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【見聞録】キングコング西野亮廣さんの三重県講演会で学んだ「勝ち残れるコンテンツ作り」と「日本最大のコミュニティ作り」の秘訣とは?

「革命のファンファーレは鳴った。」
「ここからは“好きなことを仕事化するしか道が残されていない”時代だ。」
「情報のアップデートを止めてはならない。」

西野亮廣「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」より引用


まずは結論から

 どうも、フリーランスライターの狭井悠です。今回、キングコング西野亮廣さんの講演会に初参加してきました。そこで、どうしても、講演会で得た学びと感動を皆さんにお伝えしたく、筆をとらせていただいております。

 結論からお伝えしますと、

 西野亮廣さんが行っているコンテンツ作りのロジック、コミュニティ作りに対する姿勢や視点は、生き様と経験則によって裏打ちされた、圧倒的に完成されたものでした。


 なぜ、僕がそのように感じたのか?

 これから、僕たちはどうすれば良いのか?

 価値転換の時代で生き残る為にできる事は何か?


 今回は、講演会の貴重な内容を振り返りながら、キングコング西野亮廣さんに学ぶ「勝ち残れるコンテンツ作り」と「日本最大のコミュニティ作り」の秘訣、僕たちがこれから行うべきことについて、徹底的にまとめていきたいと思います。

※留意事項※

 今回の記事は、キングコング西野亮廣さんに、講演会の内容を元にした感想コラムを書くことを、懇親会にて事前にお話をして許可いただき、執筆したものとなります。

 ただし、文章および構成に関する文責は全て、筆者である狭井悠にあるため、万が一、疑問、批判、至らない点などがあった場合には、後学のためにも、僕まで個人的にご連絡ください。

 Twitterのリプライでも、DMでも、コメント欄でも構いません。

 西野亮廣さんご本人へ、当コラムに関する問い合わせなどをすることは、どうかお控えいただくことをご留意のうえ、お読みいただければ幸いです。


はじめに

 我が地元、三重県の総合文化センターにて、キングコングの西野亮廣さん(以下、キングコング西野さん)の講演会が、2018年10月19日(土)に開かれました。

 主催はホエイパスタの第一人者である小柴大地さんがオーナーのパスタスタジアムよろこば食堂さんです。


 キングコング西野さんの講演会が、なんと三重県で開催されるという、異例の取り組み。

 以前、「えんとつ町のプペル 光る原画展」がよろこば食堂さんで開催されていた時に、展示に感動して絵本を買って以来、キングコング西野さんのお話はぜひとも生で聞いてみたいと思っていました。

 そんな中で、今回の講演会開催のお知らせをTwitter上で拝見し、さっそく予約。せっかくなので、直にお話をする機会も持てればと思い、講演会S席+懇親会(8,000円)のチケットを購入したのです。


オンラインサロンなどのコミュニティには、もともと懐疑的だった自分

 ちなみに、嘘なく正直に、ここでひとつ告白をしておかなければならないのは、僕自身はこれまで、オンラインサロンなどをはじめとしたコミュニティには懐疑的でした。

 僕は今、フリーランスでコンテンツマーケティングライター・コピーライター・セールスライターをやっており、地方と東京の2拠点生活を営んでいます。

 フリーランスになる前、強いトップに部下たちが逆らえないブラック企業的なトップダウン系ベンチャーで長く仕事をしてきた経験上、カリスマ主導の組織というコミュニティの構図には、どことなく怖さを感じていたのです。

 ——しかし、今回のキングコング西野さんの講演会に参加したことで、その認識は完全に変わることになりました。


ジョーブログのジョー氏に関連した仕事を手伝う機会に恵まれたことで、コミュニティに興味を持つようになる

 コミュニティに懐疑的な自分に、とある転機が訪れました。それが、ジョーブログのジョー氏に関連した仕事を、直案件で手伝う機会に恵まれたことです。

 ジョー氏は、2018年10月現在、登録者数138万人以上を誇る日本屈指のYouTuberです。

 そんなジョー氏が、オンラインサロンを立ち上げ、クラウドファンディングをして起業および新規事業を始めるという取り組みをするにあたり、WEB制作のライティングなどのサポートで、仕事を手伝う機会があったのです。

 そして、ジョー氏のオンラインサロンやクラウドファンディングなどの運営を客観的に見るうちに、コミュニティに対する興味・関心が湧いてきました。

 僕のようなフリーランスは、ひとりで仕事を貫徹できることが最大の強みでもありますが、それは同時に弱みでもあります。

 結局、ひとりでできることには限界があり、世間に大きなムーブメントを起こすことは難しいんですよね。

 一方、オンラインサロンなどのコミュニティを広げる人たちは、多くの人たちに支えられて、ひとりでは成し得ることのできないような大きな夢を叶えていくことができます。

 コミュニティとは何か。実際の現場では何が行われているのか。

 時代を牽引する最先端の場所で、どんなことが考えられているのか。

 フリーランスとして活動する僕に取り入れられる要素はあるか。

 百聞は一見にしかず!

 ということで、驚異の重版30刷を達成している絵本コンテンツ「えんとつ町のプペル」を擁し、日本最大の12,000人以上のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所を運営する、トップオブトップであるキングコング西野さんのお話を伺いに行ったのです。


キングコング西野さん講演会のハイライトまとめ

 ここでは、西野さんの講演会の中で、個人的に印象に残ったハイライトをまとめていきます。

 特に、セルフブランディングを行っているフリーランスの方、クリエイティブな仕事に就いている方、マーケティングなどの企画・戦略を行っている方は、きっと参考になると思うので、ぜひとも応用してみてください。

1:勝ち残れるコンテンツ作りについての考え方

 まず、講演会の序盤では、「勝ち残れるコンテンツを作るためには何をすべきなのか」を語ってくださいました。

① 明確なビジョンを持つ

 キングコング西野さんは開口一番、「ディズニーに勝つことが目標です」とはっきりと宣言しました。ここで、明確なビジョンを持つことの大切さを感じました。

 誰もがわかりやすく、キングコング西野さんのやりたいことを理解できる、いわばキャッチコピーのような目標設定ですよね。しかも、世界一の夢を作る企業と対決するという、壮大なストーリーがはっきりとわかります。

