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前科あります(22)
破産免責もすみ、職能の研修も終わり、勤め先を探そうかと考え始めたころのことです。氏家さんから、逢いたいってメールが入りました。
別に断る理由もないので、いいよ、そのあとはお店に来るってメールしました。
そしたら、それはどうなるか、っていつもの彼らしくないメールが戻ってきました。
なんか、変だなと思ったけど、まあそれほど深く考えることもなく、待ち合わせのカフェに向かいました。
店に彼の姿がない
前科あります(19)
「今日はおひとりなんですか」
この前に彼が来たときは、どちらかというと、もう一人の高森という人の方がよく話したので、氏家が一人できたのが少しばかり意外だった。
「うん、高森が一緒の方がよかったかい」
「いいえ、ただ氏家さん私のことあまり」
あまり話さなかったように思えて、好かれていないのかと思っていたのだ。
「まさか、可愛すぎて照れてたんだ。それより、名前を憶えていたくれたんだね」
そういえ
前科あります(18)
お店はふつーのクラブです。
この地方都市ではまあ格上の方の。
といってもキャバクラかな。
中にピアノがあって、時々、女の人が演奏してる。
お客さんはお金持ち、つまるところ年配者ばっかり。
若いサラリーマンとかはあんまり来ない。
最初の二、三日はママや先輩について横でお酒作ったり、カラオケ歌ったり。
「じゃ、今日から一人でお願いね」
「え、ひとりですか」
「大丈夫だから、いやらしいことする
前科あります(16)
逮捕されてから、78日目、判決の言い渡しの日がやってきました。
誰もが執行猶予と思っているみたいだけど、本当にどうなるかはやっぱり不安でした。
なんせ判決は裁判官の考え方次第なのです。
なんかの気まぐれで実刑にならないとも、さすがにそうなったら控訴するかもね。
運動で話す仲間の一人が、執行猶予がつかず実刑判決を喰らいました。
本人は絶対大丈夫と思っていたみたいだけど、周囲はよくて五分五分じゃな
前科あります(15)
中で出会った人の話です。
この人にあったことで、後の人生が変わりました。
この人は、クラブのオーナーママでした。
私より後に入って、先に出ていかれました。
であった場所は警察署の留置場、夜に入ってきて一週間もたたないうちに出ていかれました。
運動の時になぜ捕まったかを聞いたら、さくっと教えてくれました。
簡単に言うと高校生をホステスとして雇った、ということでした。
彼女には高校生の娘がいて
前科あります(14)
今回は、捕まっているときの私物購入と差し入れについて
前にチラッと書きましたが、もう少し詳しく。
1.留置場
留置場に入るときに、お金も警察に預けることになります。一万円札が何枚、五千円札が何枚、五百円硬貨が何枚、と記録するわけではなくて、合計でいくらかを確認します。
ちなみに預けることを領置といいます、参考までに。
このお金を使って、私物を買うことができます。
もちろん、何でもいいわけでは