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サイエンス

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サイエンスにまつわる簡単な解説、そして個人的なエピソードや思い出など。
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記事一覧

週刊ダイヤモンド誌連載コラム:piRNA

週刊ダイヤモンド誌連載コラム:piRNA

今週発売中の週刊ダイヤモンド誌(4/20号)に連載コラム掲載。今回は東京大学の塩見美喜子先生が内藤記念科学振興賞を受賞されたことを受けて、small RNAを取り上げました。

実は、現在、進めているプロジェクトが絡んでいるテーマだったので、勉強を兼ねて調べた次第。マクリントックのトランスポゾン(動く遺伝因子)、キッドウェルのPエレメントから塩見先生のpiRNAへと続く道。サイエンスを行うのは人。

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ローマ訪問アゲイン

ローマ訪問アゲイン

3泊5日で弾丸ローマ出張でした。連携協定を結んでいるローマ大学に表敬訪問し、さらに本学から派遣した8名の学生さんと、ローマ大学の学生さんの交流の機会もありました。追って詳細を記しますが備忘録として。サムネイルはSapienza Univeraity of Romeの本部棟の講堂の壁画で、ムッソリーニ政権の頃の話を伺いました。

東北大学総長と、ローマ大学Sarpienza University

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週刊ダイヤモンド誌連載コラム#436回は神経難病ALSを取り上げました

週刊ダイヤモンド誌連載コラム#436回は神経難病ALSを取り上げました

ただいま書店で発売中の週刊ダイヤモンド誌(2/24号)の連載コラム『大人のための最先端理科第436回(生命科学)』に神経難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)のことを取り上げました。ただいま多数の治療薬の開発が進みつつあります。

ちょうど、年明けにチネ・ラヴィータにて映画「NO LIMIT, YOUR LIFE」を見に行ったこともありました。こちらの拙note記事も合わせて読んでいただけると有り難いで

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祝! 倉谷滋先生に朝日賞!!!

祝! 倉谷滋先生に朝日賞!!!

元旦早々、嬉しいニュースが飛び込んだ。古くからの研究者仲間である理化学研究所の倉谷滋先生が朝日賞受賞とのこと(画像は倉谷先生ではなくて、法学者の戒能民江先生)。

下記は業績の紹介ページ。

これまた友人かつ高校後輩である朝日新聞社の瀬川茂子さんが業績をまとめておられたので引用。

1990年代、遺伝子発現を空間的に明らかにする技術や、遺伝子機能を人為的に改変したマウスが作れるようになり、発生生物

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週刊ダイヤモンド誌連載コラム第429回で体外受精のリスクについて取り上げました

週刊ダイヤモンド誌連載コラム第429回で体外受精のリスクについて取り上げました

2015年から続けている週刊ダイヤモンド誌の連載コラム「大人のための最先端理科 生命科学」の今回の話題は「体外受精」。直近で発表された京都大学の篠原隆司先生の論文を取り上げています。

この論文はオープンアクセスですので、どなたでも読めます。Graphical Abstractを貼り付けておきますが、顕微授精だけでなく、体外受精(IVF)のみでも、子ども世代(F1)以降の健康に関してリスクがあるこ

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父加齢エピジェネティクス三部作:精子マイクロRNAの巻

父加齢エピジェネティクス三部作:精子マイクロRNAの巻

今年の春に学位を取得した大学院生の研究について、医学部4年生が頑張ってくれて無事に論文化されました。かなり待たされ、リバイスもあり……でしたが、ようやく世に出てほっとしました。医学部生にとっては、初めての共同筆頭著者論文となり、投稿から受理、プレスリリースまでの流れの経験にもなったと思います。

父加齢の問題は繰り返し主張しています。今回もオンライン記者会見を行いプレスリリースしました。すでにいく

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拙監訳本刊行! 『女性が科学の扉を開くとき』

拙監訳本刊行! 『女性が科学の扉を開くとき』

11月14日に監訳本が上梓されます。手元に現物が届き、我が子のように愛おしい。ボリュームのある本なのですが、紙や字体を編集者の方が工夫され、手に取って読みやすいように仕上がっています。