 夢の達成へのマイルストーンを用意するためには、明確なビジョン、ゴールの設定が必要不可欠です。キングコング西野さんは、この点を完璧にクリアしていらっしゃるという印象を受けました。

② 競合をつくらないために、勝ち残れるコンテンツ作りを選ぶ

 次にキングコング西野さんがお話していたのは、「競合をつくらない」ということです。競合とは、同じゴールを目指して争う、競争相手のこと。

 競合が多ければ、競争の波の中で勝ち残っていかなければなりません。そんな中で、他者と同じことをやっていたら、どんどん勝ち上がる可能性は失われていってしまいます。

 そのため、競合がそもそも少なく、勝ち残れる可能性の高いコンテンツ作りを行う必要があります。

③ 他者には真似できないようなコンテンツ制作の方法を考える

 キングコング西野さんは、「えんとつ町のプペル」という絵本を作るうえで、とある画期的な方法を導入します。

 それが「分業制による絵本制作」です。

 具体的には、40名のスタッフを抱えて、時間と予算をたっぷりかけて、ひとつの絵本を作るという方法を取られたとのことです。このコンテンツ制作の手法には、勝ち残ることができるメリットが2つあります。

 1つ目は、分業制にすることで、それぞれのスタッフに得意分野を任せることができ、一人で描き続けるよりも作品のクオリティを大幅に向上させることができるということ。

 2つ目は、絵本づくりに40名ものスタッフを抱えて、時間と予算を膨大にかけて制作するようなことは、本来であれば不可能(通常であれば採算が合わずに実現できない)なので、資金集めをして分業制を実現すれば、他の絵本作家には物理的にできないアプローチを実現できるということ。

 このように、他者には真似できないようなコンテンツ制作の方法を確立することで、クオリティが高く、かつ、話題性のあるものが作れるのです。

④ 職業を掛け持つことで、できることの自由度を上げる

 上記、③で説明したような、時間も予算もかかる分業制の絵本作りを、なぜキングコング西野さんが実現できたかと言えば、それは西野さんが絵本作家ではなく、芸人としての仕事をはじめ、さまざまな職業を掛け持ちして、マネタイズの手段を多数持っていたからです。

 これがもし、最初から西野さんが絵本作家として活動していたとしたら、膨大な時間と予算が必要となる「えんとつ町のプペル」のような作品作りは、到底できなかったことでしょう。

 マネタイズのポイントとなる職業を複数持つこと。それによって、やりたいことに対する時間や予算の制約から解き放たれ、できることの自由度を上げる、これが重要であるということです。


これからのクリエイターは「お金」に関連する話から逃げてはいけない

 そして、ここでキーワードとなってくるのは「お金」です。

 キングコング西野さんといえば、最近では、吉本興業と共同で立ち上げたクラウドファンディングサイト「SILKHAT(シルクハット)」「えんとつ町のプペル美術館をつくりたい!」というプロジェクトを立ち上げ、目標5,000万円のうち、すでに4,000万円近くのお金を集めています。

 また、過去には「えんとつ町のプペル」の2度目のクラウドファンディングで、6,257名の支援によって、4,637万3,152円を集め、当時、国内歴代最高支援者数を叩き出しています。


 それでは、どのようにして、キングコング西野さんはこの「お金」を集める手段を成功に導いているのでしょうか?


2:「お金」と「広告(売り方)」について考えることは、これからの時代には絶対に必要

「お金」というと、みなさん、どんなイメージを持っていますか?

 人目を憚らずに欲求を叫ぶことができるのならば、「5,000兆円欲しい!!!」と思っている人も少なからずいることでしょう。

 まあ、5,000兆円は冗談だとしても、それほど欲のない人でも、お金はあるに越した事のないものであるという認識はお持ちでしょう。

 お金って、生きていく上では、あればある分だけ、できることや、やれることの可能性が広がるものですもんね。


 しかしながら、誰かに「お金」を集める話をするのって、どうですか?

 なんだか、卑しいような、恥ずかしいような感覚になる人がほとんどなのではないでしょうか。

 ちなみに、講演会にて、キングコング西野さんは「お金の話をするのはよくない」という刷り込みは、江戸時代に士農工商ができ、儲けを出す商人が一番身分が低いとされた名残が、今でもあるからではないかと考察していました。

 そして、キングコング西野さん自身も、「えんとつ町のプペル」で成功する前に絵本を作っていた頃は、「お金の話はクリエイターがすることではない」と考えていたとのことです。

 しかし、絵本を出版しても、思うような結果には繋がらず(3万部程度の売れ筋)、「なぜ結果が出ないのか?」を考え抜きました。

 そこで、キングコング西野さんは気づきます。

 それは、売れるために考えるべき、もっとも大切な工程を、人任せにしていることが原因なのではないか? というものでした。

 もっとも大切な工程とは、具体的には「お金」をいかに集めるかについて考え、「売り方(広告)」を自らデザインすることでした。

「お金」や「売り方(広告)」について考えることを他人任せにするのは、いかにもクリエイターらしく見えますが、それは要するに「育児放棄」と同じ。

 これからのクリエイターは、コンテンツを作るだけではダメで、コンテンツがユーザーに届くまでの導線をデザインすることが大切だということです。

 この視点が抜け落ちてしまっているクリエイターの方々は、(僕も含めて)非常に多いのではないでしょうか?


① クラウドファンディングを成功させるために必要な2つの問い

 ここで、クラウドファンディングを成功させるために必要な2つの問いについて、質問がキングコング西野さんから呼びかけられます。

問い その1:お金とは何か?
問い その2:クラウドファンディングとは何か?

「この2つの問いに明確に答えることができれば、クラウドファンディングを成功まで導くことができる」とキングコング西野さんはおっしゃいました。

 皆さんは、上記の問いに、ズバリ答えることができますか?



