記事一覧

形有るものが失くなるように、形無いものも、やっぱり失くなってしまう。#307

「なんで大事な卒業アルバムを、捨ててきたの!」 と、中学校の卒業式の帰り道、川に卒業アルバムを捨ててきた息子に、母親がひとしきり怒り続けた後、少し泣いていた。そ…

やまかつ
4年前
12

必要のないごめんは、やめる。#306

「ごめん」 なんて、緩衝材のように、お詫びの言葉が出てくる。それはきっと、社会人になってから。 「失敗したときに謝る」のは全然良い。けれど、なぜ怒られているか分…

やまかつ
4年前
5

静かな少学校 #305

学校のチャイムが鳴り終わると同時に、一声に弾け飛ぶ同級生の声を書き消すように、静かな表情だけを浮かべて、教室から立ち去る。 すぐ隣では、休み時間にするドッジボー…

やまかつ
4年前
3

AIとデータが描き出す、意外と近くにある未来。 -シン・ニホン-#304

今、データ×AIや、それ以外にも数多くのこれまででは不可能だったことを可能にする技術が一気に花開いているが、これらはそもそも人間を解放するためにあるのではないの…

やまかつ
4年前
3

学校で学んだ学び方を、いったん忘れてみる。#303

いつどこで学んだのかは本人もわからないけれど、周りとの交流全体から自然に何かが学ばれていく。このような学びを私は「オーガニック・ラーニング」と呼んでいます。 一…

やまかつ
4年前
5

無敵になるために「文化をつくる」を仕事にする。(仲山進也さん- 組織にいながら、自由に働く。)#302

「私 は 楽天 で「 E コマース の 文化 を つくる こと」 を 目的 に、 E コマース の 価値 や 魅力〝 Shopping is Entertainment!〟 を 知っ て もらう、 理解 し て も…

やまかつ
4年前
4

あきらめがついたら、スタートライン。#301

「なんで、こんな簡単なこともできないんだろう。」 なんて、隣に座るだれかと比較しては、不思議になる。それは誰かと同じゲームを好きになれなかったことから始まり、下校…

やまかつ
4年前
4

「必要とされる」という満足感を手放す。#300

「あなたに、これを任せたかった。」 なんて言われれば、自分は誰かに必要とされているんだ、誰かの役に立つんだと、少しだけ、嬉しくなる。 そんな嬉しさが動機になって…

やまかつ
4年前
9

否定されるのはどうせ怖いのだから、大事な人間関係に、優先順位を付ける。#299

「こうするのが、正しいんだろうか?」 なんて、自分の行動に○✕を付けるようになったのは、いつからだろうか? 仕事を遅くまで残ってやることは○で、人の話をまず聞く…

やまかつ
4年前
5

世界が元に戻ることを期待するより、変わる世界を肯定して、心を近づけてみる。#298

「コロナが終わって、いつか、前のように暮らせる日を。」 なんて口にしたところで、それは一体いつなんだろう?3か月後、半年後、1年後、それとも。。。 もしかしたら、…

やまかつ
4年前
3

嘘を付かないなんて信念はなく、ただ、コミュニケーションコストを下げたかったから。#297

「人に嘘をついてはいけないよ。」 なんて言われて、それを守っていればいい、のは、生まれてから3年くらいの間だけ。 左にめんどくさい人がいても愛想笑いし、右に腹立…

やまかつ
4年前
16

せめて茶碗いっぱい分くらいの心の容量を。#296

仕事をするたびに思う。もう一歩心が広ければ、いらいらしなければ、あともう数分待っていられれば。 すぐにこぼれてしまう底の浅すぎる醤油ざらのように、ほぼ平面だけの…

やまかつ
4年前
3

嘘を付かないことで、お互いの管理をやめる。#295

「テレワークだし、もっと嘘ついちゃえばいいのに。」なんて我ながら思った。 日常でも仕事でも、働いてるふりをして時間を過大に申告し、興味のあるふりをして画面をオフ…

やまかつ
4年前
3

人に興味ないでしょランキングを先頭切って走ってしまう時には。#294

「人に興味ないでしょ。」 って言われた回数の日本人ランキングで言えばトップ5に入るくらい、人に興味ないでしょって言われてきたりした。 もう誠心誠意、全力を注いで…

やまかつ
4年前
6

珍しく答えが用意されているプログラムのこと。#293

10年ぶりにニュージーランドに行って過ごす、、、はずだったゴールデンウィークは、コロナとともに、どこにも行かない休みになった。 なにをしていいかも分からないので、…

やまかつ
4年前
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母からの手紙と、教室でウケなかった名前の由来。#292

「ほんとうは女の子が生まれてきてほしかったので、名前を全然考えていませんでした。」 からはじまった母からの手紙。それは小学校2年生の時。ちょうど一週間前に先生か…

