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⛩歴史認識・国家観

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目前に迫った巨大な危機を乗り越えるには、国民が目覚め、政治を変え、官僚・経済組織の動きを変える必要があります。どんなに危機を訴えても、そして実害を受けても、洗脳されてしまった国民… もっと読む
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「大東亜戦争」と「戦勝解放史観」と

「大東亜戦争」と「戦勝解放史観」と

日本の安全保障を考える上で「大東亜戦争」と「戦勝解放史観」は新たな視点を与えてくれると感じました。下記の疑問に応える内容ですので、後述の書籍の一読をお勧めします。

なぜ大東亜戦争が太平洋戦争と読み替えられたか?

日本は本当に侵略者だったのか?敗戦国なのか?

人類の歴史の中で日本人が果たした役割は?

日本人が日本についての誤った考えを正さない限り、これから始まるアジアの動乱を生き抜くことはで

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東浩紀「訂正可能性の哲学」ゲンロン叢書,2023.8

東浩紀「訂正可能性の哲学」ゲンロン叢書,2023.8

 完全に読む順序を間違ってしまった。氏の新著「訂正する力」を先に読んでしまった。新著には実践編と書いてあったので嫌な予感はしたのだが。
 「訂正可能性の哲学」の第1章を読み始めてすぐにわかった。「訂正する力」を読んでいて疑問に感じたことは全て前著に答が書いてありそうだ。

 新著の感想を書いたときに「東浩紀さんは保守とリベラルの間に答えを見つけようとしているのではないか?」と書いたが、そのまま「保

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東浩紀「訂正する力」~迷走するリベラリスト?

東浩紀「訂正する力」~迷走するリベラリスト?

 哲学者 東浩紀さんの新著 「訂正する力」。哲学するには「時事」と「理論」と「実存」の三つが必要と述べ、それを著書の骨組みとしている。本書の重要な点はここだと感じた。詳細は三章の冒頭に説明されている。

 著者の「訂正可能性の哲学」の実践編の位置づけだそうだ。

 読み進めて感じるのは一人のリベラリストの苦悩だった。ジャパンの未来を憂いている様子は伝わるが、過去を否定せず「訂正」しながら進むという

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トクヴィル「アメリカにおけるデモクラシーについて」 ~民主主義は至高の政体にあらず~

トクヴィル「アメリカにおけるデモクラシーについて」 ~民主主義は至高の政体にあらず~

日本の老舗保守系ネット番組「チャンネル桜」の【伊藤貫の真剣な雑談】コーナーで、トクヴィルの「アメリカの民主主義」の解説を見た。

アレクシ・デ・トクヴィルは19世紀の政治思想家。フランス革命の頃の人。
「アメリカの民主主義」を著したのは1835年で今から190年も前のことである。

ウクライナ戦争を巡るプロパガンダ戦の中で「自由と民主主義の国 vs 権威主義的な国」というような構図が語られることが

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福井義高「教科書に書けないグローバリストに抗したヒトラーの真実」

福井義高「教科書に書けないグローバリストに抗したヒトラーの真実」

世論に忖度しない青山学院は福井義高先生の新著。

福井先生の特徴は、日本人があまり目にしない英語圏以外の文献にあたって論を組み立てているところだろうか。英独仏露西の各言語の文献を対照し、日本の一般常識とは異なる歴史観を描き出す。

2022年に始まったウクライナ戦争を巡る日本の報道をみていると、「狂ったプーチンがいきなり領土拡張を目指してウクライナ侵攻した」という論調が多い。ロシアの報道や親露的な

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林房雄「大東亜戦争肯定論」~大東亜百年戦争~

林房雄「大東亜戦争肯定論」~大東亜百年戦争~

表現者クライテリオンの藤井聡編集長の紹介で林房雄「大東亜戦争肯定論」を知った。

林房雄は文芸評論家。小林秀雄や川端康成と共に活動し、三島由紀夫との交流もあったというから、その思想は自ずと知れる。

この「大東亜戦争肯定論」という書籍は物議を醸したようだ。左翼言論人はもとより東京裁判史観に染まったほとんどの日本人や親米保守派の人間たちにも不評だったことは想像に難くない。

そういう善悪論や戦勝国の

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日航123便墜落事故の調査報告解説を読んで

日航123便墜落事故の調査報告解説を読んで

 日航123便墜落事故に関わる2つの資料を斜め読みした。資料へのリンクは本文の最後に記した。私の「現場の特定に時間がかかり、救出が遅れた原因」「垂直尾翼破断、補助動力装置APU脱落の原因」に対する疑問は晴れなかった。

