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JPCA若手医師部門病院総合医チーム#おすすめの本

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JPCA若手医師部門病院総合医チームメンバーのおすすめの書籍を紹介していくマガジンです。
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おすすめの本〜アルコール関連2冊〜

おすすめの本〜アルコール関連2冊〜

今回おすすめする本は、アルコール依存症関連の2冊です。
どちらも、とっても気軽に手に取れる本です!

だらしない夫じゃなくて依存症でしたこちらは、さまざまな依存症(アルコール、薬物、ギャンブル)の人とその家族の、苦悩と葛藤の日々、回復までの道のりを描いたマンガです。このマンガは、厚生労働省 依存症対策推進室による2018年度の依存症普及事業の一環として掲載されました。

第一話は、アルコール依存症

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おすすめの本~深く息をするたびに~

おすすめの本~深く息をするたびに~

今回は病院総合医として集中治療にどのように関わるかを見つめなおすきっかけとなった本を紹介します。

集中治療後症候群(Post-Intensive Care Syndrome:PICS)とは?

PICSとはICU入室中あるいは退室後に生じる身体障害、認知機能障害、精神障害です。PICSを発症すると、退院したあとも仕事に戻れなかったり、人間関係を築けなかったりするため、患者さんの人生は大きく変わり

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おすすめの本~医療者のためのリーダーシップ30の極意~

おすすめの本~医療者のためのリーダーシップ30の極意~

本日は、リーダーシップを学びたい人の入門書としてオススメな「Thirty Rules for Healthcare Leaders 医療者のためのリーダーシップ30の極意」をご紹介します。

専門医資格を取得する、またはチーフレジデントを務める医師6年目前後に、リーダーシップについて学びたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん、Business School内のMaster

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おすすめの本~「レジデントノート増刊 新版 入院患者管理パーフェクト」

おすすめの本~「レジデントノート増刊 新版 入院患者管理パーフェクト」

当チームのOBの官澤洋平先生、また担当理事である病院総合医委員会の石丸裕康先生が編集された「レジデントノート増刊 新版 入院患者管理パーフェクト」が出版されました!

大好評の「入院患者管理パーフェクト」が新版に。病棟での仕事術から入院患者に生じる“主疾患以外”のあらゆる問題への対応まで、幅広く解説!入院から退院のその日まで、病棟診療の勘所がバッチリわかる1冊!

こちら、当チームのOB・OG、ま

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おすすめの本~若手指導医1年目の教科書~

おすすめの本~若手指導医1年目の教科書~

本日ご紹介する書籍は「若手指導医1年目の教科書」です。

筆者も執筆に関わったため「COIあり」ですが、完成した書籍を拝読し、総勢21名の執筆陣が「魅力的な若手指導医になるための実践的な内容」を紹介している非常によい書籍だと感じたので、是非みなさんにお伝えしたく紹介いたします。本書の特徴は3つです。

①色々な学年の"若手"にフィットする
本書は4つのパートに分かれています。Part 1の「ベース

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おすすめの本~Common Diseases Up to date

おすすめの本~Common Diseases Up to date

今年度もラストスパートですね!私も3月で職場が変わるため、内科外来の大量の引き継ぎ業務に追われながらも、新天地の勤務にわくわくして参りました。

最近、初期研修を終えて来年度から内科専攻医になる先生方から、外来のお供になるおすすめ本を聞かれることが多いので、私のお供を1冊紹介させていただきます。

2022年4月に出版された” Common Diseases Up to date”です。

日常診

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おすすめの本~“実践的”抗菌薬の選び方・使い方~

おすすめの本~“実践的”抗菌薬の選び方・使い方~

漠然と難しいと感じてしまう抗菌薬。構造ごとの分類や適応疾患は知っているつもりでも、実臨床での抗菌薬の使い分けに関してよく理解できておらず、分かりやすい本を探しているときに出会ったのがこちらです。