(シンキングタイム)



 はい。

 シンキングタイムのためにスペースを空けすぎると読みづらくなってしまうので、このあたりにしておいて、キングコング西野さんが教えてくださった答えを書きます。


問い その1:お金とは何か?

お金とは、信用である。

問い その2:クラウドファンディングとは何か?

クラウドファンディングとは、信用の両替機である。


 クラウドファンディングは、あくまでも信用を換金するための両替機であるため、そもそもの信用が集まっていなければ、お金は生まれないのです。

 なお、クラウドファンディングの成功する割合は、購入型の世界最大手Kickstarterで3割強、2番手のIndigogoだと2割以下、国内2位のCAMPFIREも3割前後となっており、決して高くはありません。

 この理由を、キングコング西野さんは「クラウドファンディングをお金のなる木と思い込んでいるから失敗する」と分析しています。

 夢を実現するためにお金を得ようと思うのであれば、まずは信用をしっかりと蓄積しなければならないということです。


② 「信用度」と「認知度」の違いを明確に理解しよう 

 ここで、「信用度」と「認知度」の違いを、明確に理解しておく必要があります。よく、勘違いされるケースは「芸能人は有名なんだからお金が集まるに決まっている」というものです。

 しかしながら、キングコング西野さんはこの考え方をはっきりと否定します。

 事実、有名な芸能人の方々が企画するクラウドファンディングは、ことごとく失敗に終わっているというのです。

 有名であれば、多くの人が知っていて、必然的にお金も集まりそうなものですが、なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか?

 それは、見出しのとおり、「信用」と「認知」には、大きな違いがあるからなんですね。

「信用」とは、感謝されることを積み重ねて集まる、お金に換金される価値
「認知」とは、露出が多いため、多くの人に知られているというだけの価値

 あくまでも、信用があるからこそ、お金を払ってもいいと考えるわけであって、知っているからといって、お金を払ってもいいとは誰も思わないということです。


 こうした「信用度」と「認知度」の差によって、これからの時代は、以下のようなポジションに、生き方が分かれていくとのことでした。

① スポンサーの広告費で暮らす芸能人

 いわゆる、典型的な芸能人の方々のポジションです。有名であるため、認知度は高いものの、スポンサーの商品やサービスの宣伝をしなければならないので、本当は良いと思っていないものでも良いと言わなければならない立場であり、嘘をつかなければ生き残っていけない場面もあるということ

 つまり、このポジションは、認知度は高いものの、信用度は低いという微妙な位置であり、将来的には尻すぼみになっていく可能性もあり得ます。

 なお、これは芸能人に限ったことではなく、昨今のセルアウトしているインフルエンサーや、読モライターなどにも言えることなのではないでしょうか。

 企業をスポンサーにつけて、広告費で稼ぐというモデルは、信用を積み上げることができず、徐々に下火となっていくかもしれないということです。

② 信用によるダイレクト課金で活動する著名人

 キングコング西野さんをはじめ、堀江貴文さん落合陽一さん箕輪厚介さんなどのポジションがこちらになります。

 このポジションの方々は、SNSを中心とした活動によって認知度は高く、嘘をつかない活動を続けることによって信用度を高め、オンラインサロンやクラウドファンディングなどのダイレクト課金(支持するユーザーから直接お金を得る)によって資金を調達できます。

 また、昨今では、今までは①の方々にお金を払っていた企業の広告費すらも、②の方々に集まりつつある傾向があるとのことです。

 現在、もっとも筋の良いポジションが、この②であると言えるでしょう。

③ 信用の貯金で価値を高める一般の方々

 たとえ、認知度が低い一般の方々であっても、信用の貯金を積み重ねることで、いくらでも、自分の人生の価値を高めることができます。

 たとえば、僕のような無名ライターは、この③を目指して活動を続けることに意味があります。信用を積み重ねていけば、得られるチャンスもおのずと増え、どこかのタイミングで②へ転換できる可能性だってあるからです。

④ 何の施策も行わない一般の方々

 今まで通り、ただ生活するお金を稼ぐためだけに生き、信用がお金に変わっていく仕組みを知らないと、④のポジションのまま人生を終えることになってしまいます。せっかくの価値の転換のムーブメントが起こっている時代に、④のままでいるのは、ちょっともったいないような気もしますね。


③ 信用持ちになれば、お金に全く困らなくなる

 ここで、キングコング西野さんから「信用持ち」というキーワードが出ました。「お金持ち」ならぬ「信用持ち」こそが、これからの時代の錬金術師になる、というのです。

 信用持ちの面白い事例として、キングコング西野さんはホームレス小谷さんという方を紹介しました。

 ホームレス小谷さんは、正真正銘のホームレスであり、ネットショップBASEにて『(株)住所不定』を立ち上げ、自分の1日を50円で売り、何でも屋さんとして活動しています。

 世界一ハッピーなホームレスとして活動し、ホームレスの状態でご結婚までされており、「天才万博」という天才的なアーティストだけを集めるフェスの主催もやっているという異色の経歴を持っています。

 ふつうに考えて、1日50円でまる1ヶ月労働しても、月収は1,500円ですから、通常の感覚では生活していくのは到底無理だという結論になるでしょう。

 しかも、フェスを主催するということは、実現するための資金も必要となるわけで、そこには必ずお金が発生してきます。

 生活をしていくために必要なお金。

 やりたいことを実現するために必要なお金。

 いったい、ホームレス小谷さんは、これらをどうやって手にしているのでしょうか?


 キングコング西野さんによれば、ホームレス小谷さんは、これらのお金を、1日50円で人に感謝されることを積み重ねた「信用」で賄うことができているとのことでした。


 たとえば、1日50円で、ホームレス小谷さんに庭の草むしりをしてもらうとしましょう。

 ホームレス小谷さんは1日50円ならではのクオリティ(遅刻などを含む)で、それでも、さぼらずにしっかりと、1日中、庭の草むしりをしてくれます。

 そうなると、お願いした側からすれば、1日50円でそこまでやってくれるなら……と、飲み物、お昼ご飯、晩御飯、あるいは打ち上げのお酒まで、ご馳走したくなるのが、人情というものではないでしょうか?

