夏夜 夢

FLAT 脚本担当 小説執筆中

夏夜 夢

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最近の記事

宇多田ヒカル『あなた』

もし戦争が始まったら、あなたは誰の身を一番案じるだろう。 あなた以外はなにもいらない。と言える相手はいるだろうか。 出産して、自分が弱くなった気がする。 自分よりも大事な存在ができるというのは、つまり新たな不安を背負う。 日本での戦争はまだ現実的ではないが、最近怖いのは自然災害だ。 もし大地震が来た時に、我が子を守れるんだろうか。と不安になる。 いろんな不安は、いつ何をしていても頭の片隅にある。 旦那に子供を見てもらっている間に息抜きにカフェに行っても、ライブに行っても、オ

    • 【エッセイ】子育てと自分育て

      自分の時間を作ることが難しい。 無いことはない。しかし、子育てが始まってから自分の時間というのを作るのが至難の業となった。 当たり前のことだ。 今や、自分のペースで生きることは皆無に近い。 たとえ旦那に子供を任せて、1人でカフェに来ても帰り時間を気にしたりしてうっすらと子供のことは頭の中にあるのだ。 昔見た海外ドラマで、子持ちになった主婦同士が「昔みたいにハッチャケようぜ!!」とか言って、お酒飲んだりなんたり遊び回るんだけど、ふと我に返って、「やっぱりいまこの時間を子供と過

      • 【エッセイ】鬱を煙に巻くには

        鬱だ。 最近の気温と気圧が急変化しているせいもあるかもしれない。 でも自分では原因がわかっていた。 妊娠中から活用していたXのアカウントだ。 このアカウントはあらゆるママさんたちとの交流や情報交換のために開設した。現にいろいろな育児のための情報やライフハックはとても役に立っている。だが、中には家族仲の悪化や、育児の辛さで負の感情を紡いでる人もいる。 そういうのを健康な状態で摂取し続けるのは良くない。そう気づいた時には時すでに遅しで、メンタルが結構下降していた。 私の家庭状況

        • 【妊娠レポ③】

          我が子は出てきた瞬間に大きく泣き始めた。 私はおなかの感覚がないまま、さえぎられたシートの先でオンギャアー!と泣き叫ぶ何かに、ふっと何かのスイッチを入れられたような気がした。 出てきてすぐの、うっすら赤い我が子を看護師さんが私の視界につれてきてくれた。目に入った瞬間に、涙が出ていた。なんでとか、理由などない涙だった。理屈なしに泣いていたのである。 最初に我が子に思ったことは「この世界へようこそ!」であった。 そのあと、麻酔を吸って意識がなくなった。 次に気付くと、まさに「

        宇多田ヒカル『あなた』

          【妊娠レポ②】

          私が産婦人科を選ぶ時の基準にしたことは、クチコミと無痛分娩に対応しているかであった。 無痛分娩は海外ではかなり主流で、だいたいの人が当たり前に無痛分娩を選ぶらしいが日本では麻酔医が少ないこと、産院に早々居るものでは無いことなどから、対応していることが珍しくてなかなか主流にはなっていないそうだ。 私は痛いことが嫌いだ(好きなひといる?笑) 今どき「お腹を痛めたほうが〜」なんて人ほとんどいないかもしれないけど、無痛分娩できるなら選ばない選択肢が無かったので最初から無痛分娩を希

          【妊娠レポ②】

          【妊娠レポ①】

          2023年3月。 私は新しい挑戦の第一歩を踏み出した。 妊娠、出産である。 産まれてからでは文章にする暇もないと思い、これまで起こったことをちまちまと書き留めておきたくなった。 何より文章にアウトプットすると安心する。 2023年3月。 会社の人たちとBBQして、泥酔した何日か後に妊娠検査薬で陽性を確認。 (飲酒は妊娠発覚直前までしてた人も多く、あまり気にしないことにした) 私はこの結果を、子供好きな旦那が踊り狂って喜ぶと思っていたのだが、案外冷静に「まずは病院に行かない

          【妊娠レポ①】

          【エッセイ】31歳女の悩み

          最近、同年代の友人と話す機会が多く、ぽろぽろと出てくる悩みがまるで「あれ?その話私からしたっけ・・・私も悩んでるんだけど!」ということが多すぎて30代の女って呪われてるな(さすが厄年パレード)と思った。 ”やりたいこと”って30年くらい生きて、やっと見え隠れしてくるのかもしれない。 そして社会の仕組みを新卒で知り、お金という偉大な力に抗えなくて悩み、四苦八苦して、「よし。やっと視野が広がった」となるのが30代だ。 しかしそのころには、自分は結婚しているかもしれない。 お金

          【エッセイ】31歳女の悩み

          【Netflix紹介】ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋

          最近見たシリーズで一番衝撃を受けたものだったので紹介することにしました! 現在配信されている全8話を1つ1つ解説します! (ネタバレなし) こんばんは、夏夜夢です。 ギレルモ・デル・トロを知らなかったのですが、Netflixでやたら勧めてくるので見始めると、1話でまんまとハマってしまいました。 とはいうものの、すべて違う監督が作った1話完結型の全然違う物語なので全然テイストは違います。でもホラーという点できちんとすべてゾッとします。備忘録としても書き留めておきたい&みなさ

