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【台湾】台南玉井で最強の店名の無い小料理屋

玉井は台湾人なら誰もが知っているマンゴーの一大産地ですが、近年、過疎化が進み街が寂れてきました。でもマンゴーの季節だけは、安くて美味しいマンゴーを求めて台湾中から人が集まります。正直、玉井はマンゴー以外あんまり目玉がないので(笑)、玉井に行くときは近隣の町にあるレストランや温泉、観光スポットを、車やスクーターで回ることが多いです。

先ほど玉井は過疎化が激しい寂れた街で、マンゴーの季節以外は人がいないと書きましたが....

不思議なことに、一軒だけ、いつ行っても行列ができる小料理屋さんがあるんです!毎回行くたびに、玉井のどこに、こんなに人がいるんだろうと不思議に思うほど、ひっきりなしにお客さんが来ていて驚きます。前に一度お店の前でぼーっと眺めていたことがあるんですが、一度たりともお店の前に人が並んでいない時間帯はありませんでした...

そんな人気店にも関わらず、看板はないし、店名もありません。女主人に店名を聞いたら、素っ気なく「そんなのないよ」と言われてしまいました。Google Mapで調べたけど、もちろん見つかりませんでした。(笑)

お店の外から見ると、一見、かなり入りにくいです。小汚い感じがするし、ローカル感がプンプンで、正直、最初はお店に入るのに勇気が要るかもしれません。(笑)しかも、このお店での公用語は、中国語ではなく、台湾語です。中国語もなんとか通じますが、店員もお客も台湾語で叫び合ってて、何を言っているか全くわかりません。初めて行く人はかなり焦るかもしれません...笑

しかも、日本と違って笑顔で接客しません。むしろ、仏頂面と激しい口調で接客するので、日本人の客はみんな怖気付くと思います。

でも安心してください!もう見るっからに「肝っ玉母ちゃん!」っと叫びたくなる様相の女主人の陳蔡(チェンサイ)さん、そして数名のスタッフの方は、仕事中はみ〜んな真剣で怖い顔だけど、休憩時間を狙って話しかけると、冗談ばかり言う楽しくて優しい人ばかりなんです。(ちなみに、陳蔡は苗字だということ。台湾では苗字が二文字ってすごく珍しいんです。)

......前置きが長くなってしまいごめんなさい。こんな調子だったら、肝心の料理のこと書けなくなっちゃうので、軌道修正しますね。

実は、ここ、担仔麺(タンツーメン)と台南の郷土料理である黒白切(ヘイ・バイ・チエ)の専門店なんです。黒白切というのは、大雑把にいうと、様々な食材をさっと湯がいたものを、注文を受けてからスライスして小皿に盛って出す台南の郷土料理なんです。あっさり、さっぱりしてるので、日本人の口にも合います。

(なお、中国語と台湾語を勉強されている方のため、黒白切という言葉の由来と意味について今後詳しく書く予定です。)

台湾で何度も黒白切を食べたことがありますが、ここほど美味しくてコスパの高い黒白切に未だかつて出会ったことがありません。ここの料理を食べるためだけに玉井に行くこともあるほどです。僕はすでに50回以上は食べに行っているので、味の保証はします。

ただ、メニューに載ってるもの全てが美味しいと言うわけではありません。中には日本人にはちょっと苦手かな、と思うような料理もあるので、これさえ頼めば、絶対に失敗しない料理リストを作ったので、機会あったら、このリスト通りにオーダーしてみてください。

注文の仕方

注文の仕方はごく簡単です。お店にラミネートされたメニューとペンが置いてあるので、ペンで食べたいものの横の空白に、数を記入するだけです。

これさえ頼めば、絶対に失敗しない料理リスト

肉燥飯(ローザオファン)
正確には肉燥飯(ローザオファン)と魯肉飯(ルーローファン)は違うのですが、ここの肉燥飯は、日本人が考えるルーローファンに近いです。

ここの肉燥飯は、美味しいのはもちろん、驚くほど安いです。以前までは20元(当時は60円)だったのですが、周りから安すぎると言われ、物価の上昇もあり、最近25元に値上げしましたが、それでも100円ちょっとなので、本当に食べる価値ありです!!

