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その蛙の置物は夢をみる 最終話
3階病棟305号室の守り蛙。
少し不思議な力を使う事が出来る蛙の置物。
それが私だ。
不思議な力が誰かの役に立つ時もあれば、全く役に立たない時もある。
つい最近まで305号室に入院していたキヨさんの時は夢を見るばかりで何の役にも立てなかった事が悔しかった。
キヨさんは孫娘のマヒロから告げられた真実を傷つきながらも受け止めた。そして親戚の一人一人に説明した。尻餅をついて骨折したのは自分が原因だ
その蛙の置物は夢を見る 第五話
体をぐっとつかまれて私は目が覚めた。目の前が真っ暗だったのでまた下に落ちたのかと思ったが、見覚えのあるメーカー名が目に入ったのでそれがテレビであることに気付いた。どうやら誰かに向きを変えられてしまったようだ。
私の向きを変えた人物は何かを手に取ってガチャガチャといじっていた。カタンと何かが外れた音がしてから数分後、私の隣にそれが戻された。
一体私の向きを変えたのは誰なんだろう?ここで何をして
その蛙の置物は夢を見る 第四話
「あれ。色々落っこちてる。」
「さっきテレビにぶつかった時に落としちゃったのかも。」
私はサヤカとマヒロの声で目を覚ました。意識が戻った私の目の前に広がっていたのは薄暗い暗闇で、いつもの景色とは違っていた。ほのかに明るい方向を見ると茶色いものやら紙みたいな何かがバラバラに散らばっているのが見えた。
「あ、おばあちゃんの写真立てが落ちてる。……中身出ちゃってるじゃん。」
茶色いものの近くにマヒ
その蛙の置物は夢をみる 第三話
「ようやくこの部屋に移れたけど…桜は散ってしまったのね。」
高本梓が退院した日の午後に3階病棟305号室の新住人となった女性は残念そうに言った。女性の肩まで伸びた白髪が西日にあたってキラキラと輝いている。その人は小柄で痩せており、ちょこんと車椅子に座っていた。その車椅子をゆっくり押しながら入ってきた看護師の島田は「ごめんなさいね。キヨさん。順番なのよー。」と申し訳なさそうなトーンで答えた。
「そ
その蛙の置物は夢をみる 第二話
「おはようございます。桜が咲いてますよ。」
朗らかな島田の声で私は目が覚めた。何日眠っていたのだろうか?カレンダーとテレビが視界に入ったがカレンダーには何の印もなく、テレビもついていなかったので参考にならなかった。看護師の島田はカーテンをゆっくり開けた。
「不思議よね。昨日まで咲いてなかったのに今日見たら満開なんだもの。」
窓の外は桜の花で溢れていた。
ベッドの布団がモゾモゾ動いて梓が顔を出
その蛙の置物は夢をみる 第一話
「あれは何ですか?」
キャリーケースから寝巻きやタオルを出しながら、彼女は私を指差して言った。彼女の傍には白い服を着た小柄な女性が立っていた。この3階病棟を長年支えているベテランの看護師だ。島田と呼ばれている。
「あれは」勢いよくカーテンを開けたからなのか眩しそうに目を細めながら島田は言った。
「蛙の置物です。いつからあったのかわからないんですけど、ずっとこの部屋にあるそうです。ここでは30
2023/12/15 「治らないし薬で治療する事も出来ない。」という宣告
これは問題ないと言われた原因不明の動悸が不整脈と診断されるまでの経過を書いていく記録です。
検査
起床後採血がありました。
朝食後医師が超音波検査の機械を持って現れて心臓の確認をしました。
「問題ない。」と言われました。
右鼠径部のカテーテルを入れた場所のガーゼを外し血が止まっているか確認しました。その後絆創膏に交換してくれました。
点滴を外して尿の管を抜きました。自由に動けるようになりました
2023/12/14 「不整脈だったよ。」
これは問題ないと言われた原因不明の動悸が不整脈と診断されるまでの経過を書いていく記録です。
電気生理学的検査の準備
前日の看護師の予言通り検査当日は慌ただしく過ぎていきました。
朝食を食べてからシャワーを浴びました。
看護師が来て両足背(足の甲)にマジックで印を付けました。そして、カテーテルを入れる鼠径部のあたりの毛を剃った方がいいのかチェックをしました。
医師が慌ただしく現れて「今日の2番
2023/12/13 電気生理学的検査とアブレーション治療目的での入院
これは問題ないと言われた原因不明の動悸が不整脈と診断されるまでの経過を書いていく記録です。
F総合病院に入院しました。
大部屋希望でしたが部屋が空いていなかった為個室になりました。入院受付の方から「病院都合なので差額料金は頂きません。」と言われたので心おきなく個室を満喫させて頂こうと思いました。メインテートを飲むのをやめてからお腹の調子が悪い日が続いていて、水分をとったり食事をしたりすると下して