなに服を着たくないなら、水泳教室のインストラクタ―でもすればいいじゃないですか。あなたはほんとに医学部に通っているんですか…?学校の制服の方が、気持ちが引き締まるので。服とか興味ないし…。」
私がT大の医学部に通っていることを疑い出した彼のために、私は赤本の問題を解いてみせることにした。
「私が医学部生って信じてないでしょ?その過去問の中で特に慧冴くんがお手上げの問題を解かせてみて。どの問題でもいいわよ。」
「じゃあ…あなたは見たことがないであろう2年前のこの問題を解いてみてください。」
彼は私を試すかのように難しめの数学の問題を私に突きつけた。
「この問題は…ちょっと難しそうだけど、大丈夫よ。数学は得意なの。」
私は難問の証明問題を彼の目の前であっという間にすらすら解いてみせた。
「合っているかどうか、解答例で確認して。」
「すごい…正解だ…。あなたのことを疑ったりしてすみませんでした。人を見た目で判断してはいけないですね。本当に頭が良いんだ…。今の僕の家庭教師はあんまり受験勉強の役に立たないから、あなたに教えてもらいたいくらいです。」
「久しぶりに触れる問題だったけど、当たって良かった。慧冴くんは塾だけじゃなくて、家庭教師もついているの?すごい勉強熱心なのね。」
「母が…いわゆる教育ママだから…。パートの仕事を増やしてまで、塾に通わせるだけじゃなくて、家庭教師までつけてくれたんです。兄と比べたら僕は落ちこぼれだから、母は僕がT大の医学部に受かるかどうかずっと心配してるんです。」
ため息を吐きながら、アンニュイな表情を浮かべて彼は言った。
「慧冴くんのためにお母さん、がんばってくれてるのね。お兄さんもいるんだ。慧冴くんは落ちこぼれなんかじゃないと思うわ。だって今もこんなにがんばっているんだもの。」
「兄は簡単にT大に受かって、今はT大の大学院生なんです。生物の研究をしていて、将来は大学教授になると言ってます。僕は兄と違って母の期待に応えるために無理してT大を目指しているだけなので、受験が本当に憂鬱なんです…。」
伏し目がちに彼はまた深くため息を吐いた。
「慧冴くんはお母さんのためにがんばってるんだ。お母さん思いでやさしいのね。お兄さんと慧冴くんは違う人間だから、そんな比べることはないのよ。慧冴くんには慧冴くんの良さがあるんだから…。」
「あなたは意外と心温かい人なんですね。そんなやさしく励ましてもらえるとは思いませんでした。すみません、僕、そろそろ塾に向かわないと…。」
「あなたじゃなくて響子。これから塾なんだ。ここから近いの?」
「そうですね…歩いて30分くらいです。」
「けっこう遠いじゃないの。今日は特に残暑が厳しいし、良ければ車で塾まで送るわよ?」
「えっ…そんな、初対面なのに申し訳ないです。それにいつも歩いてるから大丈夫です。座りっぱなしで運動不足だし…。」
「私、運転が好きなの。運動不足なら…それも解消させてあげるから。遠慮なく乗って。」
私は半ば強引に彼を自分の車に乗せ、街灯の明かりがひとつずつ点き始めた夕暮れの街を走り出した。
 
 「すみません…送ってもらって…。」
なんとなくぎこちない様子の彼は助手席の窓から移ろいゆく景色を眺めていた。
「気にしないでいいのよ。ねぇ…車だから徒歩よりはまだ時間に余裕あるじゃない?運動するために、寄り道してもいいかしら?」
「時間なら余裕ありますが、運動って…?」
「ウォーキングより、効果のある素敵な運動よ。」
少しだけ大道路から外れ、木々に囲まれた街灯もない薄暗いスペースに車を停めた。
「こんな不気味な所に車を停めて、どんな運動をするんですか?」
「どんなって…こんな運動よ。」
私はカットソーを脱ぐと、シートベルトをつけて、自分の手で胸を揉み始めた。
