【一次創作(絵・SS・あとがき)】Chronicle of Butterfly Will ~Give Me My Valentine~
みなさん、こんにちは。禧螺です。
今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます。
さて、大変遅くなりましたが、バレンタイン創作を掲載したいと思います。
まぁ、創作界隈は2月全体がバレンタインですので、厳密にはまだまだバレンタインは続くという(以下割愛。
本日は、絵とSSの二本立てでお送りいたします。
また次回以降、ちゃんと注意書き札みたいなものを作りますので、読みにくいですが、以下のことに合意していただける方のみ、ご覧いただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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2024年バレンタイン絵はこちら。
テーマは【Give Me My Valentine】
そもそもイサベルは次期女王、ユウリは次期女王付騎士で、主従関係なのですが、バレンタインになるとそうはいかないようです。
流行廃れがあるのかどうかはわからないのですが、今回はかべどんで描いてみました。
今でもこの構図、需要あるのかな……また調べてみよう。
さて、SSの方は、場面切り取りのお話となっていますので、この絵を元に、ご覧いただけるとわかりやすいかと思います。
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揺れる青い宝石と共に、視線を合わせようとする翡翠。
相手の眼差しを捕まえようと追う、緑の宝石から逃れようとする天青石。
そのやりとりを取り巻く、普段の主従関係とは遠い、しかし友人関係よりも甘い空気。
先に言葉を発したのは、まよえる天青石の持ち主からだった。
「私、失敗したの、チョコレート。だから……ユウリにあげられるものが」「はん?失敗してないじゃん?うしろでちゃんと持ってるでしょ?ほら、僕のチョコレート出して♡」
満面の笑みを正面に、向かって右はチョコレートを催促する手、左は退路を絶つ手が壁にしっかりと吸着している。
目的を真っ直ぐに求める翡翠は、その距離をじりじりと詰めてくる。
物理的な制限に加えて、眼差しまで。
「あ、あるのだけど……」
「けど?」
「えっと……」
「今更やっぱり渡さないとか?それでもいいよ?だけど、代わりの条件は絶対呑んでもらうけど♪」
小悪魔の如く、含みのある笑みを浮かべている時のユウリは、大抵、イサベルが想像する以上にろくな事態を招かない。
ユウリ曰く「軽いスキンシップ」らしいが、それには全くついていけず、影響を受けた心身を持て余すしかなくなる。
「わ……渡さないとは、言ってないでしょう?!」
「じゃあ、隠してないではやくちょーだい。あぁ……それとも、焦らしてくれてんの?欲しがるように?」
「あっ、あなたのことを焦らして、なにか私が得するとでも?!」
「あっは、ごめんごめん。ちょっと調子に乗っただけだって。だけどぉ~、さっきの任務も外交も頑張ったよ?そろそろご褒美が欲しいなぁ♪」
からっと笑いながらも、さりげなく普段の安心できる距離感を保とうとしてくれている動きに、チョコレート以外に他意はないだろうと判断でき、イサベルの身体は自然とユウリに近付く。
緊張するが、渡さないわけにはいかない。
「これ!……みんなみたいに上手くはできなかったけど、う……受け取って、もらえるのかしら?」
差し出した先の相手は、目を丸くして身動き一つしない。
それ以前に、受け取ってもらえない可能性を考えると、怖くて、渡す時に目を開けていられなかった。
心臓の鼓動が早くなるのは、ときめきなのか不安なのか、原因がわからない。
少なくとも、バレンタインに、誰かのためにチョコレートを一から作ってあげるという経験が初めてということもあったので、どういう状態が理想なのかもわからない。
正解を探そうと思考が必死になっているイサベルに、ユウリは包みを持っている彼女に手を添えて、そっと囁きかけた。
「もちろん、喜んで受け取らせてもらうよ。キミからのチョコレート欲しかったから、すごく嬉しい。ありがとう♡」
