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俳句・句集

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「現代俳句」2024年3月号・4月号を読む。

「現代俳句」2024年3月号・4月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

※今回はまとめて3月号と4月号の俳句を紹介します。

2024年3月号列島春秋

君のゐしあとに菜の花こぼれをり
五十嵐 進

第十五回現代俳句の風

うららかやジユゴンと欠伸分かちをり
小路 裕子

やあと手を挙げし埴輪や蝶の昼
平山 北舟

柏餅どこか硬派

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季語は日めくりカレンダーという学び。-季語を探す-

季語は日めくりカレンダーという学び。-季語を探す-

俳句を詠む時に大切なのは季語です。
無季の俳句もありますが、俳句は初心者なのでまずは基本を押さえて有季定型で読みます。
わざと口語にすることもありますが。

さて、皆さんは季語はどう仕入れていますか。
仕入れるという言い回しが適切かは分かりませんが、自分の感覚に近かったのでこう書きました。

私の場合は以下2つが主です。
※まとめは除く。

読んでいた物から拾う。

旧Twitterでも、note

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記事の取捨選択

記事の取捨選択

こんな事ってありませんか。

noteの記事を書いて、下書きをしばらくしてから見返すと
「この言い回しは語弊がある」
とか
「わざわざ書き残さなくても良い」
など、色々考えて記事を発表しないことがあります。

二本の記事を書いて、下書き読み返していまいちだなと思って削除しました。

一応下書きを残しておいて、使えるようにしておけば良かったです。

ブログじゃないですけどね。

えっ!?和菓子で季節が学べる!?-和菓子と季語-

えっ!?和菓子で季節が学べる!?-和菓子と季語-

この文章のヘッダーの写真は
上生菓子の「うぐいす」です。
下手なピンぼけ写真で照れます。
目の部分が胡麻で可愛らしいです。

冷凍されていたのですが帰路で、
クサフグのようになってしまって、
お菓子に申し訳なかったです。

味は抹茶味の餡子の中にこし餡、
白い部分は白餡で、
トリプル餡子で美味しかったです。
餡子はこし餡なので口当たりがなめらかで、程よい甘さでした。

美味しかった話はさておき、

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句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読む。

句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読む。

句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読みました。

第三句集の文庫化版にあたるそうです。

作者の経歴

この作者の異色の経歴はWikipediaをご覧下さい。

五句選

余談

ご紹介した手元の句集は古本です。

同出版社の句集文庫の俳人メンバーが豪華です。
奥付裏広告より。
当時の俳壇の雰囲気が伺えますので、ご覧ください。

〔既刊〕

後藤比奈夫 第三句集『祇園守』

藤田湘子 第四句集『

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句集『白熱灯』(東國人氏)を読む。-重厚な句集-

句集『白熱灯』(東國人氏)を読む。-重厚な句集-

句集『白熱灯』(東國人氏)を拝読しました。

本の装丁

白熱灯の写真と黒い背景、ハードカバーであるなど、重厚感があります。

昭和から令和にかけての作者の俳句が収録されており、時間的な層の厚みも、デザインだけではない面での重厚感を生んでいるのだと思います。

本のスピン(栞紐)がオレンジ色である点が、白熱灯を連想させます。

五句選

良い句や面白い句が多いので選に迷いました。
今回は一言コメン

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降雪の短歌・俳句

降雪の短歌・俳句

雪が数センチ積もりました。

雪を見ると創作意欲が増す、
かと思いきや色々な作品を思い出すのでした。

雪が降る度にX(旧Twitter)の短歌のタイムラインは
「ゆひら」
と言って騒ぎになります。

これは穂村弘氏の有名な短歌の一部から「ゆひら」の部分だけを取って言っています。

当該の短歌は以下です。

さて、それとは別に私が思い出す短歌は
以前noteの記事で紹介しました歌集
『スーパーアメ

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「現代俳句」2024年2月号を読む。

「現代俳句」2024年2月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

百景共吟

列島春秋

第十五回 現代俳句の風

翌檜篇

図書館俳句ポスト

感想

身近な物事を意外な視点で捉えた句に惹かれました。
そういう句が作れるようになれば、俳句をもっと楽しめるのようになるのではないかと思いました。

他人には真似できない作者特有の視点もあり、俳

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句集 『呼鈴のあと』(佐藤久氏)を読む。

句集 『呼鈴のあと』(佐藤久氏)を読む。

句集 『呼鈴のあと』(佐藤久氏)を読みました。

本の構成

序文→本編の俳句→跋文
の順になっています。

新緑のような緑色の装丁が、
収録されている俳句の内容と合っていると思います。

五句選

装丁だけではなく、
帯の一句にも惹かれて購入しました。

レトロ感と未来への明るい期待感が、
季語のソーダ水に詰まっています。

俳句らしい省略の一句です。

港のキリンですので、
キリンのような形の

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「現代俳句」2024年1月号を読む。

「現代俳句」2024年1月号を読む。

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

このたびの未曾有の災害に際し、皆様にお見舞い申し上げます。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋

ほどほどの未来を買えり達磨市
中村克子

初春や救命ボートの裏きれい
杢いう子

第十五回現代俳句の風

和菓子屋の死角を聖菓持ち帰る
上野英一

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俳句・二句選・花林花句会。

俳句・二句選・花林花句会。

先日、花林花句会の忘年会に参加させて頂きました。

各人の自選20句があり、
その場では言いそびれた感銘句を
各人分から二句選でご紹介します。

※各人の年間自選20句の全句は
来年2月刊行の「年刊花林花2024」に
掲載、とのことです。

高澤晶子氏「デクレッシェンド」より

言の葉を飾りて祝うお正月

身ひとつ宙に浮かせて赤蜻蛉

廣澤田を氏「空白」より

待ち合わす人も黄蝶も風の中

宙を打

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俳句の会の忘年会に参加しました。

俳句の会の忘年会に参加しました。

今日は忘年会に参加させて頂きありがとうございました。

作品についてのそれぞれの考え方や身の上が窺えて、大変参考になりました。

短歌と俳句の違いはあれど
「作品作りに自分はどう向き合うか」
という問題は共通だと思いました。

そして作品作りへの向き合い方が
人生への向き合い方と重なる部分があるのでは無いかなあと思いました。
まるっきり同じでは無いけど。

古本屋の営業もしてきて
売約の本のお渡し

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「現代俳句」2023年12月号を読む。

「現代俳句」2023年12月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋

ぷうぷうと猫のいびきや藪柑子
金山 桜子

作品10句

むしパンの程良き甘味冬ぬくし
古畑 和

特集・永年会員記念作品

鳥渡る二十グラムの封書の旅
堀部 節子

生きるとは今光ること初蛍
片岡 寿子

青葉雫地球を看取るのは誰か
森田 千技子

現代俳句の風

見てをりて

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季語の蜻蛉-同じ漢字で違う生き物-

季語の蜻蛉-同じ漢字で違う生き物-

前々から気になっている季語がある。
それは「蜻蛉」だ。
この表記で「カゲロウ」とも「トンボ」
とも読める。
カッコいい読み方で「せいれい」もあり、これはトンボの古語のようだ。

カゲロウとトンボは違う。
見た目は少し似ているかもしれないが
カゲロウは儚いイメージで
トンボは勝ち虫や、夏の虫捕りの思い出などを想起させる。
すなわち、季語としての働きも違ってくる。

トンボがどうして勝ち虫かというと、

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