 そして、1日50円で草むしりの仕事を一生懸命してくれたことに対する感謝の気持ちは、ずっと残ります。

「ホームレス小谷さんっていう、なんだか良い人がいてね」という風に、口コミで好評は広まっていくでしょうし、ホームレス小谷さんが何かに困っているという話が聞こえてきたら、「あのときの恩もあるし、何か協力できることはあるかな」と考えるのは自然なことでしょう。

 これこそが、信用持ちの好例なのです。

 実際、ホームレス小谷さんはこうした、感謝されるような信用の積み重ねを毎日続けています。その甲斐あって、ホームレス小谷さんがご結婚されるときに、結婚費用をクラウドファンディングしたところ、なんと250万円もの資金を集めることに成功しているとのことでした。


 信用持ちになれば、お金に全く困らなくなる。

 信用持ちは、必要なときに、必要なお金をつくることができる。

 そんな時代に、僕たちは、生きているのです。


 ここで、キングコング西野さんは、僕たちに問いかけます。

「こうした、新しい時代に生きている中で、まだ『お金を稼ぐこと』に固執するのか、それとも『信用を稼ぐこと』にシフトするのか、あなたはならどちらを選びますか?」

 なお、キングコング西野さんも、お金を稼ぐことに固執することは、とっくに辞めたと言います。

 その代わりに、絵本作りをはじめとし、ディズニーに負けない夢のような作品世界を創ることに邁進することで、信用を積み重ね、クラウドファンディングで信用を換金し、大きな挑戦を実現するために努力を続けているのです。

『お金を稼ぐこと』、『信用を稼ぐこと』、あなたはどちらを選びますか?

 ぜひとも、このコラムを読んだことを機会に、考えてみてくださいね。


④ 信用は驚くべき付加価値を生み出すことができる 

 信用とお金の関係を語るうえで、もう一つの例として、キングコング西野さんは「しるし書店」のお話を聞かせてくださりました。

 ふつう、古本というのは、新品に近い状態のものほど、価値が高いとされていると思います。そのため、ペンで印が入っていたり、書き込みがされている本というのは、傷物となり、売り物としての価値を失ってしまいます。

 そこを逆手にとって、「信用のある人がつけたしるしが入っている本に、付加価値をつける」という発想で発足したのが、しるし書店です。

 しるし書店では、たとえば、メガネ・サングラスを専門に取り扱う企業であるオンデーズ社長、田中修治さんがしるしをつけた本は、原価1,500円のところ、なんと15万円で売れたとのことでした。

 このように、信用のある人が本にしるしをつけることで、通常の流通では実現しえない「一点もの」としての価値を付与することができるわけです。

 しかも、しるし書店では、著名人のしるしだけに価値が付いているわけではありません。

 晴れ着の詐欺で大問題になった「はれのひ」事件で、リベンジ成人式を企画した「西野亮廣エンタメ研究所」に在籍する一般人のスタッフの方がいらっしゃるそうですが、その方がしるしをつけた本は原価1,500円のところ、30,000円の価値がついたそうです。

 信用が、驚くべき付加価値を生み出す時代に、僕たちは生きているんですね。


⑤ 信用を生業にして生きていく新しい職業が生まれる

 このように、信用というものがお金に換金される時代になっている今、自分に蓄積された信用を生業にして生きていく、新しい職業が生まれるというお話も、キングコング西野さんは教えてくださいました。

 たとえば、「読書屋」という職業が生まれる可能性を、キングコング西野さんは示唆しました。

 先ほどの「しるし書店」の仕組みを利用すれば、信用のある人が本を読んでしるしをつけることで、売り上げをあげることができます。

 これまでは決してマネタイズされることのなかった読書が、生業になる。プロの読書屋が生まれても不思議ではないということです。


⑥ これからは一般的に有益とされる情報ではなく、信用できる人からのダイレクトな情報への需要が高まる

 これまで、情報が欲しいと考えたときに利用するのは、Google検索をはじめとする検索サービスでした。

 しかしながら、これからの未来では、信用できる人からのダイレクトな情報に需要が集中するため、一般的な検索サービスではなく、「人検索」というものが生まれる可能性があると、キングコング西野さんは語りました。

 つまり、検索結果に表示される、どこの誰がおすすめしているのかもわからない情報を参考にするのではなく、信用のある一定の人物がオススメするもの(口コミ)を参考にするということです。

 そして、信用の価値は、いわゆる距離の概念さえも変えてしまう場合があります。

 たとえば、「ハンバーグが食べたい!」と思った時に、東京の駅近3分のハンバーグ屋の検索情報よりも、「静岡に『さわやか』っていう美味しいハンバーグ屋がある」という、信用する人の口コミを頼りにして、静岡まで行っちゃうケースってありますよね?

「距離が近い」というのは一般的に有益だとされる情報ですが、現在では「信用する人の口コミ」のほうが価値が高くなりつつあるということです。

 つまり、信用さえ集められれば、距離や時間などの物理的障壁すら、乗り越えられる可能性があるんですね。


⑦ 「売り方(広告)」を考えることが大事!マーケティングの仕組みとして優秀なのは「おみやげ」

 ここまで、信用の価値の高さについて伝えてきましたが、コンテンツを世に広めていくためには、信用を集めるのと同時に、その売り方や広告の仕方を考えることも非常に重要だと、キングコング西野さんはおっしゃっています。

 つくったコンテンツを、お客さんの手に、いかに届けるか。

 それを考えるのが、これからのクリエイターの使命でもあると言えます。

 この領域は、どちらかと言えばマーケティング戦略の領域ではありますが、情熱あるクリエイターは、ここは自分事として考え、分業にしてはいけないということです。

「えんとつ町のプペル」をいかにして多くの人たちの手に届けるかをキングコング西野さんが考えた施策の数々は、著書「革命のファンファーレ」に詳しく記載されていますので、各論をチェックしたい方は、そちらをぜひとも参考にしてください。


