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*ご案内* note定期購読マガジン『ものうる人びと』について
こんにちは、香野わたるです。2021年夏から実験的に始めた定期購読マガジン「ものうる人びと」(月額300円)のご案内です。
コンテンツ中心になるコンテンツは、広告を世の中と人をつなぐ「フィクション」と捉えた読みものです。とは言っても、書き手はセンターポジションで輝く(もしくはフィクサー的に暗躍する)クリエイターではありません。広告業界の辺境にいる者です。
眩しいヒーローインタビューや作り手にス
美しい歯車になるためのラプソディー
広告でものを買うときに、何か満たされるものがあるとしたら「一体感」かもしれない。
最近、組織の歯車になるっていうのはどういうことのなのか、と思いながら、そんなことを考えている。
未知との遭遇を拒否することについて
2024年の幕開けは災厄とともに始まった。過去形で書き始めてしまったけれど、まだ終わっていないし、災いの真っ只中だ。だからなのか、優雅さなど知らない風を吹かせて1月が過ぎようとしている。
北陸を中心に襲った震災に関して、色々なことが言われている。言われ方というのが特徴的だ。とてもわかりやすい形で政治的な態度によって分かれていて、それはとても気味が悪い。そんなに白黒分かれるものだろうか。
どちら
振り返りたくなくても、年は終わる
今日が12/31だなんて信じられない。もう、そこまで2024年は来ている。しかし寝るまでは12/31だ! と思いながら3時間ほど経過して、やっと投稿画面を開いている状況に、なんだかもう全てを投げ出したい気分だ。
2023年は、とかく我が身の不自由さと向き合った1年だった。それは最後の最後まで変わることはなく、どうしようもない倦怠感に襲われている。明日は今日の続きだと思うと、やるせない。
自由と
女性専用・脱ピンクのすすめ(一度くらいやってほしい)
2023年が終わろうとしている。年の瀬にわざわざ取り上げることでもないと言われるだろうとは承知のうえで、車両広告について今年ずっと考えていたことを記しておきたい。関東で実施されている女性専用車(両)のことだ。
都営大江戸線では、2023年1月18日から女性専用車の導入が始まった。ちょうどその頃から勤務先への乗り継ぎを大江戸線経由にしたので、制度スタートとともに乗り合わせたことになる。
女性専用
有明までたどり着く前に、文フリについて振り返っておきたいこと
文学フリマ、略して文フリ。noteの記事を読む人は、よく聞く名前かもしれないが、キー局TVのニュースで「今日のニュース」で取り上げられないし、わたしの家族は誰も、存在すら知らないはずだ。それほど小さな文化圏で画期的なことが起きようとしている。
公式サイトを引用すると[作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、文学作品展示即売会]で、現在は日本国内8箇所の会場で開催。東京は
場面と画面のなめらかな移動
X(旧Twitter)のリンク先見出しが表示されなくなった。夏あたりから薄々気づいてはいたものの、秋を迎えてキチンと実装された。もう戻ることはないだろう。
この仕様変更について、その目的はX(旧Twitter)での滞留時間を増やすためである、という分析が多い。そりゃもちろん、ハブではなくて自分のメディアの中で物事を完結させたいのは当然だろう。それと同時に“will greatly improve
「女の仕事」が消えた世界は、まだ来ない ~車内販売ワゴン終了に寄せて~
11月から、東海道新幹線の車内販売のルールが変わる。どの席に座っていても、ワゴン(最近は肩掛けバッグのみも多い)販売がやってくるものだったけれど、もうおしまい。
聞こえてくるのは、アイスはどうなるんだという話ばかり。もちろん、アイス問題も憂慮すべきだが、各メディアがこぞって追いかけるほどのことだろうか?
17、8年前のこと、ワゴン販売を含めたパーサー職を「女性が長く働ける、稼げる、輝ける、活躍
吃音(きつおん)のことを久しぶりに考えた【ままならない身体】
朝日新聞(デジタル)「吃音芸人 炎上騒動と"話す"ということ」のおかげで、勤務先が休みなのに消耗してしまった。あまり当事者だからという話はしたくないが、記事の内容や反応に目に余るものがあるので、考えを整理してみた。※ちょっと長いです。
「吃音芸人」て何だろう
連載のタイトルで「吃音芸人」と立たせておきながら、「話芸」と日常の「会話」を混同させている。場を掌握する技術を含む「話芸」と、普通に「話
「AIに使われてる」事実に気づかないのが一番怖い
先日、勤務先の某打ち合わせで起きたこと。
とある教授が「Chat GPTに聞いてみたのですが」という枕ことばともに、資料を配布した。こちらから事前に送付した提案の是非について、AIに聞いてみたらしい。その原稿内容がびっしり書いてあった。
広告を作りながら「保守の心」を感じるのは難しい
いわゆる左向きの家で育ったせいもあるだろうが、保守なるものに触れずに生きてきた。不本意ながら、様々な指標を図るテストでは常に「ラジカル」だの「独創的」と言われてしまう。
しかし、わたしは基本は大事だと思っている。「守破離」のための基本は大事にしたい。自分では滅茶苦茶な文章を書くこともあるが、見知らぬ人の指摘をやたらと「着物警察!」とラベリングして、年配者を小馬鹿にする人も苦手だ。
それでも、た
SPにつながらない広報が要らないって言うのは、生産性の話と似ている
「制作会社から事業会社に移って広報をしています」そう言うと、ちょっといい感じに聞こえるらしい。今後、多く見られそうな転職の流れだ。たしかに需要はあるし、ハマったら強い。
ただ、広告業界からの転職を考える際に、抜け落ちていしまいがちな視点がある。