中井スピカ

塔短歌会所属。短歌冊子Lilyメンバー。2022年、第33回歌壇賞。 noteに掲載お…

中井スピカ

塔短歌会所属。短歌冊子Lilyメンバー。2022年、第33回歌壇賞。 noteに掲載お知らせや歌集評、旅のエッセイなどを綴っています。 2023年7月末に、第一歌集『ネクタリン』を刊行しました。

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  • 作品掲載お知らせ・『ネクタリン』や短歌冊子Lilyお知らせ

    短歌、その他作品掲載のお知らせや、歌集『ネクタリン』、参加している短歌冊子「Lily」のお知らせです。

  • 歌集評・一首評・その他書評

    歌集評や同人誌などの一首評、小説の書評です。

  • 旅の記憶(エッセイ)

    これまでの一人海外旅のエッセイです。実際の旅の順とは関係なく、基本的に一話読み切り。今は2005年のオーストラリア一周の旅を時系列で書いています。(古い情報も含まれますので実際に旅に出られる際は最新情報をご確認いただければ幸いです)

  • Lots of other things -その他もろもろ-

    他のマガジンに分類できない「その他もろもろ」です。 ときどき出現します。

  • 「少年ジャンプ+」× note原作大賞応募作品(小説)

    noteで開催されていたコンテスト、「少年ジャンプ+」× note原作大賞に応募した小説です。冒頭3話とあらすじを掲載しています。

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【お知らせ】4/28 歌集『ネクタリン』批評会まで1ヵ月となりました

2024年4月28日(日)に、大阪にて歌集『ネクタリン』の批評会を開催いたします。 当日まで1ヵ月となり、パネリストの皆さまがどんなディスカッションをしてくださるのか、私自身もとても楽しみです。 春の一日、ご都合がよろしければ、どうぞお越しくださいませ。 よろしくお願いいたします。 中井スピカ歌集『ネクタリン』批評会 ◆日時:2024年4月28日(日)13:00~16:30 ◆会場:大阪市中央公会堂 2階 第6~8会議室 ◆パネリスト:澤村斉美 染野太朗(司会) 道券はな

    • 【お知らせ】歌集『ネクタリン』が第30回日本歌人クラブ新人賞をいただきました

      この度、歌集『ネクタリン』が、第30回日本歌人クラブ新人賞をいただくことになりました。 大変光栄に思っております。 選考委員の皆さま、関係者の皆さま、誠にありがとうございます。 そして、この歌集を手に取ってくださった皆さまに感謝申し上げます。 版元の本阿弥書店の皆さまをはじめ、 歌集作成にあたり、かかわってくださった多くの方々、 また、短歌を通して出会った皆さまに、御礼申し上げます。 これからも、地道に詠み続けていきたいです。

      • 【書評】『風を待つ日の』野田かおり歌集

        肌寒き春の空気を逃しつつレターパックに課題を詰める コロナ禍の定時制高校。休校が続いている。 教員をしている主体が生徒たちの家へ課題を郵送するところだろう。 春の空気を逃す、という言い回しに、主体自身のやるせなさが滲むようだ。 この歌集は、コロナ禍の教員生活を明確に詠っている。 ほのほのと運ばれてゆく福祉科の春の準備のマネキン一体 ゆゆゆゆとひとの集まる職場ゆゑ在宅勤務選びて帰る 午後九時をはじまりとして円になり部員四名ラケットを振る 教員生活が描かれる歌を挙げたが

        • 【書評】『初恋』染野太朗歌集

          悲しみはひかりのやうに降りをれど会いたし夏を生きるあなたに この歌集を最初に読んでからしばらくが経った。 そう、しばらくが経ったのだが、この歌集に溢れる恋心と夏のイメージが去らない。 むしろ、光は反射し、重なり、より強くなる。 帯の表に挙げられたこの歌に、そのエッセンスは凝縮されている。 「たったひとつの(過ぎた)恋」(いや、主体の中では完全には過ぎていない)、そのワンテーマが一冊を貫く。潔い歌集だと思う。 きみがまたその人を言ふとりかへしのつかないほどのやさしい声で

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        【お知らせ】4/28 歌集『ネクタリン』批評会まで1ヵ月となりました

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          【一首評】第35回歌壇賞受賞作・次席・候補作品より