 ここでは、講演会にて「売り方の好例」として挙げられていた「おみやげ」の仕組みについてご紹介します。

 世界的に有名なパティシエである、「パティシエ エス コヤマ」を主催する小山進さんという方がいらっしゃいます。

 実は、「エスコヤマ」には、「おみやげ」の価値提供によって、ほぼ必ずといっていいほど商品を買ってもらえる、とあるユニークな工夫が施されているといいます。

 それが、子供だけが入ることができる施設である「未来製作所」です。

 この「未来製作所」には、両親をはじめとする大人は一切入ることができず、立ち入り禁止になっています。

 そのため、子供達を遊びに行かせた後に、中の様子を知るためには、子供達から直接、「未来製作所」の中がどうなっていたのかを聞き出す必要があるのです。当然、家族間でのコミュニケーションが盛り上がります。

 そして、それによって、家族のかけがえのない思い出が作られるわけです。

 思い出ができたとしたら、その思い出を記念に残すためにも、何か「おみやげ」が欲しくなりますよね?

「エスコヤマ」はこの心理的な仕組みを非常にうまく取り入れています。「家族の思い出を残すチョコレートのおみやげ」という価値を提供することで、「エスコヤマ」のチョコレートは、美味しいチョコであるという本来の価値に、おみやげとしての高い価値も掛け算され、飛ぶように売れているということです。

 このように、コンテンツがユーザーの手に届くまでの体験のストーリーを具体的にデザインすることは、どのようなものを売る時であっても重要な考え方であると言えるでしょう。

 キングコング西野さんがライバル視しているディズニーもまた、こうした「おみやげ」のストーリーを綿密に考えて、全世界で実践しています。

 キングコング西野さん曰く、「これだけ世界的に有名なパティシエや、ディズニーでさえも、商品がお客さんの手に届くまでのことを一生懸命考えてデザインしているんだから、クリエイターがそれを考えることをサボってはいけない」とのことでした。


3:極端な環境に身を置くことで、自ずと道は拓ける

 ここまで、「お金」、「信用」「売り方(広告)」について、順次、講演会の内容を振り返りながら見てきました。

 講演会では、これらのマインドを鍛え、勝ち残れるコンテンツを作り、コミュニティを形成できるまでに成長するために、極端な環境に身を置くことの大切さを、キングコング西野さんは語ってくださいました。

① 才能とは、後天的に手に入れるものである

 キングコング西野さんは、才能というものは天性のものだけを指すものではなく、「今この瞬間からでも、才能はつくれる」と言います。

 たとえ話として挙げていたお話に、「飛行機はなぜ飛ぶのか?」という紳助・竜介さんの漫才のネタのお話がありました。

 内容は以下のようなものです。

「飛行機はなぜ飛ぶと思う?」と紳助さんが竜介さんに聞きます。竜介さんは、「そりゃあ、ジェットエンジンがあって、羽があって……」みたいな感じで、科学的な仕組みのことを話します。しかし「それは違う!そんなもんであんな鉄の塊が飛ぶわけないやろ!」と紳助さんは言います。「なんでやねん?!」と竜介さんが言うと、「飛行機の中には、たくさんのお客さんがいて、お金をもらっていて、信用されているわけや。そんで、もうお客さんを乗して走ってもうてる。目の前にある滑走路が切れてる。そんな状況やったら、飛ぶしかしゃーないやん!」と紳助さんが話し、どっと笑いが起こります。

 これはお笑いのネタではあるのですが、極端な環境に身を置いて、才能を自ら開花させるための秘訣が詰まっている、とキングコング西野さんは語りました。

「飛ばざるを得ない」と思うような極端な環境を、自ら用意することで、自分のパフォーマンスを最大化させることができるということです。


 なお、これは私事で恐縮ですが、今回、僕がキングコング西野さんに三重県講演会の感想コラムを書く承諾をもらうために、西野さんご本人に話しかけたという行為も、「飛ばざるを得ない」環境を作り出すひとつの例だと言えるのかもしれません。

 先日更新されたアメブロにて、キングコング西野さんから「おもしろいな。どんなものが出てくるか楽しみ。」とコメントまでいただいてしまっており、もう、良いものを書くしかない状況にまで自分を追い込みました。

 このような方法も、極端な環境に身を置くという、ひとつのやり方であるということで、参考になれば幸いです。


② 挑戦すれば、村八分に間違いなく遭う。しかし、感情的にならずに、ロジカルに捉え、逆境さえも味方につける

 これは、さまざまな挑戦を続けるなかで、たびたび激しい炎上を経験しているキングコング西野さんならではのお話だと思ったのですが、「既存のルールを破って挑戦すれば、村八分に間違いなく遭う」という内容がありました。

 キングコング西野さんの場合、絵本作家としての活動を始めた当時は、絵本作家をしている本業の方々や、そのファンの方々から「そんな作り方は、絵本の作り方ではない」と、様々なバッシングを受けたとのことでした。

 また、芸人としてひな壇に出るということに疑問を提示したり、肩書きとしての芸人を辞めると宣言したりしたときも、激しい口撃に晒されています。

 そのような時に必要になるものは、「批判を乗り越える強い気持ち」といった感覚的なものではなく、いかに自分がやっていることが間違っていないかを言い聞かせることができる「確固たるロジック」であると教えてくださいました。

 そして、このロジックがしっかりとしていれば、逆境さえも味方につけられるというのです。

 村八分に遭うということは、他とは違う少数派であるという事実が明確であるということ。つまり、それが多数派よりも優れたものであるならば、将来的に生き残る可能性が格段に大きいということです。

 キングコング西野さんは、この点をしっかりと心の中に持っておけるかどうかが、挑戦を諦めずに続けられるかどうかの分かれ道になるとおっしゃっていました。 

 

③ 本業でマネタイズしているうちは、すでに終わりが始まっている

 極端な環境を作り出していくための考え方として、「本業でマネタイズしているうちは終わりが始まっている」という意識を持つことの大切さを、キングコング西野さんは強調していました。

 これはつまり、本業で稼ぐ=レッドオーシャンの世界で稼がなければならないという可能性が高く、多くの競合と渡り合わなければならず、勝ち上がっていける確率も下がってしまうということです。

 なので、僕たちにおいても、本業だけのマネタイズに頼っている今の暮らしに危機感を持って、早い段階から自分なりに、信用を貯金できるような新しいアプローチを考えていくべきだと言えるでしょう。

 そして、思考を磨き上げるためにも、極端な環境に身を置くことを意識して、この新しい時代の流れの波を乗りこなしていく覚悟が必要になるということです。


4:三重県講演会と懇親会にて、間近で垣間見えた、「人間」キングコング西野さんが備える6つの力とは?

