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業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社 その5.130 私の推したい会社 当たり前過ぎて意識しなくなっていること 

 私の推したい会社は、業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社です。

 その理由を一言で言えば、業務で使われる程最先端で信頼性が高い技術を民生用に昇華して日々の暮らしの中に活かせるからです。

 

今までの経緯
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 具体的には例えばソニーさん。

 その1.0では民生用の製品は皆さんの染みの少ない放送業務用制作機材に絞ってご紹介し、今後の期待感まで吐露させて頂きました。その辺りはこちらをお楽しみ下さい。

 如何でしょうか。街で見かけるソニーさんの製品とは全くの異なるプロフェッショナル向けの機能美を感じる製品群って素敵ですよね。
 このとんでもない高価な業務用製品向けの技術が民生用にもフィードバックされていると思うと、何かお得感を感じませんか?
 というオチでした。

 その1.1はソニー・インタラクティブエンタテインメントグループさん。研究所が手掛けた際物(きわもの)を民生用、しかもゲーム機という最も大衆ウケするプラットフォームにというお話でした。

 その1.2は、ソニーさんとCBSソニー(ソニー・ミュージックスタジオ)さんの話です。ソニーさんの民生用製品を元に、ソニーさんとCBSソニーさん(ソニー・ミュージックスタジオ)さんが業務用製品を共同開発され、余りの好評のためにその業務用製品は、今ではまるで民生用製品の様に販売されているという珍しいお話でした。

 その1.3は、業務用の可搬型テープレコーダーが、私的な演奏会や鉄道·自然等の生録音のニースに応える形で民生用製品に仕立てられ大ヒットしたというお話でした。その名はカセットデンスケ。

 その2は、鉄道や機械等に用いられる業務用の電気モーターが、家電として掃除機、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの民生品の心臓部として転用されるというお話でした。

 その3は、流体力学と誘導機技術(誘導電動機(モーター)・誘導発電機(発電機)ともに成り立つ技術)から始まり電力インフラやエレベーター等の業務用機器をしつつ、扇風機から始まりエアコン等の民生用機器へその技術を展開されているというお話でした。

 その4は、造船業から始まり鉄道車両、航空宇宙、エネルギー・環境、精密機械・ロボット分野等でプロフェッショナル向けのソリューションを提供されていて、その技術を二輪車、ATV(四輪バギー車)、多用途四輪車、パーソナルウォータークラフト「JET SKI®」といった民生品に生かされいる会社のお話でした。

 その5.00から連作で時計メーカーさんを推したく、その前フリとして時計の歴史をご紹介しました。

 その5.01は、時間軸は明治少し前辺り以降、地理的には日本に絞り今日的な時計の価値についてその背景を共有させて頂きました。

 その5.02は、鉄道網の発達と時計について振り返ってみました。

 その5.03は、義務教育の普及と時計について振り返ってみました。当たり前過ぎて意識しなくなっている程陳腐な内容ですが、網羅性という意味で抑えて執筆しました。赤面する程基本的な内容も恣意的に含まさせて頂きました。

 その5.11は商社として輸入時計の販売と時計修理を開業し、業務用製品と民生用製品をしたたかに糾(あざな)いながら時計の分野で世界的な地位を築いたセイコーグループさんにまつわる私的なエピソードのご紹介でした。

 その5.12は、セイコーグループさんの業務用製品と民生用製品を逆境をも成長の機会としてしたたかに糾(あざな)ってきた歴史を振り返ってみたいと思います。

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 今回も、その5.12に引き続きセイコーグループさんの業務用製品と民生用製品を逆境をも成長の機会としてしたたかに糾(あざな)ってきた歴史を振り返ってみたいと思います。

 戦後、日本政府の「民需品の生産力の回復」「輸出立国」施策を上手に利活用され早期復活を果たされた後に好機が。こちらもまた戦争絡みですが、1950(昭和25)年の朝鮮動乱による特需景気で一気に時計市場が活況を呈したのでした。
 独自技術の製品が開花し、紳士用機械式時計が成功を収め、1957(昭和32)年の米国時計学会(日本支部)腕時計コンクール男性用腕時計部門でも第一位となります。

 1960(昭和35)年はセイコーさんにとっては記念すべき年の一つだと思います。当時のセイコーさんの部品精度・組立技術・調整技術等持てる技術全てを注ぎ込んだ「初代グランドセイコー」が発売されたのです。当時の世界最高の精度基準(国際クロノメータ検査基準(B.O)優秀級規格)より一段と厳しいグランドセイコー規格を作って造り込んだ世界最高峰の腕時計だったそうです。

 グランドセイコーに対して普及機の価格帯には1963(昭和38)年、「セイコースポーツマチックファイブ」を商品化。自動巻、防水、日曜一体窓、切れないゼンマイ、耐衝撃構造等で大ヒットしました。

 そしてその民生用技術を再び業務用にも…
1964(昭和39)年の東京オリンピックに向けて1960(昭和35)年に公式計時への参画を決めたのでした。なんと計36機種1,278台の計時機材を開発。ハードウェアだけではなくソフト·サービス分野もしたたかに参画し、訓練された計時スタッフ172名が公式計時業務も担われました。

 この業務用の成果はまた民生用に…

 オリンピックのために開発した卓上型水晶時計(クリスタルクロノメーター)、プリンティングタイマー等の開発は新しい民生品の事業を産み出したのでした。

 そして今度は業務用、コンペを使っての躍進。地道な積重ねで1968年のジュネーブ天文台コンクールで過去最高の精度調整の記録を打ち立て上位を独占されたのでした。

 その辺りの詳細はこちらを参考になさって下さい。

 引き続き正に私が好きになる会社のパターン…。
業務用技術と民生用技術を跛行的に成長させ、その頂点としてのグランドセイコーも誕生させてしたたかに糾(あざな)っていかれるのでした。

 しかもそのグランドセイコーにはチョットした御縁が。

つづく



 

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