「ん…あっ…。」
「な、なにしてるんですか?早く服を着てください。こんなの公然わいせつですよ。」
彼は今にもドアを開けて車から逃げ出しそうなそぶりを見せた。
「驚かないで…。車の中でストレッチしているだけだから…。エンジンを切って、エアコンも止めると車内がサウナ状態になって、けっこういい汗をかけるのよ。」
「たしかに汗はかけるかもしれませんが、そんなのストレッチじゃない…。」
私は彼の真横でブラを外すと、シートベルトをしたまま、胸を持ち上げ、自分の口で乳首を吸い始めた。胸を刺激したせいかノーパンだというのに、ミニスカートの中であそこからとろり蜜が溢れてくるのを感じた。
「んっ…んっ…。」
顔を赤らめた彼は、もはや言葉も出ない様子だった。
「これはね…セルフおっぱいマッサージ。シートベルトのしまり具合が程良くて気持ちいいの。」
「そ、そうなんですか…。やっぱり僕は歩いて塾へ向かいます。」
ドアを開けていよいよ外に出そうになった彼の腕を掴むと、私はそれを自分の胸へたぐりよせた。
「ねぇ…待って…。何もわいせつなことをしようとしているわけではないのよ。慧冴くんは医学部を目指しているのよね?問題集ばかり見ていないで、たまには人体に目を向けなきゃ…。私が慧冴くんの勉強をみてあげるって言ったじゃない?」
「じっ、人体の勉強ですか…たしかに医学部に合格できたら、身体の仕組みを深く学ぶ必要はありますが…。」
「そうよ、嫌でも身体の仕組みは覚えないといけないの。私も…最初は解剖学だけすごく苦手だったんだけど、異性の身体と触れ合うことで…克服できたの。」
「そうなんですか…。賢いあなたにも苦手な分野はあったんですね。」
「あなたじゃなくて、響子…。」
私は彼の耳元で名前を囁くと、彼の手を私の乳房へ引き寄せた。
「ねぇ…好きなように触ってみて…。これもお勉強よ。」
「はっ…はい…。じゃあ失礼します…。うぁっ…柔らかいのにハリがある…。」
慣れない手つきで彼は私の胸を揉み出した。
「あっ…んっ…上手よ、慧冴くん…。乳首も触ってみて…。」
「乳首…こりこりしてる…。すごい…どんどん硬くなって…。」
「硬くなってるのは…私の乳首だけじゃないでしょう?」
私は左手を伸ばして、彼の股間を触った。
「えっ?あっ…やめ、やめてください。こんなのダメですっ。」
彼は抵抗しようとしたけれど、私はやめずに触り続けた。
「どうしてダメって思うの?こんなにカチカチに硬くなってるじゃない…。どんどん大きくなるわね…。」
「どうしてって…あっ…。こんなことしたら、馬鹿になって勉強が頭に入らなくなるから。勉強したことを忘れそうだから、しちゃダメなんですっ。だから…だから僕は高校生になってからずっと自慰を我慢して、勉強だけしていたんだ。うっ…あっ…。」
彼は久しぶりに感じた快楽に抗えなくなったのか、私の手に合わせるように腰を動かし始めていた。
「我慢していたのね…。えらいわ…。でもね、それは逆よ。私はね、受験勉強していた頃、休憩時間には必ず自慰をして、リフレッシュしていたの。自慰のおかげで集中力が高まって、勉強がはかどったのよ。自慰をしても馬鹿になんてならないから、大丈夫よ。何も24時間ぶっ通しでするわけじゃないんですもの。何をするにも適度なリフレッシュって大事なのよ。」
私は彼のズボンをおろして、トランクス越しに陰茎を触りながら言った。
「そっ、そうなんですか?T大の医学部に合格したあなたが言うんだから、そうなのかもしれませんね…。休憩時間なら、自慰をしても良かったんだ…。」
「何度も言ってるけど、私は響子…。」
トランクスから彼の陰茎を剥き出しにし、直に手でしごき始めた。
「あっ…あっ…きょ、響子さんっ。」
