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【3分要約・読書メモ】武器になる哲学 第3章 「社会」に関するキーコンセプト

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今回は「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」の「第3章 「社会」に関するキーコンセプト」についての記事となります。


■著者

山口 周
1970年、東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。電通、ボストン・コンサルティンググループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発・風土改革等に従事した後、株式会社ライプニッツ設立。現在、同社代表。株式会社中川政七商店、株式会社モバイルファクトリー社外取締役。著書の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』は2018年ビジネス書大賞準大賞受賞。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科修士課程修了。

■第3章 「社会」に関するキーコンセプト

「いま、なにが起きているのか」を理解するために

・自然淘汰:適応力の差は突然変異によって偶発的に生み出される

ポイントは、「突然変異」。突然変異によって獲得される形質は、予定調和しません。変異の方向性はきわめて多様で、確率的には生存や繁殖に有利な差を与えるものと、不利な差を与えるものが中央値をはさんで正規分布していたはずです。長い時間の中で、突然変異で生まれた異質な形質が混ざりながら、有利な形質が生き残っていく。

このことから得られる示唆は、「適応力の差は突然変異によって偶発的に生み出される」という点になる。

私たちは、一般的にエラーというものをネガティブなものとして排除しようをします。しかし、自然淘汰のメカニズムには「エラー」が必須の要素として組み込まれている。何らかのポジティブなエラーが発生することで、システムのパフォーマンスが向上するからです。

組織運営や社会運営においても、私たちはそれを計画的・意図的によりいいものに変えていけるのだという傲慢な考えを改め、自分の意志よりもむしろ「ポジティブな偶然」を生み出す仕組みを作ることに注力したほうがいいかもしれない。

・アノミー:「働き方改革」の先にある恐ろしい未来

アノミーとは、無規範・無規則と訳されることが多いですが、オリジナルの文脈を尊重すると「無連帯」と訳すことができる。

「社会の規制や規則が緩んでも、個人は必ずしも自由にならず、帰って不安定な状況に陥る。規制や規則が緩むことは、必ずしも社会にとって良いことではない」とエミール・デュルケームは言っている。つまり、アノミー状況に国が陥ると、各個人は組織や家庭への連帯感を失い、孤独に苛まれながら社会を漂流するようになります。

今、会社という「タテ型構造のコミュニティ」が、自分にとってもはや安全なコミュニティではありえないことを認識したうえで、自律的に自分が所属するコミュニティを作っていく意識が大切です。そうすることで自らアノミーの状態に陥ることを防ぐ。

・パラノとスキノ:「どうもヤバそうだ」と思ったらサッサと逃げろ

パラノは、パラノイア=偏執型を指し、スキノはスキゾフレニア=分裂型を指します。

パラノ型の人は、「○○大学卒業して、○○商事に勤めていて、○○ヒルズに住んでいる自分」というアイデンティティに固執している人。何かアクションを取る時は、過去のアイデンティティとの整合的かどうかをこだわる。他者からは、「一貫性のある分かりやすい人格・人生」となる。

スキノ型の人は、固定のアイデンティティに縛られず、自分の美意識や直感の赴くままに自由に運動し、その時点の判断・行動・発言と過去のアイデンティティや自己イメージとの整合性についてこだわりません。

パラノ型は、環境変化に弱い。変化の激しい現在では、一つのアイデンティティに固執するのは危険。「コツコツやる時代は終わり」であり、「一貫性がある」「ブレない」「この道ウン十年」みたいなことを手放しで称賛する文化があるが、そんな価値観に縛られるのは自殺行為。

「パラノ型」を「住む人ヒト」と定義すると、「スキゾ型」を「逃げるヒト」とも定義できる。「逃げる」とは、別に明確な行き先が決まってなくとも、兎にも角にも「ここから逃げる」ということ。つまり、「必ずしも行き先がハッキリしているわけではないんだけど、ここはヤバそうだからとにかく動こう」というマインドセットがスキゾ型。

「転職は寝て待て」という言葉があるが、結局のところ仕事は実際にやってみないとわからない。もじもじ考えていたら、チャンスを逃してしまう。つまり、大事なことは行き先など決めずに「どうもヤバそうだ」と思ったらサッサと逃げろと言うこと。

たよりになるのは、事態の変化を捉えるセンス、偶然に対する感、それだけだ。

・公正世界仮説:「見えない努力もいずれは報われる」の大嘘

公正世界仮説の持ち主は、「世の中というのは、頑張っている人は報われるし、そうでない人は罰せられるようにできている」と考えます。

しかし実際は、公正世界仮説、すなわち「頑張っている人はいずれ必ず報われる」という考え方は、実証研究からは否定されており、努力の累積量とパフォーマンスの関係は、対象となる教義や種目にとって変わります。つまり、この仮説に囚われると、やってもやっても花開かない「スジの悪い努力」に人生を浪費してしまう。

さらに、この仮説に囚われると「成功している人は、成功に値するだけの努力をしてきたのだ」と考え、逆に何か不幸な目にあった人を見ると「そういう目に遭うような原因が本人にもあるのだろう」と考えてしまう。これは、「自業自得」「因果応報」などの弱者非難につながるバイアス。

世界は公正ではありません。そのような世界にあってもなお、公正な世界を目指してい行くのが私たちに課せられた責務でしょう。人目につかぬ努力もいずれは報われるという考え方は、人生を破壊しかねない。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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