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象徴

先日、ひょんな事から『天皇論』を読むことになった。
著者の知識量さながら、書き上げるまでに費やされた時間や熱意を想像すると溜息さえ出る。
その反面自分がどれほど無知であるかを思い知らされた。

何気なく過ごす日常生活の中に、神や天皇と密接に関わる機会が思いのほか多くあることを知った。
天皇の歴史や、古来からの文化など当前だと思っていたことの殆どが上辺だけの知識や誤認であり、半可通な自分を恥じた次第だ。

 
天皇については、立憲君主制から象徴天皇制に変わり長きを経た今でも、その存在意義は末端にとっては曖昧な認識であり、自称“歴史好き”の私であっても胸を張って説示できない。

天皇論に記されている事柄は、日本国民としてまず最初に学び知っておかなければならない事だと思う。

天照大神を起源とし、神武天皇から数え126代目徳仁親王殿下の御即位の日を迎え
今上天皇・令和時代を迎えてから早2年。
今一度、天皇制について細部にわたり一から学び直す機会があったことを有り難く思う。

年間を通じて、祝日や行事の際に何を珍重し、誰を敬うのか。
天皇論を読む前と後とでは、その“心の在り方”が変わってくるのではないだろうか。
と同時に、何も教わらないまま大人になることの恐ろしさ。教科書を斜め読みしただけで、その起こりや根底にある注視すべきを割愛する事で、次世代人が今以上に脆弱かつ無思慮な日本人になってしまうと危惧している。 
いつの時代も歴史的事実の改竄は繰り返され、国内外問わず日本を脅かす勢力は存在する。
人間関係を築くためには先ず己を知ることが先決であり、国に置き換えても同じ事が言えると思うのだ。

事実を知り自らが考え、信頼・論争・守護その対象は何なのか、その判断力を問われる時代だ。
その基準となる「日本という国の真髄・日本人としての意識」をそれぞれが心に留め置くだけではなく、子供達や今後の日本を担う世代に教え伝えてゆくことが最も重要だと感じた。


私の勝手な想像ではあるが、天皇論を読み改めて平成28年8月の天皇陛下(現・太上天皇)による生前退位についての「おことば」を思い出すと、どれほど心憂いご決断であったのか拝察する。

今ある国民の安泰・安寧は、天皇皇后両陛下の長年に及ぶ多大な苦悩と献身的な祈りの上に成り立っていることを忘れてはならない。
象徴だからと闇雲に救いを求めるのではなく、現在まで124名の天皇の歴史を知り
その盤石さと清廉さを自身の中に映し、内的世界の「神」と向き合いながら日本国民として誇り高く強く生きるべきだと改めて気付かされた。



 うまし国そ 大和の国は…
約2700年前から変わらず祈られていたように、遙かな未来いつまでも太陽の光注ぐ輝かしい日本国であることを願うばかりだ。



最後に、私は右でも左でもない。
何かに片寄るのは好きではなく、両極を知っておきたい性格は幾つになっても変わらない。
ただただ、好奇心旺盛で深掘り好きなだけなのだ。

気付けば私も3児の母。
「因幡の白兎」や「ヤマタノオロチ」など子供達が読む昔話にも多く日本神話や神々が登場する所以を、折角なので深く考えてみようと思う。
幸いなことに、7歳の長男が歴史や日本書紀に興味を示している。

そう言えば、私の母も歴史書や捕物帖が好きだった。

血は確実に受け継がれている。




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