「やっと…名前で呼んでくれたわね…。ご褒美にもっと気持ち良いことしてあげる。」
私は彼の陰茎を口元に近づけると、フェラチオを始めた。
「あっ…んっ…響子さん、そんなの無理です。僕…気持ち良すぎて、馬鹿になってしまいますっ。あっ…はっ…。」
「馬鹿になんてならないから、我慢しないでイっていいのよ。快楽に身を委ねて、日頃のストレスを発散しなきゃ。気持ち良すぎて頭が真っ白になったら、また勉強に身が入るわよ。」
「そっ…それなら…僕…我慢しないで、射精します。3年ぶりくらいの射精を。」
「どんなに我慢していても、無意識のうちに夢精とかしてしまっていると思うけど、意識して射精するのとは全然違うわよね。お願いっ、慧冴くんの3年ぶりの精液を私のお口にちょうだいっ。」
「響子さん…響子さん…僕…出ちゃいますっ。」
3年ぶりだという彼が射精した精液の量は本当に多くて、私の口からだらだら溢れてしまった。
「すごい…まるで本当に3年分溜めたように濃くて大量の精液ね…。少し採取させてもらうわね。私、大学で精子の研究をしているのよ。」
用意していたトレーに彼の精液を垂らすと大事にしまった。
「はぁ…はぁ…響子さん…。すごく…気持ち良かったです…。響子さんって精子を研究しているんですね。すごいな…。研究のために、僕に近づいたってことですよね?ある意味、真面目で勉強熱心なんですね。」
「研究目的もあったけど、私はひと目見た時から、慧冴くんが気になったの。純粋な気持ちで慧冴くんと一緒に気持ちいいことしたくなったのよ。だから本当はこの続きもしたいけど、これ以上は塾に遅れちゃうから、また今度にしましょう。」
「僕…本当は女性の身体も自慰以上のこともすごく興味があります。勉強に支障をきたすと思って考えないように封印していただけで…。塾…さぼったことなんてないけど、響子さんと一緒にもっと気持ち良いことできるなら、塾を休んでも構いません。」
やっと素直になった彼は甘えるようにミニスカートの私の太ももをさわさわと触りながら懇願した。私がノーパンなんて知らない彼に下半身を触られると、子宮がきゅんとして、ますます愛液が滴り溢れてくるのを感じた。
「慧冴くんが封印を解いてくれたのはうれしいけれど…塾を休むのはいけないことだわ。塾が始まっちゃうから、そろそろ行かなくちゃ…。続きは…そうね、27日、今度の日曜日に夏祭りと花火大会があるじゃない?慧冴くんの都合が良ければ、一緒に花火を見てから…しましょう。日曜日の午後6時に図書館の前で待っているから。」
「ありがとうございます。わかりました。今度の日曜日なら塾もないし、家庭教師も来ないから行けると思います。響子さんに会えると思うと、勉強がはかどりそうです。楽しみにしてます。」
「うれしい。私も続き…楽しみにしてるわね。日曜日、慧冴くんのこと待ってるから。」
もしかしたら後輩になるかもしれない彼に情が芽生えた私は、珍しく具体的に次回の約束を交わし、彼の唇に口づけして、彼を塾まで送り届けた。

 
 8月27日(日曜日) 中学1年生・結人(ゆいと)くん 神社の境内から裏山にて

♪『少年時代』(井上陽水)&『夏祭り』(JITTERIN'JINN)
 
 天気に恵まれた夏祭りと花火大会の日曜日…。私はキキョウ柄の紺色の浴衣を着て、約束通り図書館の前で慧冴くんを待っていた。花火の夜に向けて、行き交う人々はなんとなく忙しなく、みんな楽しげだった。約束の時間を一時間過ぎても、彼は待ち合わせ場所に現れなかった。受験生だからやっぱりお祭りどころではないのかもしれない…。お母さんは教育ママだって言ってたし、外出させてもらえないのかもしれないと考えた私は、仕方なく一人で、お祭りの屋台が立ち並ぶ、神社の境内に向かった。友人同士やカップルで賑わう中、ぽんつと一人で寂し気に石段に座っていたキツネのお面をかぶった男の子をみつけた。