本書が出来上がった経緯については、「監訳者あとがき」に書きましたので、下記のリンク先よりどうぞ御覧ください。

そちらに含められなかったエピソードを、これからこちらに追記していこうと思っています。

原著者、編集

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週刊ダイヤモンド連載コラム第422回はカリコ博士にフォーカス♫

週刊ダイヤモンド連載コラム第422回はカリコ博士にフォーカス♫

2015年から続いている週刊ダイヤモンド誌の連載コラム「大人のための最先端理科」は、個々数年、この時期はノーベル賞がらみの題材を扱うのが恒例。今年はさて、どうしようと思ったのだけど、ある意味、順当すぎるmRNAワクチンを取り上げることにしました。

Amazon/Kindleのリンクが公開されるのを待っていたら、note記事公開のタイミングを逃しました……orz

週刊ダイヤモンド連載第415回は「痩せ薬」の話

週刊ダイヤモンド連載第415回は「痩せ薬」の話

7週間に1回、週刊ダイヤモンド誌に連載を続けています。医学生命科学の最先端の情報を、ビジネスマン・ビジネスウーマンを念頭に噛み砕いて伝えるというミッション。編集者さんとのコンビも良く、楽しみながら書いています。とはいえ、毎回の題材探しは苦労もあり……。

今回は代謝病の分子メカニズムをもとにした「痩せ薬」のご紹介。本当はマクラと最後に登場する片桐秀樹教授の最新論文をご紹介したかったのですが、なぜか

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アルツハイマー病研究最前線に関する書籍2つ

アルツハイマー病研究最前線に関する書籍2つ

人類の寿命が長くなるにつれ、認知症を患う人の数も増加していることは周知の事実。人々の感心も高く、治療薬の開発も切に望まれている。来る9月はアルツハイマー病の周知月間だが、タイミングを図ったかのように2冊の書籍が刊行。幸い、どちらも発売前に出版社よりご恵贈いただいていたので、合わせて紹介したい。

間もなく、8月24日に刊行予定なのが『アルツハイマー病征服』(下山進著、角川文庫)。アルツハイマー病の

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『小説みたいに楽しく読める 脳科学講義』刊行!

『小説みたいに楽しく読める 脳科学講義』刊行!

7月27日に近著が刊行されました! 『小説みたいに楽しく読める 脳科学講義』という羊土社さんの『小説みたいに楽しく読める』シリーズの4冊目となります。『実験医学』などの生命科学系の雑誌で有名な羊土社さんですが、なんとこのシリーズは縦書き!です。

話は2022年に遡ります。3月16−18日、第99回日本生理学会が東北大学の川内キャンパスで開催されました。なんと、3月16日の夜23時36分に、福島県

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東北大学フォーラム2023 in 東京開催

東北大学フォーラム2023 in 東京開催

7月15日(金)15:00より大手町サンケイプラザにて「東北大学フォーラム2023 in 東京」が盛大に開催されました。今回は関東交流会が中心となり、オンサイトでの参加者として300名ほど、オンラインでは700名ほどが参加されたようです。

冒頭では大野総長より、東北大学の歴史に基づく「イマココ」についてのご講演。毎回使われる3つの理念の現代的な解釈についてのスライドです。必ず言われるのが、「研究

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週刊ダイヤモンド連載コラム第408回は人工冬眠のお話♬

週刊ダイヤモンド連載コラム第408回は人工冬眠のお話♬

ただいま書店に並んでいる週刊ダイヤモンド誌に、「大人のための最先端理科」の連載コラムが掲載されています。今回は「人工冬眠」の話です。ちょうど6年前にも扱っていて、研究の進歩に驚きました!

ちょっと表紙が……ですが、ぜひ御覧ください。

欧州出張に行ってきました

欧州出張に行ってきました

昨年は海外出張は北米のみだったのですが、今年はようやく欧州に行く気になりました。少々待ってもウクライナ情勢が大きく変わりそうにはないので。東北大学と連携しているルーヴェンカトリック大学(KU Leuven)との間の神経科学に関するジョイントシンポジウムが6月6日、7日に開催され、そちらをメインに前後の予定を組みました。
この間にCOVID-19レギュレーションは変わり、ワクチン接種証明は不要となり

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