その一因　一、武田効果　第45話　

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【シリーズ】信長の甲斐侵攻

その一因　一、武田効果　第45話

【参照】その一因　一、武田効果
【参照】信長の甲斐侵攻　２信忠、諏訪進出　
　　　　◎第45話　　◎小45　　 ◎P45　　通し　　第45話

信忠の侵攻速度があまりにも速すぎた。

武田氏は、瓦解した。
　勝頼の指揮に従う者など、誰もいない。
　参ずる軍勢も無し。

勝頼は、孤軍となった。

勝頼は、新府城に火を懸け退去した。
　その時、多くの人質を焼き殺したという。
　同じ日、三月三日のことである。

勝頼は、躑躅ヶ崎から新府に移ったばかりであった。
　まだ、三月(みつき)と経っていない。

落ち行く者たちの姿である。
　その境遇が一変した。
　太田牛一は、「哀れで、見ていられない」、と言っている。

この時、信長は、まだ、安土にいた。
出陣の日は、三月五日。
光秀は、これに同行する。

ところが、武田氏は、内側から崩れた。

信長の武威は、それ程までに、強大化していたのである。

そして、三月十一日。
勝頼、自刃。
同氏、滅亡。

信長は、そのあまりの早さに、驚いた。
「我ながら驚き入る計りに候」
想定外だったのだろう。
光秀も、これに同じ。

そして、この大勝利により、
信長の武威は、さらに、爆発的に、増大・強化される。
これが、「武田効果」。

信長は、これに、気づく。
光秀は、それを、察知。

四月二十一日。
信長、帰陣。
光秀、同。

ここから、である。
「人間五十年」
「さらなる夢」
時間の流れが急激に加速する。

斯くして、事態が急変する。

五月七日、四国出陣命令。

同十七日、中国出陣命令。
その時期が、大幅に、早まることになる。

同二十九日。
信長、上洛。

信長の油断。

石谷頼辰、未だ、帰らず。
「万事休す」

光秀の決断。

六月一日、光秀は、軍勢の一部を西国へ向けて出発させる。

同二日未明、「本能寺の変」。

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