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浜辺に流れて来る札束のゴミ

浜辺に流れて来る札束のゴミ

浜辺を散歩していると、廃棄された札束が焚き火で燃やされた後が残っていた。

裏手にある廃棄場から運んで来たらしい。
既にお金が使えなくなって数年経つ。

けれども未だ、そのゴミには、少し前の文明の香りがする。

ニューエコノミーの時代から数年で、こういう世界がやって来るとは誰が想像出来ただろう。

世界から国家が消えて、通貨交換が消えて、全自動で物資が流通管理される贈与循環社会が始まった。

大きな災害とAIの自動提案救助システムから通貨交換が停止されて、この世界が始まった。

誰も、何処の国も、あんなに大変な震災の時に対価は求めないという事。

あれから、新たに通貨交換を始める必要が無い事に人間は気づいた。自然からの常識への大きな揺さぶりが、世界を変えてしまった。


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