          『歌壇』(本阿弥書店)にて2024年2月号~4月号までの3ヵ月間、作品評を担当させていただきました。 最終回はちょうど歌壇賞の発表号にあたり、受賞作や次席、候補作品からも何首か評を書かせていただいたのですが、 文字数の関係もあり、残念ながらすべての作品に触れることができませんでした。 そこで今回、一首ずつにはなりますが、掲載された連作すべての評を書いてみたいと思います。 (作品評で取り上げた連作については、誌面で挙げたのとは別の歌を取り上げています) 紙片にも陰のあること 

          【一首評】第35回歌壇賞受賞作・次席・候補作品より

          【掲載のお知らせ】『歌壇』2024年4月号 作品評「戻れない世界を生きる」

          『歌壇』(本阿弥書店)にて 2024年2月号~4月号までの3ヵ月間、作品評を担当しています。 3/14発売の4月号では『歌壇』2月号掲載の作品から 巻頭作品をはじめ幾つかの連作の歌評、 また他誌からは『短歌研究』2月号より 横山未来子さん、門脇篤史さんの歌評を書かせていただきました。 2月号は歌壇賞の発表号でしたので 歌壇賞の受賞作や次席、候補作品についての評を書くことができ とても嬉しく思っています。 (せっかくの機会に取り上げたい歌が他にもたくさんありました。  文字数

          【掲載のお知らせ】『歌壇』2024年4月号 作品評「戻れない世界を生きる」

          【書評】『日々に木々ときどき風が吹いてきて』川上まなみ歌集

          まず街の静かなことを書いてゆく日記始めの夜やわらかく 歌集の巻頭歌。日記始めであると共に、歌集のオープニングでもある。 「夜がやわらかい」という捉え方が作者自身の柔軟性をも表すようだ。 これから始まる一冊の、その全体のトーンを表現するような一首で、冒頭の歌としてとても素敵だと思う。 この歌集は、教師として働く職場詠や、恋人との関係性が表れる歌、家族の歌など、等身大の生活を静かなトーンで詠う。 身の回りのことや、細かな動作、なかなか捕らえられない何気ない心の動きを描写する歌

          【書評】『日々に木々ときどき風が吹いてきて』川上まなみ歌集

          【旅の記憶】光り輝く3人組(Sydney 3)

          私が旅の最初にお世話になったのは、シドニーの北、セントラルコーストと呼ばれるエリアにある一軒家であった。 そこに週単位でリーズナブルに宿泊できるB&Bのような場所があったのを、webで見つけて、約3週間予約してあったのだ。 (残念ながら今はもうクローズされている) 日本人の方がオーナーだったのも、ここに決めたポイントで、いきなり海外初一人旅でオーストラリア大陸を一周しようという暴挙の、 その「暴挙感」を少しでも和らげるため、ここでしばらく生活に慣れさせてもらおうと思ってのこ

          【旅の記憶】光り輝く3人組(Sydney 3)

          【公開記事】感熱紙だった夏(うた新聞2022年4月号)(エッセイ)

          浪人時代、なのでもう二十五年以上前の夏になる。 通うと決めた予備校もドロップアウトしかかって、私は講義をさぼり小さな本屋をぶらぶらしていた。 毎日同じ白紙のページを繰り返しているようで、できることもやりたいこともどんどん減っていた時期である。 いつもの長野まゆみや鷺沢萠の小説ではなく、その日ふと手に取ったのは、すでに文庫になっていた『サラダ記念日』だった。 立ち読みしているうち、私の中にもリズムを持った言葉がどうっと溢れてきた。 早く私もこの閉塞感や無力感を文字にしなければ。

          【公開記事】感熱紙だった夏(うた新聞2022年4月号)(エッセイ)

          【掲載のお知らせ】『歌壇』2024年3月号 作品評「丁寧に暮らす」

          『歌壇』(本阿弥書店)にて 2024年2月号~4月号までの3ヵ月間、作品評を担当しています。 2/14発売の3月号では『歌壇』1月号掲載の作品から 巻頭作品をはじめ幾つかの連作の歌評、 また他誌からは『短歌往来』1月号の特集より 米川千嘉子さん、藤島秀憲さんの歌評を書かせていただきました。 また、同号の特集「わが心の駅」、駅の歌百首選にて真中朋久さんに、 連載「画架に短筒」51回にて塚本靑史さんに、 歌集『ネクタリン』から一首引用していただきました。 誠にありがとうございま

