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大学改革

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#大学教育

独自のカルチャーに”浸れる”環境が人を育てる。武蔵野大学EMCのイベントから考える、大学で学ぶ意味とは何か

独自のカルチャーに”浸れる”環境が人を育てる。武蔵野大学EMCのイベントから考える、大学で学ぶ意味とは何か

インターネット上に無料の学びがたくさんあるなか、大学で学ぶ意味とは何なのだろう?こういった問いは、メディアやネットの書き込みを見ていると定期的に目にします。私自身もたまに考える問いではあるのですが、今回、見つけた武蔵野大学のイベントはその答えの一つになるかもしれません。

スタートアップ界隈の”熱さ”を体現した大学イベント

では、どんなイベントなのかというと、「EMC SUMMIT −未来の前で

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影響するのは教育だけじゃない?近大の取り組みから考える。大学による生成AI活用のリスクと難しさ

影響するのは教育だけじゃない?近大の取り組みから考える。大学による生成AI活用のリスクと難しさ

第170回芥川賞の受賞者がChatGPTを一部使って小説を書き上げたことで話題になっていますが、生成AIの発展はほんと目覚ましいものがあります。今回、見つけたプレスリリースはそんな生成AIの大学での活用についてです。近畿大学の取り組みなのですが、今後、こういうのが増えていくのかもしれませんね。

生成AIを使って大学職員の業務効率を上げる

今回のリリースは、近畿大学でChatGPTに使われている

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変化の過渡期だからこそ考えたい。フェリス女学院大が取り組む、学生の発表で問いかける”我々とは何か?”

変化の過渡期だからこそ考えたい。フェリス女学院大が取り組む、学生の発表で問いかける”我々とは何か?”

歯止めのきかない少子化、コロナ禍を経ての学びや学生意識の変化、にわかに高まっている学び直しへのニーズなどなど。大学の置かれた状況が刻々と変わってきているのは、大学関係者でなくても、なんとなく感じている人は多いように思います。今回、見つけたフェリス女学院大学の取り組みは、こういった変化の過渡期だからこそ、より大事になる取り組みだと感じました。大学はどうあるべきかを考えるのは、大学のマネジメント層だけ

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育てると増やすは違う?異色の講演会から感じる、ベンチャー企業創出拠点づくりをめざす近畿大学の本気

育てると増やすは違う?異色の講演会から感じる、ベンチャー企業創出拠点づくりをめざす近畿大学の本気

つい先日、近畿大学のインキュベーションの話題を取り上げたところなのですが、今回も近大のインキュベーションネタです。見た瞬間は、これってどうなの!?と感じたのですが、あれこれ考えた結果、一周まわってこれはこれで有りなのかなぁと思うに至りました。何であれ、目的さえ明確なら、そこに至るアプローチは自由なのかもしれません。

近大「KINCUBA Basecamp」で開催する異色の講演会

今回、取り上げ

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ヒントは成蹊大の特設サイトにあり!? “学び方のレシピ”の集積から考える「学修者本位の教育」への向き合い方。

ヒントは成蹊大の特設サイトにあり!? “学び方のレシピ”の集積から考える「学修者本位の教育」への向き合い方。

「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」で示された「学修者本位の教育への転換」は、これからの教育の方向性を示す指針として、どの大学も大いに意識しているように思います。とはいえ、これをどのようにすれば教育に実装できるのでしょうか。多くの大学が模索段階だとは思うのですが、このたび成蹊大学が公開した特設サイトは、この難問を考えるうえで、いいヒントになりそうに感じました。

複雑に絡まり合いながら

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ChatGPTは、大学の学びを加速させるのか壊すのか。いま大学が求められる生成系AIとの向き合い方を考える。

ChatGPTは、大学の学びを加速させるのか壊すのか。いま大学が求められる生成系AIとの向き合い方を考える。

インターネットやスマートフォンの登場で、私たちの生活が大きく変化したように、いま話題になっているChatGPTも、私たちの生活を根っこのところから変えていくテクノロジーのように感じています。連日、ChatGPT関連のニュースが出ており、各大学もこのオーパーツの卵とどう向き合うか、いろんなスタンスを表明しています。進化のスピードが早すぎて、来月ぐらいにはまた状況が変わっているかもしれないのですが、と

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時代は超効率重視?近大の調査から見えてきた、新たな学生の学びスタイルをどう受け止めるかについて考える。

時代は超効率重視?近大の調査から見えてきた、新たな学生の学びスタイルをどう受け止めるかについて考える。

コロナ・パンデミックがはじまって2年半が過ぎました。アフターコロナの社会はどうなるのか?みたいなことが話題にはあがるものの、コロナがどこかのタイミングできれいに収束して、コロナのない世界がはじまる、というのは、おそらくないように感じます。