「こんばんは。一人なの?友だちとはぐれちゃったとか?」
「こんばんは。はぐれたわけじゃなくて、一人で来たんです。お祭りの夜に家で、一人でじっとしているのも退屈だったから…。」
「そうなの。私も一人なのよ。良かったら一緒に回らない?ぼくの名前は?私は響子よ。そのキツネのお面、かわいいわね。」
「じゃあ…一緒によろしくお願いします。僕は結人って言います。中1です。響子お姉さんもこのお面似合うと思います。そこの屋台で売ってますよ。」
「そうね、じゃあ結人くんとおそろいで私もお面買おうかな。」
アニメのキャラクターなど様々なお面が揃っている中、私も彼と同じキツネのお面を購入した。
「響子お姉さん、すごく似合ってますよ。」
「ありがとう。結人くんも似合ってるわよ。私たち、姉弟に見えるかもしれないわね。」
おそろいのお面をつけた私たちは手をつないで屋台を見て回った。
「りんご飴食べない?私りんご飴が大好きなの。」
「食べたいです。僕も好きなので…。」
私はりんご飴を二つ購入すると、彼に一つ手渡した。
「いいんですか?ありがとうございます。」
「遠慮しないで食べて。懐かしい味…おいしいわね。」
私は夢中でりんご飴をかわいがるように口に含んだり、ぺろぺろ舌で舐めたりしていた。その様子をりんご飴も食べずに彼がじっと見ていることに気づいていた。
「食べないの…?とっても…おいしいわよ。」
「あっ…はい。食べます。おいしいですね…。」
りんご飴にキスする私の唇に視線を向けたままの彼は、赤らめた顔をお面で必死に隠そうとしていた。
「ねぇ…金魚すくいもする?」
「金魚すくいなら、僕、得意なんです。」
「結人くんは得意なんだ。私は苦手なの…。」
金魚すくいの屋台でポイを渡されると、私から先に挑戦した。
「あぁ…やっぱり逃げられちゃった…。金魚が跳ねて、ちょっと水がかかっちゃった。」
私は水がかかった胸元に手をあて、気にする素振りをした。彼はまた私の方に視線を向けていた。
「大丈夫ですか?僕が金魚をすくってあげますね。」
彼は宣言した通り、二匹の金魚をすくってくれた。
「本当に金魚すくいが上手なのね。」
「もし…良ければ、この金魚は響子お姉さんにあげます。」
「いいの?うれしい、ありがとう。大事に育てるわね。」
照れ隠しするみたいに彼はまたお面をかぶり直していた。
「そろそろ…花火が始まる時間よね。私、見晴らしが良くて人が少ない穴場を知ってるの。そこに行ってみない?」
「そんな場所があるんですか?僕も行ってみたいです。」
キツネのお面をかぶり、二匹の金魚を携えた私たちは神社近くの裏山へ向かった。
「この山を少し登ると、開けた場所があってね…。そこから見える花火は格別なの。」
「そうなんですか。木が多いからこの山からは見えにくいと思ってました。」
若い彼は余裕で山道を登り始めたけれど、私は息を切らしながらゆっくり歩いていた。
「はぁ…はぁ…。さすが結人くんは若いわね。」
「大丈夫ですか?浴衣だから、きっと登りづらいですよね。」
彼は私の手をとって一緒に登り始めてくれた。
「ありがとう。着いたわ…。ここよ。」
山道を少し登ると木々が少ない場所に到着した。
「へぇ…ほんとにここだけ見晴らしがいいですね。」
「ちょっとだけ…休ませてもらうわね。」
私は金魚が入っている袋を枝にひっかけ、浴衣をはだけて脚を出し、うなじ部分の襟をパタパタして空気を入れていた。
「はしたなくて…ごめんなさいね…。」
「いえ…暑かったですよね…。」
彼はまたお面をかぶると、お面越しに私の姿をみつめていた。
