いじめの加害者への対応はどうすればいいのか?|【回答】被害者への対応と、ほぼ同じです
今回は心理職(SC)さんからの質問であると想定し、専門家向けに回答します。ここに書いてない部分は、ソレアのサイトの記事などを見返しつつ、日々の臨床に活かしてください。
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※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■いつでも、どんなときでも見立て!
被害者と加害者に対するカウンセラーの対応は、おおよそ同じです。これはいじめだけでなく、刑事事件となった場合も同じです。
何が同じなのでしょうか?
それは、被害者、加害者とも、彼らの家族構成員を正しく見立てられているか?ということです。これがはっきりしていれば、被害者であろうと、加害者であろうと、対応が分かってきます。
使えることのできる資源(人間関係)も見えてきます。そのためサポートもブレずに進めることができるでしょう。
■被害者側の見立て
被害者の親御さんの話を聴きながら、次を見立てていきましょう。
いじめられた子どもに発達障害はないか
親御さんの心理発達は成人期に達しているか
いじめられた子どもに発達障害がないときは、子どもに話を聴きながら、その子の怒りが正しく起動してくるまで待ちましょう。怒りが起動すれば、いじめの体験はPTSDにはなりません。子どもはほとんど話さないかもしれません。急がなくていいので、待ちながら話を聴きましょう。
PTSDへの対応は、急かさない、がっしりと見守る。
親御さんの心理発達が成人期に達しているなら、おそらく親御さんが自分の子どもを何とかするでしょう。カウンセラーは親御さんの行動がスムーズに動くようにサポートをしましょう。つまり親御さんのサポートは控え目に。
カウンセリングは、いじめられた子どもに対して行うように思いがちですが、実はそうではなく、親御さんをカウンセリングしていけば、子どもの傷は癒えていくでしょう。つまり被害者側のカウンセリングは親御さんへのカウンセリングが中心となります。
学童期、思春期の場合は、親が子どもを癒せることが基本ですから、その自然な流れになるようサポートをするわけです。
子どもに発達障害があったり、親御さんの心理発達が成人期以前の場合は、カウンセラーが介入するシーンが増えるでしょう。
■加害者側の見立て
加害者の親御さんの話を聴きながら、次を見立てていきましょう。こちらも、本人ではなく、まず親御さんからの聴き取りになります。つまり、それくらい、親御さんの心理発達が重要になってくるということです。
いじめを行った自分の子どもに発達障害はないか
親御さんの心理発達は成人期に達しているか
子どもに発達障害がない場合は、親御さんの心理発達が成人期に達していない可能性があります。この場合、子どもは人間関係に不適応を起こします。その一つがいじめです。親の不十分な共感によって子どもが欲求不満を起こし、誰かにはけ口が向くというパターンです。
親御さんの心理発達が成人期に達していない場合、カウンセリングは加害者の子どものカウンセリングが中心になります。親御さんへのカウンセリングは徒労に終わることが多いでしょう。カウンセラーは加害者(子ども)へのカウンセリングに注力しましょう。彼(彼女)の怒りをたくさん聴いてあげましょう。両親への怒りが渦巻いているかもしれません。
もし加害者の親御さんの心理発達が成人期に達しているなら、親御さんのカウンセリングが中心でいいでしょう。親の話をよく聴いていけば、彼らの中から答えは自ずとわき上がってきます。なぜなら、心理発達が大人であるからです。
そうやって自分が親として子どもに責任を示すことが、学童期や思春期の子ども(加害者)にとっては彼らの安定につながります。カウンセラーは親と子の循環がそのようになるように支援します。
■まとめ
被害者も加害者も子どもたちの発達障害の有無だけでなく、親御さんの心理発達の見立てが重要。
その見立てに応じて、カウンセラーは対応を柔軟に行いましょう。
□仙台のみゆき食堂|ラジオおやすみカフェ
今日のラジオおやすみカフェのテーマは…どの町にもある「みゆき食堂」。詳細はラジオをお聴きください。
■他の助けを求めるのもいいでしょう
子どもがいじめの被害者・加害者になったとき、十分に話しを聴いてくれる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。まずは親御さんのカウンセリングです。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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