やまかつ
4年前
6
形有るものが失くなるように、形無いものも、やっぱり失くなってしまう。#307

形有るものが失くなるように、形無いものも、やっぱり失くなってしまう。#307

「なんで大事な卒業アルバムを、捨ててきたの!」

と、中学校の卒業式の帰り道、川に卒業アルバムを捨ててきた息子に、母親がひとしきり怒り続けた後、少し泣いていた。そうか、あれは大事な物だったのかって、そのときにやっと気づいた。

テレビで、

「物が、どうしても捨てられないんです!」

なんて話を聞くたびに、なぜなんだろう?と不思議に思っていた。捨てればいいのに、また買えばいいのに、と。

自分がい

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必要のないごめんは、やめる。#306

必要のないごめんは、やめる。#306

「ごめん」

なんて、緩衝材のように、お詫びの言葉が出てくる。それはきっと、社会人になってから。

「失敗したときに謝る」のは全然良い。けれど、なぜ怒られているか分からない時でも、いつからか、謝るようになった。

謝っていれば、それ以上誰かをいらだたせることもない。いらだたせなければ、心穏やかに、生きていける。なんて。

でも、矛盾したごめんは、自分のどこかに降り積もる。降り積もったごめんは、自分

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静かな少学校 #305

静かな少学校 #305

学校のチャイムが鳴り終わると同時に、一声に弾け飛ぶ同級生の声を書き消すように、静かな表情だけを浮かべて、教室から立ち去る。

すぐ隣では、休み時間にするドッジボールを抱えて、周りの友だち話しかける声が聞こえる。けれど、ぼくに声がかかることはない。

廊下を出て、校庭に出る方向に勢いよく走るみんなを横目に、反対側に廊下を進む。そして、次第に書き消そうとしなくても声が途切れたそのさきに、いつも、静かに

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AIとデータが描き出す、意外と近くにある未来。
-シン・ニホン-#304

AIとデータが描き出す、意外と近くにある未来。 -シン・ニホン-#304

今、データ×AIや、それ以外にも数多くのこれまででは不可能だったことを可能にする技術が一気に花開いているが、これらはそもそも人間を解放するためにあるのではないのか。テクノロジーの力を使い倒すことにより、僕らはもっと自然と共に生きる美しい未来を創ることはできないのか? そうだ!「風の谷」だ!

と、「シン・ニホン」の中に描かれていました。本の中には現在の日本の状況について、膨大なデータをもとに考察が

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学校で学んだ学び方を、いったん忘れてみる。#303

学校で学んだ学び方を、いったん忘れてみる。#303

いつどこで学んだのかは本人もわからないけれど、周りとの交流全体から自然に何かが学ばれていく。このような学びを私は「オーガニック・ラーニング」と呼んでいます。 一方、学校での学びは、どうでしょうか。科目ごとに教科書があり、学ぶべきことが決まっていて、時間割に従って、教室で専門の先生が教えてくれますよね。

と、「ブッダが教える愉快な生き方」の中で、自然な交流から学んでいく方法と、与えられた環境下のな

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無敵になるために「文化をつくる」を仕事にする。(仲山進也さん- 組織にいながら、自由に働く。)#302

無敵になるために「文化をつくる」を仕事にする。(仲山進也さん- 組織にいながら、自由に働く。)#302

「私 は 楽天 で「 E コマース の 文化 を つくる こと」 を 目的 に、 E コマース の 価値 や 魅力〝 Shopping is Entertainment!〟 を 知っ て もらう、 理解 し て もらう、 好き に なっ て もらう には どう し たら よい かを 考え て 活動 し て き まし た。

と、「仲山進也さん」の「 組織にいながら、自由に働く。」という本に書かれて

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あきらめがついたら、スタートライン。#301

あきらめがついたら、スタートライン。#301

「なんで、こんな簡単なこともできないんだろう。」

なんて、隣に座るだれかと比較しては、不思議になる。それは誰かと同じゲームを好きになれなかったことから始まり、下校のときに話す話題が出てこなかったときに痛感した。

そのまま社会人になって、社会人も、まあうまくいかないかもと思っていたら、意外に学校より、ずっとずっと楽しかった。社会にはルールがあって、勝ち負けがあって、優劣があった。でも、どっちを向

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「必要とされる」という満足感を手放す。#300

「必要とされる」という満足感を手放す。#300

「あなたに、これを任せたかった。」

なんて言われれば、自分は誰かに必要とされているんだ、誰かの役に立つんだと、少しだけ、嬉しくなる。

そんな嬉しさが動機になって、体が動く。自分の意志など忘れて、いまある目の前のタスクに、のめり込む。

たぶんきっと、ぼくはそうやって仕事をしてきた。はたらく時間が長くなるほど、より多く誰かの役に立つような気がしたし、自分の存在そのものが認められる気がした。

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否定されるのはどうせ怖いのだから、大事な人間関係に、優先順位を付ける。#299

否定されるのはどうせ怖いのだから、大事な人間関係に、優先順位を付ける。#299

「こうするのが、正しいんだろうか?」

なんて、自分の行動に○✕を付けるようになったのは、いつからだろうか?

