思索さんの読書ブログ

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本に忠実な解説というよりは、自分の思想軸に合わせた主観的な読み方になります。あらかじめご了承下さい。月一更新。 その他の活動↓ 思索さんとは何者か:https://www.sisakusan.online/ 描いた絵:https://www.sisakugallery.fun/

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読書感想#59 【西谷啓治・高坂正顕・高山岩男・下村寅太郎】「田辺哲学とは」

出典元:田辺哲学とは 西谷啓治・高坂正顕・高山岩男・下村寅太郎  燈影舎 出版日1991/10/1 田辺哲学と西田哲学田辺哲学から見た西田哲学 「田辺哲学」は、"絶対無"を基盤にするという点においては、「西田哲学」と通ずるところがあります。しかし、「田辺哲学」側から「西田哲学」を見ると、「西田哲学」は哲学を宗教化しており、哲学独自の立場を放棄していることになります。これは"絶対無"の捉え方から生じる分断です。 いわゆる、"宗教的体験"がそのまま哲学理論上の根拠となってい

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    • 読書感想#58 【フランク・ロイド・ライト〈エドガー・カウフマン編〉】「ライトの建築論」(谷川正己・谷川陸子 共訳)

      出典元:ライトの建築論 エドガー・カウフマン編 彰国社 出版日1970/11/10 ライトの建築観建築論と一口にいっても、その建築家の生きた時代や立場によって、建築の捉え方は大きく異なります。それが建築論の面白いところでもあり、難しいところでもあります。では、ライトにとっての建築とは何だったのでしょうか?これを最初に明らかにしておくことが、親切であると思われるので、少し長い引用から始めます。 これが後に「有機的建築」と名付けられる、大まかな概要といってもよいでしょう。ライ

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      • 読書感想#57 【高坂正顕】「キルケゴールからサルトルへ」

        出典元:キェルケゴールからサルトルへ 高坂正顕 創文社 1967/9/30発行 決断の哲学「実存主義」とは、その人自身の哲学です。その人自身の救いとなる"実存的真理"を説きます。 すなわち、その人を通じて明らかになるのです。そのため、そこにあるのは"真理"というよりも"決断"です。その人が何を"決断"するか、ここに"実存的真理"が現れるのです。 かくして、実存哲学は"決断"において超越を求める哲学といえるでしょう。 そして、この"決断"には不安が伴います。なぜなら、決

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        • 読書感想#56 【高坂正顕】「実存主義」「続実存主義」

          出典元:実存主義 高坂正顕 アテネ文庫 1948/3/25発行 続実存主義 高坂正顕 アテネ文庫  1948/9/15発行 実存主義の挑戦"実存主義"というのは、色々な角度から論じることができます。今回は、「実存主義はヒューマニズムである」を出発点とします。 すなわち、「物としての私」ではなくて、「私は誰であるか」の「私」を本願とするのが、実存主義なのです。 実存主義以前の哲学では、「私とは何か」という問いを立ててしまったがゆえに、「人間とは何か」「宇宙とは何か」という

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          読書感想#55 【今西錦司】「生物社会の論理」

          出典元:生物社会の論理 今西錦司 平凡社 出版日1994/1/14 私の読み方本書は、私のような素人が読むには少々難しい。"生態学"やら"分類学"やら"生物地理学"といった区分けや、"ウォレース"や"メリアム"などといったその界隈の学者の名前、その他諸々の専門用語や英語表記が出てくるたびに、本書の分野に知見のない私はくじけそうになります。それに300近いページ数があるものですから、そう何度も読み返す気にはなれません。眠気に打ち勝ちながら、なんとか二周はしたものの、三周目に挑

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          読書感想#54 【森田慶一】「建築論」

          出典元:建築論 森田慶一 東海大学 出版日1978/1/1 本記事の読み方従来の主な建築論では、用語の違いこそあれ、「強」「用」「美」の三領域を定立することによって、建築の基礎が体系付けられていました。※以下の各頁を参照のこと ウィトルウィウス「強」「用」「美」p173 イシドルス「配置」「構築」「美」p188 アルベルティ「必然性」「効用性」「快楽」p197※なお、アルベルティはもっと厳密に定義しているが、ここでは省く。 パッラディオ「効用または便利」「耐久性」「

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          読書感想#53 【ディルタイ】「解釈学の成立」

          出典元:解釈学の成立  ディルタイ 訳久野昭 以文社 出版日1981/1 本書との出会い、思い出話本題に入る前に、軽く思い出話を一つ。私が初めて本書を手に取ったのは、たしか2年ほど前だったと思います。ディルタイが誰かも知らぬまま、ただ「解釈学」という単語に引かれて、古本屋の入り口前に並べられた100円コーナーから本書を拾いました。当時の私が「解釈学」という単語に期待していたことといえば、「相対主義の肯定」「主観の優位」おおよそそのようなものだったと思います。だからというべき

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          読書感想#52 【西田幾多郎】「純粋経験」

          出典元:哲学概論 西田幾多郎 岩波書店 出版日1953/11/25 哲学の出発点哲学においてもっとも重要なことは、疑うに疑い様のない直接の真理から出発することです。たとえばデカルトなどはその好例となるでしょう。<我思う故に我あり>=どれだけ物を疑っても、疑っている自分だけは疑えない。なぜなら、疑っている自分を疑っている自分を疑っている自分を……と、どれだけ自分を疑っても、疑っている自分はいなくならないからです。この疑っても疑ってもいなくならない自分を出発点に置いたのがデカル

