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コラム

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三島由紀夫の潮騒を久々に読み返した。3回目の読了だが、歳を重ねる度に瑞々しい純愛に心が洗われる。これ以上のラブストーリーに出会える気がしないし、自分の小説がチープに思えて心が折れそうになる。いや当然なんだけど。私は私だし。しかしこの作品は永遠の憧れであり目標

雪国の春

雪国の春

4月半ばというのに
夏日になる予報が出た。

確かに今日は
朝からストーブなしで
過ごせる気温だ。

窓を開け網戸にすると、
どこからともなく
祭囃子が聞こえてくる。

太鼓と笛の音。
わっしょいの掛け声。

その賑やかな音が近づき
ぼんやり外を眺めていると、
屋台囃子の一行が通り過ぎていく。

近所にある小さな八幡宮の
春の例祭だろう。

子供から大人までが参加し、
地域を練り歩くらしい。

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新社会人の皆様へ

新社会人の皆様へ

これを読まれる皆様は、
人生の門出を迎えられていることでしょう。

まずは今の心境はいかがですか?

ワクワクして希望に満ちていますか?
それとも早くも暗雲立ち込めているでしょうか。

どちらもあるかもしれません。

私はうん十年前、
観光業界に入りました。

そこそこ大きな会社でしたので、
入社式には数百名の同期がおりました。

もちろん知り合いなど一人もおりません。
面接で一緒だった子もどこに

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福岡県久留米市を舞台にした小説

福岡県久留米市を舞台にした小説

カクヨムという小説サイトでも
小説を投稿しています。

現在そちらで連載している新作を
こちらでも紹介させてください。
※リンクは↓

題名は【いつもの場所で】
物語の舞台は福岡県久留米市

現代ドラマでありラブストーリーなんですが、
格差社会の中で人生を諦めていた2人が出会い、
ささやかな幸せを見つけていきます。

この物語に登場する人たちは、
特別な才能や能力を持っている者ではないかもしれませ

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CD難民とネット社会の浦島太郎になった話

CD難民とネット社会の浦島太郎になった話

今でこそ
「あの曲、久しぶりに聴きたいな」
「あのドラマまた見たいな」
と思った時に

スマホさえあれば、
いつでも、どこにいても
それを叶えることができる。

だけど一時期、
エンタメを楽しむ機会が
ほぼ皆無になった時期がある。

それもその期間は10年以上あった。

音楽に至っては
2000年代初頭までは
なんだかんだ聴く機会があった。

その頃はまだCDを購入したりレンタルしたり、
もしくは

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伯母の餃子

餃子なんて、
誰がどう作ろうとたいがい美味い。

それくらいハズレに当たったことがない。

寂れた街にある中華屋で食べたフニャフニャの焼き餃子も、中華街の高級店や宇都宮や浜松といったご当地餃子。今や冷凍だってクオリティが高いし、自販機でも買える。

餃子を食べる機会なんて数えきれないほどある。それなのに「不味い」と思った記憶がない。

だけど、よく考えると
あの餃子を超えるものに私は出会っていない

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迷い猫と私

迷い猫と私

南東北のとある街
春の強風を受けながら
寒々しい河川敷を
わざわざ風上に向かって歩いていた

この天候で他に歩いている人もおらず
ただ真っ直ぐ続く長い道のりを
無心になってひたすら進んだ

進行方向には雪化粧をした山並みが迫り
春とはいえ凍てつく寒さだ

その直線上の遥か先で
ふんわりとした丸いものが微かに見えた

ん……?

近づいてゆくと動いた
そして目と目が合った

「どちら様?」

恐らく

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凧揚げ

凧揚げ

去年の初夏
私は東京から地方都市に引っ越した。

いわゆる移住というものをしてみたのだ。

とりあえず慣らしで
田舎過ぎない所に住もうと
比較的交通の便や買い物にもそう困らない街で
新たな生活のスタートをきった。

地方とは言え割と都会のせいか、
降雪以外ではそこまで暮らしに困っていない。

車で片道30分ほどいけば温泉街があったり、
野菜の直売所や道の駅が近所にあったりで、
日々、旅をしている気

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自粛しない宣言と新年のご挨拶

自粛しない宣言と新年のご挨拶

新しい年が始まり
心あらたにと意気込んでいたところ
悲しいニュースが重なり
私だけでなく
多くの方が胸を痛めていらっしゃると思います

お辛い思いをされている皆様に
1日も早く平穏な暮らしが戻るよう
心より祈っています

祈るしかない無力な私には
誰かを助けることはできません
だからこれまで通りの暮らしを続けるしかない
そのため、賛否おありでしょうが
執筆活動や旅の自粛はいたしません

それでも昨

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同世代女優の破局報道と北国の冬支度

北国の冬をなめていた
東京から越してきて
今年初めて、北国の冬を迎える

北国と言っても
どちらかと言えば太平洋寄りの地域だから
滅多に大雪にはならないと聞かされていた
自分もそのイメージを持っていた

だがいざ暮らしてみると
やはり関東近郊とはあきらかに違う
朝晩は東京より5度以上気温が下がる

晴れた日の昼間はまだよいのだが
山から風が吹き下ろしてくる時の勢いがまるで違う。なんというか、ブウォ

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愛は勝つ

子供の頃
毎年夏休みになると
祖父の故郷である滋賀県の山奥に行く事が
我が一族の年中行事だった

そこは湖北地方にある小さな山村で、街に出るには車で30分以上走らなければならなかった

秘境と呼べば聞こえはいいが
娯楽などは何もない
若者と呼べる人々は皆無なド田舎だ

今で言う限界集落で
バスも1日数本しか走っていない

数年前に訪れた時もdocomo以外はいまだに圏外。たぶん今はもう少しネット環

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現実がつらいなら物語という別次元に逃げればいい

著名人や大企業の不祥事や失態、その他の暗いニュースを見るたびに、他人事ではあるのだが、こっちまで闇にひきずりこまれそうになる。

テレビをつけるとそんな「知らなきゃ良かった」が溢れていて、このところテレビはほとんど見なくなった(でも火野正平さんのこころ旅だけは見る)

関心を持たなきゃいいだけの話だが、
勝手にガッカリしたり絶望したりして

更にはそんな話題が身近にも潜んでいる場合もあるから、それ

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小説を書く上でのモットー

私が小説を書き始めたのは、とあるテレビドラマがきっかけでした。
そのドラマが最終回を迎え、いわゆるロスに陥ったのです。

その続きをどうしても見たい。
そんな思いで二次創作から始めたのですが、
それだけでは足りず、オリジナル作品を作りました。

こちらで投稿中の「連綿と続け」は2作目です(インスタで連載中※そちらは非公開)

1作目はインスタに投稿し
完結後にカクヨムでも投稿を始めました。
そちら

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