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銀河帝国本同好会

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SF小説の名作群から、銀河帝国を舞台にした作品、登場する作品を中心にレビューしていきます。 映画、映像作品なども番外編として取り上げています。
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記事一覧

銀河帝国本同好会 ①「銀河帝国の崩壊」アーサー・C・クラーク

銀河帝国本同好会 ①「銀河帝国の崩壊」アーサー・C・クラーク

いま、映画化で話題の「デューン 砂の惑星」や「ファウンデーション」シリーズのように、銀河帝国が舞台の小説は枚挙にいとまがありません。
自作にも銀河帝国を出したりしてる関係で、参考にしたりしなかったり色々読んできた「銀河帝国もの」(?)をつらつらご紹介していきます。

 「銀河帝国の崩壊」は、巨匠アーサー・C・クラークの初期長編作品です。
 まず、数億年先の未来という舞台設定にビビります。
 その長

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銀河帝国本同好会 ②「非Aの世界」A・E・ヴァン・ヴォークト

銀河帝国本同好会 ②「非Aの世界」A・E・ヴァン・ヴォークト

銀河帝国が出てくる本をご紹介する読書レビューの第2回目です。
この作品での帝国はちょっと趣が違ってて、いくつもの「銀河系帝国」が存在し、それらが一つの「連盟」を形作っているというものです。
しかし、そうした設定はあまり本筋と関係なく、物語はひたすら主人公ギルバート・ゴッセンが自分のアイデンティティを求めてさまよう、いわばハードボイルド宇宙SFというべきお話です。
ゴッセンは、名誉と金星行きの切符が

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銀河帝国本同好会 ③ 「デューン 砂漠の神皇帝」フランク・ハーバート

銀河帝国本同好会 ③ 「デューン 砂漠の神皇帝」フランク・ハーバート

最新の映画化作品が絶賛公開間近の「デューン」ですが、あえて「砂の惑星」ではなく続々々編にあたる「砂漠の新皇帝」を取り上げてみました。
理由は、なんと言っても主人公レト二世のキャラクターが強烈だからです。
レト二世は「砂の惑星」の主人公ポウルの息子で、選ばれし者「クイサッツ・ハデラッハ」の遺伝子を持っています。
彼は前作「砂丘の子供たち」の終盤で、砂虫の幼体である砂鱒と合体(全身に小さな黒い生物であ

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銀河帝国本同好会 ④ 「宇宙気流」

銀河帝国本同好会 ④ 「宇宙気流」

中国、韓国からの傑作群で賑やかなSF小説界ですが、まったく着いて行けないまま古臭い古典を読みあさっております。
今回取り上げるのは、アイザック・アシモフ著「宇宙気流」です(1952年発表)。
ドラマも評判の「ファウンデーション」と世界を同じくする「銀河帝国」シリーズの一冊です。

しかし、この作品の時点ではまだ統合国家としての「銀河帝国」は存在しておらず、あまたの星間国家の一つとして、前身であるト

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銀河帝国本同好会 ⑤ 「太陽系帝国の危機」

銀河帝国本同好会 ⑤ 「太陽系帝国の危機」

すみません、ちょっとスケールダウンしました。
(^^ ;

巨匠、ロバート・A・ハインライン、1956年の作品です。
火星で重要な式典に参加する予定だった太陽系帝国の元最高大臣が行方不明になり、不遇だけど才能のある俳優がその替え玉として選ばれ、宇宙スケールの政治的陰謀に巻き込まれるというお話です。
舞台こそ、火星人、金星人、木星人などが共存する太陽系帝国なる星間国家ですが、ストーリーはフレデリック

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銀河帝国本同好会 ⑥ 「帝国という名の記憶」

銀河帝国本同好会 ⑥ 「帝国という名の記憶」

このレビューシリーズも実に久しぶりの更新となってしまいました。
しかも、読了してからだいぶ時間が経ってしまっているという…

とはいえ、時間が経ったところで色々と思うところが浮かんできたのも事実なので、まとめておきます。

アーカディ・マーティーン著の長編SF小説「帝国という名の記憶」。

銀河帝国「テイクスカアラン」では、皇位継承を巡る陰謀が渦巻き、外宇宙からのエイリアンの出現などもあって、きな

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銀河帝国本同好会【番外】ファウンデーション @AppleTV+

動画配信サービス、AppleTV+で限定公開。
アイザック・アシモフ原作「ファウンデーション」のティーザー予告編です(第2弾)。
最初のティーザーはもう随分前だったと思うんですが、この9月24日からやっと公開とのこと。
ハリ・セルダンは割とイメージ近い気がします。
ミュール、出て来るんですかね。
🤔
#ファウンデーション #アイザック・アシモフ #AppleTV + #SF小説 #銀河帝国

銀河帝国本同好会【番外】ファウンデーション @AppleTV+ レビュー

銀河帝国本同好会【番外】ファウンデーション @AppleTV+ レビュー

AppleTV+で配信中のシリーズ「ファウンデーション」シーズン1の第1話を視聴しました。
原作は確かミュール編(?)まで読んだはずなのですが、この映像化ではどうやらその後に刊行された、ハリ・セルダンが追放されてターミナスにファウンデーションが出来るまでを追っていくようです。
あまりクドクドと設定の説明をせず見せ切ろうとする手管は、賛否両論あると思いますが自分はこれで良かったと思います。
セルダン

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銀河帝国本同好会【番外】映画「デューン 砂の惑星」

銀河帝国本同好会【番外】映画「デューン 砂の惑星」

ずいぶん遅くなりましたが観てきました。
「デューン 砂の惑星」

かつて、スタンリー・キューブリックが「2001年宇宙の旅」を「体験する映画」と言いましたが、宣伝文句にある「シネマエクスペリエンス」の言葉通り、観客を砂の惑星への旅に誘う、体験型の映画であったと思います。
IMAXレーザーでの鑑賞だったこともあり、なおさらその感が強く残りました。
非常に見応えのある映像を、堪能しました。

原作は高

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銀河帝国本同好会【番外】映画「フラッシュ・ゴードン」

銀河帝国本同好会【番外】映画「フラッシュ・ゴードン」

なんか、銀河帝国は二の次でスペオペ全般のお話になりつつありますが…
(^_^;)

先日、NHKのBSでオンエアされたのを録画したので、あらためて観ました。
ノーカット字幕版は初めてだったかも。
古典コミックのスペースオペラを1980年に映画化した作品です。
言わずと知れたクイーンの主題歌が超有名で、劇中クライマックスでは頻繁にあの
♪ダンダンダンダンダンダンダンダン♪
というリズムが鳴るので、耳

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「平和という名の廃墟」冬木糸一氏による解説

「平和という名の廃墟」冬木糸一氏による解説

アーカディ・マーティーンの『平和という名の廃墟』出版に伴い、早川書房さんが書評家冬木糸一氏による解説を再録しています(記事タイトル、前作のものになってますが‥)。
これ、銀河帝国が舞台なんですね。
「三体」終わったら読まねば!
😤