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悪魔【掌編小説】

悪魔はレンブラントの肖像画に出てくるような立派な身なりをしていた。

まるで中世の昔からそこにいるようだった。

イタリアの小さな村の十字路に、何百年も立ち続けているのだろうか。

村人達は悪魔を一べつもせずに目の前を通り過ぎていく。

ただ一人、村の画家だけが悪魔の姿を認め、それを絵に描いた。

絵を見た村人達はその不吉さにおののき、画家の首をねた。


悪魔は今でも村の十字路に立っている。

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