ルイン

ルイン・リーカと申します。 小説家になろうの方でも、投稿させていただいています。 …

ルイン

ルイン・リーカと申します。 小説家になろうの方でも、投稿させていただいています。 趣味は読書、楽器を弾くこと、小説を書くことです。 将来、シナリオライターを目指しています。 時間のあるときに更新します、不定期更新です

最近の記事

轍のゆくえ ~とある子供の話~

昔話。それは人々の間で語り継がれ、現在まで残るかつての話。非科学的なモノもあれば、知識を言葉で表したものもある。  今から語られるは、もう誰も覚えていない。そんな昔の話。 むかしむかしうまれるひ 視界が真っ暗だった。光を探して呼吸をするが、苦しい。生きようと藻掻けば藻掻くほど苦しさは増すばかり。まるで諦めろと言われているようだった。死ぬことが怖かった。いつから生きているのか分からないが、こんな真っ暗なところで死ぬのは嫌だ。上手く動かない体で必死に助けを求めた。見苦しいよう

    • 轍のゆくえ

      幼児の腕に抱いた命。あまりにも小さく、力を込めれば弾け飛びそうだ。そっと包むように撫でると、赤子は笑って手を伸ばす。 「嗚呼愛しき子。吾子、吾子。どうか幸福が訪れませ」 この暖かな時間が続きますように 狐と後日譚狐と帰路 払い屋への潜入が終了した日。花見月と虚翠は、再び大国主命のもとを尋ねていた。 「どうしてくれるんだ」 「…なにが、かな。いや、なにに対してかと聞いた方が正解かもしれない」 その辺を歩いていたヤツに虚翠が用件を伝えると、すぐさま大国主命の元に案内さ

      • 轍のゆくえ

        愛したが故に 愛して愛して愛して、愛したからこそ…失望した。 今覚えば、きっと自分の理想が高すぎたんだと思う。完璧を求めるあまり、満たさない全てを嫌っていた。 全て完璧でないと気が気じゃなかった。全部を手に入れたいから、足掻いた。もっと頑張ればきっと、私は私のままでいられる。完璧な私。私を見失わずに、ワタシで私以外の存在はいなくなる。 ー私で許してもらえる。愛してもらえる。 狐と裏の会合狐とくえない子供 「先に入ってろ」 そう促され、俺を先頭に部屋に入る。案内をして

        • 自己紹介とやりたいこと

          じぶんのこと何の変哲もない自己紹介でございます。 私はルイン・リーカと申します。 急な自己紹介の記事を投稿しましたのは、ふとしてないなと思ったからです。凄く単純な理由… 一応学生の身分でして、先輩方を見送る会、所謂卒業式的なのに参加してきたのですが、呆然といいなと憧れてしまいました。 私からすると何のかかわりもない先輩が多数なのですが、何とも思っていないはずなのに輝いて見えまして…幻覚かもしれないんですけど 初めましてさようならの自己紹介をし合ってきました。そこで、こちらでも

        轍のゆくえ ~とある子供の話~

          轍のゆくえ

          幼いあの日 「こっちに来」 手招きされてフラリと立ち上がる。そして、足元に頭を預けた。優しい手つきが頭を撫でて、腰の方まで流れていく。何度も何度も。  春の陽気と、あたたかな日差しに襲われて、緩やかに眠りに落ちていく。何か囁かれている気がしたのだが、きっと気のせい。鳥の囀りと川の流れる音、風の音ですべてかき消されていく。静かな眠りに落ちていった。 狐と神々 いつもの服装とは違う、高級な素材。重たいと感じる程に突き刺されている簪。歩く度に動きずら差を感じずにはいられない厚

          轍のゆくえ

          轍のゆくえ

          生きるとは また起きて、寝て。それを繰り返す人生。 その人生はつまらなかったが、同時に生を感じていた。つまらなさこそ生。今日はどんなつまらないことが起きるのだろうと思っていた。あの人に出会うまでは。 狐と大きな妖怪 起きると、何やら境内の方が騒がしい。俺は布団を頭までかぶったが、それでも騒がしさは変わらなかった。むしろ増した気さえする。朝から何なんだ。面倒ごとなら帰ってくれ。そう思いながら、瞼を固く閉じた。  今日の予定はない。学校新聞の制作に付き合ったし、付喪神の件も

          轍のゆくえ

          旅記 三日目。

          三日目が始まりました。 今日で帰国する予定です。帰りは混み合う四時の便。 朝から前日のことを綴り、今日は出かけます。 お友達と出かけるので。 そのために予約しておいたブティックに行くのです! ”優雅”で”美”の街にいるのだから、一度は行かないと後悔する… という訳で行ってまいります 三日目。私の旅ブティックに行ってきました 意を決して突入。 誰しも一度は聞いたことがある有名店"First Priority"。 入口から優雅さが溢れ出てます。 頑張れ私と応援しながら入りまし

          旅記 三日目。

          旅記 二日目。

          二日目。 朝から予約していたのはそう!限定ポップアップショップです。 予約者限定で、前日から予約をしなければとソワソワしていたのです 朝から並んで、入れました 感激です ポップアップショップに行ってきましたメイク用品(買ってない)その他諸々について 例に及ばずカメラなんて便利なものがありません 画伯私のイラストによりお送りいたします 最初はメイク用品を買おうとしましたね だって、美の国いるのですから!きっと素敵なものがあると思ったのです! 結果…まあ素敵なものがありまし

