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童夢 Arts沼

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高校で、実際に生徒たちに向けて発信したものを、差し支えない範囲で掲載していきます。  何にもアートの世界のことを知らない人間が、ひょんなことからアートの魂の旅に出かけます。その模… もっと読む
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2/4 合併号【Project KGSDGs Vol.109 】& 【童夢 Arts沼 #33 】
コロナ × 部活動 バンド × 文藝部#18

2/4 合併号【Project KGSDGs Vol.109 】& 【童夢 Arts沼 #33 】 コロナ × 部活動 バンド × 文藝部#18

〈1〉コロナ禍 × 文化部部活動#1〜3
〈2〉日本の強みはやっぱりこれ#1〜9
〈3〉新しい仕事のスタイルと社会構造について
  ①パートナーシップ型・プロジェクト解決型が意味するものは?#1〜4
  ②ボリュームゾーンの崩壊
  ③未来の学校はたぶんこうなるから今から準備しておかないとたぶん生き残れない要件#1〜2
〈4〉未来人たちについて(たぶんこんな社会になるのかな)

〈3〉新しい仕事の

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1/20【童夢 Arts沼 #23 】
快挙! コロナ × 部活動 バンド × 文藝部

1/20【童夢 Arts沼 #23 】 快挙! コロナ × 部活動 バンド × 文藝部

 小説を音楽・映像で解釈し直して再生産したYOASOBIというユニットが、若い人たちの間で大ブレイク(今は「バズる」と言うんですっけ?)しましたね。
 その現象について、ある若い先生に質問したところ、言ってみれば二次創作の流れだとうかがい、やっとイメージできました。文学、芸術の享受のあり方としてもおもしろいと思います。現代思想の旗手ロラン・バルトがかつてテクスト論を展開したとき、「作者の死」ととも

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1/15【童夢 Arts沼 #21 】 それはそっと置かれていた

1/15【童夢 Arts沼 #21 】 それはそっと置かれていた

 月曜日のことです。
 自席に戻ったところ、1枚の大きな紙が伏せて置かれていました。何だろうと思い裏返して見てみると、モネの「散歩 日傘をさす女」でした。「おおっ、これはでかいやつだ、本やネットよりでかい、嬉しい、これを遠くから見てみよう。だれがこんな施しをしてくれたんだろう」と思ったとき、数人の方の顔が浮かびました。その中で2人が最有力候補だったのですが、その中のお1人である事務長先生の所に行っ

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1/14【童夢 Arts沼 #20 】 絵の見方

1/14【童夢 Arts沼 #20 】 絵の見方

 これもまた昨年の終わりごろのことですが、ある1年生くんが、ぶ厚くて重いモネの画集と印象派の画集をわざわざ持ってきて
「先生がお時間があるときに一緒に見ましょう」
と誘ってくれました。

 それはとても嬉しいことで教員冥利に尽きるというものですが、生まれてこの方一度も嘘をついたことがない正直な私は、どれぐらい眠くなるかなあ、寝ないようにしなきゃなあ、などと思いつつ
「どれもぼんやりしているねえ」と

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1/12【童夢 Arts沼 #18 】

1/12【童夢 Arts沼 #18 】

 昨年末ごろ、ある先生に
「こんな人、知っていますか?」
と、紹介を受けた絵師がいまして、これがとてもそそられました。

 その絵師は、こんな絵を描いている人です。

 そしてこの猫の表情、もう最高にいいですね。ギャアアアアッみたいな感じでないところがもうたまらなくそそられます。まさに化猫です。

 絵師の名は、

 河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)

 幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師だそう

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12/22【童夢 Arts沼 #15-① 】19、いや、17世紀から21世紀へ その2

12/22【童夢 Arts沼 #15-① 】19、いや、17世紀から21世紀へ その2

 本題に入る前に。。。。。

 昨日、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』も、ミレーの『落穂拾い』も、描かれている女性が帽子をかぶっているか、またはターバンみたいなものを巻いているということをお話ししましたが、これも何か当時の流行りとか意味があるんでしょうか?
 でも、ターバンといえば、やっぱりミーシャですよね。つい最近、テレビで「ターバンに食べられるミーシャ」と、「ザ・透明感 吉岡里帆」というネ

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12/21【童夢 Arts沼 #14-③ 】19世紀から21 世紀へ

12/21【童夢 Arts沼 #14-③ 】19世紀から21 世紀へ

 ケンオオモリさんは、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』をアイシャドウのパレット(と呼んでいいかどうかは知りませんが)を使ってモザイク絵のように再現したのです。

 ちなみに、なぜ「ミレー」という名前が知ったか脳で出てきたのか後で考えてみました。するとミレーという人の有名な作品が、かの有名な『落ち穂拾い』だと知りました。

 ここで描かれている女性たちは、いずれも帽子だか頭巾だかをかぶっています

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12/19【童夢 Arts沼 #13-④ 】19世紀て、何。

12/19【童夢 Arts沼 #13-④ 】19世紀て、何。

 ああっ!と思いました。

 原田マハの『サロメ』の表紙の絵のタッチにとてもよく似ていたからです。

 あの表紙絵はオスカー・ワイルドの『サロメ』の挿絵から取ったものらしいんですが、ご覧のとおりミーシャ、いえ、ミュシャの絵のダーク版みたいな感じです。

 ミュシャの絵は、美しい女性の横顔が繊細なタッチで描かれていて、何か超今ふうです。
イラストっぽい。おしゃれ。マンガっぽい。山岸涼子っぽい。
 古

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12/19【童夢 Arts沼 #13-③ 】19世紀て、何。

12/19【童夢 Arts沼 #13-③ 】19世紀て、何。

 前回、もしかすると今の若い世代のみなさんは私たちの世代よりはるかに身近なものとしてアートやサブカルを、より成熟したレベルで享受しているのではないか、と立てた仮説も、まんざら間違っていなさそうです。

 そこで
「最近の若い人たちの間で流行っているみたいな芸術家とかいるの? モネとか」
と、ナントカのひとつ覚えのマブダチの名前を出して尋ねたら、
「流行っているかどうかはわかりませんが、インスタとか

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12/19【童夢 Arts沼 #13-② 】19世紀て、何。

12/19【童夢 Arts沼 #13-② 】19世紀て、何。

 するとその先生がGoogle先生に頼んで「大英博物館 コスメ」で実際の物を見せてくれました。

 これはこれは、なかなか容れ物が良さそうで、欲しくなる感じです。

 化粧品メーカーが、おそらく莫大なライセンス料を支払ってまで製品化するということは、マーケットとして成立するだけの購買層があってのことでしょう。つまり、「大英博物館 × コスメ 」に興味関心が高い人たちがたくさんいるということです。

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