          【Netflix紹介】ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋

          【映画感想】死刑にいたる病

          【※ネタバレはしません】 この映画を知ったのはテレビのCMだった。 自分の好きなジャンルとして「サイコパス」があるのだが(ジャンルなのかは不明)1回CMを観ただけで、公開日が待ち遠しくなった。 キネパスで、映画館のど真ん中を一人で予約して観たが 公開2日目なので人は多かった。 一言で言うと、この映画は予想以上に面白かった。 猟奇的殺人について、みなさんがどこまで好きなのかはわからないが阿部サダヲさんが演じたサイコパス像はまさに「ザ☆サイコパス」って感じで、本当に素晴らし

          【映画感想】死刑にいたる病

          【エッセイ】無駄な趣味なんてない

          ゲームは1日1時間。 なんて、私も子供のころよく言われた。 そういう親の気持ちも理解できるような年齢になっても、私はよくあるゲームを購入してせっせとクエストを受注したりしている。 むしろ社会人になって、自分で時間もお金も管理できる立場になったからこそ、こんなに自由に好きなことができているのである。 ゲームが好きと言うと半数くらいの人に「生産性がない」「ゲームって楽しいけど意味ある?」「時間の無駄」とか言われる。 じゃあ、そんな人たちがよくいくゴルフに意味はあるのか・・・?

          【エッセイ】無駄な趣味なんてない

          【エッセイ】自分のやりたいこと

          先日、帰省した際に自分が小学生の時に書いた小説をみつけた。 どれどれと読みながら、なんとなく思った。 自分のやりたいこと、いわゆる”夢”みたいなのって どうやって自分で判断しているんだろうって。 私自身もやってみたいことを仕事にしたり 好きなことを趣味から始めたりしてみたけど その中で気づいたことがある。 私の好きなことは音楽聞いたり、映画を観たり、 小説読んだり、ゲームしたりすることだ。 だけどこの中で明確な違いがある。 それはそれを受け手としてだけでなく、 作って

          【エッセイ】自分のやりたいこと

          第七回文学フリマ福岡参加しました!

          こんにちは!夏夜夢です。 今回は10/31に行われた第七回文学フリマ福岡の準備から感想までまとめていこうと思います! ★出ると決めた経緯 私が相方の405とFLATを組んだのはなんと2012のことなのです! (自分も驚愕) のらりくらりとコント脚本を書いておりました。 ラの付くコンビが好きな私たちは不思議な世界観の脚本をかいたりデザインをしたりと、ここまではっきりと「イベントに出て販売をする」というのをしておりませんでした。 だけどこのままでいいのか私・・・と突如襲う創作

          第七回文学フリマ福岡参加しました!

          【Netflix紹介】好きな海外ドラマ

          私はNetflixが大好きだ。 レンタルなどではなかなか海外ドラマを観る機会がなかったが、ネトフリに入ってからは好きな海外ドラマができた。 今回は3つほどご紹介したい。 ①ワーキングママ まずはライトなものを(と言っても紹介する中で笑える作品はこれだけ)。 海外のママ友たちの度重なる問題が描かれている。子育て、仕事、浮気、ママ友付き合い、日本だと割と重い問題としてドラマに描かれているがこのドラマは本当にコミカルに描いていて、なんとかなる!やってやんよ!って感じの逞しい女性た

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          【SS小説】Over again

          「武田―――」 いつも、先生は居ないとわかっている名前を呼ぶ。 毎朝、繰り返される呼びかけに対して、彼女はいつもそれを、存在の面からスルーするのである。 「三浦」 「・・・はい」 僕はいつも思うのだが、学校とは何の場なのだろうか? 「三浦、次の単語テストの勉強したか?」 前の席の吉村が僕を振り向いて言った。 「昨日、やった」 「お前は良いよなぁ~。部活、暇でさ」 僕は高校生活を部活に燃やす気はサラサラない。勉強をある程度やって、だいたい怒られないレベルの成績を維持する。僕は学

          【SS小説】Over again

          【SS小説】 種まくクラゲ

          木々に囲まれた村にⅮ氏は住んでいた。 ある日、Ⅾ氏が昨日と同じように川に水を汲みに行ったところ、奇妙な生物が立っていた。体長は150センチほどある、大きいクラゲのような生物が浅い川に立っていた。 「ごきげんよう。あなたは人間という生物ですね。私は違う惑星から来ました。この星には沢山の生命体がいるようですね」 「・・・」 「あ、もしや言語が間違っているかな・・・×△■?〇▼◇??」 「あ、いや、さっきの言語で合ってます」 「なんだ、よかった。もしかして驚いていますか?怖いですか

          【SS小説】 種まくクラゲ

          【SS小説】一週間探し

          ぱっと目が覚めると俺の部屋には昨日のクラッカーが落ちていた。 昨日は8月1日。俺の16歳の誕生日。彼女から誕生日プレゼントにお揃いのブレスレットをもらい、家に帰ると母さんが作ってくれたケーキと妹の鳴らすクラッカーでお祝いしてくれた。ああ、楽しかったなあ。 リビングに行くと慌ただしい母さんが俺を見て驚いた。 「リョウタ!まだ支度してなかったの?遅れるわよ!」 「え?支度って、なんの?」 「今日、登校日でしょ!」 「え?今日まだ2日でしょ、何言ってんの」 「何寝ぼけてんの!今

          【SS小説】一週間探し