丙申(ひのえさる)

本名:穴井文彦。1956年の丙申(ひのえさる)生まれ。 デザインと撮影の会社の取締役。…

丙申(ひのえさる)

本名:穴井文彦。1956年の丙申(ひのえさる)生まれ。 デザインと撮影の会社の取締役。 個人的ライブラリーつんどくを趣味でやってる。

最近の記事

本当に伝えたいことは言葉で表せないから、本がいっぱいあるのかぁ。お正月に考えた隙間だらけの論考。

お正月の新聞広告がそもそものきっかけだった 元日の新聞には出版社の広告がたくさん出る。 これって業界のしきたりなのか? その中で不立文字という言葉にぶち当たった。 光文社の「心をととのえるスヌーピー」の広告でした。 なんて読むんだっけ?ふりつもじ?いや違う。 そうだ、ふりゅうもんじだ。小さくフリガナが付いていた。 どういう意味だっけ?ご親切にも説明が付いていた。 「本当に伝えたいことは決して文字では表せず、  教えるべきものほど言葉の外にあるという、禅の基本のひとつです」

    • 新しいカレンダーの表紙をビリビリと破る感触を通して、アナログ復活を夢見る大晦日

      2022年の大晦日。 年齢と共に、クリスマスや年末のあわただしさが遠い世界のことのように感じるようになってしまった それでも、ずっとサボっていたnoteをいきなり書き出したのは、今日が大晦日、今年最後の日という意識があるからに違いない。 時間の区切りはやっぱり大切ということで、家のカレンダーを全部取り替えた。スケジュールもアプリで管理できる時代なので、カレンダーの必要性も薄れたけど、やはり紙のカレンダーが欲しい。 表紙を破ったりめくったりして1月を出す時、今年も終わったなあと

      • ハロウインとは関係なく、今さらながら、エドワード・ゴーリーにはまってしまった。

        近所の本屋さんに、ずっと以前から気になる本、というか絵本が置いてあった。 作者がエドワード・ゴーリーという人の本。 絵本だけど、サイズが小さくて、絵がほぼモノクロで、 なにか不穏な雰囲気が漂っている。 翻訳を柴田元幸さんがしているというのも気になる。 中を見ようとしたら、シーリングされていて開けなかった。 結局いつも表紙と裏表紙を見るだけで、通り過ぎていた。 しかし、先日、「エドワード・ゴーリーの世界」という ムック本をつい買ってしまった。 ウィキのこの説明を読んだだけで

        • アナログでロックを鑑賞するという大人の嗜(たしなみ)について

          最近アナログレコードをよく聴くようになった。 アナログレコードが今とても人気らしい。 そのブームに乗ったというわけではないが、 近頃はレコードをよく聴いている。 きっかけは、ライブラリ―用に借りた部屋に レコードプレイヤーがあったからだ。 この部屋のオーナー、つまり大家さんの持ち物だ。 プレーヤー:テクニクスのSL1200 Mr5 アンプ:ラックスマンのL505f、 スピーカー:JBLのS3100とヤマハのAST-1。 オーディオに疎い私でもこのセットがすごいものだという

        本当に伝えたいことは言葉で表せないから、本がいっぱいあるのかぁ。お正月に考えた隙間だらけの論考。

          アメリカ60年代の映画界とアート界が間近に迫る。俳優&監督デニス・ホッパーが撮った写真に大興奮。

          「アメリカの友人」のデニス・ホッパーがとてもいいね、 というところから今回の話は始まる。 ドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースのボックスが出たので、 買ってしまった。お高いのに。 お目当てはデニス・ホッパーが主演している「アメリカの友人」。 何十年も前に映画館で観た。 期待して観たのに、良さが分からなかった。その時は。 その後何度か見直していたら、ある日、この映画にハマってしまった。 しかし、この映画の魅力をうまく説明できない。 ただただ、この映画の雰囲気が気に入ったのだ。