 ここからは、講演会と懇親会で実際にキングコング西野さんにお会いして感じた、日本最大のコミュニティを作り上げたトップオブトップの生き様から学ぶ6つの「人間力」について、ひとつひとつキーワードを挙げながら、掘り下げていきたいと思います。

① 使命感

 まず、キングコング西野さんから感じたのは、圧倒的な使命感です。ただ「やりたい」という願望だけで終わらせず、「やらざるを得ない」という使命感に昇華されるまで、自らのビジョンを考え抜いて鍛え上げ、そのうえで「ディズニーに勝つ」と宣言しています。

 圧倒的な使命感を持つ人のもとには、応援する人が自然に集まるんですね。これはもう、あらゆる歴史を振り返ってみてもそうだと思います。

 キングコング西野さんは、そうした姿勢を貫いているからこそ、12,000人以上のオンラインサロンを運営することができているのだと、お話を聞いていてはっきりと感じました。

② ロジカルシンキング

 キングコング西野さんの活動を支えているのは、前出の圧倒的な使命感ですが、その力を存分に発揮するために、実質的な武器として使っているものはロジカルシンキングです。

 絵本や物語のようなクリエイティブな作品をつくるときというのは、論理的な思考とは、ある種、対局の世界へと入っていかなければならないことがあると思います。感覚的な森の中に分け入り、人の心を射抜くような何かを拾い上げてこなければなりません。

 しかし、作品を世に送り出し、人々の手元に届くまでをデザインするためには、ロジカルシンキングで全ての事柄をMECEに分解し、棚卸しをしたうえで、ひとつひとつ打ち手を考え、PDCAを回していく必要があるということです。

 今の時代のクリエイターは、どの時代のクリエイターよりも、すべてを考え抜くことを、求められているのかもしれません。もはや、クリエイターと起業家の垣根のようなものすら、曖昧になってきているという気がします。

 このような世界で、ブレずに生き残っていくためにも、論理的な思考=ロジカルシンキングを身につける必要があるのです。

 懇親会の会場で行われた、オンラインサロンメンバーによるプレゼンについても、キングコング西野さんは、的確にロジカルなアドバイスを行っていたのが印象的でした。

③ 大局観

 キングコング西野さんの講演会を聞いた後、著書「革命のファンファーレ」を一通り読んでみてわかったのは、時代を俯瞰する大局観(的確な形勢判断を行う能力)が非常に優れているということです。

 今の時代に何が求められていて、何に競争が集中していて、どこを攻めていけば勝ち上がる可能性があるのかを、的確に捉えています。

 そのうえで、キングコング西野さんのすごいところは、誰も挑戦していなかったり、誰もが見落としているブルーオーシャンを見事に見つけ出して、圧倒的なスピード感で実現してしまう点です。

 前出の絵本の分業制や、しるし書店の仕組みをはじめとし、絵本の内容の無料公開や、お金と広告のあり方の再定義など、時代を変えてしまうような概念を次々に打ち出しています。

 また、認知度・信用度ともに、トップオブトップのクリエイターであるにも関わらず、今回のような地方での講演会への登壇を積極的に引き受けていらっしゃることも、大局観による行動のひとつなのだろうと感じています。

 これからのクリエイターは、大局観を持って、時代の波に的確に乗ることが、非常に重要になってくるのではないでしょうか。

④ 審美眼

 キングコング西野さんのお話を聞いていて思ったのが、大局観と同時に、圧倒的な審美眼(美を的確に見極める能力)も持っているという点です。

 そして、注目したいのは、絵本という作品をつくるにおいての審美眼はもちろんなのですが、それと同時に「どんな座組みが美しいのかを考える能力」が非常に高いんですね。

 キングコング西野さんが、講演会の際に「デザイン」という言葉を頻繁に使っていたのが印象的だったのですが、マーケティングの戦略設計においても審美眼というのは絶対的に必要な感覚だと思います。

 これからのクリエイターは、作品をつくるときの審美眼と、売り方をデザインするときの審美眼、ふたつの目が必要になるように思います。

⑤ 隣人愛

 キングコング西野さんの三重県講演会のあと、懇親会は立食パーティだったのですが、西野さんは、どの参加者とも平等に、目線を合わせて会話をしているのが非常に印象的でした。

 この時に僕が驚いたのは、キングコング西野さんが講演会やオンラインサロンでやっているのは、1対n数の演説ではなく、あくまでも1対1の対話を増やしていくことなんだという事実です。

 キングコング西野さんがそのようなスタンスだったため、僕のような無名のライターでも、ご本人の側に思い切って近づき、直に感想コラムを書いても良いかどうかの確認を取ることができたのだと思います。

 旧約聖書には「あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない」という言葉がありますが、キングコング西野さんがやっていることは、まさしく隣人愛に近いものがあると感じました。

 ここに、多くの人が魅了される秘訣が隠されていると思います。これは宗教的とかそういう話ではなく、どの時代でも愛される普遍的なコミュニケーションを地道に行っているということです。