          【掲載のお知らせ】『歌壇』2024年3月号 作品評「丁寧に暮らす」

          【書評】『cineres』真中朋久歌集

          来し方も行く末もあるはおそろしく泡だちて寄せる水を見てゐつ 過去も未来もあることが怖いという。 主体は何に怯えているのだろうか。 過去がたくさんあるということは、歳を重ねて責任など重いものを 抱えて生きていくということにもなるだろう。 未来はどうか。行く末があることは明るいことのように思える。 でも、この先どうなるかなどわからない。 わからないのが恐ろしいのかもしれない。 泡立って寄せる水は、海かもしれないし、もっと小さな流れかもしれない。 ただそれをじっと見つめている主体

          【書評】『cineres』真中朋久歌集

          【公開記事】真剣に遊ぶ(特集「みんなで短歌かるた」)(一首評)

          結社誌「塔」2022年1月号に「みんなで短歌かるた」という特集が組まれ その中に「真剣に遊ぶ」と題した文章(一首評+エッセイ)を掲載していただきました。 今回は、その記事を以下に公開します。 (文章の終わりに、追記があります) 【な】 殴ることができずにおれは手の甲にただ山脈を作りつづける (虫武一俊『羽虫群』 p.11) 【に】 人間の七割は水 小さめのコップ、静かにあなたに渡す (𠮷田恭大『光と私語』 p.82) 【ぬ】 脱がせたら湿原あまく香り立つわたしが生きるこ

          【公開記事】真剣に遊ぶ(特集「みんなで短歌かるた」)(一首評)

          【掲載のお知らせ】角川『短歌』2024年2月号「野に咲く花のやうに」3首選

          角川『短歌』2024年2月号「野に咲く花のやうに」欄の 3首選を担当いたしました。 冬から初春の植物が登場する歌の中から 河野裕子さん、笠木拓さん、北山あさひさんの歌を選んでいます。 また、同号の実作特集「句切れの真相」欄で 糸川雅子さん、大松達知さんに歌集『ネクタリン』から 一首引用していただきました。 句切れという観点から歌を読み解いていただき、誠にありがとうございます。 機会がございましたら、お読みいただければ幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。

          【掲載のお知らせ】角川『短歌』2024年2月号「野に咲く花のやうに」3首選

          【書評?】『街とその不確かな壁』村上春樹(小説)

          (作品の内容を含みますので、少しでもネタバレしたくない方は ぜひ作品を読んでからお越しください) まず君に伝えておいた方がいいだろうと思うのは、 僕が今、村上春樹の小説『街とその不確かな壁』を読み終えたばかりで、 彼の文体の癖が少々この手紙に影響しているだろうということだ。 最後のページを閉じたのはほんとうについさっきのことで、 まだ彼の文体が僕を内側からほのかな星の光のように温めてくれている。 こんなふうに書くと、君はあるいは心配するかもしれない。 村上春樹の文体を真似

          【書評?】『街とその不確かな壁』村上春樹(小説)

          【掲載のお知らせ】『歌壇』2024年2月号 作品評「静かに問いかける」

          『歌壇』(本阿弥書店)にて 2024年2月号~4月号までの3ヵ月間、 作品評を担当することになりました。 1/14発売の2月号では、『歌壇』2023年12月号掲載の作品から幾つかの連作の歌評、 また他誌からは角川『短歌』2023年12月号掲載、渡邊新月さんの 角川短歌賞受賞後第一作の評を書かせていただきました。 今回は歌壇賞の発表号でもあります。 機会がございましたら、お読みいただければ幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。

          【掲載のお知らせ】『歌壇』2024年2月号 作品評「静かに問いかける」

          2024年の活動記録(4/14更新)

          <2024年の活動記録> 【短歌】 【エッセイ・随筆・日記】 ・『塔(結社誌)』4月号 創刊70周年記念特集         会員エッセイ「散らかっている」(わたしの作歌現場)☆New 【評論その他】 ・『歌壇』(本阿弥書店)2024年2月号 作品評「静かに問いかける」 ・角川『短歌』2024年2月号「野に咲く花のやうに」3首選 ・『歌壇』(本阿弥書店)2024年3月号 作品評「丁寧に暮らす」 ・『塔(結社誌)』2月号 大引幾子歌集『クジラを連れて』評  「「ひかりの洪

          2024年の活動記録(4/14更新)