「響子お姉さん…。」
彼が私に何かを言いかけた瞬間、ドーン、ドーンという轟音が鳴り響き、花火の打ち上げが始まった。
「花火…始まったわね。間に合って良かった。」
「ここから見える花火は本当にキレイですね…。」
花火をみつめる彼の側に近づき、私は彼のお面を外しながら言った。
「ねぇ…ここは誰もいないし、もっとちゃんと、結人くんの素顔を見せて…。」
「はっ…はい…。僕も…もっと響子お姉さんのことをじっくり見たいです…。」
花火が上がる度に一瞬だけ、明かりが灯る暗がりの中で、私たちはお互い、その明かりをたよりに見つめ合っていた。
「神社にいる時から結人くんの視線を感じていたのよ…。」
「すっ、すみません。だって…響子お姉さんの浴衣姿が眩しくて、あんまり色っぽいから…つい見とれてしまって…。」
「じゃあ…私のことをもっとよく見て…。」
私は浴衣をはだけて、胸元や脚を露出させた。
「あっ…響子お姉さん…そんな姿、僕には刺激的過ぎます…。」
恥じらう彼をよそに、私はそのまま彼にさらに身を近づけた。
「結人くんのほんとの姿ももっとよく見せて…。こことか…。」
私は甚平姿だった彼の股間を触った。
「あっ…んっ…響子お姉さん、そんなところ触ったらダメですっ。」
「ここは…もう大人なのね…どんどん硬くなって大きくなってる…。私も本当の姿を見せるから、結人くんのここ、私にじっくり見せて…。」
私は浴衣から胸を露わにし、彼の陰茎を直にまさぐった。
「はっ…はっ…響子お姉さんのおっぱい…すごいキレイです…。あっ…そんな風に触られたら、僕…僕っ…。」
「ねぇ…結人くんも私のおっぱいを触って…?」
「いいんですか…?」
「お願い。結人くんの手で私のおっぱいをめちゃくちゃにして。」
私に手コキされながら、彼は私のおっぱいを夢中で貪り始めた。
「これがおっぱいなんだ…響子お姉さんのおっぱい。響子お姉さんの乳首…あっ、あ…んっ…。」
喘ぎ声を上げながら、彼は私の乳房と乳首を好き放題触っていた。
「あん…ん…結人くんの手つき…激しすぎておっぱいでイッちゃいそうっ。」
「響子お姉さん…気持ちいいですか?僕もとっても気持ち良くて、射精してしまいそうですっ。」
「結人くんの手…とっても気持ちいいわ。いつでも射精していいのよ。私の手の中に結人くんの精液をどびゅどびゅ出して。」
「うっ…あっ…イクっ。」
夜空に大輪の花が咲くと同時に、彼は私の手中で果てた。
「すごい…こんなにたくさん…。ちょっとだけ…結人くんの精液を私にちょうだいね。」
私は彼の精液をすかさずトレーに採取した。
「すっ、すみません。響子お姉さんの肌や浴衣に僕のがかかってしまったんじゃないですか?汚してしまって、すみません…。」
「気にしなくていいのよ…。精液は美容にいいから、肌にクリームみたいに塗り込むのが好きなの。浴衣だって少しくらいシミになっても平気。これは結人くんとの思い出だもの…。」
私は肌についた彼の精液を指先でなぞりながら言った。
「響子お姉さん…僕、僕…もっと響子お姉さんのことを知りたいです。おっぱいだけじゃなくて、そのキレイな脚の中も気になります…。」
「ここ…?ここも気になるの…?さっきから全然、花火見てないけど、私ばかり見てていいの?」
私はさらに浴衣をはだけながら少しずつ脚を開いた。
「花火なんかより…響子お姉さんのあそこを見てみたいです。」
「じゃあ…私の中に、結人くんの打ち上げ花火をくれる…?」
私たちが花火そっちのけでお互いの身体に触れ合い始めると、誰かが近づいてくるような話し声が聞こえた。慌てて私たちは着崩していた浴衣と甚平を着直した。
 
 「あれっ…?結人くん?それから…響子お姉ちゃん…?」
「結人?なんで響子さんと一緒に…。」
