ボーリック

某小売企業に勤務。 埼玉生まれHIP HOP育ち、無理して東京暮らし。 2人の男子の父…

ボーリック

某小売企業に勤務。 埼玉生まれHIP HOP育ち、無理して東京暮らし。 2人の男子の父。 趣味は読書、ランニング、大河ドラマ。 朝井リョウと西加奈子をこよなく愛し、マヂラブANN0を愛聴しております。 主に読んだ本の紹介などしておりますが、結構雑多です。 よろしければ是非。

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育休日誌vol.11 育休が終わるにあたり

4月から6ヶ月間取得した育児休業が終わり、10月1日からは職場に復帰します。 先日、復職面談と10月1日付の内示をもらってきました。 あぁ、いよいよ仕事か。。 さて、半年間不定期で更新してきた「育休日誌」も終わりを迎えるわけで、 最後は育休が終わるにあたり、思うところを書いてみようと思います。 育休を取得して良かったか この答えはもう、一点の曇りもなく「良かった」です。 本当に良かった。 期間として6ヶ月取ったことも良かったと思います。 良かったと率直に思う理由や、期

    • 『テッド・ラッソ』 自分自身が好きになる物語。

      『テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく』 この作品を知ったきっかけは、『星野源のオールナイトニッポン』だった。その日の放送は語り出しがとても印象的だったので、鮮明に覚えている。 源さんの少年時代、祖父の家に向かう途中のバスの中で、パニック障害を起こした話に。おなかが痛くないのに焦る感覚。その時の”感覚”は成長するにつれて消えていき、話に出ることも少なくなった。その感覚を持っている人にしばらく会わなかった。でも、とある人が同じ状態だった。 それが、『テッド・ラッソ』というド

      • YOASOBIの解像度 ─『葬送のフリーレン』シーズン2が始まって思うこと。

        今クールのアニメは『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』『ダンジョン飯』で決まりですかね。 前の2つは前クールから継続だがぶっちぎりで面白い。 そしてふと思うのは、最近のアニメのオープニング/エンディングってほぼ同じアーティストで回ってるよなぁということ。 YOASOBI、Aimer、緑黄色社会、milet、アイナ・ジ・エンド…。 仕方がないと言えば仕方がないけど、毎度既視感(既聴感?)を覚えてしまう。 そんな中、やはりYOASOBIは別格だなと思う。 『葬送のフリーレン

        • ラジオの力 ─1月2日の星野源ANN生放送を受けて。

          1月1日、能登半島で大きな地震が発生。 最大震度7。 東京も震度3だったが、子供と遊んでいた私は揺れに気付かず、異変に気付いたのはYahoo!ニュースを見てからだった。 それくらいに、東京では被害はなかったが、確認のためにテレビをつけた瞬間、一気に気持ちはあの時に戻されてしまった。 テレビのチャンネルは一部を除き特別番組に切り替えられ、画面のL字は地震と津波の情報に埋め尽くされる。 そしてそこをはみ出すように大きく映される「にげて」のテロップ。 東日本大震災の時に感じた恐怖

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        育休日誌vol.11 育休が終わるにあたり

          MATSUMOTO

          普段あまりリアルタイムのテレビは観ないのだが、その日たまたまつけたテレビでやっていた『世界仰天ニュース』は、最後まで見入ってしまった。 オウム真理教による”松本サリン事件”を追った特集だった。 再現ドラマや当時の映像を交えながら、Xデーに向けて進んでいく狂気に、目を奪われてしまった。 サリンやVXを製造する理由も、松本市で凶行に及ぶ理由も、その後に”地下鉄サリン事件”を起こす理由も、どれもが信じられないくらいに身勝手な、そして理解不能なものだった。 その理不尽な事件によって

          朝井 リョウ / スター

          大学時代に同じ映画サークルに所属していた尚吾と絋。一緒に監督した作品が映画祭のグランプリを獲得し、"次世代のスター"として将来を嘱望されていた2人。 尚吾は著名な映画監督に弟子入りし経験を積み、一方で絋はその卓越した撮影・動画編集技術を武器にYouTubeの世界で活躍をし始める。 "映画"という価値基準であれば尚吾の方が成功のレールに乗っているはず。だけど世間はSNSを起点に一気にバズった絋に注目する。 自分の方が”本流”に乗っているはずだ。そう信じていた尚吾の価値観が揺らぐ

          朝井 リョウ / スター

          瀬尾 まいこ / 卵の緒

          瀬尾まいこさんは、決してシンプルじゃない家族を、とてもシンプルに描く天才だと思う。 瀬尾作品の特徴。 家族の会話は、割とそっけないけど暖かくて、食事はとても美味しそう。 突然悲しい出来事に襲われる。(本当に、突然) でもジェットコースターのような気持ちの上下は無くて、読んでる間ずっと暖かい気持ちが続いている。 "生きづらさ"から決して目は逸らさないけど、でもそれを軽やかに飛び越えていく。 読んだ後、少し泣きそうになる。 本当になんだか、不思議な作家さんだなと思います。

          瀬尾 まいこ / 卵の緒

          西 加奈子 / 通天閣

          通天閣、新世界には、旅行や出張で4回くらいしか行ったことがない。なのでTHE 観光客目線にはなってしまうが、ただ、明らかに大阪の他の場所とは違う空気が流れていて、個人的にはとても好きな場所だ。もともと東京でもやや治安が悪い場所が好きなところがあるのだが、新世界は治安が悪いとかとは少し違う。いや、実際治安は悪いんだろうけど。なんというか、人間が生きてるんだよなって感じ。脇道に入るとひりつく空気。嘘も綺麗事もない感じに惹かれてしまうんだと思う。そんな空気を一通り感じた後に、常に見

