朧月

何者かになりそこねた何者でもない何かです。

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最近の記事

数学なんて「言うてそんなもん」

やあ、我が可愛い甥っ子よ。 俺だ。悪いおじさんだ。 乳幼児の面倒なんぞ見たことが無かったので知らんかったが 八ヶ月不安ってのがあるそうじゃないか。分かる、分かるぞ。 おじさんも将来の先行きに不安しか感じない。 不安である事は生きている証左だ。多いに慄くがいい。 そうそう。ついこの間、思い出した事があってな。 甥っ子ちゃんは賢いので同じ轍を踏む事は無いとは思うが、 他山の石として聞いておいて欲しい。 おじさんは文系だ。 しかし文系と言うよりも理系、主に数学に おいてけぼりを

    • 浦島太郎の主人公

      助けた亀に連れられ、竜宮城で楽しんだ後 地元に帰ると何百年も過ぎていた。 開けてはならない玉手箱を開け、老人になる。 こう聞くと、浦島太郎は謎の多い話だ。 そして不条理だ。 亀を助けたので竜宮城でもてなされる。これは別にいい。 しかし謎の玉手箱なるトラップが用意されており、 玉手箱を開いてしまったら老人になる。 これは普通に考えると必要ない。 しかし、こうなったのにも理由がある。 今の形になる前の浦島太郎では、 竜宮城はタイやヒラメが舞い踊るような場所ではなかった。 一つ

      • 同じ歩幅で歩けたら

        俺にはFF14で知り合った彼女がいる。 付き合ってからまだ半年くらい。 そんな我々は、気質が全く違う。 密な連絡を心がける俺に、筆不精な彼女。 割と細かい所を気にする俺と、めんどくさがりな彼女。 飽きっぽい俺と、変な所でこだわる彼女。 どうにも、世間と流れが違う。 連絡が来ない事に不安になるのは俺の方。 そこをつつかれて謝るのは彼女の方。 逆だよね? 普通逆じゃない? 彼女の方がめんどくさいくらい絡んできて、 彼氏の方がそれをめんどくさがって、 彼女の方が「もしかして浮気し

        • 余裕が無いからねぇ

          映画を映画館で見なくなった。 近くにイオンシネマあんのにね。 一回見るだけの映画に二千円出すのが結構な負担に感じる。 ストーリーとかを一通り見れればいいので Netflixやアマプラやレンタルビデオで十分だ。 ユアストーリーとか怪獣のあとしまつみたいなのを摑まされるかと思うと 人柱の反応を見てからでも遅くはない。 ゲームも新作を買うことがあんまりない。 FF14のアップデートはみんなと遊ぶ為に買うけども。 欲しいゲームはある。が、すぐに買わない。 中古が出回って安くなった頃

        数学なんて「言うてそんなもん」

          めんどくせぇなぁ

          自分の性格を一言で言うと、自堕落だ。 めんどくさいと思うとやらなくなる。 一度やらないと再始動が難しい。 その結果、中途半端で投げ捨てられた趣味が積み重なる。 仕事は渡されたら投げ出さないタチだ。 投げ出したら次は無いと分かっているからだ。 やらないと言う意味ではなく、回って来なくなる。 そういう緊張感が、俺を常に駆り立てる。 仕事じゃなければどうなるか。 湿気ったポテチのように投げ捨てる。 だってめんどくさいんだもの。 まだ若い頃は良かったんだよ。 めんどくさいと投げ捨

          めんどくせぇなぁ

          いつまでヒロシマを名乗るんだ

          広島が好きだ。何より住みやすい。 都会と言うほど都会でなく、田舎ってほど田舎じゃない。 ショッピングモールも沢山ある。 ハイブランドは無いけどアウトレットもある。 海があり、山があり、川があり、うまいものがある。 中国地方で一番大きな都市であり、 主要都市である福岡も大阪も朝出たら昼までには着く。 瀬戸内海のように住人の気質も温厚だ。 そりゃあまあ、広島弁はきつく聞こえるが。 好きな球団は言わずもがな、広島東洋カープ。 樽募金のみならず、沢山のドラマを抱える市民球団を皆愛して

          いつまでヒロシマを名乗るんだ

          紹介が難しい成果

          「台本って、表に出す事ってあんまなくない?」 俺がボイスドラマの台本を書いていたときに思っていた事です。 だって結局の成果物はボイスドラマだもの。台本は設計図。 家が建ったぞバンザーイ! ってときに設計士がずけずけやって来て 「この家の設計図はコレだ!」って広げて自慢するのは違うでしょ。 当然ボイスドラマを聞いて欲しい。そのうち1/3くらいが俺の仕事。 話が面白いと思ってもらえたら重畳。演者の力もあるけどね。 しかし表に出られない難儀なポジションだなあと思ったりもしました。

          紹介が難しい成果

          『生きてて偉い』って、ナメてんのか?

          自己肯定感を上げるには、まず褒める事から。 それは、うん、そうだと思う。 子供の頃はあんまり褒められた記憶が無い。 俺の自己肯定感がドン底なのはその辺りがあるかも知れない。 褒められたい、けどどうしたら褒められるか分からない。 成功体験と褒めが結びついてない訳だ。 だから褒める文化ってのが芽生えてるのは良い。 しかし……こう、何と言うか。 生きてて偉い、仕事に行って偉い、風呂に入れて偉い…… そんな出来て当然の事を褒める風潮を目にする。 いや、それ違くないです??? そり

          『生きてて偉い』って、ナメてんのか?