私たちの前に現れたのは私が精液を採取した星夜くんと慧冴くんだった。
「慧冴兄ちゃんに星夜?なんで二人が一緒にいるの?」
「なんでって…いとこ同士だからだよ。響子さん、すみません。約束してたのに、行けなくて…。星夜たちが急にうちに来て、出かけ損ねてしまって、慌てて星夜と一緒に祭り会場へ向かったんですが、見つけられなくて…。」
「そうだったの。気にしなくていいのよ。結人くんと二人はどんな関係なの?」
「星夜とは同じ習字教室に通ってるから、小学生の頃から知り合いで。慧冴兄ちゃんとは、図書館に行った時、高い所にあって届かなかった本を取ってもらってから仲良しになって…。」
「なるほど…結人くんも星夜くんと同じく習字を習ってるのね。慧冴くんやさしいじゃない。結人くんに本を取ってあげたなんて。」
慧冴くんは少しはにかみながら、メガネをかけ直していた。
「僕たちの関係はともかく、響子お姉さんの方こそ、星夜や慧冴兄ちゃんと知り合いなんですか?」
「えぇ…みんなとはこの夏に出会ったの。三人が知り合い同士なら…今度、四人で楽しいことしない?星夜くんとはまた会いましょうねって約束していたし、慧冴くんとは続きを…しましょうって約束していたし、結人くんとは花火そっちのけで、しようとしていたことがあるし…。」
顔を見合わせながら、三人のぼくたちは無言で顔を赤らめていた。
「僕は…響子さんと…あの日の続きを…したいです。」
「ぼくも…響子お姉ちゃんとまた筆で遊びたいっ。ぼくの筆おろししてくれるって約束してくれたよね?」
「えっ?何?星夜は響子お姉さんと筆遊びしたの?筆おろしって…。僕だって筆さばきには自信あります。習字習ってるし、響子お姉さんのこと喜ばせる自信ありますから。」
「みんな、ありがとう。もう少しだけ…夏休みが残ってるじゃない?今夜だけじゃなくて、明日も明後日もみんなで夏を満喫しましょうね。二人も習字を習っているなら、おっぱいだけじゃなくてあそこも…筆でしてもらおうかしら?」
「響子さん…そんなに筆が好きなら、僕も響子さんを筆で喜ばせます。中学生の頃までは僕も習字を習ってましたし。星夜や結人には負けません。」
「そうなの?慧冴くんも習字を習っていたのね。もちろん習字用の筆も大好きだけど、私は一番好きなのは…三人がひとつずつしか持っていない大切な筆の方よ…。」
年下の男の子たちはまた顔を見合わせて頬を赤く染めると、大事な筆を秘めた部分をもっこりさせていた。彼らの頬が赤く染まったのは、反射した花火の光のせいではなかったと思う。私たちは四人で夜空に溶けていく花火を眺めながら夢心地のまま、残りの短い夏に訪れる予感がしてやまない憧れに胸を高鳴らせていた。花火の明かりで四人の影が残像みたいに伸びては、儚く消えた。
 
 夢現のまま、彼らと駆け抜けた夏はもうしばらく続きそう…。私のひと夏の情事を鮮明に記録した精液採集日記もまだ、終わらせることはできそうにない。かわいい年下の男の子たちと何をしよう。まずはみんなにかき氷を作ってあげようかな。それから夜には線香花火もしたいし、棒を持ってスイカ割り、竿を使って魚釣りもしたいな…。キュウリやナス、ゴーヤなど夏野菜を収穫して、一緒にお料理するのもいいかもしれない…。夏にやり残したことをみんなで全部やって、残りの夏を悔いのないように楽しめたらいいな…。
 
 結人くんからもらった金魚を水槽に入れたら、間もなく二匹は追いかけっこを始め、メスは産卵し、オスは卵に放精していた。金魚の繁殖行動を見つめながら、指を咥えていた私は、きっと彼らとこれから味わえる至福の時に思いを馳せていた。

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