米粉
ここのお店は担仔麺(タンツーメン)の専門店ですが、実は、僕はそれほど好きじゃありません。台湾の麺類全般に共通して言えるのですが、こっちの人って柔らかい麺が好きなので、麺にコシがないのが多いんです。だから、僕はいつも米粉(ビーフン)の方を頼みます。ここのビーフンは歯ごたえがしっかり残ってるし、しかも、味付けも具材も担仔麺と全く同じなので、個人的には担仔麺よりもビーフンをオススメします!

あ、もう少しで言い忘れましたが、メニューを見るとわかると思うのですが、麺類のメニューの横に「乾」と「湯」って書いてるのわかりますか?これは、スープなし、スープあり、の違いです。乾麺の方は、日本でいうマルちゃんの焼きそば的な食べ方で、麺にタレを絡めて食べるタイプです。湯麺の方は、ラーメンのようにたっぷりのスープに入っています。個人的には、乾麺の方をお勧めします。ここのお店の乾麺は、味が適度に絡まり、しつこくなく、あっさりとしています。モヤシやニラなどのお野菜も入っててシャキッシャキ、すごく美味しいですよ。

蛤仔湯(ハマグリのスープ)
台湾を代表する汁物です。酒、塩、生姜だけのシンプルなスープ。ハマグリの火入れ具合が神業で、殻が開くギリギリのところで火を止めてあるので、身がふんわりジューシーです。これまで50回以上行ってますが、毎回必ず食べる料理の一つです。ただ、10回に1回くらい、火が通り過ぎの時もあるので、それはご愛嬌ということで許してあげてくださいね。なお、大と小がありますが、2〜3人なら小、4〜5人なら大がちょうど良いと思います。

魚肚煎(サバヒーの腹身の塩焼)
台湾でよく食べられるサバヒーと呼ばれる淡水魚を香ばしく焼き上げたものです。外はカリッ、中はフワッフワです!好みで塩胡椒をふって食べます。大と小がありますが、大の方が身厚で美味しいです。しかも前もって骨を取ってくれているので、小骨を気にせず食べられるのが嬉しいです〜!僕は一人で一皿食べるのですが、女性なら二人で一皿がちょうど良いかもしれません。

ただ、ちょっと気になるのが、以前日本人の友人とサバヒーの塩焼きを食べた時に、「私、サバヒーは苦手」言われたことがあるんです。だから、もしかしたら、サバヒーが苦手な方が他にもいるかもしれないので、初めての方は、大ではなく、小を頼んでみて、大丈夫そうだったら、大を追加注文しても良いかもしれません。

小卷(ヤリイカの冷製)
日本のヤリイカよりも小ぶりの柔らかいイカを、さっと湯がいて冷やしただけのシンプルな料理です。ワサビ醤油でいただきます。シンプルだけど、想像以上に美味しいです!僕は、これまで50回行き、50回ともこれを注文してます!

苦瓜沙拉(白苦瓜のサラダ)
正直、苦瓜は好みが別れると思うので、これは苦瓜が好きな人だけ頼んでくださいね。この苦瓜サラダ、最初の頃はずっと生だと思ってました。でもお店の人に聞いたら、実はさっと湯がいて火を通してるとのこと。生の食感を残したサクサク感がたまりません!

皮蛋豆腐(ピータンと豆腐の冷製)
これは日本でもお馴染みですね。台湾産の安全な「無毒」ピータンを使用し、醤油ベースの甘めのタレとごま油、薬味のネギ・生姜と一緒にいただきます。ピータン好きにはたまりませんが、嫌いな人はスルーしてくださいね。

鹹蜆(シジミのニンニク醤油づけ)
初めて食べた時は衝撃でした。僕にはシジミを生で食べると言う概念がなかったからです。日本では味噌汁でしかシジミを食べたことがなかったので、なんか、こう、シジミは火を通さなきゃいけないって、固定観念があったんだと思います。作り方を聞いたら、新鮮なシジミを醤油、酒、唐辛子、にんにく、生姜で漬け込むと言っていました。味は濃いめですが、このままでも美味しく食べられます。もちろんご飯にも合います。

日本でいうホヤの酢の物とかイカの塩辛のような珍味に分類されるような料理だと思います。結構病みつきになる美味しさで、自分の母親と父親を連れて行った時は、お代わりしてました〜!