          アメリカ60年代の映画界とアート界が間近に迫る。俳優&監督デニス・ホッパーが撮った写真に大興奮。

          「残像に口紅を:復刻版」を購入。袋とじも再現されています。返金はできませんが

          筒井康隆にノーベル文学賞を 筒井康隆さんの半世紀に及ぶファンとしてひと言。 なぜ、彼はノーベル文学賞の候補にならないのだろう? 村上春樹さんもいいけど、この人ほど、 文学という形式を破壊しようとし続けてきた人はいないと思う。 その究極の形がこの「残像に口紅を」だ。 しかし、その過激過ぎる小説構造の故にノーベル賞は無理なんだ という矛盾も抱えていて、やっぱりこの方は一筋縄では行かない。 だからずっと好きなんだが。 「残像に口紅を」30年越しのブレイク のっけから大上段に

          「残像に口紅を:復刻版」を購入。袋とじも再現されています。返金はできませんが

          第7波の感染が広がる中、私設ライブラリ―をこっそりとオープン

          ライブラリーに名前をつけた 本棚に本が収まり、準備が完了した。 そうそう、このライブラリーに名前をつけなければ。 これは前から考えてあった。 「つんどく」だ。 私は本を買うばかりで読まないことが多い。 つまり、典型的な積読(つんどく)派という意味で名付けた。 読まれなくても、本には存在価値があるという解釈でもある。 今どき、読むための媒体はたくさんある。 読書したいだけなら、電子媒体でもOKだが、 ここは本という「物体」であることにこだわるのだ。 本は積み上げられることに

          第7波の感染が広がる中、私設ライブラリ―をこっそりとオープン

          私設ライブラリーへの道⑥ 地道な作業を経て、本が本棚に納まったのだが‥

          本をクラウドサービスに登録。これは簡単だ。 本棚は無事に設置完了した。 次は本の登録だ。 いずれ貸出しする予定なので、管理上登録しておかないとワケがからなくなる。 登録にはリブライズの仕組みを使うことにした。 リブライズは、PCとバーコードリーダーだけで、自分の本棚を図書館にできるサービス。無料で蔵書の登録・管理・検索・貸出が行える。 使い方は簡単。 まず自分用のアカウントを設定してブックスポット(本棚)を登録。 本に付いているISBNコードをバーコードリーダーで読ませ

          私設ライブラリーへの道⑥ 地道な作業を経て、本が本棚に納まったのだが‥

          私設ライブラリ―への道⑤いろいろな人の手を借りて、本棚の設置完了

          本棚って、意外に多くて迷ってしまう 本棚を選ぼうと思って、ネットを検索してみてわかったこと。 それは、本棚にはたくさんの種類があるということ。 文字通り本を置く棚に過ぎないのだが、サイズ、収納量、可変性、素材、デザイン、などなど本棚選びの選択要件は意外に多い。 既製品、ユニット式、オーダーという選択肢もある。 本棚の種類が多い理由のひとつとして、本のサイズがまちまちなことがある。文庫本からB4サイズの美術書まで、タテもヨコも多種多様だ。 レコードとかDVDとか他のメディア

          私設ライブラリ―への道⑤いろいろな人の手を借りて、本棚の設置完了

          私設ライブラリーへの道④掃除、掃除、そして掃除

          ライブラリーをする場所は決まった。これは大きな前進だ。 借りた部屋はコンクリート打ちっぱなしのデザイン。 シャープでカッコいい。 天井が高く、実際の面積よりも広々とした感じだ。 想像していたよりもいい場所を確保できた。 そう思っていたのだが、 しかし、そのカッコよさに問題があった。 カッコいいお部屋の落とし穴 入居してみて気づいた。部屋全体がカビ臭いのだ。 オーナーは部屋をクリーニングしたと言っていた。 パッと見たところでは確かに掃除されている。 だが、よく見ると窓枠や流

          私設ライブラリーへの道④掃除、掃除、そして掃除

          私設ライブラリ―への道③場所さがし

          場所が決まらないと、計画は具体化しない ライブラリ―をどこでするか、これは大きな問題である。 場所が決まらないと、本をどう置くかも、どんな雰囲気にするかも、どんな人に来てもらうかも、何より運営コストも明確にならない。 いつまで経っても想像しているだけになってしまう。 場所に関する選択肢は3つだ。 自宅でする、場所を借りる、専用の場所を建てる。 自宅でするのが費用的にリスクがいちばん少ない。 しかし、問題がある。 一部とはいえ、プライベートなところを不特定の人たちに公開する