ゆっくりと百合の花が施された包みを受け取った。
はじめ、ぼんやりと佇んでいた彼女は、次第にわたわたと表情を忙しく変え始めた。
そのちょこちょこした動作が可愛いあまり、一つひとつ目で追いながら反応して、一緒に楽しむことにした。
「あ、味の保証は、出来ないわよ?!」
「知ってるって♪」
「後から苦情を言っても、受け付けないし!」
「それなら最初からチョコレート欲しいなんて言わないよ♡」
「どうしてそんなにニヤニヤしてるのっ?!」
「ニヤニヤするくらい嬉しいもん」
「もう!ニヤニヤしないで!!」
「もー、細かいなぁ(笑)いいじゃん、今くらい。好きな人から愛をもらえるって最高過ぎるね~♪」
「あ、あ、あ!愛……と、いうか、あなたのことは、好きではあるけれど」
「念押しするけど、求めてるのは博愛じゃなくて恋愛の方だからね。LOVERSの方だから♡」
「さらっと言わないで!」
「僕自身ならともかく、自分の発言じゃないのに、なんで真っ赤になってんの(笑)」
ありとあらゆる手を尽くして、愛しの主にバレンタインを意識させるように、積極的に働きかけてきた。
端から見れば、コストパフォーマンスが非常に悪いのをわかっていても、そんなことはどうでもよかった。
イサベルからのチョコレートは、今までの刹那に快楽を求める自分のままでは手が届かない。
それを自覚することになっても穏やかでいられる自分に、ユウリは素直に驚いていた。
思考を一通り巡らせ、意識を今に戻すと、イサベルがいつもの真っ直ぐな眼差しでじっと見上げてきていたので、ふんわりと視線を合わせた。
ユウリの好きな、鈴が転がるような、優しく聴き心地のいい声が届く。
「どうもありがとう。チョコレート、受け取ってくれて」
「楽しみに食べるね。あ!むしろ一緒に食べよっか?僕が作った分も並べてさ、チョコレートパーティーしよ♪」
「まぁ……とても楽しみだわ✨」
「さて……そうと決まれば、とっとと公務を片付けますかー!」
2人は嬉しそうに笑い合って、執務室へと向かって行った。
今夜は、楽しくも甘い、チョコレートの祭典が待っている。
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強そうな眼差しでも、実は目がすごく泳いでいるイサベルは、描いていてとても楽しかったです。
好きな人を目の前に、私も実際になったことがあるので、少し微笑ましくなってしまいました。
ユウリはそれを知ってか知らずか、とても生き生きした眼をしています。
生意気ですね。(褒め言葉)
ただ、内心はすごくドキドキしてそうだなと思います。
彼女がこんな風に迫る場面は、まずないですので。
バレンタインは、特に、現実世界においても、愛や感謝を伝えやすい日です。
少なくとも、きっかけにはなります。
そのきっかけを使うも使わないも、自分次第なのですが、ありがたいことに、感謝を伝えたい人は、年々増えてきています。
最近は時代が時代なので、バレンタインに限らず、感謝や愛は言葉にして表すことが多くなったのですが、それでも特定の人に言えなかったとか、伝えられなかったということはあります。
そして、そういう人に限って、ご縁が離れてしまったり、また物理的に会えなくなったりと、いろいろな引き寄せられ方、離れ方があることを実感します。
一つ、自分なりに言えることは、今日をバレンタインだと言っている私に、こうして記事に訪れてっくださったみなさまには、心からの感謝を伝えさせていただきたいです。
いつも大変お世話になり、どうもありがとうございます。
今日一日を、どうか、穏やかに過ごされますように。
ハッピーバレンタイン🍫💝
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みなさんに、ここで出逢えて嬉しいです。
この記事にお時間をいただき、ありがとうございました。
それでは、今日はここまでです。
みなさんの本日が、素敵なものでありますように。
【お知らせ】
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上のかわいいお花の絵文字は「なるの推し活」様からお借りしました。
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