          旅記 二日目。

          旅記

          蘭に行ってきました ふと旅に出たくなって、出かけることにしました 予算的に三日ぐらいの予定です 何処に出かけようかと思った末、思い切って五十音順で決めました 「ア」で考えたところ、蘭に決まりました 移動中 移動は船でした 海は磯臭い… 中々慣れなかったです(笑) 因みに写真はありません。カメラ持ってないので 旅行する金があるなら、カメラも買える? …ナンノコトダカ。 船の中では酔いました 船酔いってキツイですね 今度からは陸路か空路で探したいと思います。 絶対船には乗

          轍のゆくえ

           妖狐_狐が妖になった姿。人を誑かしたり、人に化けたりする。  人を誑かして、楽しんだあと  じっくりと楽しんで気持ちの高ぶりが最高潮になったとき それを喰らふ_ 狐と好々爺  「クソ狐!またやりやがったな!」 花見月は文を握り締めて言った。顔には青筋を浮かべ、怒りをあらわにしている。まったく朝から騒がしいヤツだ。 「何の話だ。俺は何もしちゃいない」 「嘘つくなよ!ならなぜこんな文が届くんだよ!」 花見月は、乱暴に手に持っていたそれを俺にグイッと突きつけた。俺

          轍のゆくえ

          轍のゆくえ

           ここだけの話だが、僕は女神様なんて信じない。だって、そうだろ?神様なんていないんだから。小さなころから、神様の存在を知って何度お願いをしたものか。  お母さんを助けてください_  お父さんとお母さんの仲をよくしてください_  一生のお願いを百個まで増やしてください_  一生働かなくていいぐらいのお金持ちにしてください_ 何度だってお願いしたさ。叶うことがなくとも、いつかきっと神様が振り向いてくださるって信じてた。なのにどうして…ちっぽけなことすら叶えてくれないの。一

          轍のゆくえ

          ときをうたうもの 第陸話

          「ぼくの夢は、世界一強い人になることです。そして世界せいふくをたくらむ悪いやつらをたおして、億万長者になります。おわり」 バカみたいな夢を抱えてんなぁと頬杖を突きながら聞いていた。そして周りと同じように拍手をする。子供の夢は現実的に叶えられるモノだけではない。物体になりたいと考えたり、有名人になりたいと考えたりもする。大人になれば、次第にそんな気持ちは羞恥心へと変わっていってしまうのだろう。ただ漠然と考えていた。  俺がこんなことをしているのは、昨日隣人に頼まれたからである

          ときをうたうもの 第陸話

          ときをうたうもの 第伍話

          「何もされていない。それで、人を見分けられないっていうのは?」 「そのまんま。顔を顔として見分けられないらしい。目とか鼻は認識できるらしいが。 本人は気にしていないから、俺も気にしてない。アイツも仕事で人と関わり続けることはないから、不便じゃないんだろ」 結構重大なことを聞いてしまったような気がする。そんな重要そうなことを勝手に言われて怪は良いのだろうか。心配する一方で、納得もしていた。怪は最初から私を万古と呼んでいた。何度訂正しても分かってもらえなかったのは、万古の部屋に

          ときをうたうもの 第伍話

          ときをうたうもの 四話

          「そこに脱いどけ。後で洗濯しておいてやるよ」 「ふざけてるのか。私は男装していたが、仮にも女だぞ」 「男装してたのは知ってる。初めて会ったときから丸わかりだった」 万古は衝撃的なことを言い放った。今まで初対面では見破られたことはなかった。口に出されてなかっただけかもしれないが。  私は万古宅にいた。あれから猫カフェに戻って、洗濯物を取りに行ったのだ。しかしチャッカリしているのか、洗濯物は櫻永たちが持って帰っていたらしく無かった。恐らく明日には持ち主たちに返却されるだろう。

          ときをうたうもの 四話

          ときをうたうもの 第参話

          幼い頃からそうだった。 「ルカ様。こちらがお似合いですよ」 そう言って使用人たちは、男物の着物を差し出した。私は着物を着ることに対して、何も不満はなかった。だから、大人しく従ってきた。 「ルカ様。貴方は次期当主の地位ですから、堂々としていなければなりません」 私は何より完璧を求められた。 「ルカ。分かってくれ。これはルカのためだ」 "私のため”。その言葉は私を縛り付けた。 生まれてきたのが男だったら苦労しなかったのに。何度叶わない願いを願っただろうか。 「ルカ、

          ときをうたうもの 第参話

          ときをうたうもの 第弐話

          「何か言うことがあるんじゃない?」 「どうもすみませんでした」 全く反省の色を見せない青年に、思わずため息をつく。彼の突然の告白は、私を驚かせた。恐らく、人生で最も驚いた瞬間だったと思う。 さらに私を驚かせたのは、私がオッケーしてしまったことである。なぜかと聞かれると、回答に困ってしまう。なんとなくだろうか。今まで恋人となんとなく付き合って別れたことが多かったからなのかもしれない。いつの間にか私のなかで、それが当たり前になってしまっていたらしい。 親も碌な教育を受けてないの

          ときをうたうもの 第弐話