          ハート・オブ・アイアン

          相田みつをの詩にセトモノと言うものがある。 初めて知ったのはラジオで流れたACのCMだ。 最初はいい事言ってる感じの奴だなあと思っていたが、 後々になって思い直すとどうにも不条理だ。 この詩には欠けている視点がある。それは 「柔らかくてもぶつかると痛い」 という点だ。 セトモノが割れた時、明らかに異常が分かる。 そりゃあそうだ、破片ばら撒いてるし。 誰かが片付けるだろうし、新しいセトモノが用意されるだろう。 反面、やわらかい方はどうか。 見た目的にはノーダメージだ。しかし

          ハート・オブ・アイアン

          アタリの町中華

          中華料理店における俺のモットーは 「炒飯の旨い店は何食っても旨い」 である。逆もまた然り。 マズい炒飯はベッタベタでやたらと味が濃い。 先味も油なら後味も油と無限に胃もたれする奴だ。 そう言う店は何食ってもマズい。 うまい炒飯は油っぽさを感じさせない。 よくある「卵かけご飯を炒めたような奴」は難しい。 火の通り方でパラパラではなくボソボソになったりする。 それに、本当に旨い炒飯は卵かけご飯から作らなくてもパラパラだ。 炒飯をたかが焼き飯と侮るなかれ。 あれには調理師の技術と

          アタリの町中華

          会話はなるべくニアピン狙いで。

          若い頃、コミュニケーションがうまい人って 「うまい事をバンバン言う奴」 だと思っていました。 ダブルミーニングとか織り込んだり比喩がうまかったり。 小粋なジョークで笑わせたり。 昔はそういうのを意識していました。 おっさんになって意識が変わると、 コミュニケーションが本当にうまい人がやってるのは 「自分の考えている内容を、少ない言葉で過不足なく伝える事」 だと気付かされました。 自分の思っている事が100%伝わる訳ではありません。 喋ったり書いたりしても、ロスが発生する。

          会話はなるべくニアピン狙いで。

          否定から入んなよ

          太田裕美と言う歌手の「木綿のハンカチーフ」と言う曲をご存知だろうか。 結構明るい曲調だが、思いっきり失恋ソングである。 相当古い曲なので、ご存じない諸氏もいらっしゃるだろう。 歌詞は手紙のやりとりのようになっている。 都会に出た男と、田舎で男の帰りを待つ女だ。 女への贈り物を都会に求める男と、往時のままの男の帰郷を望む女。 徐々に都会に染まっていく男と、男の無事を祈る女。 やがて男は都会で生きていく事を決意する。 それが意味する物は一つ、遠距離恋愛の破局である。 女は男にた

          否定から入んなよ

          初めて文章の仕事に携わった話

          文章を書くのが好きでした。 高校の頃の夢は「あかほりさとるみてえな作家になりてえ」でした。 子供の頃から本を読むのが好きで、物語を作るのが好きで。 TRPGの存在を知った頃から加速度的に文章の趣味にのめり込みました。 ですが、そうは言っても飽きやすい気質。すぐに他の趣味に移りました。 かにぱんと言う友人がいます。2ちゃんねるで知り合いました。 同じニコニコ動画で動画配信者としても、一緒に遊んでいました。 かにぱんは今でも精力的に配信者として活動していますし、 時々話したり遊

          初めて文章の仕事に携わった話

          触れない優しさ

          同性愛関連の話が出てくるたびに心に決めているスタンスがある。 それは「俺には関係ないので好きにしたまえ」と言う事だ。 反対したら俺と彼女が即座に結婚できて子供にも恵まれて金も貰えてハッピッピと言う訳でもない。 賛成したからって彼女が同性愛に目覚めて俺を捨ててどこの馬の骨とも知れない泥棒猫にかっさらわれる訳でもない。 どっちに転んだ所で俺には関係ない。だから当人のしたいようにしたらいい。 そういうスタンスだ。 世の中、同性愛に限らず複雑な立場の案件が沢山ある。 当事者にも

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          どうして君は殺してはいけないのか

          とんでもなく可愛い我が甥っ子。 君は何を生き急いでいるのか、やたら成長が早い。 まだ歯も生えていないと言うのに掴まり立ちを行う。 もう既に自我を身につけているかのような振る舞いを取ることもある。 何を生き急いでいるんだね、マイスイート甥っ子よ。 その調子で行けば、いずれ君は社会に投げ込まれるだろう。 考える力を身につけた君に、君の両親は倫理を教えるだろう。 人を傷つけてはいけません。 人の物を取ってはいけません。 人を殺してはいけません、と。 君の両親は「いけない事だから

          どうして君は殺してはいけないのか

          生きてる意味なんて分かるわけがない

          FF14を一緒にやっている友人が、メンタルを病みました。 日に日に元気をなくしていくその友人から尋ねられた事がありました。 「俺は何の為に生きているのか」と。 ぶっちゃけ、何の為に生きてるかとか考えた事がありませんでした。 うまい飯や酒をかっくらってるときに冗談として 「いやー、俺はこの為に生きてるっつっても過言じゃねえな!」 と言ったりはしますが、基本的に割と刹那的で、俺は何の為に生まれたのかとか何をして生きるのかとか考えたりしません。それ考えるとアンパンマンってすげーよ

          生きてる意味なんて分かるわけがない