⑥ 煩悩からの解脱

 懇親会では、キングコング西野さんが講演会の参加者とどんな話をするのかということに非常に興味があったので、ひたすら側で、会話を聞いていました。

 そこでわかったのは、キングコング西野さんは、クリエイターとして煩悩から解き放たれた人なんだな、ということです。

 もちろん、芸人としても大きく成功し、浮き沈みも含めて一通りの人生経験をしてきたからこそだと思うのですが、それにしても、偉ぶるとか、着飾るとか、贅沢が好きとか、そうした欲求が一切ない方でした。

 僕は物書きとして活動している中で、非常にお世話になっているとある恩師がいるのですが、その方には「良い文章を書くためには煩悩を捨てなさい」と言われています。

 キングコング西野さんの姿を見ていると、なんだか、恩師から教わった言葉を思い出し、やはり、圧倒的な成功を納めるためには、煩悩は捨てなければならないのだろうなと、志を新たにしているところです。


【僕なりの応用方法まとめ】無記名記事の執筆でマネタイズしつつ、記名記事の無料執筆で長期的な信用を稼ぐ

 さて。

 ここまで、キングコング西野さんの三重県講演会の内容を再現しつつ、西野さんの人間力にまでフォーカスして、重要なポイントを徹底的にまとめてきましたが、いかがだったでしょうか?

 すでに、圧倒的に長いコラムとなっていますが、いよいよ終盤です。

 キングコング西野さんから学んだスキームをいかに取り入れていくのか、フリーランスライターとして生き残る方法を、僕なりに考えてみます。

 今回のコラムでは、キングコング西野さんから学んだことを、できるだけ多くの方々に、生々しくお伝えできるように、とことん書き込むつもりですから、思考の山登りを追体験するように、気長にお付き合いください。


 ここで事例として、僕が現在続けているフリーランスライターとしての活動に、キングコング西野さんから学んだスキームの内容を当てはめてみたうえで、今後のマネタイズと信用の貯金の仕方について考えてみましょう。

 僕の場合、本業はフリーランスのコンテンツマーケティングライター・セールスライター・コピーライターです。もちろん、これらの請負仕事については、企業から編集料や原稿料をもらい、目先の生活費や活動経費のマネタイズを行っています。

 一方、ペンネーム狭井悠(Sai Haruka)として執筆を毎日続けているnoteの活動では、原稿料は発生しておらず、時折、読者の方から頂くサポートのみが、ささやかな収入源となっています。


 しかし、原稿料が発生していないということは、何者にも縛られない自主的な表現活動なので、このnoteのコラムは、100%僕自身に執筆内容の決定権があり、個人の目線で、自由に自責の文章を書くことができるのです。

 僕はここに、信用が蓄積されていく可能性を見出しています。

 noteの毎日更新コラムの執筆活動は、僕にとって、将来の信用のレバレッジを得るための時間的な投資なんです。

 僕自身が本当に感動したことに関して、嘘のない文章を、圧倒的な熱量で、一切の報酬をもらうことなく書く。

 それによって、原稿料をもらって記事を書いている記名ライター達には到底書くことができないような、生々しい情熱がこもった文章を残すことができると思っています。


 ちなみに、実際、こうした地道な信用の積み重ね作業が功を奏して、先日、ひとつの実績を作ることもできました。


 僕が書いたnoteのコラムが、ファッションブランドYohji Yamamotoとのコラボで話題となっている、世界的に活躍する画家、内田すずめさんオフィシャルサイトのメディアページに掲載されるという出来事があったのです。


 僕(狭井悠)は、惚れ込んだものに対して、猛烈に感動するような素晴らしい体験をさせてもらったお礼に、自らの時間を投資して、圧倒的に熱量の高いコラムを書きます。


 このような活動ができるのも、フリーランスのコンテンツマーケティングライター・セールスライター・コピーライターとして、無記名での原稿収入が一定の水準以上あるからこそ実現できているものです。

 僕の生業はSEO(検索エンジン最適化)コンテンツマーケティングのライティングであるため、検索エンジンへの上位表示を狙う世界で文章を書いています。

 つまり、僕がマネタイズしている世界では、ライターの名前の信用云々よりも、納品した原稿そのものが放つパフォーマンスにすべての評価が集中します。

 そして僕は、SEOコンテンツマーケティング業界では、納品した原稿でビッグキーワードでの検索上位を獲得するなど、すでに実績を多く積み上げているんです。

 ゆえに僕は、収入の信用がライターとしての名前のブランディングに一切関連していない、業界でも特殊な立ち位置の存在であると言えます。そのため、自由な立ち振る舞いや発言ができる環境にいるということです。


 これが、読モライターインフルエンサーのように、顔出しでスポンサー企業をつけて、記名でPR記事を書くことを生業にしていたとしたら、自分のブランディングを気にするあまり、好きなように文章を書くことはできないでしょう。

 また、企業に所属するサラリーマンライターであっても、会社の色を気にしなければならないので、同様に、自分の書きたいものを書くことはできないはずです。

 そして、そもそも満足な収入を得られていないフリーランスライターであれば、目先の原稿料を得るための仕事にまずは集中しなければならないでしょうから、僕が書くような圧倒的なボリュームの原稿を書き上げるような時間的・予算的な余裕はまずないでしょう。


 つまり、僕は今、他のライターに負けることのない座組みや環境を、自分なりに用意したうえで、確信的にこの記事を執筆しています。


 このように、僕自身もまた、ライター業界のレッドオーシャン(記名で原稿料をもらうライター)を避けて、ブルーオーシャン(無記名でのSEOコンテンツマーケ原稿料でのマネタイズ+記名での無料原稿による信用稼ぎ)で活動し、自分なりのやり方で、信用度を上げようとしているわけです。

 皆様も、今回のコラムを参照いただき、キングコング西野さんのスキームを取り入れて、自分なりにどんな応用ができるのか、考え抜いてみてくださいね。


まとめ:キングコング西野さんのスキームは完成されている。だからこそ、ただ真似しようとすれば、間違いなく失敗する。今の時代に必要なのは「聖人(セイント)性」

 ここまで見てきたとおり、キングコング西野さんの戦略立てや考え方のスキームというのは、完全に完成されています。

 「ディズニーに勝つ」というビジョンのもとに、誰もが納得するような美しいロジカルツリーが仕上がっているのです。

 しかし、キングコング西野さんが語ってくださった各論というのは、己のやりたいことや実現したい夢の軸がなければ、そもそも機能しないものばかりであるということを、僕は今回、確信しています。