仕事を遅くまで残ってやることは○で、人の話をまず聞くのは○で、怒って感情をあらわにすることは✕。

そうやってひとつひとつ○✕問題に答えていく。○を増やしたところで満足度が上がるわけではないけど、少なくとも、誰かに否定されることは減る。

「でも、否定されたくない誰かって、誰なんだろう?

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世界が元に戻ることを期待するより、変わる世界を肯定して、心を近づけてみる。#298

世界が元に戻ることを期待するより、変わる世界を肯定して、心を近づけてみる。#298

「コロナが終わって、いつか、前のように暮らせる日を。」

なんて口にしたところで、それは一体いつなんだろう?3か月後、半年後、1年後、それとも。。。

もしかしたら、コロナが危険だなんてことは全部勘違いだったり、湿気と夏の暑さによってコロナが突然に終息したり。そんなことも、あるのかもしれない。

でも、高齢の方に集中していること、それに、国によりぶれはあるものの、コロナによる致死率は3~5%程度で

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嘘を付かないなんて信念はなく、ただ、コミュニケーションコストを下げたかったから。#297

嘘を付かないなんて信念はなく、ただ、コミュニケーションコストを下げたかったから。#297

「人に嘘をついてはいけないよ。」

なんて言われて、それを守っていればいい、のは、生まれてから3年くらいの間だけ。

左にめんどくさい人がいても愛想笑いし、右に腹立つ人がいても軽く受け流す。それが「ちゃんとした大人」のはず。

でも自分のことを振り返ってみると、なんとかして「少しでも、嘘を付かないように」なんて、ずっと考えていた。

その場の空気が一瞬にして氷結しても、どうしても「それはほんとじゃ

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せめて茶碗いっぱい分くらいの心の容量を。#296

せめて茶碗いっぱい分くらいの心の容量を。#296

仕事をするたびに思う。もう一歩心が広ければ、いらいらしなければ、あともう数分待っていられれば。

すぐにこぼれてしまう底の浅すぎる醤油ざらのように、ほぼ平面だけの浅い心。茶碗いっぱいほどではなくても、せめて、コーンスープをすすって飲めるくらいの深みがあったら、なんて思ったりする。

10年近くウェブ開発のディレクターやプロジェクトマネージャーをやってみて、ずっと、自分の仕事はなんのためにあるんだろ

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嘘を付かないことで、お互いの管理をやめる。#295

嘘を付かないことで、お互いの管理をやめる。#295

「テレワークだし、もっと嘘ついちゃえばいいのに。」なんて我ながら思った。

日常でも仕事でも、働いてるふりをして時間を過大に申告し、興味のあるふりをして画面をオフにして、そうやってやり過ごそうと思えば、いくらでもできる。

ビバ自由。ビバやりたい放題。

でもなぜか現実は違う。テレワークになる前より働いているし、暇さえあれば、プログラムを書くようになった。

それはきっと、嘘をつけばつくほど、お互

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人に興味ないでしょランキングを先頭切って走ってしまう時には。#294

人に興味ないでしょランキングを先頭切って走ってしまう時には。#294

「人に興味ないでしょ。」

って言われた回数の日本人ランキングで言えばトップ5に入るくらい、人に興味ないでしょって言われてきたりした。

もう誠心誠意、全力を注いで興味を示した翌日に「ごめんね、昨日は退屈にさせてしまって。」なんて言われたときには、もはやサトラレでもサイコメトラーでもいいから、自分の心の声が、四方八方に駄々漏れしてくれたらいいのに、なんて思ったりもした。

こないだ、家族でオンライ

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珍しく答えが用意されているプログラムのこと。#293

珍しく答えが用意されているプログラムのこと。#293

10年ぶりにニュージーランドに行って過ごす、、、はずだったゴールデンウィークは、コロナとともに、どこにも行かない休みになった。

なにをしていいかも分からないので、暇さえあれば、プログラムを書いて過ごした。

10年近く、ずっとウェブ業界で過ごしてきていたけど、ディレクターという役職で、口八丁とわずかなコーディングでごまかしてきたから、プログラムにちゃんと触れるのは、ほとんど、はしめてだった。

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母からの手紙と、教室でウケなかった名前の由来。#292

母からの手紙と、教室でウケなかった名前の由来。#292

「ほんとうは女の子が生まれてきてほしかったので、名前を全然考えていませんでした。」

からはじまった母からの手紙。それは小学校2年生の時。ちょうど一週間前に先生から、

「来週の宿題は、あなたの名前の由来について、ご両親からお手紙として書いてもらってくること。当日みんなで読むので、絶対、先に見ちゃダメだよ。」

って言われて、まだ少しだけ残されている素直さを存分に発揮したぼくは、一度も手紙を開くこ

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