グラデーション的に変化しつつ、気がつけばコロナがあまり気にならない、コロナと共存した社会になっていた……、そういうのが現実的なのではないでしょうか。であれば、

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そもそも別物!?大学のこれからを左右するかもしれない、これからのキャリア教育&支援について考える。

そもそも別物!?大学のこれからを左右するかもしれない、これからのキャリア教育&支援について考える。

今回、取り上げるのは立教大学のオンラインイベントです。オンラインイベント自体もう今となればめずらしくないうえ、このイベントが取り上げているテーマもそこまで突飛なわけではありません。でもこれは……と思ったのは、このイベントがキャリアイベントと銘打っていたからです。大学のキャリア教育、キャリア支援というのは、これから先ものすごく変わっていくんだろうなと、このイベントを見つけてしみじみと思いました。

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オンライン授業の意味は、授業外にあり?コロナ収束後に向けて考えたい、見落としがちなオンライン授業の論点。

オンライン授業の意味は、授業外にあり?コロナ収束後に向けて考えたい、見落としがちなオンライン授業の論点。

先日、ハーモニープラスという学修成果や教育成果の可視化・分析ツールを提供する会社による、「現在の大学での授業」に関する調査の結果を見つけました。ここには、オンライン授業に対するアンケート結果も載っていたのですが、私が大学で見聞きするオンライン授業の評価と大きくは変わらず、何となくオンライン授業の評価というのは定まりつつあるのかなと感じました。一方で、評価が定まってきたからこそ、この種の授業を今後ど

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これから支持される学びは、いち大学では成立しない?学びのオンライン化がもたらす、新たな学びの評価軸を考える。

これから支持される学びは、いち大学では成立しない?学びのオンライン化がもたらす、新たな学びの評価軸を考える。

魅力的なオンラインの学びにある2つの共通点オンライン授業という学び方が大学教育に本格的に取り入れられるようになり、なんだかんだでもうすぐ1年が経とうとしています。当初は対面授業の代替として、対面でやってきたことを何とかしてオンラインに置き換えようとする取り組みだったように思います。でも、時間が経ち、学びのコツや特徴がわかるようになってきて、じわじわと内容が変化してきているようです。今回はそんな新し

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SDGsも、就職も、本質を見据えた取り組みこそが、説得力がある。(立命館)

SDGsも、就職も、本質を見据えた取り組みこそが、説得力がある。(立命館)

猫も杓子も、というと怒られそうですが、最近いろいろなところでSDGsに関わる取り組みを見かけるようになりました。大学もご多分に漏れずSDGs推進に力を入れており、イベントであったり、ウェブサイト等での情報発信であったり、さまざまな取り組みをしています。

こういった大学のSDGs関連の取り組みを見ていると、既存の取り組みや研究に17ゴールのラベリングをしたり、学生主催のイベントだったりで、本質的な

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“大学の未来”を伝える最良コンテンツ、トップメッセージの重要性を考える。

“大学の未来”を伝える最良コンテンツ、トップメッセージの重要性を考える。

入試広報のイベントは数あれど、ほとんどはその大学がどういう大学なのかという事実を伝えるものになります。今回、見つけた高校教員及び教育関係者向けイベントは、内容がとても豪華なうえ、伝える情報の種類も、オーソドックスなものとはちょっと違いそうです。

「名古屋六大学トップメッセージフォーラム」というイベント名がすべてを物語っているのですが、このイベントは名古屋にある6大学の学長が大阪に集まり、教育のこ

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近い未来、名物Vチューバー先生は大学の宝になる、という話(吉備国際大)

近い未来、名物Vチューバー先生は大学の宝になる、という話(吉備国際大)

ものすごくおじさん的な物言いですが、ユーチューバーってすごく人気があるみたいですね。このユーチューバーの亜種ともいえる、Vチューバーがなんと大学の先生になったようで話題を呼んでいます。けっこう衝撃的ではあるものの、これ、実はすごく可能性があるように思うのですがいかがでしょうか。

教員として就任したのは、Vチューバーの朝霧けいさん。所属は、吉備国際大アニメーション文化学部なので、Vチューバーにぴっ

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今という時代に、学生視点でよりよき教育を考えることの大切さ

今という時代に、学生視点でよりよき教育を考えることの大切さ

大学がレジャーランドと揶揄されたのは、はるか昔のこと。今の学生たちは真面目だし、大学もそれに応えるように良き教育を追究しています。今回、見つけた記事にある、学生FD(ファカルティ・ディベロップメント)サミットは、そんな良き教育をつくるための取り組みの一つです。こういう活動に学生が主体的に関わるのって、とても大事なような気がします。

まず、そもそもFDとは何なのか、ですが、これは上の記事にも少し書

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