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          読書感想#51 【ジャン・ジャック・ルソー】「学問芸術論」

          引用元:学問芸術論 ジャン・ジャック・ルソー  岩波文庫 出版年1968 ルソーの思想が「自然に還れ」と要約される訳ルソー自身は、「自然に還れ」とはいっていません。しかし、それでもそのような思想として紹介されるのは、ルソーの文章を読んだ私たちに、「人間は文明の進歩によってかえって劣化してしまった」と思わせる力があるからです。 ルソーにとって還るべき自然は、このようなものでした。下手に取り繕ったり、また取り繕わなければ生きていけないような、そんな社会に嫌気が差していたのでし

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          読書感想#50 【田辺元】「メメントモリ」

          引用元:現代日本思想大系 田辺元  筑摩書房 出版年1965 死を忘れ、生を軽んじる現代標題の「メメント モリ」は、西洋に古くから伝わるラテン語の句です。これは『旧約聖書』に由来するといわれており、田辺の説明を借りると、 現代風の言葉でいうなら、「明日死ぬかも知れないということを日々意識して、後悔のないように人生をおくれ」というようなことでしょうか。たしかにこのような考え方は、昨今ではずいぶん聞き慣れたものです。ただ田辺は、この「メメント モリ」の意味が、現代ではまた違っ

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          読書感想#49 【鈴木成高】「世界史観の歴史」

          引用元:世界史の理論 西田幾多郎 西谷啓治他 2000年10月25日 初版第一刷発行 私の読み方鈴木成高といえば、「京都学派」の主要人物に数えられる一人です。「京都学派」とは、西田幾多郎を筆頭に、京都大学の面々で発展・展開された、思想・哲学グループのことで、「唯一世界に通用し得る、日本独自の哲学」と、海外からも高い評価を受けています。特に、西田幾多郎にいたっては、今日再評価の声が高まっているので、名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。中には、最近流行りの新実存

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          読書感想#48 【丹下健三】「建築家は民衆をどう捉えるか」

          引用元:丹下健三建築論集 岩波文庫 2021年7月15日 初版 私の読み方建築家の仕事は、建物を設計することです。図面を描いたり、導線を計画したり。しかし、それだけでは建築家と建築士とを区別することは出来ません。あえて建築士ではなく建築家を名乗る所以はどこにあるのか、これが明らかにならない限り、建築家の存在意義さえも怪しくなって来ることでしょう。建築士から一目置かれる建築家という存在は一体何なのか、それを知るには、彼らに共通の仕事である、「設計」の本質を探る必要があるように

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          読書感想#47 【丹下健三】「現在日本において近代建築をいかに理解するか」

          引用元:丹下健三建築論集 岩波文庫 2021年7月15日 初版 私の読み方建築において「美」というのは、建築家の自己満足であるかのような風潮があります。建築といえば何より機能的で、故にデザインは合理的で、結果的にコスパの良い、それが最良の建築であるかのように考えられがちなのです。少なくとも、そのような「民衆的」な建築が好まれやすいのは間違いありません。ここでは「美」という奇妙なものは蔑まれて然るべきなのです。しかし、そんな現状においてこそ、建築にとって美とは何か、というテー

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          読書感想#46 【吉本隆明】「共同幻想論」

          引用元:改訂新版 共同幻想論 角川ソフィア文庫 平成24年4月5日36版発行 私の読み方個と全体がいかに関係しあっているのか、たとえば私と国家との関係はいかなるものであるか、これを考察するという観点から、今回私は本書を読み解きました。 なお、本記事は「共同幻想論」の解説を意図するものではなく、またその全容を要約するものでもありません。純粋な研究資料として執筆したものではなく、むしろ私の考えに本書を紐付けて行くというような、恣意的な内容になっています。そのため、「この部分の

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          読書感想#45 【下村寅太郎】「科学史の哲学」

          数学は、数による世界の構想です。これは世界を抽象することに他なりません。数学の精神は抽象の精神なのです。 しかし抽象とはいっても、それはただ抽象的であるというのではありません。抽象は抽象化の努力の結晶なのです。故に単なる抽象的なものでは意味をなしません。数学でいう抽象は、意味のある抽象、即ち結果として獲得されたる抽象なのです。あらかじめ抽象として存在する抽象ではなく、積極的に形成される抽象、これが数学の抽象なのです。 そして抽象があらかじめ抽象として存在しないように、抽象

          読書感想#45 【下村寅太郎】「科学史の哲学」

          読書感想#44 【下村寅太郎】「ポリスにおける数学の成立ー普遍学の理念ー(科学史の哲学)」

          数学を単なる日常的な技術知から区別し、これを普遍的な知識たらしめるものは、ひとえに数学の持つ、証明的性格にあります。証明によって、数学は普遍を持った学問となるのです。 ここでいう証明とは、もちろん単なる推論ではありません。推論は特殊の域を出ず、到底普遍には至らないからです。 普遍に至るものは先ず、自覚的でなければなりません。即ち証明とは自覚的な推論なのです。故にそれは形式を形成する推論です。それはいわば、普遍より特殊への演算なのです。 証明には、普遍者の立場における、対

          読書感想#44 【下村寅太郎】「ポリスにおける数学の成立ー普遍学の理念ー(科学史の哲学)」