 ゆえに、ただ「人を集めよう」「お金を集めよう」と、キングコング西野さんが語る各論だけを切り取って、煩悩に走って真似しようとする人たちは、ことごとく失敗するでしょう。

 オンラインサロンなどのコミュニティーの仕組み、クラウドファンディングなどのダイレクト課金による資金獲得の方法は、あくまでも手段であって、目的ではありません。

 煩悩を捨て、隣人を愛する、「聖人(セイント)性」を発揮するような、圧倒的なビジョンがあるからこそ、人が集まり、信用が集まり、お金が集まるわけです。

 この順序を間違えてはいけないというのが、今回の学びの最大のポイントであり、キングコング西野さんの行動の各論だけを切り取って、誤った方向に努力する人たちに警鐘を鳴らさねばならないと思ったことも、今回のコラムを書きたいと思った原動力となっています。

 このように、キングコング西野さんは、非常に本質的な思考と行動を実践している方なんです。生半可な意志では、到底、辿り着くことのできないことをしているわけで、同じ土俵に立とうと思う人は、それ相応の覚悟が必要になります。

 あるいは、もしかすると、もう、オンラインサロンやクラウドファンディングで成功する手法というのは、キングコング西野さんをはじめとする、信用のダイレクト課金の先行者利益を持つ人たちに、完全に面を取られているのかもしれません。

 後発である僕たちは、今回学んだ最新のコンテンツ作りやダイレクト課金を生むコミュニティ形成の領域自体が、実はすでにレッドオーシャンとなっている可能性を忘れてはいけないんです。


 僕個人が現時点で出している結論は、あくまでも「ひとりでできること」にこだわってみるということです。

 キングコング西野さんのサロンをはじめ、いくつかのオンラインサロンやコミュニティのリアルを実際に参加して追いながらも、それらのハードウェア(場)に依存するのではなく、個人でも生き残ることができる普遍的なソフトウェア(コンテンツ)を作ることに挑戦していきたいと考えています。

 今回、このように長大なコラムを書いたことも、ひとりでできることを突き詰めたひとつの形です。激しく動く時代の目撃者として、歴史を編纂することも、僕のようなフリーランスの物書きの使命であると思っています。


 なお、三重県講演会の翌日、キングコング西野さんが非常に本質をついたコラムをアメブロにアップしていたので、最後に引用させていただき、当コラムを締めたいと思います。

むごたらしいほど『場』が溢れかえっているこの時代に、自分が『場』になるには、そりゃあもう変態的に行動して、問答無用で結果を出し続けなきゃ『場』に成り得ません。
それこそオンラインサロンが騒がれ始めた頃、『サロンオーナーのあるべき姿』として、「グイグイひっぱる型」と「メンバーを参加させる型」とで分けられて、方々で論じられましたが、後者は理想であり、幻想。
結局、堀江さんも、箕輪さんも、落合さんも、圧倒的に行動して、問答無用で結果を出して……さらに言っちゃうと、ロケットを飛ばしたり、ビジネス書を100万部売ったり、変態的なアート作品を生んだり……国内トップレベルのソフトを作っているんですね。
そのソフトに人が集まって、そこに参加する理由が生まれて、それが『場』になっている。「トップクリエイターが『場』になる」という話ッス。なので、「クリエイターを支援する『場』を作りたいのですが…」という相談を受けた時は、「キミ自身がトップクリエイターになれば、いくらでもクリエイターを支援できる『場』を作れるよ」とお答えしています。そのクリエイター戦争を受けてたつか否か、それだけ。誰かを助けたければ、強くなるしかないです。


「トップクリエイターが『場』になる」

 誰かを助けたければ、強くなるしかない。


 長大なコラムとなりましたが、今回の文章は、今、この時代に書き残しておくべきものであり、また、書かざるを得ないものであったと感じているところです。

 そして、キングコング西野さんご本人から、コラム執筆の許可をいただけたことに、心から感謝しております。名刺も渡さず、ただ想いをお伝えしただけで、ひとつのチャンスを頂けたことは、これからも忘れません。


 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 明日もまた、この場所でお会いしましょう。

 それでは、ぽんぽんぽん。


 キングコング西野さんの著書、「革命のファンファーレ」は以下です。僕も、今回のコラムを書くにおいて、かなり読み込みましたが、より深く西野さん流のロジックや戦略を知りたい方は、必読だと思います。

 キングコング西野さんが主催する日本最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は以下から月額1,000円で登録できます。僕も先日、入会させていただいたのですが、ほぼ毎日更新されていて、本当に熱量の高いコンテンツです。これから毎日楽しみにしています。

 大ヒット中のキングコング西野さんの著作「えんとつ町のプペル」はこちらです。僕は原画展に参加したときに購入し、書籍で持っていますが、すごく素敵なお話ですよ。

 なお、「えんとつ町のプペル」は以下から、すべて無料で読むことができます。心動かされた方は、ぜひとも書籍を購入してお楽しみください。



 なお、狭井悠は、以下のマガジンで毎日更新のコラムを執筆しております。現在、毎日更新138日目。興味のある方は、ぜひともnoteをフォローしてください。

 Twitterはこちらです。もし、フォローくださる方がいたら、仲良くしてくださいね。

 なお、もしも、当コラムをサポートいただけるような稀有な方がいた場合には、当コラムでいただいたサポートを、今回のような特別コラムを執筆するにあたっての取材経費として、利用方法も含めて企画・公開し、大切に活用させていただきます。

 今後とも、フリーランスライターとして、独自の熱量ある執筆活動を行っていきたいと考えていますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

平成30年10月23日吉日 狭井悠(Sai Haruka)


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