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小説*海底散歩

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海底散歩7

ふぁー、みさきは欠伸をした。

「ねえー、もう帰ろうよー」という言葉が喉まで来ていた。

だって。

暗い青



青。

どこをみても

どこまでいっても

同じ景色。

私たち、何してるんだっけ?

そう思わずにはいられない。

とにかく何にもない海中をただ真っ直ぐに進んでいる。

リアムは、

「もう少し進んだら、強い海流があるから、流されないようにするんだよ」

という。

「なにそれ、

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海底散歩1

海底散歩1

岬、みさきは、友達と海に遊びに来ている。

友達の名前は、リカ。

2人とも高校生だ。

みさきの家の近くの海には、飛び込み台がある。飛び込み台は、この海で、一番の名物アトラクションだ。夏になると、たくさんの子供たちが飛び込み台から飛び込んでいる。子供たちが遊んでいるからといって侮ってはいけない。

大人でもつい、足がすくんでしまうほど、こわいのだ。水面から160cmほどの高さにある台。そこから、

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海底散歩2

海底散歩2

パチっ

あ、私、海の中で目を開けれる。

一面の青い世界、、、

水の中って気持ち良い

ってあれ?

私、息ができる!!

海の中で

混乱してジタバタする。

それだけじゃない、海は、想像以上に深かった。そして、透き通って、遠くまで見える

てゆーか!!

肝心の飛び込み台がどこにもない!!

おかしい。普通、海の中に、飛び込み台の台の部分があるはずだ。水面に浮いてるわけじゃあるまいし。

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海底散歩3

海底散歩3

名前の知らない、手のひらくらいの魚たちが通り過ぎていく。

黄色に青いしま模様。

かわいくて触ろうとすると、スルッと避けられた。

クラゲだ。小さなクラゲもいる。

かわいー。子供かな?

ツンツン

と指でつついてみる。

クラゲは、ふにゃと、形を変えて、また、もとの形に戻った。

くすくす

海の中って、楽しい。

それに、宙返りだってできちゃう。

まるで、空を飛んでるみたいだ。

スーッ

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海底散歩3

海底散歩3

確かめるために、もぐろうとすると、向こうからやってきた影が、顔を出した

プハー

なんと、影の正体は、男の人だったのだ!

誰???とみさきは思った。20歳前後の青年。みさきの知らない人だ。

その男の人は、

「人間?」

とみさきに尋ねた。

「え、うん」

と答えたみさきは、変な質問、と思った。

その男の人は、「人間かあ。きいたことあるなあ」と言いながら、頭をかいた。

いや、でもほんと

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海底散歩4

海底散歩4

リアムについて泳いでいく

名前の知らない、手のひらくらいの魚たちが通り過ぎていく。

黄色に青いしま模様。

かわいくて触ろうとすると、スルッと避けられた。

あ、クラゲだ。

小さなクラゲもいる。

かわいー。子供かな?

ツンツン

と指でつついてみる。

クラゲは、ふにゃと、形を変えて、また、もとの形に戻った。

くすくす

海の中って、楽しい。

「ぼくたちは、サンゴ礁の近くに住んでるん

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海底散歩6

海底散歩6

「あ、リアムだ!」とエマが言った。

リアムに会うのは3日ぶりだ。

「エマって、いっつもリアムが帰ってくるときに気づくよなー」とノアがつぶやいた。

エマは、えへへ、と照れたように笑った。

「ただいま」とリアムがいった。

みさきも、リアムに会えてなんだか嬉しかった。

リアムは、ふぅ疲れた、といって、大きな岩に座った。

「お疲れさん」とノアが声をかけた。

「すごいよな、よく3日間も、1人

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海底散歩7

海底散歩7

ゆらゆら〜

ゆらゆら〜

ゆらゆら〜

あ、クラゲ。

真夜中の海は、真っ黒ーーー

じゃなくて、月がぼんやりと、照らしている。

ふと、横を見てみた。

くぅくぅ

ジャック、ノア、ソフィア、エマ

みんな寝ている。

あ。

リアムが岩に腰掛けて、ぼんやりとどこかを見つめている。

起きてたんだ。

ぶくぶく

リアムのところまで泳いでいく。

夜の海は、特に冷たい。

だけど、不思議と、そ

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