          私設ライブラリ―への道③場所さがし

          私設ライブラリ―への道②コンセプト編つづき

          本は天下の回りもの 本は読み終えたら本棚に納める。 (私の場合、途中で投げ出す場合が多いが)。 本がどんどん増えていくのを見るのは楽しい。 本棚がいっぱいになると「蔵書」感が高まる。 増えれば増えるほど、偉くなった気分になる(もちろん、完全な勘違いだが)。なので、溜まれば溜まるほど、本を手放そうと思わなくなる。 本棚が空になったら、自分のメモリーも空になったような気がするからだ。 しかし、本の立場になって考えるとひどい話だ。 1度読まれただけなら新品とあまり変わらない。 ま

          私設ライブラリ―への道②コンセプト編つづき

          私設ライブラリーへの道①コンセプト編

          読書は苦手だが、本が好き ライブラリ―、つまり図書館をはじめるというと読書家、読書好きと思われる。しかし、私は読書嫌いではないが、読書が少し苦手だ。 でも、本がとにかく好きだ。 そんな少し矛盾した気持ちを以前noteに書いた。 おもしろいことに、私が書いたものでトップクラスのスキをもらった。 同じようなことを感じている人が結構いるんだなと思った。 本の読み方に精読、乱読、積読(つんどく)などの分類があるが、そういう意味で私は典型的な「つんどく」派だ。 そんな私が本を買う理

          私設ライブラリーへの道①コンセプト編

          1年前に考えていた計画を実行する時が来た。私設ライブラリーをはじめるぞ!

          久しぶりだ。たぶん3カ月ぶりのnoteだ。 この3カ月間、ある計画を進めていた。 私設、つまりプライベートのライブラリーをはじめることにしたのだ。 以前から考えていたことだが、実行に移すことにした。 その記録をこれから残そうと思う。 私設ライブラリーとは? 個人の本を公開したり、本を持ち寄ったりする場、あるいは本を媒介としたコミュニティのことで、数千冊の本をそろえた本格的なものから、お店やオフィスの片隅に本棚を置くだけのものなど、規模も目的もいろいろあるみたい。 そうい

          1年前に考えていた計画を実行する時が来た。私設ライブラリーをはじめるぞ!

          ウェス・アンダーソンの新作 「フレンチ・ディスパッチ」はちょっと嫌味なんだが、いろいろと考えさせる魅力もあっておもしろい

          映画ってなんだろう?と思うことの多い今日この頃。 映画ってなんだろう、と思うことが多い。 何故かと言えば、見る手段がどんどん広がっているから。 映画館で観る、テレビで見る、PCで見る、スマホで見る、 最近ならヘッドマウントディスプレイ(HMD)で見るなんてのもある。 昔だったら、問答無用で映画は映画館で観るべき、となるのだが、 ここではそういう話をしたいのではない。 そうではなくて、映画が「体験するメディア」に 変質していることを少し憂えているのだ。 iMAXとか3Dとか

          ウェス・アンダーソンの新作 「フレンチ・ディスパッチ」はちょっと嫌味なんだが、いろいろと考えさせる魅力もあっておもしろい

          クリント・イーストウッド91歳のロマンティックコメディ。 「クライ・マッチョ」

          「俺はドリトル先生か」 クリントのこのぼやきが、観る人の心を和ませるなあ。 クリント(あ、そう呼ばせてもらいます。 イーストウッドではよそよそしいし、かれこれ60年のおつきあいなので)。 クリントは今回、原点にかえってカウボーイで登場する。 当然、馬のあつかいは手なれたものだけど、 ケガした羊や豚とかも治療してしまうので、 近所の人が次々に家畜やペットを連れてくる。 その様子にうんざりして、冒頭のセリフをつぶやくのだ。 昔から、クリントは子どもも動物も得意だった。 確か

          クリント・イーストウッド91歳のロマンティックコメディ。 「クライ・マッチョ」