涼筍沙拉(タケノコの冷製サラダ)
僕の大好物で、50回行き50回ともオーダーした料理の一つです!初めて食べた時はタケノコの甘さに驚きました!日本で食べるタケノコって、可もなく不可もなく、あれば食べるけど無ければ別にいいや的な存在だったのですが、ここで食べて以来、タケノコが大好きになりました!(^^)

台湾ではタケノコを炒めて食べることも多いんですが、ここは「黒白切」の専門店なので、とにかくシンプルです。さっと湯がいて冷やし、食べやすい大きさに切ってワサビ醤油でいただきます。でも、タケノコ自体が甘いので、何もつけずにそのまま食べるのが僕は好きです。

ただ、要注意なのが、メニューに二種類の「筍」があるんです。涼筍沙拉と茭白筍です。僕が好きなのは涼筍沙拉(タケノコの冷製サラダ)の方です。もう一つの方の茭白筍は、字に筍が入ってますが、実はこれ、タケノコではな、日本ではマコモとかマコモダケと呼ばれているお野菜です。外見も食感もタケノコに似ているので筍という漢字が当てられています。マコモダケも美味しいんですが、両方を食べ比べた結果、やはり涼筍沙拉の方が甘味があって軍配が上がります。2〜3人で行くなら、あえてマコモダケを頼む必要はないと思います。もし4〜5人以上で行って、いろんな料理を少しずつ試してみたいと思うなら、マコモダケを頼んで食べ比べしてもいいかもしれません。

燙青菜(青菜の温かいおひたし)
特に台湾の南部、高雄とか台南のレストランでは、ほぼどのお店に入ってもメニューに「燙青菜」があります。湯がいただけの温かいおひたしです。ほとんどのレストランでは、空芯菜やホウレン草など3〜4種類の青菜から、自分がその日食べたいのを選んで注文するのですが、ここでは、ニラ、モヤシ、綜合(ミックス)の三種類があり、タンツーメンのタレで味付けされています。モヤシもニラも日本人にとっては特別なものではないのでわざわざ食べる必要がないと思うかもしれませんが、バカにしないで食べて見てくださいね。生なのか火が通っているのが分からない不思議なシャキシャキ感とタンツーメンのタレがピッタリなんです。なお、頼むなら綜合(ミックス)がオススメです。

滷蛋(煮卵)
僕は、肉燥飯(ローザオファン)を頼む時に、必ず煮卵も一緒に頼みます。一緒に頼むと肉燥飯の上に置いて出してくれます。これに関しては、絶対食べなきゃ、っという感じのものでもありませんが、肉燥飯と一緒に食べると美味しいです。
他にも、4〜5種類の豚モツ、ガチョウ肉の盛り合わせとか、色々美味しいものがあるのですが、それはまた別の機会に書きますね。

行き方

とりあえず、夕方17:10以降に、Google Mapを使って、下の住所のとこに行って見てください。お店の前に人が並んでいれば、そこです!基本、定休日はないのですが、たまに突然旅行に行ったりするので、前もって電話してから行くことをお勧めします。

店名はないのですが、グルメブログ等をみるとお客さんが勝手につけた店名が二つ存在することがわかりました!興味がある方は、「玉井黑白切」か「森77小吃店」で検索してみてください。美味しそうな写真がたくさん見つかりますよ!

【2021年3月6日 更新情報】
2021年3月4日に、お店が新しい場所で営業を開始しました!住所が変更されたので、今後行く方は気をつけてくださいね。

店名:無
住所:台南市玉井區中華路367號(以前は中華路46號)
電話:06-5745592
営業時間: 17:10-23:00(基本、定休日なし)



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