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アメリカDVシェルターで出会った人たちについて

私が実際シェルターで出会った被害者たちについてお話ししたいと思います。

DV被害者として皆シェルターにやってきますが、実は嘘をついて入ってきている人もいます。

なぜ嘘をつくか?

圧倒的に多いのはアメリカの”永住権”が欲しいからです。
DV被害者には特例として永住権を申請できる場合があるからです。
※このビザも年々厳しくなり、今はあるのかないのかもわかりません

アメリカは不法移民の数がとても多く、そういった人たちは家を借りたり仕事を見つけることが難しいのです。
日本人でも不法滞在している人がいると聞いたことがありますが、南米などから来る移民はかなり多く、家や仕事が得られないと一気にホームレスになってしまいます。

そういうただ行き場をなくしただけの不法移民がDVシェルターに紛れ込んでいます。
ただ難しいのは、DVを受けた!と言われると断ることは難しいというのも理解できます。
私のように警察に通報したこともなく、病院を受診したこともないような人がたくさんいるからです。
したくても世間体が気になったり、英語が話せないから通報できなかった、信じてもらえないかもしれない、そもそも病院に行ける方法がない、、など理由はたくさんあります。

DVと言っても十人十色で、状況や国籍、理由は色々です。

すでに警察に通報してからシェルターにきているひと、
逆に子供を黙って連れ出したと夫に通報されているひと、
そして何度も自殺未遂を繰り返したため夫に追い出されたひと、
一度も会ったことのないアメリカに住む男性から結婚しようと言われてやってきたが、ビザをとってもらえず不法滞在になりシェルターにDVを受けたなどと嘘をついて入ってきたひと、
夫にかまってもらえずメンヘラで自殺未遂をくり返して追い出されたひと
アメリカに滞在したいけどうまく結婚相手を見つけられずただ不法滞在になってしまったひと
移民局からGPSをつけられて監視されているひと

色んな人がいました。

日本人もいますが、出会い系アプリでマッチングした人とビデオ電話などで何度か話しただけでいきなりアメリカに観光でやってきて結婚したけれど
夫に永住権の申請をしてもらえず、不法移民状態になっているというパターンが何人もいました。
日本に旅行に来ていたアメリカ人や、自分がアメリカに旅行に来ていた時に出会ったアメリカ人を信じてやってきたら、向こうは全く結婚する気などなく別れ話がもつれ暴力を受けた人。
留学でアメリカに来ていて、アメリカ人との子供を妊娠してそれを告げたら逃げられた、など日本人に関しては恋愛系で騙される人がすごく多いなと思いました。

そして彼女たちはまた出会い系アプリでアメリカ人を探していました。
ビザがないとアメリカで仕事をするのは難しいし、ビザのサポートまでして日本人を雇うなんて相当の専門性でもない限り不可能と言っていいほどなので、アメリカに残りたいのなら結婚しかないのでしょう。
でもまた焦って同じことの繰り返しになり、またシェルターに戻ってくる人も多いです。

私がシェルターにいた時は、すでにアメリカ人である人は数人いましたが私以外ほぼ全員のアメリカ人以外の人はビザを持っていませんでした。

そしてシェルターのスタッフは私たちのことをまともな人間とは思っていません。
思っている人もいますが、ほとんどのスタッフはクライアントをバカだと思っているような態度をとります。
それがまたセカンドアビューズとなり、ますます自信をなくし気力を無くしていきます。

確かに本当にどうしようもない、ただ永住権が欲しいだけのクライアントが結構いるのは確かだと思います。
日本で生活している人には信じられないですが、本当に必死で永住権が欲しいのです。

彼らに罪悪感はいっさいありません。
堂々と無料のサービスは我先にと必死で掴みにいきます。
特に永住権と食事に関しては彼らは人に怪我を負わせてまでも我先にとぐいぐいいきます。

日本で普通に生活していると、そこまで厚かましく自分勝手な暴力的な人間に出くわすことはほぼないと思います。
もしいても避けれますが、シェルターにいると避けることができません。

バカにしてくるスタッフにも楯突くことは難しいです。
だって私たちのような移民には何もないのに子供を守らなければいけないのだから。
そんな立場を利用して偉そうにしてくるスタッフは本当に最低だと思っていました。

そして私はそんな彼らにとって嫌なクライアントとなっていきます。




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