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文章リハビリ

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メンバーシップの掲示板機能で文章を書いてます。 日記とか読書感想文とか。月15〜20回程度。 2023年1月3日スタート。めんどくさくなったらやめます。 2月も継続中。 3月も継続中。 4月も継続中。 5月も継続中。 6月も継続中。 7月も継続中。 8月も継続中。 9月も継続中。 10月も継続中。 11月も継続中。 12月も継続中。 2024年1月も継続中。 2月も継続中。 3月も継続中。

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    カウンセリングにまつわる文章を集めました。

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 昼ごはんを買いに出かける。自分の部屋で鳴っている音楽が外まで漏れているのに気づいて、戻ったらボリュームを下げないといけないと思う。そこに隣の家から伯父が出てきたので挨拶する。祖父母と従姉妹がお好み焼きを作っていて、ちょうどいいから持って帰れと言う。ふと気づくとそこに兄もいて、一緒にお好み焼きを持って帰ることにした。  実家に戻った俺は、一番奥の部屋を、両親の寝室を恐る恐る覗いたがそこには誰もいなかった。さらに奥の物置を覗くと人間が3人、土嚢のように転がっていた。最初はサング

    • 夜明け前

       2度目の新型コロナウイルスに罹って、仕事も1週間休みになって、昼も夜も寝ていたから睡眠薬を飲む必要がなくなった。特に初日は症状がひどかったから咳き込むたびに目が覚めていたし、そこで睡眠薬が下手に効き過ぎたら痰を吐き出せなくて窒息死してしまうと思って一人でビビっていた。  いつかは睡眠薬を辞められたらと思ってはいたのだ。眠れるに越したことはないけど飲まないに越したこともない。あれは感染症のパンデミックが起こるまえのことだから2019年の終わり頃。少なくとも4年で365日となる

      • 友人に就いて 2

         俺がタワーレコードアリオ川口店で働いていたのが今からちょうど10年まえのことだ。毎週毎週アイドルのCDが発売されて、その付録であるイベント参加券のおかげでかろうじて日々の売り上げがまかなえていた。仮面ライダーカードとポテトチップスの関係のように、音楽もまた捨てられているような気がした。自分だったら買わないであろう何かを売り物にしている。そんな漠然とした居心地の悪さを感じてからそう長くは続かなかった。  斜陽も沈みかけていることは重々承知だったが、せめて地元のバンドやアーティ

        • 友人に就いて

           友人は多い方だと思う。一人でいるのも苦痛じゃないし、時間ならいくらあっても使い道には困らない。だけどなんだかんだで友人と会う予定を入れてしまうのはただの寂しがりだろうか。  友人と会うことに何かメリットがあるのかといえばこれははっきりとある。一番はやはり”煮詰まらない”ということだろう。部屋の換気をするようなものだ。他人に向けて言葉を選ぶことでまず考えが整理されるし、具体的なアドバイスをもらわなくても、かすかなリアクションのなかにその客観的な評価を読み取ることもできる。あ

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          引越顛末4

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          引越顛末3

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          マインドフルネス2

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          引越顛末2

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          2023年1月28日(土) くもり 引っ越ししてからちょうど2週間が経った。住民票や免許証の変更など、思いつく限りの手続きもだいたい済ませることができた。先週はベッドが届いて、そこからようやく人間らしい生活になったと感じる。もともと長いあいだ敷布団で生活してきたのだけど、今度の住居は硬い床&底冷えで、これまでのライフスタイルを変更せざるを得なかった。 遡ること2週間前。引っ越しを終えて初めての夜。敷布団の上に横になると、まるでコンクリートの路上で眠っているようだった。背骨を

          引越顛末2

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          PERFECT DAYS 試論

          東京画  俺はヴィム・ヴェンダースのことをよく知らなくて、小津安二郎好きの外国人映画監督としてしか認識できていない。唯一観たことのある監督作品は『東京画(Tokyo-Ga)』だけだ。だから自ずとそれを拠り所として考えてしまうのを避けられないし、あながち検討外れでもないように思う。  まず1953年に小津安二郎『東京物語』があって、それから30年後、1983年の東京を映画にしたのがヴィム・ヴェンダース『東京画』だ。詳しくはWikipediaを参照してもらうとして、これは198

          PERFECT DAYS 試論

          2024年2月19日

           涙を乾かす時間もないまま、俺は午前の路上に放り出された。霧雨が降り始めていて、傘で顔を隠すにはちょうどよかったかもしれない。だけどお墓参りをするにはあいにくの天気だ。それでも、週末は雪の予報も出ているからいまのうちに済ませておくのが吉だろうと思って、俺はそのまま地下鉄に乗って霊園に向かった。  いつもの石屋で花と線香を買い終えた頃には、少しだけ晴れ間が見えていた。いまのうちに掃苔を済ませてしまえたらと思って足早になる。さっきまでの話が頭をよぎらないでもなかったが、カウンセリ

          2024年2月19日

          西村賢太考

           その名前は芥川賞を受賞したときに知ってはいたのだ。2011年の受賞だから俺が24歳のとき。その風体とやさぐれた態度も印象に残っているが、当時の俺にとっては関心ごとから外れていて、その後もバラエティ番組などでその活躍が視界に入っていたはずだが自分とは無縁のものだとなぜか決めつけていた。ひとつは『苦役列車』という実写映画がつまらなかったせいかもしれない。チケットを買って観ることもしていないのだが、宣伝の印象だけでそう判断した。酒、煙草、買春、暴力というような無頼のステレオタイプ