 国交省の解説に対する日乗連の反論には「政府による米国への忖度」を疑っているような記述も見られる。米国が関与した事故と日本政府による隠蔽ということだろう。違うのならそれで良い。ただ

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異世界転生ノベル・アニメが流行るのは現実が辛すぎるから

異世界転生ノベル・アニメが流行るのは現実が辛すぎるから

自分が感じていたことと同じことを三橋貴明さんがお話されていたので(新日本文化チャンネル桜 討論2:01あたり)記事にしておく。

ここしばらく異世界転生もののライトノベルやアニメが隆盛となっている。これは、若者を取り巻く現実世界が辛すぎて、せめて異世界で無双になりたいという願望によるものだと。

私も全く同感である。リアルの世界で全く望みのなくなってしまった多くの若者たちのせめてもの慰めになってい

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英語の覇権主義

英語の覇権主義

少し古くなりましたが、施『英語化は愚民化』集英社新書を読みました。我が意を得たりといった感じでしたので、私見を書いておきます。

参考 室伏さんのユーチューブ動画

まずは大前提日本語は日本文化そのもの。過去と現在をつなぐ大切なもの。日本語を母語として使う人間が居なくなることは日本や日本人が消滅することと同じ。

施さんの主張英語を学ぶために時間や能力を取られると、他の多くの大切なことのために時間

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改憲を餌にした自公維連立与党の危険性

改憲を餌にした自公維連立与党の危険性

維新の躍進で「これで自公維連立による憲法9条の改憲が成る!」と思っている方もいるだろう。ちょぅと待った、と言いたい。

日本維新の会が掲げている改憲案は教育無償化や道州制に関するもので、9条ではない。たしかに改憲勢力ではあるのだが。

日本維新の会ホームページから抜粋

大阪都構想という名のもとに大阪市を解体しようとしてみたり、維新の会は言葉巧みなトリックスターだ。改憲の先にあるものが何なのか?世

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進歩という名のもとに行われる文明破壊

進歩という名のもとに行われる文明破壊

日本では選択的夫婦別姓をテーマに男女差別が議論になっている。アメリカではBLM、LGBT、CRTなどの逆差別の嵐が吹き荒れている。

ロシアのプーチン大統領がこれを揶揄するような演説を行ったそうだ。その主旨は次のようなものらしい(原文見つけられず。)

ロシアでは1917年の革命以後、進歩的という名のもとで逆差別・密告・伝統破壊が行われた経験がある。西側諸国で今更ながらに同じことが起きているのに驚

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眞子さまのご結婚騒動に思う ノブレス・オブリージュの重要性

眞子さまのご結婚騒動に思う ノブレス・オブリージュの重要性

フランス語の言葉。経緯や元々の意味は諸説ありそうだが、一般的には『高貴なるものの義務』のように受け止められている。貴族に対する不文律らしい。

洋の東西を問わずに伝えられてきた考え方で、鬼滅の刃の煉獄さんの死のエピソードにもこれが現れている。俳優ブラッド・ピットでさえ親からそのようにしつけられたらしい。

貴族は帝王学として子孫にこれを叩き込まみ、自身の自由や幸せを優先するような事はしないよう努め

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茂木誠『「保守」って何?』を読んで

茂木誠『「保守」って何?』を読んで

429頁、厚さ2.5センチの大著です。お値段は1800円税抜。

小川榮太郎さんの『「保守主義者」宣言』を読んだ後だったので、「保守思想」についての色んな意見が知りたくなり読んでみました。

欧米・日本における、リベラル・保守思想の歴史、国家観についての歴史がバランス良く書かれていて、知識の整理にはもってこいの資料だと思います。

松田学政策研究所のYouTubeチャネルで著者ご本人が内容紹介され

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保守は後ろから仲間を撃つ

保守は後ろから仲間を撃つ

小川榮太郎さんの『「保守主義者」宣言』を読みました。合わせて、松田学対談シリーズの紹介動画もみました。

前半部分(序から第二部まで)は日本の課題と対策案が所狭しと書かれています。左右どちらのイデオロギーを持っているかにかかわらず、日本人全員が知っておくべき内容と感じました。賛同するか反発するかは個人の価値観次第。

マスメディアに登場し老若男女の注目を浴びているのは非保守の人たちばかりですが、そ

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