          西 加奈子 / 通天閣

          朝井 リョウ / 死にがいを求めて生きているの

          植物状態で入院している青年がいて、彼の元に頻繁にお見舞いに来るもう1人の青年がいる。その病院で働く看護師の視点から始まる物語。 それが、まさかこんな形で帰結するとは。 話が進むにつれて、自分が最初に感じていたこの世界のイメージが、どんどんと塗り替えられていく。 例えばある人物が、1章でこんなセリフを言う。 とてもいい言葉だなと思いメモに残す。 そして最後まで読み終わった後に、改めてこのセリフを見た時、その印象の違いに愕然とする。 天才朝井リョウの真骨頂。今作でも、ま

          朝井 リョウ / 死にがいを求めて生きているの

          星野 道夫 / 旅をする木

          昨年末に東京都写真美術館で開催された星野道夫さんの写真展『悠久の時を旅する』、そしてharuka nakamuraによる『旅をする音楽』── harukaさんのピアノに合わせた、本書『旅をする木』を中心とした星野道夫さんの言葉の朗読。 それまで星野道夫さんと言えば、ヒグマに襲われて亡くなった写真家というイメージしかなく、その写真展も、どちらかというとharukaさん目当てなところもあった。 しかしそこで見た星野さんの写真── 自然や動物たちは力強く、人は温かく優しく写された

          星野 道夫 / 旅をする木

          外山 薫 / 息が詰まるようなこの場所で

          タワマン文学の雄・窓際三等兵の父親の息子(?)・外山薫氏による初の長編小説。 なに、君はなんだかんだタワマン文学が好きなの?って話ですが、えぇ、好きなんですよ。 タワマンに住む人間の妬み、嫉み、ヒエラルキーにマウンティング。もう完全に他人事として楽しんでいる。 だから今作も、そんなことを期待しながら、割と気楽に手に取ったわけだが、読み終わった後、ひどく後悔をした。いい意味で。 タワマンに暮らす2つの家族を、それぞれの父親、母親の視点から1年という時系列で描いた作品。 本作

          外山 薫 / 息が詰まるようなこの場所で

          次男の保育園内定に関する一連の流れの記録

          これは、22年4月に生まれた次男の23年4月度の保育園内定に関する一連の流れの記録。 様々な思いをもって保育園に申し込まれる方がいらっしゃることは重々承知をしています。 あくまでもその中の一家族の考え・記録として、読んでいただけますと幸いです。 ●内定までの時系列■前提 我々夫婦としては、妻の育休をもう1年延長希望。 【理由】 妻はあと1年じっくりと次男と過ごしたい。(長男も1歳児クラスから入園だった) 長男の時に妻が復職してからの慌ただしさを思うと、私としてももう1年育

          次男の保育園内定に関する一連の流れの記録

          西 加奈子 / おまじない

          このところ仕事に忙殺されて、全く読書ができていなかった。 下期最大のヤマ、今がまさに佳境。 おじさん限界ですわ。。 そんな時は短編に限る。ということで、我らが西加奈子の短編に手を出してみました。 西 加奈子 / おまじない 生きにくさや息苦しさを救う、人生のふとした瞬間に出会う"おまじない" この短編集は全て女性が主人公だったけど、多分性別に関係なく、今の時代は生きづらさに溢れている。(悠々と生きているのは政治家先生くらいではないだろうか) 自分も"おまじない"に出会いた

          西 加奈子 / おまじない

          麻布競馬場 / この部屋から東京タワーは永遠に見えない

          いつだったか、不意にTwitterのタイムラインに現れたのは、確か本書のはじめに書かれている『3年4組のみんなへ』だった気がする。 田舎への嫌悪、早稲田、東京、自信、現実、諦め。 当時、ツリーに書かれたこれらの物語に完全に打ちのめされたのを覚えている。 そこからこの物語を書いた”麻布競馬場”というアカウントをフォローし、気づいたらいわゆる”タワマン文学”というものにハマってしまっていた。 なぜハマるのか。 自分には関係ない世界だから? 埼玉の中では大きめの街で、共働きの両親

          麻布競馬場 / この部屋から東京タワーは永遠に見えない

          石倉 秀明 / THE FORMAT 〜文章力ゼロでも書ける究極の「型」〜

          自分の時間が強制的に奪われてしまうので、昔から電話が大嫌いです。 人見知り&沈黙恐怖症なので、打ち合わせも嫌い&苦手です。 そして上司への報告。というか上司の報告のための待ち時間。これが一番嫌いです。多分積み上げたら人生のうちの1年間くらいは上司に報告するタイミングを伺っている気がする。無駄オブ無駄。 電話、打ち合わせ、上司への報告。これらがテキストベースのやりとりに置き換わったら、どれだけ時間が有効に使えるだろうか。正直なところ、電話も、打ち合わせも、上司への報告も、どれも

          石倉 秀明 / THE FORMAT 〜文章力ゼロでも書ける究極の「型」〜

          細川 重男 / 執権 〜北条氏と鎌倉幕府〜

          22年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は近年稀に見る傑作で、毎週日曜日の夜は、子供が寝てから1人で集中して録画を見るのが楽しみでした。本当に素晴らしかった。 その興奮が冷めやらぬ中始まった『どうする家康』 うーん、どうでしょうか。どうなんだい?1話で結論を出すのはいささか早い気がするのでもう少し様子見ですが、鎌倉殿の後は誰だって辛いわな。 とりあえず違和感バリバリのCGで「どうしたNHK」状態ではありますが、私の心はまだ鎌倉時代におります。 ガイドブックもビジュアルブックも買

          細川 重男 / 執権 〜北条氏と鎌倉幕府〜