          西村賢太考

          2月の春

           今日から2月。まるで春が来たかのように暖かい日だ。気温は15℃を超え、桜が咲く頃の陽気だと天気予報士が伝えている。思い出すのは大学一年の終わり頃、ちょうど似たような2月の春の日のことだ。  大学一年の初めに鬱になった俺は、鎌倉の心療内科に通って向精神薬を飲みながら生活していた。いくつかの授業を諦めただけで、案外単位を落とすことなく前期を修了することができたのはこれもまた鬱になるほどの真面目さゆえだろうと思う。一方で、気持ちが追い付かないまま無理矢理に始めたファミリーレスト

          2月の春

          マインドフルネス5

          2週間ぶりのカウンセリングを、俺は決して前向きな気持ちで迎えることができなかった。先生が前回の内容をざっとおさらいし始めたが、その話を聞いているだけで涙がこぼれそうになってくる。まだ本題に入ってすらいないのに、それを目的としてここにやってきたのに。「という話でしたよね」と先生が投げかけるが、俺は返事をすることができなかった。 治療の意義を見失ったわけではなかった。だけど、これまで失ってきた可能性の多さを思い知って途方に暮れていたのだ。絶対に勝てないルールのなかで何も知らずに戦

          マインドフルネス5

          芝刈りの日々

          植本一子『愛は時間がかかる』を読み終えた。一気に最後まで読めてしまうくらいのボリュームだったが、あえて数日かけてじっくり読んだ。それはこの本の中に流れる時間感覚を共有するためでもあったし、もっと単純に、自分が置かれている状況とのシンクロが強すぎて体力的に持たなかったということもある。トラウマ治療について書かれたものだということは読む前から知っていたし、自分にとってもカウンセリングの予習復習になればと思っていた。参考になることも励まされることも多かったが、実践の最中にいる人間が

          芝刈りの日々

          松任谷由実の思い出2

          2019年に松任谷由実を観たときと、2023年と、何が一番変わったかって言ったら姉が亡くなったことだろう。横浜アリーナで『海を見ていた午後』を聴いてから3ヶ月が過ぎた頃だった。 そのあと感染症の脅威で市民生活はすっかり変わり果てたけれど、俺たち家族にとっては何が重大で何がそうでないかはわからないままだった。他人との距離が遠ざかった世界は、喪に服する気持ちに寄り添ってくれたのかもしれないし、忘れることを許さずにその痛みを長引かせたかもしれなかった。 それが今年の5月になって、こ

          松任谷由実の思い出2

          松任谷由実の思い出

          子どもの頃はいつも21時には眠っていたからドラマなんてまったく観たこともなかったんだけど、おやすみなさいって言ってリビングを離れるときにTVから流れていた『Hello, my friend』はなんだか切なくて良い曲だなって思った。それがなんのドラマだったかも知らないし、大人が恋愛している姿なんてまだ見てはいけないもののように感じていて、逃げるようにして布団にもぐったけれど。 小学6年生のとき、俺は夏の終わりまで不登校だったからおそらく卒業遠足の帰りだと思うけれど、みんなで貸

          松任谷由実の思い出

          中村江里『戦争とトラウマ 不可視化された日本兵の戦争神経症』 (と塚本晋也『野火』)

          横浜にある「シネマリン」という小さな映画館では、毎年8月になるとひとつの映画が再上映される。塚本晋也監督『野火』である。これはもはや風物詩のようなもので、上映の知らせが届くたびに日本の夏がやってきたことを感じる。好きな映画なのでなるべく予定を合わせて観に行くようにしているが、それはやはり娯楽としてだけではなく、戦争の記憶を風化させないためのアクションに参加しているのだと認識している。 『野火』はもともと1951年に発表された大岡昇平の小説が原作で、1959年に市川崑が映画化し

          中村江里『戦争とトラウマ 不可視化された日本兵の戦争神経症』 (と塚本晋也『野火』)

          調布の思い出

          2023年4月16日。 この日は朝からカウンセリングだった。3週間、待ち遠しいくらい楽しみにしていた。それは、この過程を乗り越えれば楽になれるという期待感からなのか、この過程自体が自分の興味関心そのものだからなのか。苦しめば苦しむほど楽になっていく感じがするのはその苦しさが元々あったものだからだろう。苦しかったことに気づくだけの連続で、それは深海の地面にタッチして戻ってくるような作業だ。 カウンセリングを終えて、涙も乾かないうちに電車に乗った。目を閉じてクールダウンする。さっ

          調布の思い出

          神奈川近代文学館「小津安二郎展」

          2023年4月15日。 雨。目が覚めたときから降っていて、眠るときまで降り続けてくれるならいっそあきらめがつくというものだ。完璧な雨の日。濡れても大丈夫な靴を履いて、ビニール傘を持って出かける。桜はとっくに散ったけれど街は新緑の季節。深まっていく緑色のすきまを埋めるように白やピンクの花々が咲いている。俺はそのほとんどの名前もわからないまま36歳になった。 小津安二郎展、というのは2020年に鎌倉文学館で催されたものを観たことがある。そのときのことで思い出せるのは、撮影に使わ

          神奈川近代文学館「小津安二郎展」

          男はつらいよ

          横浜駅から京急線に乗っていたはずだが、いつのまにか都営浅草線になって、終点の高砂駅に着く頃にはいつのまにか京成押上線になっていた。そのあいだに何度も川を越えた。鶴見川、多摩川、墨田川、荒川、中川。最後のひとつは聞きなれない名前だったけれど、あとになってアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の歌を思い出してピンときた。浮かぶ夕陽をめがけて小石を蹴ったら靴まで飛んでジョギングしていた大工の頭領にガキのまんまだと笑われた、あの川だった。 高砂駅で京成金町線に乗り換えると、同じ車両に

          男はつらいよ