タイトル通り、『実践的』な抗菌薬の選び方や使い方を学べる一冊になっています。個人的なおすすめポイントを3つに絞ってご紹介します。

経口抗菌薬の使い分け

まず、生物学的利用率(bioavailabil

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おすすめの本~ステロイドの虎~

おすすめの本~ステロイドの虎~

おすすめの本シリーズ第15段です。
今回ご紹介するのは、みんな名前は知っているけれど、いざ使うとなると躊躇うことが多いであろう『ステロイド』に関する本です。

この本を読んだ率直な感想は、「まさに求めていたステロイドのハウツー本」でした。ステロイドの用量や投与期間について明記された文書を今まで見つけられず、先輩や専門科の先生に質問しても曖昧な回答だなーと感じていたものが、この本を読んで腑に落ちまし

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おすすめの本〜「身体拘束最小化」を実現した松沢病院の方法とプロセスを全公開〜

おすすめの本〜「身体拘束最小化」を実現した松沢病院の方法とプロセスを全公開〜

今回は、ホスピタリストとして日々の診療を改めて見つめ直す機会となった本を紹介します。

この本の舞台は精神科病院ですが、わたしたちホスピタリストの勤務する"非"精神科病棟でも、高齢の認知症患者さんやせん妄患者さんに対する身体拘束は日常的です。
わたしはこれまでずっと急性期医療に携わってきて、当たり前の様に、入院時に身体拘束の同意書にサインをもらっていました。治療完遂のために身体拘束は「止むを得ない

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おすすめの本~人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ~

おすすめの本~人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ~

学年が上がるにつれ、チームをまとめたり後輩を指導したりする役割を担う機会が増えてきました。しかし、自分の意図が思うように相手に伝わらなかったり、相手のためにフィードバックをしたつもりでも心に響かなかったり、自分自身悩むこともありました。
そんなとき、「声の掛け方の参考になるかもしれない」と紹介してもらったのがこちらの本です。

類人猿分類は元々、食の総合プロデュースを行う株式会社エブリイグループの

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おすすめの本~フレームワークで考える内科診断~

おすすめの本~フレームワークで考える内科診断~

 診断学を勉強するにはどの本を読めばよいでしょうか?

 私ならこの「フレームワークで考える内科診断」を勧めます。総合診療をされている読者の皆様なら、一度は学生や研修医からこの質問されたことがあると思います。良書はたくさんありますが、本書は類書にはない特徴があります。

 一つ目は、病態生理に対する深い造詣です。類書ではあまり触れられない病態生理が、フレームワークそのものになっています。例えば、「

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おすすめの本~誤診の解体 診断エラーに潜む認知バイアス~

おすすめの本~誤診の解体 診断エラーに潜む認知バイアス~

近年、「診断エラー」は医学的にも社会的にもインパクトのある問題と認識されるようになっており、我々が日々診療にあたるプライマリ・ケアの現場も例外ではありません。

一方で今まで「診断エラー」について学んだことがない方もたくさんいらっしゃると思います。

診断エラーって聞いたことはあるけどよく分からないという方はもちろん、既にご存知の方にもオススメの本を2週にわけてご紹介しています。

今週は後編です

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おすすめの本~診断エラー学のすすめ~

おすすめの本~診断エラー学のすすめ~

みなさん、「診断エラー」に関してご存知でしょうか?真剣に日々の診療にあたるなかでも「診断エラー」はある一定の確率で生じてしまいます。
しかし、そのエラーを防ぐ努力は臨床医である限り必要不可欠であり、責務であるといえるでしょう。

昨今、診断エラーは「患者の健康上の問題について、正確かつタイミングよく解釈できなかったり、その解釈が患者に説明されなかったりすること」と定義されており、医学的にも社会的に

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おすすめの本~女性医師の意欲とキャリアとリーダーシップ 自分自身を乗り越えるともっと楽しい~

おすすめの本~女性医師の意欲とキャリアとリーダーシップ 自分自身を乗り越えるともっと楽しい~

最近学生さんから女性としてのキャリアってどう考えていますか?と質問されることが増えてきました。

確かに…。
私自身漠然と、結婚出産しても働けたらなあと思っているけれど想像できないし、あまり“女性医師”ということについて考えたことなかったなあ…。

そんな時に上司から紹介された本です。

自分自身がよく知らなかった情報だったからこそかもしれませんが、女性という特性、女性医師を取り巻く状況が少し見え

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